熱闘句会 第5回 吟行

2017年1月3日   於:川崎競馬場(川崎市)   句会場:素食Café Sara



前回は2016年6月11日 藤沢市 新林公園で吟行を行いました。
こちらからご覧ください ⇒ 熱闘句会 第4回 吟行



参加者:犬客、珍辰、頓狂、八王子、風子、屁散人、松子、芽笹、洋
 (五十音順)

 

かねてからのリアル句会をとの要望にお応えし、また新年の競馬場に行って大金をせしめたいとの願望にもお応えして企画されました今回の吟行は、お正月の三日ということもありまして集合時間はおおよその二回に分けての基本自由集合となりました。

当然のことで、うまく会えた方も会えなかった方もありましたが、句会場では無事に集合できまして、華やかな年始の句会となりました。特別参加として八王子さんが加わってくださいました。

前回から句会は屁散人さんにお任せしていましたが、今回もお願いいたしました。句会の報告は「熱闘シスターズ」の合作です。

特記すべきことは、前回の吟行の句会は終了まで飲食は控えましたが、新春のことでもあり、句会開始とともに飲食も伴いまして、それはそれはにぎにぎしく楽しい句会となりました。

今回の熱闘句会賞は芽笹さんで、ささやかな賞金が手渡されました。それぞれの句に競馬場のシーンが重なり、初めての競馬場に興奮冷めやらずの解散となりました。後日談として、また行きたいとの頓狂の熱い思いが風のうわさで…

追伸として…誰も億万長者にはなれませんでした。

 
    報告 松子  


川崎競馬場はこんなところです。 click

  競馬場の真ん中には芝生が広がっています。
小さい子どもたちを連れた家族も大勢来場。
日向ぼっこしながら競馬を楽しみます。
 この日のゲストはばんえい競馬の「ミルキー」。
帯広からやってきました。
   
    お正月のメインレース。
日が傾いた16時出走です。 
 大きなスクリーンにリアルタイムで
レースの様子が映し出されます。
   






   
 吟行句会の結果
         【 】は特選
初夢の続きを川崎競馬場 松子 5(特1) 【犬客】、芽笹、珍辰、頓狂、屁散人
冬西日馬券ひとひら舞い落ちる 芽笹 5(特1) 【洋】、八王子、屁散人、松子、頓狂
競馬場へ三日の背筋よく伸ばし 頓狂 4(特1) 【芽笹】、松子、犬客、屁散人
信じるに足らぬ予想屋懐手 珍辰 4(特1) 【風子】、芽笹、屁散人、頓狂
勝馬の荒き鼻息白きかな 珍辰 3(特1) 【松子】、芽笹、頓狂
右手袋口で外してページ繰る 頓狂 3(特1) 【珍辰】、洋、風子
パドックに日本髪ある淑気かな 八王子 3 洋、犬客、風子
馬一頭春着の人を乗せゆけり 芽笹 2(特1) 【屁散人】、八王子
初詣すませて馬券に手を合はせ 松子 2 八王子、芽笹
三日晴れ競馬日和となりにけり 八王子 2 珍辰、風子
白息の一押し鼻先の勝利 頓狂 2 珍辰、松子
龍恋の鐘の高鳴り初御空 犬客 2 洋、屁散人
切山椒買ひて遥かに母想ふ 八王子 2 洋、屁散人
初競馬花いちもんめの芝の上 芽笹 2 風子、屁散人
新春競馬馬券を踏んで帰りけり 屁散人 1(特1) 【頓狂】
冬ざれや外れ馬券をながめゐて 珍辰 1(特1) 【八王子】
願ひ事ひとつ殖えたり初詣 犬客 1 珍辰
騎手乗りて足取り軽き初競馬 芽笹 1 八王子
チョーハッピーてふ馬の名三日を疾駆 頓狂 1 松子
枯芝に競馬新聞敷き教師 屁散人 1 犬客
冬帽子ぴよんぴよんとんで観覧席 松子 1 犬客
真剣な顔つきばかり初競馬 犬客
初競馬神に託した万馬券 モッパーのお友だち
淡雪ややり残したる庭掃除
風車回るよ美女の髪飾り
冬日中馬場の抉れて競馬果つ 屁散人
初競馬明るき顔の少なかり 犬客
馬の背に晴れ着の振袖揺れにけり 松子
髭そつてきて初競馬連敗に 屁散人
嫁ぐ娘に年玉やらうかやるまいか 八王子
門松や留守の隣家に宅配便
初富士や戻りラッシュの車列
年酒にくづれ眠りし一人もの 珍辰


 

【1月3日の事件、新春吟行句会の短冊はなぜ1枚だけ多かったのか?】

今回の吟行参加者は9名、投句者8名。
投句は一人五句なのですが、なぜか短冊は41枚。あれれ?

記録の漏れがあったのか、シスターズ三人で頭を突き合わせて相談したものの、どうしても一句の作者が分からずじまい。念のため書き添えておきますが、リアルで頭を突き合わせたわけではなく、あくまでもバーチャル空間での相談であります。で、結局、三人とも分からずじまい・・・というか、お正月の句会を2月になってまとめようとするので、こういうことになってしまうというわけです。
結局、シスターズでは何一つ解決できず、とうとう師匠に問い合わせをすることになりました。

プルルル、プルルル、プルルル、ガチャ
「もしもーし、シスターズです」
「あー、間に合ってます」
「は? 間に合ってるてどゆこと? シスターズですよ」
「どこのおねえちゃんだっけ?」
「熱闘のシスターズですよぅ~、忘れちゃったんですか~」
「ネトのおねえちゃん? ごめん、覚えてない、ゆるしてちょ」
「いやだなあ、松子さんと風子さんと芽笹のトリオですよお」
「熱闘句会ね。それならそうと言ってよ。びっくりしたぁ、昨夜のキャバクラのおねえちゃんかと思ってさぁ」
「え? 師匠ったら、キャバクラとか行ってるんですか?」
「違うよ、鎌倉だよ、鎌倉のおねえちゃんだよ」
「鎌倉ってなんですか? 鎌倉に何しに行ってるんですか? 横須賀じゃだめなんですか?」
「いやいや、いやいや・・・、で、なんか用? 用事があって電話したんでしょ?」
「あ、そうでした、たいへん失礼つかまつりました。実はですね、かくかくしかじかで、どうしても一句だけ作者が分からない句があるのです。師匠のところに記録があれば教えていただきたいと思いまして、お電話差し上げた次第でございまする」
「あ~、それはね、ぼく、美容と健康のためにモッパーしているでしょ。あれは身体にいいからみんなもやったほうがいいよ~。それでね、モッパーのお友だちが、ときどき『いい句ができたのよ~』って見せてくれるんだよね。今回は『大傑作ができた!』って言うんで一句だけ持ってきてたのよ」
「そういうことだったのですね」
「そういうことだったのです」
「ありがとうございました。謎が解けましたぁ~。お忙しいところ大変失礼いたしました~」

というようなわけで、モッパーのお友だち様の句が入っていたとなったという顛末でございました。

                                           (この件のまとめ:芽笹)

 

投句・清記も終わり、選句の真っ最中! 
なごやかに、時として激しく意見交換。   
  俳句表現について考え込む人たち。 
「それよりもさぁ~・・・」と、明るく話す人たち。   


【熱闘句会の表紙に戻る】