キャブレタ各部については前報をご覧いただくとして・・・
Weber28/36DMAには プランジャタイプの加速ポンプが装備されています。
原理は極めて簡単、下図の様にキャブレタのフロートチャンバから逆止弁を伴った、加速ポンプ
回路が設置されています プランジャポンプ、逆止弁、ノズルで構成されています。
その1、逆止弁
今回は特に加速ポンプ回路に燃料を供給し、加速ポンプの作動時に燃料の逆流を
防ぐ逆止弁の調整を行いました、逆止弁はボールが動くことで役目を果たしています。
逆止弁の役割(上図)
アクセルを開くと45が下がり57が開放され58の張力が49を押下げ流路を通って42から噴出されます。
この時41の逆止弁の動きが悪いと燃料がポンプ部に供給されなかったり、フロート室に逆流してしまい、
その結果噴射が上手く出来ず加速時の不調を引き起こすと考えられます。
逆止弁はボールとボールシートから構成されています、通常重力で弁は開いています。
ポンプの作動時の内圧でボールはシートに押付られて逆流を防止しますが、この時の
ボールの動き量の調整もポンプの噴射量を左右する要素であると考え、まずは弁の気密性を調査の後
ボールの自由動を多少少なくしてみました数値的には、弁筐体と弁支持板の段差を1.05mm程度に
してみましたが、自由動が少なすぎても燃料供給が追いつかず、動きが多過ぎると逆流量が増加するので
適正な位置関係を設定することが肝要であると思われます。
その2、 プランジャ、スプリング,
写真左:プランジャ全部品/写真右:プランジャロッドの磨耗
写真左:プランジャ周辺部品全景
プランジャ周辺を点検結果。
1.ロッドの先端に多少段付き磨耗が認められたのでそれを研磨修正。
2.プランジャ本体表面には細かい傷が散見されたので、円周方向に平行に研磨材で磨き。
3.データが無いので実験的ですが、プランジャの動力スプリングを5mmほど伸ばして
多少張力を増加させてみました。
いずれにしても、加速ポンプはプランジャポンプなので、そのあたりを構造、原理に則って
リペアすることが肝要なんでしょう。
その3 ノズル
ノズル位置は、プライマリベンチュリの中心に位置してはいないので、印象としては
それほど細かい位置調整は必要なさそうです。
参考文献:Haynes10240 Weber carburetor manual ISBN156392157X
Etai RTA 33 DS23