平成8年葛飾区議会第4回定例会

木下の質問(全文は第37号に掲載)への理事者答弁


   午後4時14分再開

○議長(橋本ひろし君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

   この際、お諮りいたします。

   会議時間の延長をいたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

   ご異議なしと認め、会議時間を延長することに決定いたしました。

○議長(橋本ひろし君) 区政一般質問を続けます。

   22番、木下しげき君。

  〔22番 木下しげき君 登壇〕(拍手)

[質問項目]

(T)子育て支援について

1、区の子育て支援計画策定事業の遅延について

2、保育ニ−ズの把握について

3、保育料の改定について

4、ゼロ歳児保育、延長保育及び産休明け保育について

5、家庭福祉員について

6、保育情報の提供事業の創設を検討せよ

(U)環境問題について

  国際環境自治体協議会(イクレイ)加入後の活用状況について

(V)ごみ、粗大ごみの不法投棄防止、たばこの吸い殻等のポイステ禁止及び犬の  排泄物放置の禁止に関する条例の制定ないし宣言について

(W)小・中学校におけるインターネット活用の取り組みについて

1、教育委員会の基本認識を問う

2、博物館、図書館、学校間のネット化について

3、保田養護学校と区内校のネット化について

4、不登校児へのコンピューターの貸し出しについて

* * * * *

○議長(橋本ひろし君) 区長。

〔区長 青木 勇君 登壇〕

○区長(青木 勇君) 木下議員さんのご質問にお答えをいたします。

【質問T―3への答弁】

 初めに、保育料の見直しについてであります。

 今回の保育料の見直しにつきましては、先ほどもお答えを申し上げましたが、施策間のバランスや住民サービス・住民負担の公平性の観点から、そのあり方を見直す必要があるということで、本年7月の区長会において担当部長会に検討を依頼したところでございます。

 今後の対応といたしましては、見直しの検討結果を待って、改めて12月の区長会において、前回の改定以来の名目賃金指数の変化、あるいは保護者の家計の負担への配慮、さらには区の財政状況等を踏まえた上で改定の是非、値上げ幅などについて十分協議した上で判断をすることとしておるところでございます。

 保育料の見直しにつきましては、区民の方々の関心も高いことから、十分に検討をしてまいりたいと考えます。

【質問Uへの答弁】

 次に、国際環境自治体協議会の活用に関するご質問にお答えをいたします。

 国際環境自治体協議会(イクレイ)は、地球環境の保全を目指す地方自治体が国境を越えてネットワークを広げ、連携して環境問題に取り組む国際的な自治体の協議会でございます。

 この葛飾区、平成8年7月に23区としては2番目にイクレイヘ加入をいたしました。

 加入後、10月には、今年度のイクレイ会議の正式メンバーとして初めてこれに出席し、ローカルアジェンダの策定に関する指針の説明や地球環境問題に関するアジア地域の国際会議への職員の参加など、メンバーとしての活動をしているところでございます。

 この他、イクレイは環境に関する世界の先進自治体の取り組みの紹介や新しい環境改善技術の情報などを掲載したニュースを発行し、また、環境問題解決に向けた自治体レベルでの取り組みについても活発な意見交換を行っているところでもあり、これらの活動は本区の業務におきましても大いに参考になるものと考えております。

 今後は、葛飾区の環境政策や具体的事業の成果につきましても広く世界に紹介し、情報発信の場としてもイクレイを活用してまいりたいと考えております。

 また、区民へのイクレイ情報の公開についてでございますが、今後、広報紙やお話にもありました区立図書館等を通じて周知を図ってまいりたいと考えております。

【質問Vへの答弁】

 次に、いわゆるポイステ等の禁止に関する条例ないし宣言を実施する考えはないのかというご質問にお答えをいたします。

 たばこの吸い殻や空き缶のポイ捨て、さらにはごみの不法投棄や犬のふんの放置など、区民のモラルの低下に起因する諸問題が近年顕著になってきていることは誠に残念でございます。

 これらの問題は、基本的には区民一人ひとりのマナーにかかわることでございまして、第一義的には行為を行わないように訴えかけていくことが重要であると考えます。

 既にポイ捨て条例を制定した自治体はございますが、必ずしも実効は上がっていないというのが実情のようでございまして、やはり行き着くところは住民の心がけの問題ということになるようでございます。

 現在、区では環境美化の日を設定し、全区一斉に実施するクリーン作戦や環境美化地区の指定による美化意識の向上、また、地域が自主的に行う美化活動への援助、そして、犬のふん害については広報紙によるPRや看板の無料配布など、美化運動を中心にポイ捨て行為等の自粛を区民に地道に訴えかけているところでございます。

 今後とも啓発に力を注いでいく所存でございますが、他自治体の事例などを参考に、より実効性のある施策を引き続き研究してまいりたいと考えております。

 なお、その他のご質問につきまして、教育長及び所管の部長より答弁をいたさせます。

○議長(橋本ひろし君) 教育長。

〔教育長 滝澤 健君 登壇〕

【質問W―1への答弁】

○教育長(滝澤 健君) 小・中学校におけるインターネットについての基本認識についてお答えいたします。

 インターネットの活用は、1つの学校の枠を越えて様々な学校や地域との情報の共有・交流を可能にするものでございまして、児童・生徒の学習の対象が広がり、興味や関心を高めるなどの効果が期待できるものと考えております。

