U-kiの読書日記(00/9/9〜00/9/20)

『U−571』(ハヤカワ文庫)マックス・アラン・コリンズ、読了。 - 00/09/21 00:00:00
本日の調子: 今回ユルゲン・プロホノフは出ませんか……。

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#9月20日
くそう、入院してしまって映画を見に行けそうにないので小説でガマンだ。
俺の軍事兵器関連方面での大先輩であるSさんから色々仕込まれたせいもあるが、やはり男のロマンは原子力潜水艦などではなくてやっぱU−ボートに限りますよ。男のロマンは狭くて暗くて爆雷で死にそうになるところにあるわけですよ。臭くてヒゲもじゃで酸素不足でHER、HERしてるところが燃えるわけですよ。両舷ディーゼルで潜行中はバッテリーで航行。魚雷発射管は1号から4号+艦尾魚雷管。そして急速潜行時には「総員艦首へ走れ〜ッ!!」なんですよ、ええ。まぁ、U−ボートでなくても映画『潜望鏡を下げろ』みたいな旧式の潜水艦ならなんでもいいんだけどね。でも「なだしお」とか人間魚雷とかは勘弁な。(コング風に)
まぁ、潜水艦の天敵である駆逐艦も燃えるけどねぇ、『眼下の敵』とか『駆逐艦キーリング』とか。でも潜水艦の方が俺は燃えるなぁ。音でしか「見えない」ところとかもね。
今回、楽しく丘で48時間の休暇&友人の結婚式パーティーなんぞを楽しんでいた米海軍の旧式潜水艦S−33の乗組員に緊急出動命令が下った。集合して自分の艦に描かれた鷲と鉤十字にびびる乗員達。なんと彼らに下された密命は航行不能に陥ったドイツ軍U−ボートに彼らの援軍より先に到着し、暗号機「エニグマ」を奪取することだった。そんなことは海兵隊にやらせろといきまく乗員達だったが事態は急と極秘を要し、選択の余地はなかった。というのがお話の基本設定。
主人公・タイラーは良き副長であったが明らかに艦長としての資質が欠如していることを艦長に看破されており、まだ自分の艦を持つことを許されていなかった。んで、実際、U−ボートへ移った数少ない乗組員の統率を図ることが出来ない。ってゆうか誰一人命令を聞きやしねぇのだ。あげくにお情けで生かせておいた捕虜がコトも有ろうに××でことごとく作戦の邪魔をし、艦を自沈させようと次々と工作をし、彼らを窮地に陥れる。俺だったら迷わずトンプソン・マシンガンを叩き込んでいるところだぜ。まぁ、そこがサスペンスフルなんだけどね。
なんといっても見せ場は、なんとか不慣れな海兵隊のまねごとをやって敵潜水艦を制圧したところまでは良かったが、それから起こった突然の大ピンチ状況により、ドイツ軍のU−ボートを操作して戦わねばならなくなるシーンである。

