熱闘句会 第4回 吟行

2016年6月11日   於:新林公園(藤沢市)   句会場:鵠沼橘市民の家



前回は2015年5月6日 川崎大師で吟行を行いました。
こちらからご覧ください ⇒ 熱闘句会 第3回 吟行



吟行のご報告 さらに 前進の兆しありありと「熱闘句会」

 

口先ばっかりの吟行計画。
しかし、今回、六月十一日、やっとやっと、決行の運びとなりました。

梅雨の最中のことで、シスターズはてるてる坊主を撫でつつ案じておりましたが、 今回の吟行の場所や句会場は犬客さんのご尽力をいただき、 雨にも負けずやれるもんねの大船チャーター状態。
けれども、手ぐすね引けば、肩透かし。梅雨の晴れ間の吟行日和となりました。

緩い集合で参加者は八名。男女比 四対四。平均年齢・・・
古民家あり、井戸あり、池あり、栗鼠は鳴き、夏鶯の声高らかに、蛇もザリガニも。
樹木もたっぷり、紫陽花、菖蒲、木耳、躑躅。
藤沢新林公園が吟行会場でした。
およそ二時間の吟行時間。

昼食をすませて、句会所の鵠沼市民の家へ移動して、二時投句締め切りがちょっとだらんとして二時半開始。
わいわいがやがやでみんなが先生、みんなが生徒みたいな熱闘句会としては異例中の異例、講師を屁散人さんにお願いしての句会になりました。
これは、前回の吟行の時も同様のことですが、短い時間で充実した句会になるための試みでありますが、もうひとつ、屁散人さんの腕を見込んでのことでもあります。

八王子さんは久しぶりに熱闘句会に参加。洋さんは初お目見え。
屁散人さんと犬客さん、まゆ子さんにシスターズを加えて八人の投句は五句ずつ。
選は特選一句を加えて七句。
結果は別紙で。(下記参照)

この句会場となった鵠沼橘市民の家、素敵でございました。新林公園といい、鵠沼市民の家といい、「ごゆるり吟行」にはぴったりの、ゆるーく懐かしく、移動の距離もきつくなく、いい感じ。
吟行になれた犬客さんの手腕に感謝でした。


声も嗄れ、喉もひもじい午後五時。
最後のお愉しみ「二次会」場は、さかな屋。
ここで、洋さん、八王子さん、芽笹さんが退場され、西北さんが参加となりました。
参加されるとすぐに、西北さんは選句用紙を舐めるようにチェック。
ながながと食い入り、ついには赤ペンも握り。
見かねて、選句しますかの声に、「いやいや」とか言っちゃいながら、質問とか始まり。なので、選句参加となりました。

飲むは食うはの騒ぎとなるはずの二次会は、西北さんのこのまじめな態度によって、話は深まり、ただよい、おぼれ、あっぷあっぷしながら、ついに、句会はリアルもいいね。 俳句は句会だねの域に達し、熱闘句会も年に一度は吟行と、年に一度はリアル句会をしたいと決意したのでした。

そんなこんなで、梅雨晴れ間、「ごゆるり吟行」はごゆるりしながらも、新たな地平を目指し、前進しつつあるかな、ないかもだけれど、希望の灯をちょこっと灯して、無事に終了したのでした。

 
    報告 松子  
     
   新林公園はこんなところです。 click  





    吟行句会の結果
          【 】は特選
  帽子脱いで緑蔭の風ほしいまま 屁散人 4 (特2) 【八】【西】、洋、犬
  園掃かれ十薬の上風抜ける まゆ子 4 洋、芽、松、犬
  竹落葉古井戸固く閉ざさるる 風子 4 洋、ま、八、西
  つるべ井戸遠き太鼓の音途切れ 3 (特1) 【風】、ま、八
  少年は亀眺めをり半夏生 芽笹 3 (特1) 【屁】、洋、松
  勘定のややこしき店梅雨に入る 犬客 3 屁、芽、風
  炎昼の烏に威嚇され男 屁散人 3 ま、松、犬
  真つ白な句帳開けば夏の空 八王子 3 屁、犬、西
  長屋門潜りて蛇に見えたる 犬客 3 芽、風、八
  木洩れ日の径山つつじ山の蝶 まゆ子 3 屁、松、西
  夏館炉跡に膝を崩しけり 風子 2 (特1) 【犬】、屁
  六月の風は水辺の花に添ひ 八王子 2 (特1) 【洋】、風
  雨上りつぼみとかれて花菖蒲 松子 2 (特1) 【芽】、屁
  青葦の風より網を手に子らは 屁散人 2 ま、風
  緑蔭やアメリカザリガニ爪赤く 2 松、西
  緑蔭を発ち緑蔭に戻りけり 犬客 2 ま、八
  花菖蒲空を抱きし色清し 2 ま、八
  涼風に大きく構へ自在鉤 犬客 2 芽、松
  緑蔭や眠りし沼の面静か 2 芽、八
  縁に坐し一人となれる涼しさに 屁散人 2 犬、風
  梅雨晴れ間しま蛇くぐる長家門 松子 1 (特1) 【ま】
  一心に遊びてをりしクローバー 芽笹 1 (特1) 【松】
  紫陽花の藍をも奪ふ暑さ来る まゆ子 1
  木耳や湿地の脇にたたずめり 芽笹 1 西
  梅雨晴れやボード少年手を広げ 1
  十薬のまたたく道に迷ひけり 風子 1
  四囲の森夏鶯の声しきり まゆ子 1
  案内札新樹の苑もよく掃かれ まゆ子 1
  少年のうなじの汗や鯲釣る 風子 1 西
  茅葺に鳩のやすらふ梅雨晴間 風子 1
  昼顔や平和を願ふ大太鼓 芽笹
  山百合や雌蘂の濡れは遠目にも 屁散人
  公園に歌声響き五月晴 芽笹
  かへでの実梅雨の晴れ間に輝けり 松子
  四葩剪る葉つぱのしづく紫に染めて 八王子
  老鶯の鳴き音にかぶる諏訪太鼓 八王子
  万緑を寿ぐやうに笛太鼓 犬客
  梅雨湿り木立静かにりすの鳴く 松子
  公園にテントひと張りみどり風 八王子
  そばかすにころがる汗の玉ありて 松子




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