SFセミナー’99参加レポート


謎の第三勢力の総統として祭り上げられてしまった俺ことu-kiは実をいうと10年前の大学SF研在籍中にSF大会や地方コンに参加した経歴はあるものの、仮装敵である第一、第二勢力、すなわち「SFセミナー」と「京フェス」に参加したことはなく、しかもダサコンで両イベントの宣伝すら許してしまっていたのだ。どこが敵やねん。
ダサコンで「SFセミナーに参加したことがない人」の挙手を求めた時、参加者約半数(25名程度)がセミナー未経験であった。ダサコン総統としては敵勢力を知っておかねばなるまい。という使命感から今回参加。というのはたてまえである。単に10年ぶりにSFづいているから勢いで参加、というわけだ。しかもダサコン関係者がスタッフ参加&一般参加者として結構な人数参加しているというのも参加の動機としては結構大きいと思う。つまり正直なところ、俺自身がダサコンからSFセミナー初参加というタイプの典型的なサンプルというわけだ。
当然会場である全逓会館やふたき旅館の場所も知らないのでダサコン待ち合わせ組と行動を共にする。
最近寝坊癖がとみに激しいので前日早めに寝ようと思うも、つい翌日休みだと思うとTLS2のコマンドを叩き込んでしまって、気がつくと2時過ぎという中途半端な時間。や、やばい。と、緊張していたためか6時という異例の早さで目が覚める。(要するに既に睡眠時間が不足している。これが敗因)ここで油断すると即二度寝入りしてしまうことはわかっているのでやはりTLS2のコマンドを叩き込む。あああぁぁ……。
で、ヒロイン森下茜のシナリオ、もろバッドエンド。クリア条件がむっちゃ厳しいことを攻略本で確認。はぐぅ〜、とかやってるともう出発時間。復讐を誓いながら家を出る。
水道橋の駅には9時半くらいに着く。当然それらしい集団はまだなく、競馬と「後楽園遊園地で僕と握手!」って感じの人混みに辟易していったん駅の外に出て太陽光線を満喫。うう、こんないいお天気なのに俺と来たら今日一日暗くてじめじめしたところでSFにどっぷりなわけだね、と自らの業の深さを嘆く。
駅に集結したのは13人。
有里さんZERUさんとそのお友達のぴぱさん(たしか本名で自己紹介されていた)、 安田ママさんニムさんお給仕犬さん谷田貝さんカナザワさん【RIKI】さんジョニイたかはしさん溝口さん異次元を覗くホームページの加藤さん、それに俺ことu-kiである。加藤さんは今回初めてお会いしたわけだが、これがまたなかなかのナイスガイである。うん、コミケとかに来てる連中よりSF系の方が遺伝子的ナイスガイ度が高いと俺は思うぞ。
で、10時ちょっと過ぎに全逓会館へ突入。そこで我々を待ち受けていた恐るべき事態とは?!
「すみません、すでに宿が人数オーバーなので当日申し込みで泊りの方はあと5人までです」
がちょーん。ショック大。森太郎さんから「そーゆーこともあるから、なるべく午前中には申し込んでくださいね」とは聞かされていたが、まだ10時ですぜ。
こーゆー時に我先に前へでるタイプではないので「当日お泊り」をチェックした申し込み用紙を手にした俺はあっという間に追い抜かれて昼企画だけの申し込みとなってしまった。うーん、どうしよ、と思い会場内の森さんに泣き付きに行くが、「えー、聞いてないよ」とどうしようもない様子。しまいには「そうだ、ふたき旅館に一般客として泊ればよいのでは?」「おお、そうか、まさに<将軍u-ki忍び旅>って感じでお忍びで偵察ってことになるわけだね!」といつもながら臨機応変(というかいきあたりばったり野郎炸裂)な俺は半ばマジでそれを検討していたところ、柏崎玲於奈ことみらい子さんが「えー、先ほど泊りを断られた方、布団なしの徹夜覚悟なら宿泊OKですので受付けまで」とアナウンス。やーりー!もとより寝るきなし!などとうそぶいて再手続き。(これも敗因)
やれやれ、これで長い夜も安心とあいなったぜ。
溝口さんはさっそくディーラーズコーナーの本を買いに走っていた(笑)。流石である。
SFMのレポートでは何度も見ているセミナーのパネル企画だが、会場全体の雰囲気がこぉーんな感じだとは思わなかったので少しショックを受ける。うーん、ダサコンと比べてはイカンな(笑)
俺は適当に後ろの方のすいた席を陣取る。日大理工SF研OBのはらいそ氏と合流。
ピンク色のスタッフ名札の知り合いがたくさんいることを確認して、昼企画に臨む。

