■■■「モンタージュ」日記 1、2月■



「モンタージュ」公演案内

プレイヤー=山谷典子(ヤマヤ)/鬼頭典子(ノリ)


舞台「モンタージュ」が出来るまで日記。
2000年3月22、23日 アイピット目白にて公演。

リアルにシビアに記していってみよう、と。
シビアってあんた...

シビアやのうて、「楽しくいかな」!
シビアでも! そのギリギリ感がたまらない。

演出家のヒトリぼけつっこみ記録。
プレイヤーのツブヤキも掲載。

そうして、ずっと綴ってきた「モンタージュ」日記。
めでたく楽しく千秋楽[2000/3/23]を迎えることが出来た・・かな?
ここでそれを言っては、これから読む楽しみが減りますもの。言わない。
さてと、読んでいってみてくださいな。




     1月17日[稽古場]
     1月24日[自主公演]
     1月26日[団体名]
     1月27日[稽古開始予定]
     1月28日[チラシ]
     1月29日[ネット]
     2月 7日[初稽古=ノリ日記]
     2月 8日[ダラダラ]
     2月 9日[顔合わせ=ノリ日記]
     2月24日[再始動]
     2月25日[再始動初稽古]
     2月26日[モンタージュ]
     2月27日[ケーキ=ノリ日記]
     2月28日[OFF]
     2月29日[活字化]


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1月17日(月)

[稽古場]

アイピット目白のフェスティバルだから、
この公演は劇場使用費が無料だ。
照明、音響、それに袖幕等々の機材使用費も無料だ。
だから「やれるかも」と思ったのだよ、金銭的方面ではね。
最終的にかかった経費とプラマイゼロになれる・・・かな?

「稽古場はきっと文学座にお願いすればさ」なんて、
むっちゃくちゃ甘いことを考えていた。
そら無理や。
なんでか。
スタッフもキャストも文学座の方ばかりだとしても、
外部は外部公演なわけだ。
文学座にて外部公演参加者総てに稽古場として
文学座貸したらえらいことになる。

シビアな問題。
なんだかんだと「森さゆ里」文学座にオンブにダッコの存在。
が、このフェスティバル、勝手にやっちまったこと、
出来るだけみなさんに御迷惑かけずにやれればと思っている。
って、かけるけど・・・。迷惑。

つくづくに、助けていただいて立っているこの身の上。
字余り。

「つくづくに」だ本当に。

よっしゃよっしゃやるぞ。
公共施設流れ歩き。
ジプシーと呼んでくれ。
まだ稽古は始まってないけど。

私は只今は違う舞台の稽古中です。
「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」
2月4日からシアターコクーンにて幕があく。
その稽古場も稽古終わったらすぐおいとまする日々。
「モンタージュ」の準備せないかんのです。

稽古場予約せな。


1月24日(月)

[自主公演]

無謀や。
甘くみとるで、興行するいうことを。
と、自分に言ってみたりする。
でもそれは、若輩者の特権さ。
10年先の自分が「こんなバカなことようやらんわ」
と言う、今のこの出来事を
10年先の自分が「あれはバカやっとったけど楽しかったな」
と振り返って笑いたい。
バカやって許される間に(許すな自分で・・・)
バカはしておけってことで。

やるだけやるさ。
まずは地道な行動から。
稽古場確保かな、今んとこ。
おいおい、展開してないやん、前と。
あ! 仕込み、バラシ、本番中、手伝ってくれる方大募集!
報酬は「モンタージュ」御招待券。
だけでなく、キャスト、スタッフからの
熱い感謝のハートってのでどうだ?
「どうだ?」って、威張ってどうする。

よーし、チラシ配るぞー。



1月26日(水)

[団体名]

アイピット目白フェスティバルに登録するために団体名が必要であった。
それで、Companene(カンパネーネと呼ぶ)
という名を役者の山谷さんが名付けたのである。
かわいい響きだ。
カンパニーがなまった(?)みたいなニュアンスで頼むってことで。

別に「これでワテラは旗揚げや!」とかそんな企画ではないので、
最初「文学座インディーズ外部」でダメ? とか言っていたのだが、
登録はそれではいかんだろうってことでの名付けである。

この企画一回きりの名前になるのだが、
名前を付けるっていうのは、やはり悩んでしまったりしますね。
でも、本当言うと「そんな団体はどこにもない」
架空名義みたいなもんになるのかな。
そんなんだから「Companeneなんですけど」
というとき、照れる。
どっちかと言えば「文学座なんですけどね、今回はね、・・」
と長く話しをしてしまいたい誘惑にかられる諸手続きの諸々。



