キャブレタの巻

Weber 28/36DMA-4の場合


キャブレタ各部

この28/36DMA4キャブレターはDSシリーズ専用の設計らしく、外観はよくあるダウンドラフトデュアルチョークなんですが、セミオートのアイドル調整を想定して、プライマリ、セカンダリ両方にスロー回路、半開回路、全開回路があります、ただチョークフラップ、加速ポンプノズルはプライマリ側のみの設定になっています。

セミオート車のアイドル調整はセカンダリ側のスロー回路の開閉によって行っています。

注;28/36DMA-4はDS23のマニュアル車専用でセミオートは28/36DMA-5が搭載されています。

下半分の構造は下右の写真のとうりなんですがエア通路の確認には止めプラグを外し、圧縮エア等で行います。


フロートレベルの調整

フロートレベルの調整はキャブの上部ボデーを外して各フロート調整タブを曲げて行いますが、折らないように慎重にやりましょう

マニュアルにはガスケット込みでの調整方法が記載されていますが、やりにくい場合はガスケットを外し、ガスケット分を換算すれば良いと思います。

データ

最高フロート位置;5ミリ 最低位置;11ミリ


古いキャブレタに良くある障害とその解決方法、その1

フランジの変形

キャブレターの取り付けフランジが歪んでいる場合これは非常に多い事象で多くはネジの締め付け過ぎ、若しくは厚すぎるガスケットを使用すると発生し易いです。

このゆがみによって隙間から二次空気を吸い込みアイドリングが安定しないなどの二次的な問題を引き起こしがちで、これを認識していないと闇雲にネジを締め付けていっそうゆがみを増長させたりしてしまいます。

こういったゆがみは平らな盤上で研磨して修正します(程度、形状によっては厄介な場合もありますが・・・)

このときに偏って研磨しないように注意してください。そして研磨後は各部を十分に洗浄することが必要です。

続く・・・・


キャブレタガスケット(インシュレータ)の製作

調整を開始したキャブレタの取り付けフランジがかなり歪んでいたのは、厚くて柔らかいインシュレータが原因と考え、ベークライトを加工して新たにインシュレータを製作しました。

オリジナルのインシュレータは集積材というか以外に柔らかくネジの締め付けによってネジ付近が圧縮され薄くなり、その結果インシュレータがカマボコ状に変形することが判明

上左:左旧、右新造品 上中央:ボール紙からガスケットを切り出す

上右;完成したインシュレータ、ガスケット

左;インテークマニフォールドのキャブ取り付け部

インシュレータの製作にあたってはプライマリ、セカンダリの穴はホルソーを使用して加工

ネジ穴はボール盤穴明けを行い、最後に輪郭を金鋸で切り出し、やすりで仕上げます、ベークライトは角が割れ易いので、面取りを必ず行ってください。

組み付け時ゴミを挟み込まないように取り付け面を掃除してからにしましょう。


comming soon !

ネジ穴の面取り

アルミ、亜鉛等の比較的柔らかい金属は長期間の締め付け(過剰締め付け)によって変形することがあり、これが合わせ面の締め付けの障害となることがよくあります。以下続く・・・・・

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