■■■AYAの宝塚歌劇 観劇記■■■


雪 組

2001年10月5日〜11月12日 宝塚大劇場

ミュージカル
カステル・ミラージュ-消えない蜃気楼


グランド・レビュー
ダンシング・スピリット!



観劇日:11月19日(月)
      13:00〜
      1階席19列64番

劇場 :宝塚大劇場



またまたメール投稿。
K.AYA。

小池だ!
花總まりだ!

森さゆ里(sun)的には大変うれしい組み合わせ。
あー、、でもどうかな。
フサ姫には柴田さんのほうがいいかもね。

と、勝手なこと言ってないで、金子さんの感想どうぞ。




ミュージカル
カステル・ミラージュ


作・演出:小池修一郎


    レオナード・ルビー:和央ようか
      エヴァ・マリー:花總まり
   リチャード・テイラー:湖月わたる
         アンニオ:伊織直加
         フランク:成瀬こうき
クラウディオ・ステファーノ:大峯麻友
          ドリス:出雲 綾
     ジョー・ガーナー:水 夏希
       ジュリエッタ:陵あきの
          リック:久遠麻耶

              宙組組生




<解説>

21世紀の今も地上の楽園として
世界中の人々を魅了し続ける街・ラスベガス。
人気のない砂漠の寒村に、
蜃気楼の宮殿(カステル・ミラージュ)ならぬ夢の街を作り出した
男の愛と野望の物語。
アウトローでありながらもロマンを追い求めた男の光と影を、
スィング・ジャズにのせて綴るミュージカル。
(『歌劇』11月号より)


<感想>

う〜ん、「感激!(だじゃれではないです)」とまではいかなかった。
やはり、物語に起承転結がないのがいけないと思う。
もう少し、レオナードとエヴァ・マリーの恋が
悲劇的でドラマチックだったらいいのでは。
余りにもテイラーが寛容すぎるような気がした。
でも、テイラーはモデルがいるから仕方ないのかな。
なにか、また「失われた楽園」を観た感じがした。
でも、「失われた楽園」は真矢のタイクーンぶりと
女に堕ちていく2面性がよくでていたような感想を持っているが、
今作はレオナードのギャングとしての
押しの強さみたいなのが書けていないと思う。

それと、最後、一度、掟を破っただけで、
レオナードが自殺してしまうのは、女の私としては
「いや〜、まだやりなおしがきくやん。
 別にエヴァ・マリーに嫌われたわけでもなし。」
と思ってしまった。

また、主題歌もあまり印象に残らなかった。
「愛 燃える」の時はいい曲だったのに、吉田先生。
それでは、人別に。


 和央ようか
レオナード。
さすが、座付きの先生だけに、

「ギャングでありながら、ピュアなハートを持ち続ける男」

というのはよくタカコさんを見ていると思う。
ただ、上に書いたように、少しギャングとしての力量を示す、
というシーンが少ないので、彼がどこまで大物ギャングか、
というのがよく分からなかった。
一応、昔、映画「バグジー」を見た事はあるのだが、
エヴァ・マリーに対してはこれでいいので、
もう少し凄みをロシアンルーレットの場面などで出して欲しかった。
ただ、台本上この「凄み」を出すシーンが少なかったので
仕方ないのかもしれない。
あと、千秋楽までもっと汚れた面も出せるようになれたら
もっと良くなると思う。
今、私の現役タカラジェンヌNO1ごひいきのタカコさん、
頑張ってください。
(あの足5cmでも譲っていただきたいなぁ)


 花總まり
エヴァ・マリー。
「歌劇」の座談会で
「アンニュイのあるような」
と小池先生は仰っていたが、
今日の時点では「影を背負った」女性であった。
でも、それもレオナードといる時は「嬉々とした」女性に変わるので、
「アンニュイ」とは感じられなかった。
千秋楽に観にいくのでどう変わっているか楽しみである。


 湖月わたる
テイラー。
これは新聞王ハーストがモデル、とはっきりなっている。
また、映画「市民ケーン」を昔見たが、
これは圧倒的なワンマンで、今回はずっと寛容な男に書かれていた。
ワタルくんもこの頃「伸び盛り」って感じで、
エヴァ・マリーに対してすっと引くところがよかった。
また、銀橋での曲は芝居の中で一番いい曲だった。
感情を込めて歌えていて良かった。
東京はいないとのこと、残念である。


 伊織直加
アントニオ。
レオナードのボスだが、髭もつけて声も下げて、
貫禄を出そうという努力はかう。
ただ、これは本当にどうしようもないのだが、
子分のタカコさんの方が背が高いのは納得できにくかった。
彼女と、次の成瀬が銀橋でのソロがないのに、
水があるのは変にこれまた感じた。
やはり、パーソナルカレンダーになる人は優遇なのか。
私は、かってマヤミキファンだったせいか、
元花組生には肩入れしてしまう。


 成瀬こうき
フランク。
レオナードのライバルだが、
雪組時代「パッサージュ」のギャングがはまっていたので、
かなり期待して観た。
あのアダルトな個性はこれからどういかされるのか?
彼女こそノンちゃん(久世星佳さん)の路線を次ぐ、
大切な人だと思うので劇団も慎重に使っていただきたい。
さて、今回はよく出来ていたと思う。
十分、レオナードをいつも意識している、というのが分かった。


 水夏希
ジョー。
ハリウッドスターなのだが、どうやってスターになったのか分からない。
それと、レオナードにずっと付いていて「暇すぎないか?」
と思ってしまった。
でも、テイラー邸でのショーの場面や、
銀橋のから降りてきてお客さんに聞くところなど、
随分、昔の暗い感じが払拭されたように思う。
いまや、「いけいけどんどん」のスターといえば
この人をおいてないでしょうね。


 あと、大峯・陵のサヨナラ組はいかにも
「ひとくせある」
感じでさすがであった。

全体的にどうもドラマ性が乏しく、
それにつれて登場人物もヴィヴィドでないように思った。
東京では改定があるのだろうか?