1月27日(木)

[稽古開始予定]

今は2月4日初日を迎える稽古場にいる。
残すところ1週間。
その後に「モンタージュ」は稽古開始する。
「モンタージュ」役者の鬼頭さんは2月2日本番の舞台の稽古中だ。

プランナーの賀澤さん、望月さんは
文学座本公演「デンティスト」初日を2月5日に控えている。

そういうわけで、只今は唯一日中動ける山谷さんが、
2月中の稽古場探しに奮闘中。
着々、着々。
メールで報告しつつの日々。

そんなわけで、日中稼動の準備段階の「モンタージュ」の只今。
直接会館に足はこびの日々。

そんなわけで、この私27日は
「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」の
懇親会(=飲み会)でありました。

この現場を去るのも寂しく。
「モンタージュ」の現場も楽しみな、このところ。
って、先ず「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」の初日だ!


1月28日(金)

[チラシ]

「70歳になった歳の今日、
 ここでその写真、私に渡してくれる?」

「・・・今の僕は思っているよ。
 君に会ってこの写真渡したいって。
 でもさ、70歳になった僕がなんて思うかなんてさ、
 今の僕にはわからないよ」

チラシに載せた「モンタージュ」の中の台詞だ。
そのチラシが出来た!
「出来ました」と印刷屋さんから今日家帰ったら留守電入ってた。
HPにはチラシ載っけてたけれど、実物はまだだったのだ。
よーし、配るぞー。
なんか前にも同じこと書いているが、あれは先走りの気持やね。
いろんなとこに置かせてもらうぞー。
そしてDMやDM。
でも、もうちっと公演日に近くなってからのほうがいいな。
作戦さくせん。
なんやそれ。


1月29日(土)

[ネット]

ネットに掲載していくことで、観客と製作過程を共にする。
こういうやり方は、いいのか悪いのかわからない。
わからないから、やってみようと。
こういう道具(ネット)があるんだから、使ってやれってことで。

稽古が始まったら、キャストのツブヤキも掲載していく予定。
が、とにかく今は
「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」


2月7日(月)

[初稽古=ノリ日記]

今日、初めて演出家と役者二人の三人が顔を揃えた。
会ってはいるけど、今年になってお互い様にバラバラに2回程度。
それも、「モンタージュ」とは別件にて。
あ、役者だけでは2月に入って一回だけ「お話」しあっていたな。

この「モンタージュ」は、オリジナルの台本から
新たなモノをつくることから始まる。
ただでさえ自主公演でシビアなのに、台本までつくってていいんかい、
てな感じであるが、走り始めたものは止まらない。

その「新たなモンタージュ」をつくるべく、
女優二人に直撃インタービュー&女優二人語らいの部屋的司会者の
立場の今日からちょっとの間の私だ。

二人の過去を洗いざらい探りだしてやろう・・・
フッフッフ・・(このイヤラシイ笑いは嘘)
記憶を辿り、そこから物語りを探る。
探った後に、抜粋したテーマでエチュードを展開。
そうして、ドラマを紡いでいく。
それが「モンタージュ」
で、予定していた「プレイヤーのツブヤキ」が掲載です。

鬼頭典子の[プレイヤーのツブヤキ]−−−−−−−−−−

2月7日
今日、初めて演出家と役者二人が顔を合わせた。
見慣れた顔だけど、目的を持ってそれについて語っていると新鮮!
やっぱり、二人より三人の方が、話が盛り上がる。
人の言葉で、忘れていた記憶が呼び覚まされたりした。

私は、元来「忘れる」「失う」ということが嫌な性質だ。
この芝居をやることによって、いろんなことを思い出したり、
今考えていることを焼き付けたりしたい。
小さい頃、変なかたちのイチゴを出されて、
もったいなくて食べられなくて、スケッチしてから食べたことや、
車のドアに手をはさんで爪のところが内出血して、
その爪が伸びてきたときに、切るのが惜しくて、
切った爪を日記帳に貼ったことなんて、
もう何年も忘れていたよ!!