「潜水艦の構造なんてどれも同じだ!ミンナ、頑張って操作しろ!」
「でもなんか説明書きが全部ナチ野郎の言葉なのでさっぱりわかりません」
「あと6秒後に魚雷を発射しなかったら死ぬぞ!ドイツ語の単位を持ってるヤツ!艦首魚雷発射管へ急げ!」
「なんか、『空気出す』とか書いてあるからこれじゃない?」
「ええぃ、もう押しちゃえ、押しちゃえ!」
バシュッ!!バッシュッ!!
「やりました、艦長、魚雷出ました!」
「よし、続けて3号から4号発射!&急速潜行!」
「艦長、ディーゼルの不具合があって修理しようにもパイプとかの説明書きがわからんのですが」
「あと6秒後に深度160に達しなかったら爆雷にやられるぞ!ドイツ語の単位を持ってるヤツ!艦尾機関室へ急げ!」
「……俺、もう泣きそう(byドイツ語分かる人)」
いや、なんかの映画雑誌でこーゆーシーンがあるって聞いたんで見に行こうと思ってたんですが、小説で読んでも愉快ですな(笑)。これが映画で暗くて狭くて死にそうなところでドタバタやってたらさらに愉快だろうなぁ。
調定もしてない盲撃ちの魚雷で敵が沈んじゃったり、敵の魚雷がギリギリ横をこすっていっただけで助かっちゃうとかはさすが『コンバット』のサンダース軍曹を生み出した国の作品だけのことはあるなぁ、とか思ったり。ラストの逆転劇もまったくお約束通りなんだけどね。でもカッコイイので許す。
ラスト付近の駆逐艦による爆雷攻撃の苛烈さは文章で読んでいるだけでもイヤンなってくるくらいしつこいが、これは文字で「ぐわん!」とかやられても全然迫力ないので是非映画で見なければならない。
最後、搭乗員すべての命を救うために身を犠牲にする兵士(しかも選ばれた理由が小柄な体つきだ、というだけ!)がまさに俺の超オススメ潜水艦小説『敵対水域』の若い兵士や『ポセイドン・アドベンチャー』風のパニック映画で身を挺して他人を救う人のシーンとかとかぶっちゃってなんかお涙ちょうだいハリウッド映画臭いぜ!って感じでイヤンだったなぁ。
ラスト、これからどうなっちゃうかわかんないけど、タイラーが優しいだけの副長から立派にコマンディング可能な艦長(無責任艦長じゃないよ)に成長したってところで終わっているのは海と空の青さのなかで爽やかさんな印象で終わってて、まぁ及第点ってとこでしょうか。映画はムリでもビデオで絶対映像で見よう、と誓うのであった。


『パジャマでごろん』(花とゆめCOMICS)ささだあすか、読む。 - 00/09/20 00:00:00
本日の調子: 今の俺もパジャマでごろん、だがな。

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#9月19日
こぉ〜ら〜〜っ!TK!!俺のふわふわ症候群にぢゃすとふぃっと!するようなこぉーんなふわふわ漫画を見舞いに持参するなぁ!
表紙からして何かヤバイ!感じはしたのだが、さらに裏表紙を見ればなんと湯気立つペア・マグカップ……。
ぬがぁーーっ!!!俺を、俺をこれ以上ふわふわ気分にさせるなぁ〜〜っ!!!
あやうく致死量だぞッ!
大学3年と2年で学生結婚。しかも理由は「なんとなく便利だから」。双方の親も「まぁ、いいんじゃないかしら、おほほほほ」だとぅ!そんなわけあるか畜生!現実をもっとキビシク見つめろっ!部屋で一人淋しくセブンイレブンのドライカレー弁当を食っていただきますもごちそうさまもただいまもおかえりなさいもない生活の寂しさを直視しろっ!>俺か。
そして夫婦はコーヒーが好き。若奥様はたい焼きが好き。(あゆ〜っ!
そして他人の前ではあっさりさっぱりテンションひっくーい2人ですが、二人きりになったとたん……俺、赤面!!いちゃいちゃしやがってこの野郎〜っ!!!
はぁ、くそぅ、超うらやましーよ、いちゃつきてーよ、ぎゅぎゅってしてーよー!嫁でも彼女でもいいから誰か俺にくれ!ってゆうかよこせ!別に箱に箱に入ってなくて良し!SEXレスで同衾のみでも良し!なんとかしてくれ!!(じたばた
妻・はるひは夫・鉄太郎に問いかける。「夫婦って何?」「家族・家庭って何?」と。
それは俺なりのフクザツで怪奇で意外と単純明快な回答があるのだがそれは今は内緒だ。そのうちエッセイでも書いてやろう。
いらいらもハラハラも喧嘩もせずにまさに「パジャマでごろん」という感じの平穏そのものな内容は究極の癒し系と云えよう。誤解や嫉妬や喧嘩なんぞないラブラブ漫画があったっていいじゃないか!と常々思っていた俺には目から鱗のふわふわ漫画であった。こいつらきっとSEXもしてねぇぞ(涙)。
巻末に収録された読み切りもおセンチマキシマムな内容で胸キュン炸裂です。高校3年生にもなって車中同衾なんてお父さん許しませんよッ!!!(しかし、おセンチだ…)
幸せだ。読後ただひたすら癒された。ありがとうTK。久々にいいモン見せてもらったよ。まぁ、最大の謎はTK、貴様が何故こんな漫画を持っていたか、だ。まさか俺用に買ってきたの?(だったら狙いドンぴしゃだったけど)