昼企画その1『文庫SF出版あれやこれや』
実は神林長平氏のトークと共にかなり期待していた企画である。
語るはハヤカワの込山博実氏、創元の小浜徹也氏、ハルキ文庫の村松剛氏、司会は高橋良平氏である。
いや、ハルキ文庫関係者に話を聞きたい、というのは前に聞いていたけど、実際に呼ばなくても来るであろう前二社の関係者とは違うわけで実際呼んでいるところにいたく感心する。村松さんは大変若く、俺とそう違わないこともあり、根っからのSF者でもないだろうことから、こなれた感じのする小浜さんに比べたらたいへん居心地は悪そうであったが一生懸命話をされていて、「文庫を使い捨てにした角川文庫の責任を少しはとって当然であるぞ、ハルキ文庫!」という俺の鼻息もしだいにおとなしくなる。そうだよね、あなたたちが悪いんじゃないんだもんね。小松左京なんかは俺が後輩への貸出す率も高くしかも感想もおおむね好評でつまり今読んでもちっとも古くない作品だ、という印象があるのだが、どうやらその通りらしい。ま、年配の人の支持率が高いらしいけど、「噂に聞くけど読んでいない名作」としても売れているとのこと。また、俺なんかも強くうなずいたのだけど、すでに持っているものでも本の傷みが激しくなった人が再度買っているようだとも云っていた。翻訳物や新人賞設立して新刊も出すということなのでますますハルキ文庫からは目が離せない感じだ。
込山氏の語る文庫点数の多いハヤカワの文庫重版の方式なんかとても興味深かった。宇宙大作戦とローダンがあるんだもんね。そりゃ大変だよ。
火星シリーズ合本発売(遅れてマス)に燃える創元の小浜氏の熱弁にココロ打たれる。<星雲賞受賞!>の帯で重版をかけた『天使墜落』やD.R.クーンツのネームバリューを利用した『人類狩り』の重版の成功例の話はとても興味深かった。それと最近の創元SFのあのイカスデザインの表紙、あれは採算度外視である、というのにも感動する。いや、あの表紙は91年の創元推理文庫からSF文庫が独立して以来、ずっと俺が誉めていることだけれども、まさかまさかである。泣かせるねぇ。
で、こまめにやっている「フェア」の使いかたの話がとても興味深かった。
また、ミステリでやってるベスト10とかも効くと云っていた。今創元のやっている「宮部みゆきのベスト1」とか「田中芳樹のベスト5」だとかははたからみて結構強力だよなぁ、と思っていたのだ。つまり小浜さんの思うところの試みは実践されているわけか、と感心する。「誰々の薦めるベスト」だとかミンナがそれにしたがう強力なメディアやオピニオンリーダーの存在が重要だといっていた。うーむ。それは思うなぁ。できれば俺もネット上でそういう存在になってみたいものだが。「ゆうきが薦めるベスト5」とかではきっと10部くらいしか売り上げには貢献しないよな(苦笑)。ここらへんは夜のネットワークのSF者たちの企画の際、再度考えさせられることとなる。
「もう読めない本」の多さに憤慨した昨年9月のSF者OFFが今のダサコンというか今の俺のネット活動に大きく影響してるわけで、「出版社側の怠慢」など怒っていたのだが、こうして出版社側の生の意見を聞くと「大変なんですね、がんばってくださいね」という気持ちに早変わりである。俺って説得に弱いタイプなんス。いや、ホント。
我々にできることといえば「買えなくなる前に買う」ことぐらいなんだなぁ、としみじみ思う。

『ありがとう、台南ターミー』
というわけでここでお昼休みに突入。ダサコンな人々は10人オーバーしており、GWの水道橋付近の混雑を考えるとミンナでゴハンはちょっと絶望的に思えてくる。
朝集合したメンバーにokkoさん とSFMで紹介されたアメコミ「サンドマン」の翻訳をやっておられる海法さんが加わり、かわりにジョニイさんと【RIKI】さんが消える。二人は森山さんタニグチさんと一緒に食べていたらしい。夕飯はこの4名が加わることになる。
まぁ、そんなわけで総勢14名をはからずも率いることになった俺は迷いながらも行き先は一つ。いつでも大人数OKといえばあそこしかない、とばかりに台湾料理屋、『台南ターミー』を目指す。
店に入る時、正確な人数を把握しておらず目算で15名、と店に告げると3階がまるまるあいておりOKとのこと。さ、さすがだぜ、台南ターミー!
実は夜はここにしようと思っていたのだが無計画にこの人数を率いるとなっては贅沢は言っていられない。幸い昼は3種類ランチがあるとのこと。じゃぁ、5・5・5でいいよ、といったらホントにその通りに注文がばらけて「まるでブレードランナーの2・2・4、うどん屋でふたつで充分ですよの世界だ!」と感心。(実際は14名だと判明したので5・5・4になったんだけどね)うーむ、無計画・無鉄砲でもこーして冗談みたいにうまくいってしまうので俺は人生なめてしまうんだよなぁ。
台南ターミーでランチ食べるのは俺も初めて。みんな適当に取り放題メニューをGETして歓談しながらモリモリ食う。食ったあとお初の方も居るので軽く自己紹介。時計を見ると結構いい時間なので会場に戻る。
帰りがけ、安田ママさんに「ニムさんとu-kiさんって何でも思ったこと云えてスゴイって話をしてたんですよ」と打ち明けられる。なんかその場では「無論ですよ、会社でもすぐ余計なことしゃべるんで出る会議とか制限付きなんですよ」とか即受け答えしていたが、あとで良く考えるとあの場でまた何か感心されるようなとんでもないコトを俺は発言しちまったのでは?とかいう疑念が湧く。が、あんまし俺の人生に影響なしと判断。(どうやらwebのことを指していたらしいのでとりあえず一安心)
で、水道橋駅前で「そうだ、夜の分も一応予約しておくか」と思い立って引き返す。
おかげで会場に戻ったのは午後の部開始ぎりぎりであった。

