宮沢賢治に関心を持ったのはどうしてでしょうか? 以前、縁があって科学評論家の草下英明先生のプライベートなお話会に何度か誘っていただいたことがあります。 その時に賢治のいろいろなお話しを聞かせていただいたのが直接の原因かも知れません。 そんな先生からの案内状は、いつも独特の文字で書かれた郵便ハガキでした。 (まるで「どんぐりと山猫」のような?) 「星の文人」野尻抱影先生の「弟子」であった草下先生は、電話嫌いであったの師匠との連絡はほとんどハガキでしたといいます。 自宅に届いた数々の草下先生からのハガキを見ながら「野尻先生ともこんな文字たちが行き交ったのだろうか...」などと考えると、 そういった自分の知らない時代にも不思議な親しみがわいてきます。 賢治がいない今、彼の生み出したたくさんの作品にこめられた星座、惑星、そして星たちの風景を探るの手がかりは、もう推測に頼るしか方法はありません。 しかし、幸運なことに現代の私たちには、さまざまな天文の現象を、コンピューターの力を借りてディスプレイ上に再現させることができます。 いわゆる「古天文学 (palaeoastronomy)」の好奇心で探る力強い術を得たことになります。 まったくの門外漢であり、こと文学についてはまったく無知に等しい私ですが、宮沢賢治の作品を丁寧に検証することで、新しい賢治との『時間』を共有してみたいとみたいと願っています。 最後に...、そんな星たちと過ごす時間に興味のある方へ、草下英明先生の本を2冊紹介したいと思います。
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日記風に綴られた昭和の天文ニュース集です。
実にさまざまな天文現象など「こんなこともあったのか」と感心しつつ読み終えてしまう、
....そんな本です。
昭和という時代が天文学の発展にとって、あるいは天文現象や宇宙開発などが世間でどのように認知されたかを知るよき資料ともなるでしょう。 驚いたことに、草下先生の誕生日は1924年12月1日、これは宮沢賢治の初の童話集「注文の多い料理店」の出版日でもあるし、賢治の年譜によれば、この月のある日友人を招いた出版記念祝賀の席で、あの「銀河鉄道の夜」の書きかけなどを初めて披露した頃でもあります。 |
草下先生の初の自費出版物。1953年9月20日に初版を出しています。序文を野尻抱影氏(初版のみ)、宮沢賢治の実弟の宮沢清六氏
が執筆されています。後に「宮澤賢治研究業書」として改訂刊行され現在に至っているもので、賢治の作品に登場する星座や星について
わかりやすく解説がされています。 虫と星と 宮澤清六 宮澤賢治と星 星をどのくらいえがいたか/賢治の天文知識について/賢治の読んだ天文書/他... 宮澤賢治の作品に現われた星 宮澤賢治の作品に現われた星
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