グランド・レビュー
ダンシング・スピリット!


作・演出:中村一徳

     宙組組生




<解説>

 先の20世紀の100年間で様々なリズムが誕生し、
ブルース、ジャズ、ロックなど現在のあらゆる音楽の分野が確立した。
それらの音楽の特徴を生かした場面構成に
ダイナミックなダンスシーンを取り入れ、
宙組、専科のダンシング・スピリット(精神・気迫)を描く
グランド・レビュー。


<感想>

 始めに言ってしまうが、「趣味の悪い」ショーであった。
まず、衣装。
すっとしたのはフィナーレ前からで、
全体的にラメのお衣装はいまいち洗練されているといいがたかった。
あと、主題歌は「ラ・ヴィール」によく似てますね、西村先生。
それと、構成場面も特に「ダンシング・キャッツ」など、
「夢を売る宝塚に要るのか?修学旅行生が沢山来てるぞ」と思った。
後は、場面ごとに書きたい。


(プロローグ)

 ここは無難でした。
ただ、上に書いた主題歌と
後の方のタカコさんのお衣装がいまいちであった。
「宇宙をイメージ」とあるが、それはぜんぜん感じられなかった。

それと、ここで書いておくが、プログラムに中村先生がタカコさんに対して
「正確にできるのだから、ラフにできるようになって欲しい」
と言ってらした。

これを、私が感じるに、
タカコさん「豪放磊落にでる」と解釈されたようである。
よって、鬘などを多用されているのだが、
失礼だが、どれもいまいちであった。
私には、鬘のないときのブラウンの髪の時のほうがずっと良かった。
千秋楽まで鬘の研究をしてださい。
そうですね、真琴さんなんか上手かったですね。
でも、低音を思いっきり出すのは成功していました。


(ダンシング・スピリット!)

 専科3人のアピール合戦シーンであった。
私としては、タカコさんが出ていないのにもかかわらず、
ここが一番好きである。
期待以上だったのは、ナオカで、
「こんなに中心に立つと華があって明るくて、
 ダンスも意外と(失礼!)上手くて、求心力があるスターだったのか」
ということである。
ショーでも専科3人の内、おっちょんだけが銀橋ソロがなくて、
なんか可哀想だった。
水は相変わらずあったのに。


(ダンシング・ジュエリー)

 盗賊と美女、という一番宝塚的な場面なのだが、
お衣装がやたらてかてかしているだけで、
そこでマイナス点がついてしまった。
タカコさん、黒にするなら、以前よく使ってらした、
もっと長いのでいいのに。
余り、印象に残らない場面になってしまった。


(ダンシング・リズム)

 いわゆる「和物」部分である。
その上、終演後プログラムを確かめたら中詰めとのことである。
あの〜、全員が銀橋に並ばない中詰めは勘弁してください、先生。
(前回「ローズ・ガーデン」でないと書きましたが、ありました。
 訂正します)
とても1場面が長く感じたのは、中詰めを意識させるためでしょうが、
和物は石田先生で十分です。
中村先生らしい、エレガントな中詰めをお願いしたかったです。


(ダンシング・キャッツ)

 ハナちゃんが地声で歌うのは、久しぶりに聴いたが、
どうもお衣装から、ネコ&ネズミという印象を受けなかった。
タカコさんの髪型無茶苦茶になってのダンスもまた久しぶりに観た気がした。
でも、どうしても、好きになれないシーンである。


(フィナーレ)

 専科の次々のショー場面は楽しかった。
また、最後のトップコンビのデュエットダンスは
「ミレニアム・チャレンジャー」の頃とぜんぜん変わった、と思った。
始めは、ハナちゃんが女の魅力で迫り、
タカコさんが受け止める、という感じだった。
でも、今回はひたすらタカコさんのほうが、
強い目線でハナちゃんをとらえ、
その腕の中でハナちゃんがとろけていく、という感じをうけた。
勿論、今の方が絶対いい。
このフィナーレのお衣装は専科から始まって、無難であった。
最後の、綾乃かなみのソプラノはこの人ならではで良かった。


 いろいろ書いたが、どうしてもタカコさん中心になってしまった。
そのタカコさんにあまりいいことが書けなかったのは、
ファンとして辛い。

 それでは、本編の感想は以上にする。
 あとは、おまけです。



<宝塚初めての人への演目とは?>

 前回の雪組、そして今回、共に修学旅行生を多く見た。
それで、こんなことを考えてみた。

◎お子様(小学生まで)
 →簡単な筋の芝居と衣装がいいレビュー 

例:「エクスカリバー」「シトラスの風」



◎中学生&高校生
 →あまり予習の要らない日本物とスピード感のあるレビュー

例:「浅茅が宿」「ラ・ヴィール」
  (宜しければ拙稿をお読み下さい)



◎大学生
 →予習の要る日本物とスピード感のあるショー 

例:「花の業平」「サザンクロスレビュー」



◎男性
 →1本立て

例:「ガイズ&ドールズ」「ハウ・ツー・サクシード」



◎おばさま
 →若き日映画を見た洋物芝居と普通のショー

  例:「心の旅路」「ファンシー・タッチ」



◎おばあ様
 →ひたすら寝ないように音楽がなっているもの

例:「宝寿頌」「パルファン・ド・パリ」



こんなところでいかがでしょう。

それでは読んでいただいてありがとう。
また、筆者へのメールもお待ちしています。


□□□□□□□□□□□□□□□□□□劇評■筆者□□□□
金子亜矢
bacew609@jttk.zaq.ne.jp
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