『言霊』(ハルキ・ホラー文庫)中原文夫、読了。 - 00/09/19 00:00:00
本日の調子: ケンペーくんは幻冬舎文庫から発売中です。

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#9月18日
この本は三省堂の2Fがやたら力入れて売っていたので買ってしまった。薄かったし軽く読めるかな、と思って。
風野さん愛・蔵太さんの感想も読んでいたしね。(でも基本的に興味のない本の感想は熟読してないのでなんとなく頭の片隅に残ってたって感じだったが)
ホラーというジャンルに関しては以前から一言物申したかったのだが、ホラー系作家の方もネット上には多いし、自分がそれほど読み込んでいないので躊躇していたのだがさすがにコレを読むに至っては黙っていられない。
超常的な現象が科学で説明がつかないかつ状況があるとします。例えば、死人が生き返るとかです。これが原因が何であれ──神様がくれた奇跡であれ、貞子の呪いであれ、旧陸軍の作った不完全な細菌兵器であれ、隕石についていた宇宙バクテリアであれ、突然非日常的な世界に突入するわけです。で、それに対する作品のアプローチによってジャンルって決まってしまう気がする。
死んだ少女が思いを遂げるためだけに、七日間、現世で行動が出来るようになる。とかだとファンタジー(ファンシー?)。死んだ恋人を生き返らせるために冒険の旅に出る、でもいいです。
死んだ人の死体が突然動き出してどんどん人を襲ってゾンビが増えていく。まともな人間はどんどん減っていきながらもなんとか生き延びようと頑張るが、一人、また一人と仲間が減ってゆく。事態が解決するかどうかもわからない。コレはホラーですな。描写はサスペンスフルというより生理的に身持ち悪かったり怖かったりする。
それと同じ条件なんだけど、原因がバイオバザードだったり、隕石についていた宇宙からの生命体だったりして増殖の仕組みややっつける方法(事態の解決法)が科学的に解明されていきながら話が進むとSFになるわけです。この解決法がオカルトじみていたりして<超科学的>だったりするとホラーとSFの境界が曖昧になるわけですな。また、魔法に<原理>(ニーヴンの「マナ」とかでも良い)がつくとややSF者にもとっつきやすくなるのかな、とか個人的には分析したりしている。まぁ、俺個人の分析なのであんまり真剣に考えなくていいと思うけど。
ま、そーゆーわけでオカルトな説明やインチキなSFの説明は許せてもホラーやファンタジー系な説明はなぜか受け入れがたい俺だったりする。これはジャンル云々ではなくて俺の性分なのでしかたがないとあきらめているんだがね。
というわけで、今回の「正しいヤマトコトバを極めて言霊の力を得て、言葉通りのことを実現させる力を持った」なんつー設定はもう間違いなくホラーです(笑)。超正統派ホラー!
とあるきっかけでヤマトコトバによる言霊の霊力で空を飛び、人を爆破させるような能力をもった魔人が現世に蘇り、池袋、渋谷あたりで「チョベリバ」「マジむかつく」とか乱れまくった日本語を使いまくる若者を燃やして爆破しまくり、ついには新宿アルタ前で「現代仮名遣いとか当用漢字とか使って戦前の文字も読めんようなやつは逝ってよし!」といわんばかりに大勢の人の声を奪ったりしてしまうのだ。
彼の復活のきっかけと彼がこの世に居続ける怨念の元凶とに関わりを持つ主人公・谷川も彼の怨念の元凶を探るうちに彼と同等の力に目覚め、正面から対決することとなる。
和歌に宿る言霊の力比べ=和歌バトル合戦はドラえもんの<コノウソホント>を飲んだ二人のほら吹き合戦みたいで確かにバカみたいだが、風野さんや愛・蔵太さんほど「バカ」の様には見えなかったですなぁ。なんとなく『伊賀の影丸』の忍法合戦や、俺の大好きな『ハイスクール仁義12巻』のマントラ合戦を彷彿とさせて面白いことこの上なかった。
だって、詠唱してるのが和歌じゃなければハイ・ファンタジーの魔法呪文詠唱合戦による対決と同等じゃないッスか。俺、ドラクエとかやったことないけど、火焔系の呪文に対して冷却系の呪文で相殺したりするわけでしょ?ただこの戦いがそういう魔法が使えるという前提のない通常世界で行われてるってところがアホらしいとは思うけど。あと防御魔法みたいのがないからその歌で起こそうとしている「現象」(燃やすとか、風を吹かすとか、殺すとか)をいち早く察知してそれを相殺出来る和歌を思い浮かべなきゃならないのは大変だよねーってのが良かった。あと歌の出来具合(完成度なのか知名度なのか、俺にはわからなかったけど)が上の方が勝つ、というのもなかなか楽しかった。戦ってる二人とも和歌に通じてるからバトルの最後の方の盛り上がりも良し良しであった。
『レキオス』のラストもこれぐらいの魔法合戦だったらもっと楽しかったのになぁ、と思う。
オチはありきたりだけど美しいので許しましょう。希代の怪作・傑作といえましょう。
こうなると同じハルキ・ホラー文庫で「ゾンビにお注射しましょうね」『ナース』(山田正紀)とかも読みたくなっちゃうなぁ。