昼企画その2『スペースオペラ・ルネッサンス』
語りは大宮信光氏と森岡浩之氏、司会は堺三保氏。
ちょっと話がかみ合っておらず、なにか高校時代の現代社会の居眠りタイムを想起。実際居眠りこいてる人が続出(苦笑)
あとでカナザワさんとかとも話したのだが、大宮さんのいわんとすることや着眼点も充分面白いので今話題ってだけで森岡さんだけではなく、もっとアンチ・スペオペな人も居れば面白くなったんじゃないかと思う。
俺は最近まで「スペオペはSFか?」なんて騒動があることも知らず、スペオペ=俺がアメリカだ!的宇宙ヒーロー小説=宇宙小説の一派くらいの認識しかなかった人で、スペオペについてよく人に話すのは「アメリカ人が気に入らない相手にプロトン砲をお見舞いする話」「パトロールと称して他人の家に土足で上がり込んで勝手にピンチに陥る話」といっていたのだが、どうやらこれは森岡さんが否定している古いスペオペのようだ。今は銀河英雄伝説のように巨大な勢力構図があるなかでヒーローではない一人物を主人公として描いて行くエピック・スペオペともいうべきものが主流になるのではないか、<星界の紋章>はそういう話である、というのだ。なるほどごもっともである。あと「オトコは超空間航法禁止!」というのも良し。やっぱそーゆーこだわりがないと駄目であろう。(それで「平面航法かよ!(涙)」という話もあるが(笑))
ええっと、話戻って、俺は宇宙へ行こうGOGO!小説嫌いな人である。だから宇宙への憧れ真っ直ぐ小説とか宇宙を舞台にした小説をあまり読んでいない=スペオペは真っ先に排除なんであり、加えてシリーズものはさらに駄目な人である。大宮さんはそういった宇宙へ興味のない人たち──多分世界の大半は宇宙へ進出することを考えていない、もしくはあきらめきってしまっているのではないか?と提言する。そう、俺が世界に感じる閉塞感はまさにそれである。大学時代の創作のルールにも「せいぜい人類の進出は太陽系止りである」というのを作っていたくらいなのだ。それでバラードとかに傾倒していったんだけどね。
そういった解釈を近代文明の持つ「疲れ」だとして、大宮さんは元気なスペオペが出てきて人々の目を再び宇宙へ向けさせることはできないか、という旨のお話だった。
いや、序盤の「帝国の時代」とか、そこらへんのフリ方がまずかったんじゃないか、とか思ったんスけどね(^^; もっとこの辺の話を突っ込んでして欲しかったなぁ、という個人的希望的解釈ですんで、このレポートには異論がある人もいるかもしれませんな。
なんにせよ森岡さんをメインにするなら大宮さんでなくもっとスペオペ万歳な人(シーフォートとかオナー・ハリントン推してる人とかトレッキーな人とか)を付けるべきだったと思うんですけど。
堺さんはえらい苦労して司会進行してたけど、打ち合わせではどんなヴィジョンを描いていたんでしょうか?

昼企画その3『雪風・また未知なる領域へ』
たぶん今回のメインディッシュ。牧眞司氏司会の神林長平氏へのインタビュウである。
最初見た時、「うわー、ホンモノだ」と思うと同時に雪風のころの著者近影が頭にあったので「うわー、なんか年とっちゃったなぁ」とも思う(失礼)。お顔はつやつやでお若い、って感じだったんですけどね。でも、俺も年取ってるわけで、神様って平等だよね、と思う。
いやー、神林先生の「漢(オトコ)の戦闘マッシーン像」というか「オトコがメカに目覚める瞬間(とき)」という感じの意見が聞けたのは幸いである。(一部誇張アリ)
ちんたらしたもの、姿を隠すもの(ステルス技術)などは姑息である。オトコなら圧倒的なスピードを以って一撃離脱。これを聞いた時あたしゃ震えましたよ。この人の書く戦闘メカに一生ついて行くと誓いマシタヨ。
俺のメカに対するスタンスというのはマシンハヤブサのように「マシンは僕だ〜、僕がマシンだ〜」というものだが、神林氏は違うんだ、ということであった。マシンとの親近感を感じさせる描写が多いような気がしていたが機械とは作り手の姿がハッキリわかるものである、という。そういう意味では言語発生器とかじゃなく「文章」というものは書き手の姿が思い浮かぶという点で「機械」と同列であるとのこと。「機械と猫の扱いについて」という話を振られたとき、「うーん、猫は…カワイイですね」という受け答えをしていて笑いをとっていたけれどもすぐさま「猫は最初から猫なわけで、いわば人間と同列ですが、機械は人間が作ったもので、そういう意味では猫と機械は同列の存在ではないです」とのこと。おお、おもしろい、おもしろい!
で、後半は新・雪風シリーズをモチーフにした話に移っていくわけだが最近の7回連続の部分をさらっと読んでいて感じたことを切々と語られて思わずうんうん、とうなずきまくりだったッス。新・旧作品の思い入れや描こうとしている視点の違い、また新シリーズの生みの苦しみなどファンにはこたえられない内容だった。<不可知>に対する神林氏のアプローチ方法の解説なんてめった聞けるもんじゃなし。というか、こういう思想で文章を書いてくれる作家が目の前にいるというだけでなんだかうれしくなってくる。
車の話なので敬遠していた『魂の駆動体』がしきりに引用されて、くやしいやら、おもしろそうやらだったので今度読んでみることを決意。
次回作の展望を聞き、うわ、やる気まんまんじゃん、と思う。頑張って書いてくださいね〜。
続いてサイン会に移る。合宿企画でもやってくれるとのことだったが、晩飯のことを考えると無理してもらう。サインマニアではないけれど、なんかやっぱし嬉しい。

