バルブクリアランスの調整、他

2004/Sep


本項ではエンジンの基本メンテナンスである、DS/ID、OHV4気筒エンジンのバルブクリアランスに

ついて扱います。

注)基本手順については、点火順序は1-3-4-2の直列4気筒エンジンと同様です。


作業の実際

それぞれの車の仕様によって異なりなすが、補機類を取り外しエンジン最上部のバルブカバーを

取り外します。

バルブクリアランスの調整は、スパナ、マイナスドライバー、スキマゲージを使用します。

調整の順番は下記の様に行うと効率が非常に良いですし、安定した作業となります。

*下表左上表は測定値、かなりのバラツキが認められますし、4番のEXはかなり

隙間が詰っているので、場合によっては若干突き上げ気味であったのかもしれません。

*下表右上表は、調整測定の手順で、1番EXバルブが全開時にはIN3番EX4番の

作業が行えるという意味です

*下表左下は隙間の数値で、冷間温間両方が用意用意されています。

今回は冷間時に調整し、車齢から考えて温間時に確認を行いました、数値と

の差は殆ど認められませんでした。

状態の悪い場合、温間時の隙間が予定よりも少なくなる場合がありますが、この場合

バルブの汚れ等によって、バルブからの放熱が低下している場合が考えられます。

この場合は温間時の隙間を優先するのが、妥当であろうと思われます。

(古典的なバルブクリアランス、バルブタイミングの測定、調整は⇒こちら

上表左上表の数値で2番シリンダの測定値が他に較べ、かなり差異が認められますが

こういった場合、単純に隙間が変動した場合と、バルブシートにカーボンなどが

噛み込みバルブが下がった場合が考えられるので、圧縮圧力の測定等を実施し、

隙間増大の原因を突き止めることはとても重要です、圧縮圧力の低下は認めら

れず、各気筒共規定値でバルブ隙間を調整しました。

今回合わせて、バルブカバー裏のプラクチューブシールも交換しました。

この部品が劣化しますと、プラグチューブにエンジンオイルが浸入し、

オイルが溜まってきて、油面が端子まで到達すると、失火の

原因になるので、プラグを外した時にオイルが付いていたら要注意です。

写真右の取り外した旧部品は非常に硬化しておりシール効果はもはや

失われていました。


参考文献 E.T.A.I DS19:1956-1965/-/E.T.A.I DS23

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