『ポゼッション・トレーサ』(富士見ファンタジアコミックス)米村孝一郎、読む。 - 00/09/18 00:00:00
本日の調子: 追いつめられて川底に潜ったジョジョなみ。

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#9月17日
ドラゴンマガジンに連載されていた「オカルト版甲殻機動隊」みたいなカンジの漫画、と後輩に云われて、『ブラック・ロッド』とかを読んだあとでオカルトづいていたので読んでみる。
宇宙が原子や素粒子を単位に構成されているという考え方に並行して世界は意識と認識によって作られているという考え方がある。
個人とか個性とかいうものは、全てがつながっている混沌=無個性化状態の空間から、意識という波がある境界面を越えてはみ出ると個性化して「個人」となり、その個性化した意識が他の「個人」と干渉をはじめて他の個性と同調したことを「認識する」という。
というなんだか小難しい理屈があって、その全ての意識が繋がっている「混沌」の中を「グリフ」と呼ばれるある程度混沌のなかでも個性を維持できる「形」を持った門を作り出してそれをくぐり抜けていくことで混沌の中で自己を保って他人の意識(個性)へたどり着き憑依することが出来る「憑依能力者」の刑事さんが登場するお話。
(ここら辺の理屈は漫画の中の図説が非常に的確なので実際に読んでもらった方が良い)
混沌という集合無意識世界を通って相手に憑依する、ってアイディアは考えたことはなかったけど、この混沌とそこから持ち上がった個性という名の意識の波が干渉し会って認識を行い現実を構成する、という考え方は高校生ぐらいの頃俺も持っていた考え方だなぁ。あのころはフロイトだのユングだの哲学書だの読んだあげくにまだまだオカルティズムにどっぷりだったからね。
わかりやすいけど、「憑依能力者の刑事さんが登場するお話」と書いたとおり、その憑依能力者がどういう活躍をしていくか、というところまで話が動いてないところで連載が終了しているので、『ミシング・ゲイト』の方が評価ははるかに上ですな。
しかし、米村漫画はの「世界構造」というか世界観は難解だがそこが最大の魅力とも云える。是非新作を描いてもらいたいものだ。