昼企画その4『篠田節子インタビュウ』
司会は山岸真氏。
ふぅ、神林さんにサインもらっちゃったし、もう俺は燃え尽きたも同然だぜ〜。と、だれた気分で迎えた企画だった。篠田節子作品は前日に『聖域』をかろうじて読んだきりで、「あんまりSFらしくねぇよなぁ。でも文章はしっかりしてるし、おもしろいし、でもなんかちょっと俺の求めるところのものが不足」とかいってかなりもやもやが溜まった状態だったのだ。
んが、これが凄く面白かった。超ショック大。ってゆうか、俺はシノラーになる!(篠田節子の小説をもっと読むぞ、という意味(苦笑))という決意をしてしまったほどだ。
こーゆーバシバシはっきり自分の考えを話せるキレイな人に俺ってばヨワヨワ。即信者になる決意を。(嘘)
自分がどのジャンルに属する小説家か非常に不安定である、というところから始まり、「でも物事のとらえ方は絶対SF的」というお話にうなずくばかり。それの証明のために大森さんを名指しで壇上にひっぱりあげた話は以後語り継がれると思うので詳しくは書きません(笑)
作家に至るまで経歴のお話もなかなか興味深かったッス。俺はジュブナイル読まない人だったんで後半は少し寂しい思いをしたんですけど。
篠田さんのSF感、作家としての姿勢なんかが俺の思うところのものとまったく一緒だったので大変感銘を受ける。もし彼女がサイフィクト人だったら強大な敵となったであろう、とか思った。ってゆうか、騒いでいるサイフィクト人の皆さんも少しは篠田先生の爪の垢でも煎じて飲んでいただきたい、という感じである。さらにいえばもっとSFらしい作品を彼女にはばしばし書いていただきたい、と思ってしまった。いや、既刊の作品も充分興味を引いたんですけどね。彼女にSF界のカンフル剤になっていただきたい、と思うわけですよ。まぁ、ジャンルにこだわらず面白いものを書いていただければそれで良い気もしますけどね。
こーゆー志というか、魂の持ち主にもっと頑張ってSFを書いていただきたい。そう思う俺であった。『弥勒』も読まねば駄目か。

というわけで昼の企画終わり。
もっと退屈かと思っていたのだが、もう前のめりっぱなし。
あげくにお忍びのはずなのに9月にダサコン2やります宣言をする。だってー京フェスだって日付未定なのに宣伝したるんだもン(苦笑)
スタッフ及びゲストの皆さん本当にごくろうさまでした!

『台南ターミーは燃えているか?』
燃えちゃったのは神保町の方にあるお店だよね。
ってわけで階段を使って9階を下り、再び台南ターミーへ晩飯を食いに出かける。
夜は17人だった。これが飯を食うためにテーブルを再配置するがもー大変!って感じ。
話した内容は良く覚えていないが、「ヒゲガソダム六神合体説」とか「エロゲーすなわちSFの暗黒面説」などとても飯の時の話題とは思えないことを語っていたような気がする。
ばりばり食べてふたき旅館へ移動する。昼間だけの有里さんとはここでお別れ。