はやくエチュードをやって、子供の頃の自分に出会いたいし、
山谷の子供の頃も見たい。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

以上、鬼頭典子の[プレイヤーのツブヤキ]でした。

山谷典子と鬼頭典子は私と文学座で同期だ。
現在準座員2年。
「モンタージュ」を演るにあたり、
自分達が「文学座である」ということを表明するのは、
文学座であることへの礼義としての態度だった。
己達だけで演るわけではない、という。
しかし、座員でなく準座員の身で、しかもこの春は査定対象の身。
(座員となるかどうか)
それで「文学座」と名乗られても、との声ありや。
礼義とは難しき・・・
心同じくして態度異なり。
「礼義」という言葉も難しき。
感謝の気持、最も大なのけれど。


2月8日(火)

[ダラダラ]

「モンタージュ」の稽古は3段階に分かれる。
1:ダイアログ
2:エチュード
3:プレイ

そして、それらはグラディエーションになったり、
スライドしたりもしていくのだが。

只今はダイアログ。
その稽古場は、「ダラダラ出来る飲食店」
ファーストフードはちっとウルサすぎるので、ファミレス的がベスト。 公園というベストスポットは寒くて不可。大いに残念。

女の子(? ツッコんで!)3人で楽しげに会話してるな
と思って見ていると、うちの一人は何やら時折書き留めている。
もっと注意して聞いていると、思い出話しばかりしている、
しかもかなりディープ。

こんな3人は主に渋谷、信濃町、中野界隈に出没すると思われる。
「きっとお店の人にチェックされるよ」の為に
「同じお店は行かないでおこうね」がお約束。
イヤだろう3、4時間もいられたら。

そういうことで、そんな3人を見かけたらコーヒーでも奢って下さい。
一割り引きの「モンタージュ」チケットをプレゼント!
って、それはプレゼントやないやん・・・

「モンタージュ」チケット、メールでも受け付けてます。
sun-ta@cancer.bekkoame.ne.jpにお願いします。
明日(2/9)は日本橋三越界隈に出没。


2月9日(水)

[顔合わせ=ノリ日記]

今日は文学座本公演「デンティスト」を
「モンタージュ」の舞台監督をする彩ちゃんと三越劇場で観劇した。
観劇後、「デンティスト」に参加している
賀澤さん(照明)と望月さん(音響)と合流。
キャスト2人も合流し、スタッフとキャスト
計6人の初顔合わせとなった。

以上、下記[キャストのツブヤキ]への補足。

鬼頭典子の[プレイヤーのツブヤキ]−−−−−−−−−−

『2月9日 顔合わせ』

音響の望月さんと照明の賀澤ちゃんは文学座の人。
でも、舞台監督の彩ちゃんとは初めて会った。
いっぺんに安心した。
なんでも「ダイジョーブダイジョーブ」
と言ってくれそうな大らかなキャラ。
舞監向きだ。
わたしたちがこれからパニクっていくときに、
心強い味方になってくれそう。

それにしても、STAFFさんには多大なる迷惑
(いやいや、そう考えない方がいい。お世話ということにしよう。)
をかけていることに初めて気付いた。
賀澤ちゃんが同期なもんだから、うっかり忘れてしまいそうになるけど、タダ働きさせるようなもんなのよね・・・。
ありがとうございます。
いつもその気持ちだけは忘れずにいよう。
−−−−−−−−−−

この「モンタージュ」私の認識の甘さからの大問題あり。
本日になって知ることになる。
どうなるのか。
事の次第は、結論が出た後に。

この「モンタージュ日記」は、冒頭に書いてあるように
「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」的ネット観客参加が志し
(随分違うけれど)の舞台制作日記だ。
と同時に、進行を公開することで風通しをよくしたい。との思いだ。
己の思いを己自身で語ることの出来る、この「道具」を使って。


2月24日(木)

[再始動]

己の認識の不足からの大問題あり。
にて、待機状態であった「モンタージュ」。

諸手続きの不備、認識の不足。
その不始末を、寛大なる処置により再始動を許可していただけたことに
心より感謝。
心より御謝。

「太っ腹やわぁ! たまらんわぁ! ほんますごいわ!」

詫びキリ、感謝しキリは、3/23の本番を締めキルこと!
やりキルこと!
そして、これからもずっと。

「モンタージュ」はりきって再始動いきます。

「モンタージュ日記」更新随時 参ります。
よっしゃよっしゃ、いくぞいくぞ。


2月25日(金)

[再始動初稽古]

稽古停止の期間ありきの再開日にて。
先ずは「思い出す」こと。
前まで何やってたんかな・・? と。

ひとつの物語り世界に入り込む為に
稽古という準備期間があるのだとしたら、
一旦物語りから抜け出してしまった私達は、
もう一度そこに帰らなくては。

そうして私は、またしても「女優に直撃!」のレポーター状態。

「子供の頃、何して遊んだ?」
「どうしてそういうことになったのかな?」
こういう質疑応答に、隣のテーブルの方などは
自己開発セミナーかなんかだと思ったかもしれない。
そうして今日もひとっところに5時間。
スマン。