『レッドアイズ1〜2』(講談社KCデラックス)神堂潤、読む。 - 00/09/17 00:00:00
本日の調子: リアルバトル中のキリコなみ。

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#9月16日
記録によると1巻を読んだのは2月12日。引っ越しのごたごたで感想をアップできなかったようなのでこの機会にまとめて感想をアップ。
昔は技法的にも硬質なメカと柔らかい人を描き分けるのが難しかったのだろうが、最近のアニメ世代の漫画家達の腕前はすばらしく、このようなメカと人が一体になったものが動き回ってもちっとも違和感がないところが素晴らしい。
装甲強化服はあんまり前面に出ていない。しかしなぁ、この主人公グラハルト・ミルズの行動はどっからどこまで『装甲騎兵ボトムズ』ウド篇のキリコ、そのまんま(笑)
ってゆうかヤツもがんばって個性出そうとしていたけど、戦場から必ず帰ってきて死神扱いだけど実は優しいってゆうタイプはもはやステレオタイプ化されてしまったのではないだろうか。
基本的にお話としてはリベンジもの。ふつーはね、何も知らされずに作戦に参加させられた一兵卒が上官に騙され&尻拭い&殺されかけて、リベンジ開始。「秘密を教えろ!」「何か情報は?!」「アレはお前が持っているんだろぅ!?」とか『プリズナー』『虎よ、虎よ!』な展開を繰り返しつつ、だんだん上の階級、上の階級と問いつめる相手を上りつめていくわけだけれど、今回は隊長が部下全員に裏切られると云う、なんか上司ばかりがすげかわっている会社での俺の属しているチームの「謀反行動」ようで楽しい。ちょっとイレギュラーだよな。
最初に前知識無しで読んだときはそのリベンジ魂と、細い線で描かれる鋭角な戦闘描写、ナイフや肉体そのものを使った格闘戦から装甲強化服vs機甲師団とのメカvsメカの戦闘シーンの描写の精確さに痺れまくり、
読め!死んでも読め!
とただひたすら絶叫したもんだ。2巻目に入っても、新型SAAの採用試験とかの話になっていてメカフェチには堪えられんほどイカス描写が入りまくっている。いきなり「ネメシス撃ち」(腕を交差させての射撃方法)を繰り出して敵基地内に侵入。そしてアリーナ状の模擬戦闘フィールドで対峙するかつて生死を共にした上官と部下。「大尉、あなたとは、貴方とだけは戦いたくなかった!」(「さようなら、ゲイル先輩」状態?!)さらには「何ッ?!遮蔽物越しにロックだとッ?!」で『コンバット・ドール』(うすね正俊)並みの戦闘能力でミサイルをガンでたたき落としたりして燃え燃え燃えーッ!!ってゆうか俺の脳、炎上しまくり
たぶん「指揮官専用は通常の3倍のスピードDeath!!」の新型テスト機体はMK-54は開発者のエゴでなんとかミルズの手に渡るんだと思うんだけど。まぁ、それもお約束だよね。
キリコみたいに汎用機のスコープドックに乗ってるだけでそれが最強兵器に早変わり。壊れたら次々に乗り捨て〜ってのもいいけど、専用機も男のロマンだからねぇ。
まぁ、戦闘シーンはもう絶品で文句ないんであとは話がどう転んでいくかですな。『ボトムズ』のロッチナ大尉みたいな役所の敵役、まったく何を考えてるのかわからない野望の大将・ユリアン・クレイズの<再生への混沌>ってのが何を意味してるのかさっぱりわからず、謎が謎を呼ぶんだけどねぇ〜。ま、そこらへんもちょびっと期待している。
こうなってくると最終的にストーリーは最後に一ひねり入れられれば万々歳かな、っと。
メカ好きで未読の方は是非探して読むように。以上!