『夜の合宿企画開始』
なんだか道に迷いつつも旅館に到着。寝部屋が確保されていないという悲しい事実を前にしながらもとりあえず荷物を適当な部屋に放ってコーヒーポットを小脇に抱えて大部屋へ。
うーん、すげー。やっぱ見回しても有名人とプロばっかじゃん。ソレ系の人の人口密度はSF大会よりも分母が小さい分高くなってるわけで、その水に馴染んでいない人には「濃い」と思われてもしかたがないと思った。いや、実際濃いんだけどさ。
合宿オープニングで各企画の紹介と小浜さんによるプロ&有名人紹介。
ここでもダサコンの紹介をさせてもらう。うーん、規模の拡大とかも思うところがあるのだが、とりあえず認知度を上げておくのは悪くないっか。もう全然お忍びじゃないな(苦笑)
「ダサコン賞という全然権威のない賞とかやってます。…あ、星雲賞と同じですね」
と一言余計なことを云っちまい、昼の企画で「星雲賞は立派な賞です」と豪語していた小浜さんからの殺意を感じる。す、スミマセン。この口が悪いんです。でも10年前にSFハンドブックを買うまではヒューゴー・ネビュラ賞も星雲賞も俺にとっては同じだったんですよ。今も何もない作品よりは注目するし。第2回があるかも怪しいダサコン賞と同じってのは確かに悪かったです(^^;
まぁ、そんなこんなで夜の企画開始。

夜企画その1『ヴァーチャル読書会』
森太郎さん仕切りの『ヴァーチャル読書会』。もともとSFセミナーの企画で、俺はbook-mlのオフ会で小笠原さん仕切りのやつで経験済だった。が、「SFセミナーだと、ぶっとんだ発言しちゃう人が居るのでなかなか難しい」といわれていたのだが、今回もmlオフの時に比べて暴走しちゃった感じはあった。レジュメ見て俺はさっぱり作品のイメージができてないながらも第一発言者だったのでとてもイヤンだった。mlオフの時は『夢果つる街』が元ネタでそんなジャンルの本すら読んでいないのにやったとき、結果がまったくその通りの本になっていたのは感心したんだけどなぁ。
でも一巡目が終わった時にはかなり俺内部では具体的な作品イメージが出来上がっていた。ネタがSFだとなんでもありで荒唐無稽に見えてもそれを許せてしまうジャンルなんだなぁ、と思いながら勝手に作り上げた作品像にワクワクする。最初はバラードとかヨーロッパSF系の観念的、抽象的、メタメタSFを想定していたんだが、次第に最近読んだディックのアホタレSF『銀河の壷直し』のイメージにシンクロする。だって『世界の壁のその上に』ってタイトルで主人公がいきなり「時空を移動する左官」になってしまったんだよ。「タイヤの溝掘り職人」とか「壷類修理職人」とかに匹敵だって(笑)。
主人公と恋人が時空をまたにかけて繰り広げる追いかけっこ、というところに『ダブエストン街道』を重ねたところに浅暮さんが「梯子」を持ってきてあげくに「金本位制を覆す梯子本位制の導入には驚きました」っていうのには悶絶。
日本人ヤクザが土建屋として登場。サイバーパンクの走りではないか、というところも『キャッチワールド』『ヨナ・キット』なんかを思えば悪くない。ただ、発言者がそれらを念頭においていればの話だよね。作品が書かれたのを70年代後半とかにすればこれでも充分納得なのだが。ちょっとパッションで語りすぎかな?それも面白くするのには重要だけど、ディティールの積み重ねで架空の作品を作り上げて行く、ということをもう少し事前に念押ししておく必要があったように思いますな。あるいは感想タイムと議論タイムにキッチリ分けるとか。レジュメの形式と事前のルール(しばり)の部分が森さんのやつよりは小笠原さんのやつの方がよかった気がするのであとでちょっと話してみたい。
新本格真っ青のSFミステリという解釈もあったけど、元ネタがティプトリーの未訳長編である、という解説を聞いた時、よっぽどこの事実の方がミステリーだったよ、とか思ってしまった。
作品像が収束しなかったのがちょっと残念だったけど、面白いことは面白かったです。なんとも時間の経つのが早い企画であった。

夜企画その2『「SF風景の解読」の解読』
風野さんの部屋とかけもちする予定だったけど既に超満員だったので逃げました。
中村融さんのSFM連載「幻想空間の測量図──SF風景の解読」がとても面白かったので、そのライブ版を俺が聞き逃すはずもなし!というわけでこの企画へ。これが牧眞司さんの「牧流・SF作家評伝」と並んでいた頃のSFMがとても好きだったのだ。(これは読書日記にも書いてありますんで、横に牧さん居たんでおべっか使ったわけじゃないッスよ)
中村さんは冒険家的風貌のナイスガイでした。実は連載時、メジャーな作家の作品を一辺倒な解釈ではなく別の切り口から解釈することで再発見を促し、初心者にもやさしい作家・作品紹介にする、という企画なのかなぁ、と思っていたのだが、そんなのよりも深ぁーい意図があったのだ、と知る。
最近は読書感想文的な書評が多いので、書評でこんなことができるんだ、ということを示すために書評を使った文明論的なものを目指したのがこの企画だという。ジャングルの遠近感のない風景から遠近法を用いた数学的な距離感を我々がデフォルトで持ってしまっていることなんかのお話を聞く。実はこの点、俺も心理学か何かの本で読んだ時にえらく感心したことがある。人間の横に小さな象の絵がありそのさらに横に大きいライオンの絵がある。水平線が一本描かれる。すると我々は消失点を設定し、人間とライオンが同じ横軸に居て、象は奥の空間に居ると解釈するのだが、遠近法を知らないアフリカ現地の人は例外なくライオンとの間には象がいるのでライオンが人を襲う絵には見えないのだという。これって実際の絵を見せられて註釈がついても分かりにくい話で、そこまで我々には遠近法が染み付いてしまってるんだ、という記憶があるのだ。
そんな感じでSFの文章が5感に訴えかけてくる表現というのに中村さんは着眼してそれを「風景」としてとらえて話を進めてゆく。オールディス、シルヴァーバーグ、バラード、クラーク、ドイルのロストワールドの中村さん流の読み方を聞いてえらく感心する。
夏目漱石の変わった読み方なんかもとても興味深かった。いや、作家じゃなくても人を楽しませる文章の書き方や本の読み解き方がこんなふうにできるんだなぁ、と思う。
10年前、ハヤカワSF文庫20周年記念の際に出た『SFハンドブック』をはじめ、別冊宝島の『SFワンダーランド』、笠井潔の『新装版・機械仕掛けの夢』、水鏡子の『乱れ殺法SF控』など、面白いSFのガイドになるような、あるいは初心者に指針を与えるような、作品への新しいアプローチを与えるような、そんな本があったのだけど最近ではさっぱりなので新しいSF読みの人のためにもこの両連載の単行本化なんかがあると嬉しいのだが、ということを強く感じた。ハヤカワさん、頼みマスヨ!
中村さんの個人的なイロイロで現在SFMの連載は休止中で、再開の見通しはまだたっていないという。ああ、中村さんにもがんばっていただきたいところである。