よし、走り始めた。いってみよう。


2月26日(土)

[モンタージュ]

「広辞苑」より。
モンタージュ『montage=フランス』
(組立ての意)
@写真で、複数の像を組み合わせて一つの画面を構成すること。
 また、そうして作ったもの。
A目撃者の記憶をもとにして、髪型・目・鼻・口・耳・輪郭の
 部分写真を合成して作り上げる似顔絵写真。モンタージュ写真。
B映画で、各ショットのつなぎ方で、単に足したもの以上の新しい意味
 を作り出す技法。

私たちの「モンタージュ」Wノリコの断片は、
ひとつの画面へと組み合わされていく。

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今日は、許可を頂いて、頂いたメールを掲載です。
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『その1』

三重県の津高校の演劇部の顧問をしています。
大辻隆弘というものです。

たまたま「モンタージュ」で検索したら、
このページにたどりつきました。
実はうちの部も3月30日に、「モンタージュ」を上演します。

高校1年の女子2人なので、できるかどうか心配しています。

「モンタージュ」日記たのしみに読ませていただきます。
公演は、遠いのでちょっといけそうにありませんが、
こころから成功をお祈りしています。

がんばってくださいね。

ではでは。

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『その2』

掲載の件、光栄です。
よろこんで。

わたしの部活の方は、
少女1と2のからみのところでもたもたしてます。
1時間内に収めなければならないので、
母親と少女2のシーンは思い切って切りました。

少女をあんまり子ども子どもさせないように
見つめています。

ふたりのこころの明滅みたいなものが、
うまく出るといいとおもっていますが、
なかなか難しいですね。

また、稽古風景などドキュメントしてください。
たのしみに、アクセスさせていただきます。

大辻隆弘(津高校・演劇部)

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我等も、はりきっていきまするよ。
我等、心尽くすこと、只今はソレトシンジテ。


2月27日(日)

[ケーキ]

本日は、在籍している大学を稽古場に貸してくださる
山谷典子(プレイヤー)さんのお友達がいらした。
3月からその校舎で稽古が出来ます。
感謝感激。
その、お友達のともちゃんは、
手作りのケーキを差し入れにト作ってきてくれた。
最高に美味。
ナイスでクレバーな方だ。

鬼頭典子さんからの「モンタージュ日記」を以下に。

すごい誉められてるぞ私。
なんかなあ、こういう「誉められゴト」を掲載するってのは
自分の首を絞めていくのに近い・・
とかなんとかボヤカないで、糧にして前進すべし、と己に戒め。

鬼頭典子の[プレイヤーのツブヤキ]−−−−−−−−−

2月27日 中野

まず、やまやと二人でトーク。
母と娘のシーンについて考える。
「・・・・・。」
あっという間に行き詰まる。
オリジナルはよく出来た本だ。
私たちが、エピソードだけそっくり入れ替えようったって、
そうは問屋が卸さない。
そうすると、全体のストーリーまで変わっちゃいそうになるんだよー!
「さんちゃぁ〜ん!!」
と、二人で演出家の「理系のアタマ」を求めてタメ息・・・。

気分を変えて、老女のシーン。
ちょっと盛り上がる。
なんか、私たちのキャラは、「考え無し」(やまや)と
「しがらみ」(ワタシ)に落ち着いてきた。
そうなんだよねー、シガラミ・・・。
私もやまやのように、考える前に突っ走ってみたいよぉ!

5時ごろさんちゃん合流。
すごーい。私たちの断片的なアイデアとか、
ナマの会話が台本になってるー!!
そして、先ほどの行き詰まりもあっさり解決。
さんちゃん、やっぱ演出家だね!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ところでさんちゃん、HPを見た人から、
「モンタージュ」ってどんな話なの?って聞かれた。
ちょっとだけ、あらすじっていうか、コンセプトっていうか、
載せておけば?
忙しいだろうけど・・・。

それじゃ!

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以上、鬼頭典子の[プレイヤーのツブヤキ]。
そうですね、「モンタージュ」筋書きを掲載しないと、
何のことやら分からんコト多いですね、この連載。
はい、掲載します。


2月28日(月)

[OFF]

自宅にて、活字化する作業。
逝く人ありて、思い留まることなく。
Macウィンドウにはスクリーンセーバーが働き出す。
何度か小散歩しいしい、活字を組み立てる、今日の稽古OFF。


2月29日(火)

[活字化]

自宅にて、活字化する作業。
ずっとではないが。


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