『ニア アンダーセブン1』(角川Comics A Extra)安倍吉俊+gK、読む。 - 00/09/16 00:00:00
本日の調子: 空きっ腹のあかり姉さんなみ。

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#9月15日
まぁ、後輩のビデオで見たアニメそのマンマでしたな。俺が見たのは「米」のエピソードだったけど。東鳩声優・川澄綾子がイイ意味で最も炸裂したアニメ、ということで仲間内では好評だったけど漫画もノリは良いね。アニメの雰囲気そのまんまで。
隕石だか宇宙船だかが落下してできたクレーター付近でただひたすら貧乏に堪え忍んで暮らす女子予備校生・まゆ子とその押し入れにドラえもんよろしく居候し、食い意地だけで生き、自作UFOで再び地上を離れることを夢見る宇宙人・ニア。
なんだか設定だけだと『エイリアンネイション』みたいでカッコイイし、宇宙人も頭にアンテナが付いてるのとそうでないのとで身分階級があるみたいでなんだか『ボルテスV』のボアザン星人のツノみたいな設定ではないか!なんて云ってたんだけどね。
アニメでは米の話がよかったけど、漫画ではコソビニのオープン記念にただで配布されるカレー弁当もらいに行く話が秀逸だったな。うん。
テレビのインド人使った予告とか、インターネットのストリーミングで各話が見られちゃうあたりは「へっぽこ実験アニメ」としてはスゲーと思ったけど。漫画にする意味はないような気がするな。『ビッグオー』とかも漫画になったとたんつまんなくなっちゃったしね。アニメをなんでも漫画に落とすのは良くないと思うし、人気のある漫画をことごとくアニメにするのも良くないと俺は思うなぁ。同じ「へっぽこ実験アニメ」の『エクセル・サーガ』は漫画が先だったし、「実験アニメ」としても成功していたと思うけどね。
ま、借りて読んだだけだから損した気分にはなってないですな。セカンドインパクトじゃないけど、宇宙人がやってきたいきさつとかが見えてくるともう少し楽しくなってくるのかもしれないね。うん。


『キスよりもその口唇で』(二見シャレード文庫)花川戸菖蒲、読了。 - 00/09/15 00:00:00
本日の調子: 少年チンプの「イッキ兄さん〜」「シュン〜」が忘れられない俺。

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#9月14日

<カクテルパーティ効果>
立食式のパーティーで不特定多数の人が密集してうごめいてるのをぼーっと一瞥したときに、知っている人の顔はパッと優先的に発見してしまうこと。
……というわけで、平積みしてあったこの本、タイトルを安田ママさんの日記で読んで認識していたためにカクテルパーティー効果のおかげではっし、と手に取って内容を確認。カラーの口絵で「日販」の箱を抱えている女子のイラストを見て例の「書店員同士のボーイズラブ本」であることを確認。手にしたまま数秒固まって後、レジに持っていってしまった。ふぅ、我ながらやれやれである。まぁ、ひやかしで買ったんだけどね。二見シャレード文庫ってなんだよ?知らないよこんなの(苦笑)。
しかしホモ小説を読んだのはセクシーエクスプローラー時代以来、ジャイアン×スネ夫小説を書こうとか云って研究してたころに読んだ角川ルビー文庫の『タブー』(須和雪里)以来だもんな。7年ぶりか。『タブー』に収録されている話は「いつか地球が海になる日」を筆頭に「癒し」を中心としたわかりやすいテーマでなんとなく「こんなん読んでしまう女子の気持ちもわかるなぁ」なんて思ったりしたのだが……。
しかし、この本は内容を読んで憤死。いや、働く書店員の実体は良く描かれてると思うんだけどなぁ。とにかく、男×男の関係というかがダメダメ。今じゃ当たり前なのかもしれないけど耽美のかけらもない。オンナノコがオトコノコとしたいことを男×男で置換してるだけではないかっ!!なんの味もしやしないじゃん。ダメ。失格。こんな関係が築きたいならちゃんと男女の関係にしろよなっ!!何がボーイズラブかっ!!!!死ねっ!ちゃんと男子と正面から向き合えっ!!凹凸関係をハッキリさせろッ!!
それに誰だ!162pに新刊案内とアンケート葉書を挟み込んだヤツはッ!!!
もろに雄同士の交合シーンのイラストをバッチリ見てしまったではないかッ!!
ボクは……ボクは……ボクは汚れてしまったーーーっ!!!おかーさーーんッ!!(涙)
HER、HER、HER……。
以前、栗本薫(中島梓?)の小難しい女子がホモに走る理屈についての本を読んでなんとなく納得したものの、これはあまりにあんまりな女子の男子からの逃避の内容であった。逃げるな!戦え!使徒を倒せるのは同等の力を持ったエヴァンゲリオンだけだ!君に出来ることをやれ!(by加持さん)
以上だ。