夜企画その3『お茶大SF研の部屋』
で、アニメの部屋と作家志願の部屋は予想通り超満員。ここで「金払ってるんだから」とかそーゆー以前に「人を押しのけても是非聞きたい」と思わなければいかんのだが、眠まっていたので気分を優先。人混みは嫌いだよん。というわけでそのまま『SF風景のその向うへ』の企画に行こうと思う。SF文庫のカヴァイラストの話が掲示板で盛り上がった頃、サンリオから出ていた『イラスト劇場Vol.1SFファンタジー』を購入してSFアートとかの見直しをしていたので田中光さんの話は聞きたかった、のだが、、ちょっとタバコ休憩、とかいって『お茶大SF研の部屋』に居たら和んでしまって結局次の企画も同じ部屋だと気が付いてそのまま居着いてしまった。
ええ、大丈夫ですよ。女子大生に幻想なんて俺は抱いていないッスから。全然幻滅とかしていませんよ、ええ(笑)。
質実剛健、清貧なお茶大生の生活を聞かされて涙を禁じ得ない(;_;)
そしてますます森太郎さんの存在が不思議なものとなる。名誉男子会員なの?(笑)
ここで持ち込みのコーヒーが切れてだいぶ弱まってくる。そのまま次の企画へ突入。

夜企画その4『ネットワークのSF者たち』
で、最後の企画『ネットワークのSF者たち』へ突入。「総統にはダサコンの話をしてもらいたいので」と森太郎さんに誘われていたので今日はこのためにここに来たといっても過言ではない。裏で進行しているダイジマンさん参加の『ほんとのひみつ』にも心惹かれるがしかたがない。
ハンドル&URLを記した札を額に掲げるとか、SF系サイトとミステリ系サイトどっちが多いと思うか、実際覗いているサイトの割合はどんなものかというアンケートをやらせるとか、検索エンジンでひかかかるSFとミステリのサイトの数の結果表をくばるとか、とにかく事前準備と芸が細かいのは主催の森太郎さんの性格だろうと思う。俺だったら用意するのは己が口先だけだもんね。
これらの前ふりは「数の上では劣っているはずのSFファンがウェブ上ではミステリに比べて目立っているような気がする」ところのウラをとりたかったためなんだろうが、サンプリングする母集団がSF汁の濃ぉいところから厳選しまくったようなものなので、このアンケート結果に偏りが生じるのはあたりまえで全然参考にならないと思いまーす。とか思っていたら、東洋大SF研の田中さんが「えーっとこれはもうどうでもいいので」バリッとその紙を破り捨て「話を先に進めます」とやった時には思わず感動してしまった。思い切りのいいパイロットだ!
ネットの書評系ページの傾向と対策についての質疑応答。なかなか興味深い。
皆さん本を買う前に他の人のレビューとかある程度気にされるみたいだけど、結局買う買わないは自分次第なのね、という感じ。むしろ読後に他の人がどう感じているのか知りたくて綿密なリサーチをするようだ。うん、確かにこの人が読んでるの見なかったら絶対に索敵範囲外の本だったよというやつ(例で云えば『セレーネ・セイレーン』とか『ブギーポップ』とかかな?)もあるけれど、そういうブックガイド的な役割よりは読後の感想を語り合いたいという本読みさんにありがちな欲求が書評ページには求められているようですな。ようはそれ読んで掲示板なんかで口出さないといられない俺みたいなタイプもいれば読んだだけである程度「語らいたい感」を消化できちゃうタイプの人もいるってことですな。
田中さんが「私は安田ママさんやu-kiさんところを読んで参考にしてます」といってくれたときそりゃどーも、って感じで凄く嬉しかった。結局掲示板やメールでレスをつけてくれないだけで実際に俺の読書日記を読んでる人ってどれくらいいるのかな?などと考えると同時にもっと若い女性にも安心して読んでいただける内容にした方が良いかも、などと考えるがその考えは5秒間くらいしか持続しなかった。うむ。誰かのためではなくて自分第一で書いているんだもんなアレは。まぁ、それはそれで。
ダサコン発足の経緯について俺。
ようするにSFの話をしたいのにうちのSF研の若いモンと来たらゲームやアニメの話しかしやがらねぇのでネットのSF者の皆さんとオフりたかったのだ、と話す。
ダサコンはコンベンション形式とはいいつつも、基本的に拡大されたオフ会であり、泊り形式にしたのは時間を気にせずお話できる場が欲しかったのだ、と説明。
あとは「SFのコンベンション」という言葉の響きが持つ「敷居の高さ」の排除、なんかについても語りたかったのだがそこまでは話が及ばなかったように思う。
