鵜の目・鷹の目・地獄耳   三鷹市の実践

 昨年10月パソコンでネットサーフィンしていて偶々出会った「三鷹市立井口小学校」のホームページで三鷹市で「すべての公立小中学校をインターネットで結ぶ」計画のあることを知った。同校校長の松田洋子先生、同市教委の担当主査さんに電話でお教え頂いた。その後、朝日新聞(97.11.6)で取り上げられていた。同市は「小中学校は災害が起きた時の拠点となるため、いざという時にインターネットを通じて防災情報を流すことも計画している。」というが、11月28日の代表質問では教育分野に限って質問した。

三鷹市のインターネットに関する「行政実践」を紹介します。


 [当該質問事項の要旨]小中学校におけるインターネット活用の取り組み

(問1)小中学校のコンピュータをインターネットで結ぶことは、学校教育のあり方を大きく変える要素がある。コンピューターに関する基本計画の策定が必要である。教育委員会の認識を示せ。

(問2)博物館、図書館、各学校間をネット化し、教育ツールとせよ。

(問3)インターネットの活用により、保田養護学校と区内校との交流を図ることはできないか。

(問4)不登校児にコンピューターを貸し出してインターネットで結び、学校の様子を伝えることを検討せよ。


(*質問の全文は第37号(96-11)区側答弁の全文は第41号(97-3)に掲載)

【都政新法 97ー2ー7】

   三鷹市 97年度中に

インターネットで全小・中学校を結ぶ

ネット上で共同授業 クラスルームも計画
教育センター、図書館とも

 多摩の自治体でも、マルチメディアを生かして情報化時代に対応しようという試みが進んでいる。三鷹市は九七年度中に、市内すべての小・中学校と教育センター、図書館などを結ぶ「教育ネットワーク」を導入する。市内すべての公立小・中学校が一斉に結ばれるのは全国でも初めて。

 CATVを利用

 三鷹市の「教育ネットワーク」構想は、今年度策定予定の「地域情報化計画」の一環。「地域情報化計画」は、昨年七月に開局した市内のケーブルテレビのケーブル網を使って、行政情報、市内施設、学校などをインターネットを使って結ぶというもの。「教育ネットワーク」は、高度情報化時代を生きる子供たちが、情報や機器を有効に活用することができるようになるために導入される。

 昨年七月に開局した三鷹市地域のケーブルテレビのケーブルを使って各学校、図書館、教育センターなどをインターネットで結ぶ。まず九七年度は、一つの学校に一台ネットで結ばれたコンピューターを導入するが、将来はパソコンの買い替えの時期に合わせてすべてのコンピューターをネットにのせる計画という。

 具体的には、学校の特色をホームページを開設してインターネットで発信したり、市内の博物館などの研究者とネットでやりとりする対話学習や、別の学校のクラスがネット上で一緒に授業をしたり、学習の成果を発表するネットクラスルームなど、インターネットを使って学校外の人とも学習する計画がされている。

 また、インターネットの双方向性を生かして、不登校や病気で学校に来られない児童・生徒の対策も考えられている。それぞれにパソコンを貸与し、授業をしたり、親との教育相談をする。

 また、先生同士の情報交換にも役立ちそうだ。同市では、各学校の先生が作った独自のプリントなど学習教材を、教育センター内のデータベースに入力中で、市内のどの学校の先生でも、教材を交換したり、情報を得ることができるようになる。

 同市では今年度、市内の十四校を実験校として指定。昨年十月からホームページの作成や、ネットを使った授業、教える先生側の研修などを行った。その結果、「ホームページは子どもたちの書いた絵など作品を紹介したものに人気が集まっている」(同市教育委員会指導室)という。

 一月以降は、国内のアメリカンスクールとネットで交流したり、スポーツ講座を受講したりする予定だ。 同市指導室の大島指導主事は、「現在は、インターネットをどんなことに活用すればよいかを実験研究で深しているところ。子どもたちは、教科書を開くようにコンピューターの情報をとり、自然になじんでいるし、保護者からの問い合わせも多く、関心は高い」と話している。

朝日小学生新聞 96年11月21日

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