APSについて-現在と将来


1998年末-APSについてもお読みください。

 1996年5月31日にうちの店にもAPSフィルムを処理できる機械(フジのPP1258AR、ネガ現像機は改造)が入り、APSの仕上がりを、まのあたりにするようになった。CanonのIXYは店に展示されることがないほど、順調にお客さんの手に渡り、フジの250Z、300Zも少し出た。さて出来上がりだが、以下を読んでいただきたい。

 以下の文章は1996年3月8日にある人から「APSの将来性はどうか?」とゆう質問を受けたときの私の答えである。


 まずAPSの長所と欠点を上げてみます。
長所 1.フィルム装填が容易である。
   2.パトロネが小さいのでカメラが小さくできる。
   3.フィルム途中入れ替えができる。
   4.フィルム各コマに撮影データ、焼き増し枚数を事前入力できる。
   5.現像済みフィルムをパトロネに詰め直すので、ハンドリングがいい。またフィルムプレーヤー等でテレビ、パソコン等に容易に呼び出せる。 

欠点 1.フィルムの一辺が35mmフィルムの70%くらいに小さくなる。(粒状性との脈略がつきやすいようにここでは一辺の長さで表わします。フィルム会社が新製品リリースで流す体積表示はとんでもない「例えば長さで70%なら体積で34%」。粒状性は一次元で利いてきます。)
   2.フィルムを肉眼で確認するにはそれなりの装置が必要。
   3.フィルムを(紙のように)Fileできない。
   4.現像料が上がるのではないか。
   5.現像できるところが少ないのではないか。

欠点1については、5年後には50%の普及率とと豪語するフジフィルムが、責任をもって、5年後には今の35mm相当以上の粒状性としてくれるでしょう。欠点2は長所5の方法とインデックスプリントがあればかなり困らないでしょう。欠点4はとりあえずインデックスプリント代のみの値上がりで済ますことは可能でしょう(うちでは現像料が35mmより50円高いだけです。)し、うちには(1996年)4/23にAPS処理の機械が入る予定です。(この予定は1月伸びました。)欠点3は長所5前半とあいことゆうことで、また長所5後半からデジタルフォトと相性がいいとゆうことから考えあわせて、将来性ありと判断します。


 さて、この文章から4ヵ月がたった。カメラは小さくなった。フィルムは入れやすい。うちの店で多い日で一日に50本程度APSのフィルムが戻ってくる。非常に色が出しやすい。プリンターのACCS(オートカラーコレクションシステムの略)がフラッシュ撮影でブルーになるのを補正してくれる。プリント品質の高度化が計れるだろう。今まで、焼き増しのときに3割くらいのお客さんがネガを見てもわからないため、写真とネガを店頭に持参されて我々がネガと写真を見ていた。それがAPSだと100%のお客さんが焼き増し表に枚数を書いてきてくれる。インデックスプリントは非常に有効なようだ。
 良い点はたくさんあった。しかしである。唯一の悪い点は欠点1のフィルム粒状性の問題が想像していた以上に大きいことである。 富士写真フィルムでいえばA(ISO200)とH(ISO400)では粒子が目立ってきます。F(Reala相当品)でやっと粒子が目立たなくなりますが、キレを感じることはありません。当初の目的の通り、コンパクトカメラユーザーに対してのみの普及を望むのならばこれで良いのかも知れませんが、すべてのユーザーに本格的な普及を望むのであれば、早急なる粒子性の向上を望みたいものです。

 ちなみに写ルンですのSuper Slimは、従来の写ルンですに比べて非常にいい仕上がりを示します。一度使ってみてください。

コメントはこちらまでお願いします。


Mar.16 1996