ジョニイたかはしさんの「沈黙のフライバイ」に星雲賞を!の動きのすばやさとか参加型のページについての話になる。参加型の企画となるとジョニイさんの名前は幾つも挙がってくるようで、うむ、着眼点と実行力においてはやはり素晴らしいと常々思っていたのだ。やはり「情報」をやりとりする場合、ネットに勝る手段はないわけで、あとはそれをどう使うかではないかと思う。だって星雲賞にしたってSFを読んでいる人がどの作品を気に入っているか、という情報を集めるためにまずSF大会に申し込みをして、ノミネートリストを作って、郵政省メールでそれを配信して回答を回収して、ってやるわけですが、そんなプロセスに何ヶ月もの期間とマンパワーを割くのは非常にナンセンスなわけで、そりゃー年に一回一種類くらいしか無理だわな、という気にもなる。誰が何をどう思ってるかという情報だけならネットでやる気になりゃ何度でも集められるし、その情報が何か物事を動かせるだけの威力があるとすればもうネットにはかなわないでしょ。沖縄の人と北海道の人が距離関係なしに相談できるという距離的な制約も情報が伝達される時間も全然違うわけだし。というのがダサコンがスタッフ集会2回で運営できた経験からも俺的に強く云えることですな。あとはこの参加型の企画で何ができるか、って部分を考えると面白いかもしれない。
「沈黙のフライバイ」に星雲賞を、ということではSFオンラインの添野さん含めて割とマジな組織票の話とかになる。うーん、あちこちから漏れる「勝てる」という言葉になんだか無性に燃えるものを感じるのは俺だけでしょうか?
で、半参加型というか、絶版本の復刊希望企画「審判の日」溝口さんと創元の小浜さんのやりとり。俺なんかがくだ巻いて終わっちゃってたようなことがこうして目の前で出版社サイドと生でやりとりされてるような状態こそなんかまさにサイバーエイジって感じがしてしまったんですがいかがなもんでしょう?SFセミナーとかSF大会という「場」はもともとファンとプロが直にコミュニケートできる特別な場であったわけで、特定のプロの方が所属するファンダムに身を投じなくてもプロ・業界人との意見交換ができる、というのが強みだと思っていたのだけれども、インターネットにアクセス可能なプロ・業界人が増えてきた昨今においては時間的距離的な制約が発生するコンベンションでなくネットのほうがそういうコミュニケーションの場として機能してしまってるんであり、あとは双方向性とかリアルタイム性といった人間的なコミュニケーションの方法にだけ違和感を感じるか否かだけではないのだろうか?とか、ネットで罵倒を公開してる身としてはやりずらくなったと思う反面、「主張」とか「嘆願」はしやすくなったと思っている。雑誌の読者投稿欄みたいな物こそオンラインで用意して作り手と読み手が意見交換しより良い紙面作りに反映されるべきだと思ったりしているんだが、いかがだろうか?
うーん、しかし俺なんかプロの前だと思わず恐縮しちまってそのくせ云いたいことはいっちまうんでなかなか自ら進んで前に出にくいところがあるんだけど溝口さんや森さんはその点、臆するところがなくてすげぇなぁとか思ったりする。
さてここで森さんが、「ネットで十分コミュニケーションできるのに、どうしてオフ会やるの?」と聞かれて、うまく答えられなかったと発言。俺は会場を感動させようと「そりゃ無論、人間だからだよ」と発言するもあまり感動は得られなかった様子。うーんNIFTYなんかの会話するテーマが限定された挙げ句にスレッド形式だった頃に比べれば多少自由になったとはいえ、まだまだ人間文章でやりとりするよりはしゃべった方が早いし楽だと思うので、それでオフとかやるんだと思うのだがま、ここらへんは別途じっくり考えてみたい。文章でのコミュニケーションは「一端見直す」機会があるのでそこはもどかしさを差し置いて慎重な意見交換ができるアドバンテージだと思うんだけど。俺のように推敲なしでばしばし掲示板やメール出してしまう奴にはあまり意味がないんだけどね。
今ダサコン関係者間で築かれている擬似ネットワークファンダムのようなものの持つ意味は色々あると思う。かつて大学SF研が担ってきたもの、小さな地方コンベンションが担ってきたもの、少ない発行部数で発表の場も限られていたファンジン・同人誌の代替媒体、などなどウェブページだとかネットワークだとかが肩代わりしてくれそうなものは山ほどわるわけで、あの人数で1時間半で方向性もなく語りあうにはネタが豊富すぎると考える。
何か去年も似たような企画があったみたいですがどうなんでしょ?
結局意見は収束しないまま、お開きとなってしまった。うーん、ネットあれこれ座談会としてはこれで良かった気がするけど。
オフラインでこうなんだからネット上でmlや掲示板なんかじゃ表現力に限界あるよね、って感じである。
ダサコンのダサコンらしさというか、どういいう存在であるべきなのかとか、オフ会の意味とか色々考えさせられることがあったのでここらへん別途エッセイにまとめたいと思います。なんかレポートというよりは企画に参加して俺の思うところみたくなってしまいました。スマンです。

