『春と修羅』に「青森挽歌」という詩が収められています。 賢治が教え子の就職のために、サハリンへの鉄道旅行をした時に車内で創作された詩ですが、 このなかにも月や夜明けを示す描写が含まれています。
前部略
おもては軟玉のモナド
半月の噴いた瓦斯でいつぱいだ
巻積雲のはらわたまで
月のあかりはしみわたり
それはあやしい蛍光板になつて
いよいよあやしい苹果の匂を発散し
なめらかにつめたい窓硝子さへ越えてくる
青森だからといふのではなく
大てい月がこんなやうな暁ちかく
巻積雲にはいるとき……
中略
まだいつてゐるのか
もうぢきよるはあけるのに
以下略
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