『ウォーターソング』(コバルト文庫)竹岡葉月、読了。 - 00/09/11 00:00:00
本日の調子: 「鋼鉄のガールフレンド」なみ。

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#9月10日
喜多さんが絶賛してたので買って読んでしまった。bk1でも紹介されてたし。しかし、いざコバルトのちょっと前の作品を探すのがこんなに苦労するモンだとは。日数かかってもネット書店で注文するのが正解かもしれんと思った。
本書は99年度コバルトノベル大賞佳作受賞作「僕らに降る雨」とその主人公の前日譚である表題作の2編を収録している。先日読んだ『ハローサマー、グッドバイ』の余韻を引きずってしまって、なんか似たようなテイストが読後に舌裏に残ってる感じ。
まぁ、ヒロイン(?)の鋼鉄少女アサヒがなんともさわやかで好感度大。萌えとかはないけどね。こういう強く生きる少女は好きだ。恋愛対象にはきっとらなんけどね。
そんな俺に対して「僕らに降る雨」の主人公・ナットはアサヒに淡い恋心を抱いているようだ。……恋心、か。なんとも自分には遠い響きになってしまった気がするなぁ。
うーん、良い話なのはわかるけどイマイチ喜多さんが絶賛するほどの感動は得られなかったのよね。なんかナット、ハロルド、ヴァージニアともステレオタイプだし、(そんななかでアサヒのキャラは光ってたな)なんか「中学生日記」とか「金八先生」の良い話みたいでさ。俺がそれだけスレてしまったということか。もう純粋で尖って閉塞感に喘いで必死にもがいていた学生時代から随分経ってしまったものね。酸の雨の降る惑星で、本当の雨を求めて雨乞いをする=惑星環境に対して逃げ腰の大人達への精一杯の反乱。「すべての夏をこの一日に」(ブラッドベリ)みたいなテイストもあるよな。あ、やってることは『僕らの七日間戦争』か。少年達のちょっとした成長譚になっている。イイお話ではある。
で表題作はもうちょっと苦み走った、それでいてなんとも形容しがたい閉塞感とオセンチズムが入り交じる良作である。未来のないジャンク屋の星の歌姫と跳ねっ返りのその娘、そこに流れのカメラマンがやってくる、なんて設定だとハッピーエンドなら『ホログラム街の女』のラストみたいなの考えちゃうけど、今回はハッピーじゃないんですね。「僕らに降る雨」のアサヒが如何に「鋼鉄ガール」になっていくか、それを綴ったビターな話なのだ。
地球から逃れてきた、母親としてはずぼらながらもかつては太陽系一の歌姫だったカガヤ・セイはなんかギャルゲーに出てきそうな母親である(苦笑)。つまりキャラ立ちしてんのね。で、8歳のアサヒは8歳でもアサヒのまんまだし。セイに拾われて成り行き上結婚するに至ってしまう風来坊のカメラマン、オズ・ヒムロはまさに加持さんそのものだし、これもキャラ立ちまくり。
だが、これはキャラ小説ではない。ジャンク惑星の秩序の崩壊と共に彼らは運命に翻弄され、それでも生きて行かねばならない、という当たり前の命題に対峙することになる。そこが、苦く、切ない味がある。
コバルトの新人でこれだけSF色が強いながらも普通小説としてしっかりしたモノが書ける人が登場した、というのは大変喜ばしいことだ。果たして次にどんな作品を描いてくれるのか楽しみである。
最後に一言。コバルト、あなどりがたし。