『その後、朝までうだうだ』
パンフに載っている企画は終了。しかし、実は「牧さん救済」と謳われた本のオークションが開催される。ここももー人があふれんばかりなのでパスパス!というわけでまたネットの企画の部屋に戻ってきて居るメンバーで次回ダサコンの打ち合わせでもするか、ということになる(笑)。
ダサコンに祝電をくださったタカアキラ_ウさんにお礼を云ってお話する。なんと春から関東に移ってこられたそうなので次回ダサコンには是非参加してくださいね。同じく喜多哲士さんにもご挨拶。こうなってくると昼の部終了時に冬樹蛉さんにもお声掛けしておけばよかったと少し後悔。
次回ダサコンについては2分くらい語らったところで話は横道に逸れる。
堺三保さんの「実録・シュールストレミングの恐怖」がスゴク楽しかった。えぇ?だからなんでダサコンでそれを使わなきゃイカンのですか(笑)噂のガンドレスやオフレコなあんな話やそんな話を聞かせてもらって超GOOD。ええ、無論バラシたりしませんよ、ええ。
あとは三村美衣さんが炸裂していたのが印象的だった。みらい子さん含めてここらへんがセミナーの歴史なのだろう。
なるほど、スタッフの皆さんとは2時以降こーゆー形式でふれあえば良いということですね!俺としてはBNF森太郎さんと野田令子さんの威力にちょっと感動していました。ううん、やっぱ俺とはちょっとタイプが違うんだよなぁ、という感じ。将来「SFの偉い人」として名を残して欲しい感じですな。(って俺が云うまでもなくその道歩いてるよね)
噂の大河SF、<チョンクオ風雲録>の最終16巻での大ギャフン落ちの話などを聞くと、ギャフンマニアの血が騒ぐものの、目の前に身を挺してその犠牲になった方達を見ているとやっぱ人生無駄にしちゃいかんよな、とか思う。

前日の睡眠時間が短いこともあり、5時頃トイレに立つともう横になりたくてしかたない状態へ突入。しかし!寝部屋は人でいっぱい(;_;)やむなく荷物を置いた部屋で擱坐。やはりこーゆー事態に備えて上着は必須である。冬はコートね。7時くらいに宿の方が騒がしくなったので大部屋へ移動する。
谷田貝さんに池澤春菜嬢の書いているブックレビューの記事を見せてもらう。こ、この人『カエアンの聖衣』とか『アルーア』とか読んでプレイボーイで紹介してるよ…。こーゆー女性と是非お友達になりてぇ。というか若いアニメ野郎をSFに引き込む呼び水としてハヤカワ・創元あたりの出版社に是非動いていただきたいというか、ニュータイプとかでばしばしSF本のレビューとかやってもらったらいかがか?プレイボーイを読んでいる野郎よりは見込みがあるぞ!
カナザワさんから神林氏の好きな作家は実はバラードである、なんて話を聞いて盛り上がっているうちにエンディング。なんでもこんなに人が残っているのは珍しい大盛況だったとのこと。来年もこうだといいですね。
ダサコンな人は解散後も宿の前でもたもたしていたので、こ、これはまたサテンでだべりモード突入か?という雰囲気で(案の定、そうだったようだが)俺は体力の限界を感じてさっさと逃げ帰ってしまいました。うーん、ここまで来たらあと3Hくらい我慢すればよかったかな?
なるほど、SFセミナーと京フェスという仮装敵、というよりはダサコン対抗モデルのひとつを体験したわけでかなりいい経験になりました。ダサコンは「対抗」するのではなく、その存続・共存のためにどんな形態でやっていけばいいのか、良い意味でどう差別化していくか考えるネタが収穫できました。スタッフの皆さん、9月に向けてがんばりましょう(笑)

いや、最近、再起不能になるくらいギャルゲーにはまっていたのが嘘のように本だのSFだのに興味が戻ってきたので(苦笑)そういう意味ではSFセミナー、良い刺激でした。 以上。


(99/5/5 wrote.)