『ハローサマー、グッドバイ』(サンリオ文庫)マイクル・コニイ、読了。 - 00/09/10 00:00:00
本日の調子: 女の子と二人で冬の海とかに行ってみてぇ、俺。

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#9月9日
これは俺が入手したサンリオ本で最も状態が悪い本で、その代わり通常の価値よりもずいぶん格安で手に入れた本だ。カヴァはないし、1ページ目は破れてしまっている。それでも数百円の値段をつけるカスミ書房はやはりなかなかやるなぁ、という感じである。
はっきりいって、かなり前から通勤本として読んでいたんだけど、つまんなくてなかなか読み進まなかった。SFMの70年代SF特集でまた紹介されてたので、並行読みが苦手な俺はさっさと読んでしまおうとやや投げやりにページをめくっていたのだが……
やられた!!
これはこーゆーオチだったのか!!やられた!!!直撃!撃沈!

最後の4分の1位はぐいぐい読んでしまった。
ラスト付近は切なさ大炸裂!!!
何が少年と少女の一夏の恋の物語だよ!そんな紹介、スケールがちいせえよ!もっとでかいスケールでおセンチだろ!(ま、ラストまで気がつかないんだけど)
最後、俺はすっげー切なくなってこの本を閉じた。ドローヴとブラウンアイズ、二人を引き裂くものの力のあまりの強大さに打ちひしがれて。
最初はね、なんだか舞台を異星にして、人物をヒューマノイド(俺のイメージでは映画『ダーク・クリスタル』風)にして文明レベルをちょい昔に設定しただけのSF設定で、「ハローサマー、グッドバイ」だから少年と少女の一夏の悲恋を描くだけのお話かなぁ、とずーっと思っていたのだ。
役人であることを鼻にかけた傲慢で厳格な父、そんな父の役職を誇りに思い黙って付き従い、息子にも父への尊敬と生活階級の上品さを求める母親。そしてそれに反発しまくる息子が、海辺の町の下層階級人間がたむろする飲み屋を兼ねた安宿の一人娘と出会って恋に落ちる。激しく燃え上がるような恋ではないけれど、それは中学生や高校生くらいの男女が徐々に徐々に育ててゆくような優しくて暖かみのある恋だった。読んでいてとても切なくなった。自分にそんな経験がないことが、とても悲しくなった。大人にはこんなふうな恋の育て方はできない。俺自身はそう、思っているからだ。
「サマー」とか云ってるわりに、氷だの寒さだのを異常に恐れる原住民達の言動に少し違和感を覚えつつ、「グルーム」と呼ばれる海水の粘性が異常に高くなる現象が繰り返し語られる(最初は流氷がやってくるのかと思った)。戦時中だ、といいつつ戦火の影響はあまり感じられなく、皆、疎開してきた田舎の町で配給品をあてにひっそりと一生懸命生活している。だが役人の息子である主人公は避暑地に来ているような、のんびりとした、そんな雰囲気で過ごしているんである。そしてそれが、まさかまさかの大仕掛けの伏線だったとはッ!!こんなささいな伏線をもとに最後の最後でSF大仕掛けが発動。そしてそれがタイトルの真意を伝え、二人の恋を引き裂き、大オセンチな結末を生むのだった。こ、これぞSFの醍醐味!なるほど、これは語り継がれる名作かもしれない、と納得したのだった。
初々しく美しい少年と少女の恋の物語だとか、SF版『ライ麦畑でつかまえて』とかいう読み方はしなかった。ただ、ただ、読んでみてこれは良いSFだ、そう思うのだった。
マイケル・コニイ、できたら他の作品も読んでみたい。そう思わせる作品だった。

(p.s. 実は
似たような話を書いたことがあるんだけど、やっぱプロにはかないませんなぁ。ちなみにどの話かというとタイトルが似たヤツです(苦笑))


過去の日記(00/8/15〜00/9/5)を見る

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