 教育委員会といたしましては、インターネットの活用を含めたコンピューターの教育利用につきましては、教員の指導力の向上が当面の最大の課題であると受けとめ、対応に努めているところでございます。

 ご指摘のございましたインターネットの活用につきましても、施設・設備等に要する費用、好ましくない情報の取り扱い、情報モラルの指導など、様々な課題について今後に向けた研究を進めてまいりたいと考えております。

【質問W―2への答弁】

 次に、博物館、図書館、学校間のネット化につきましては、児童・生徒に個々の教室内の授業だけでは得られない感動を与えたり、視野を大きく広げたりする効果が期待できると考えております。

【質問W―3への答弁】

 また、保田養護学校の子供たちと区内校の交流にインターネットを活用することにつきましても、遠隔地にありがちな情報不足を補うための有力な手段になり得るものと考えられます。

【質問W―4への答弁】

 さらに、不登校児にコンピューターを貸し出し、インターネットを介して学校の様子を知らせることは、不登校児の適応指導の一つとして有力な方法であると考えられます。

 これらのご提言につきましては、インターネットの実現の可能性とともに、将来課題として研究を進めてまいりたいと存じます。以上でございます。

○議長(橋本ひろし君) 児童部長。

【質問T―1への答弁】

○児童部長(宇田川 孝君) 初めに、子育て支援計画策定委員会についてのご質問にお答えいたします。

 子育て支援計画策定委員会につきましては、平成7年7月に第1回策定委員会を開催して以来、専門部会で特別保育事業等各項目の検討に入り、現在までに10回ほど開催してございます。この間、全体会は2回開催し、専門部会の中間報告をしてございます。

 本来、平成8年10月ごろまでには答申をと考えておりましたけれども、保育のあり方に係る重要な課題であることから、専門部会での議論に時間を要しているものでございます。現在、専門部会でのまとめに入っておりますが、今後、専門部会を2回、全体の委員会を2回程度予定し、来年2月ごろまでには子育て支援計画の保育版についての答申ができるよう進めてまいりたいと考えております。

【質問T―2への答弁】

 また、委員会のメンバーにつきましては、区議会議員、区内児童福祉施設関係者、児童委員の代表、公私立保育園代表、労働団体代表の方も含んだ24人で構成されております。また、専門部会では、公私立保育園の利用者、障害を持った子供さんの保護者、家庭で乳幼児を見ている保護者等を対象にヒアリングを行い、現に保育を必要とする層の声をお聞きするなど、計画の策定に当たっては保育ニーズの把握に努めているところでございます。

【質問T―4への答弁】

 次に、ゼロ歳児の延長保育についてですが、勤務が終わって迎えに行ける時間を考慮して、午後6時までの時間延長の特例保育を現在20園の認可保育園で実施しております。今後ともゼロ歳児の午後6時までの特例保育の拡充を目指してまいりたいと考えているところでございます。

 また、午後7時までの時間延長につきましては、子供の立場から見て、ゼロ歳児の生理的な面や精神的な負担など、実施するには検討しなければならない課題が種々ございます。したがいまして、ゼロ歳児の延長保育につきましては、今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。

【質問T―5への答弁】

 次に、家庭福祉員の募集回数についてですが、近年、区内の児童人口が減少する一方、核家族化の進行や共働き家庭の増加など、子供と家庭を取り巻く環境は大きく変化し、保育ニーズも多様化しているところでございます。このような中で、家庭福祉員制度は、家庭的な環境のもとで主に産休明け保育や年度途中の入所など、保育事業の一部を担う役割を果たしてきており、従来から制度の充実に努めてきたところでございます。

 ご指摘の点でございますが、現在、平成7年度より家庭福祉員を区内で20名確保するという目標を立てて募集してきたところでございます。しかしながら、現状では家庭福祉員として認定するに当たって、保母・教員などの専門知識を有するという要件や6畳以上の保育スペースの提供など、幾つかの条件を満たさなければならないという制限がございます。そうした中で、平成7年度から家庭福祉員は3名増員され、現在、区内に16名確保しております。今後とも家庭福祉員の確保に向けまして、PR等に努めてまいりたいと考えております。

【質問T―6への答弁】

 最後に、子育てのための情報に関してですが、現在、認可保育園、保育室、家庭福祉員の個々の施設での案内や直接区民からの問い合わせに対して福祉事務所、保育課でご紹介するほか、区内全世帯に配布されております「広報かつしか」や「わたしの便利帳」、さらには「FAX情報かつしか」で子育てに関する情報をお知らせしております。

 また、現在「子育て支援計画策定委員会」の中で議論されております「子育て支援センター」の設置、このセンターの機能の中で、子育てに関する情報の提供や総合相談機能を持たせる予定で検討を進めているわけでございます。

 今後とも区民が知りたい子育て情報の提供に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(橋本ひろし君) 22番、木下しげき君。

 〔22番 木下しげき君 登壇〕

○22番(木下しげき君) 1点だけ再質問させてください。保育料の話なんですけれども、先ほど、区長さんは、「見直しの検討の結果を待って」と、言いましたけれども、父母の皆さんは保育料が2.6倍になる、そういう噂、(これは故意に流している勢力があるんですけれども)これを心配しているんです。だから、「いろいろ検討する」とおっしゃられたんだけれども、区長さん自身、そういう協議会のとき、どのぐらいのアップなら「これでしようがない」ということでおやりになるのか、それを聞かせてあげて、区民を安心させて頂きたいんです。だから、どのくらい、例えば2割とか3割とか、「決して2.6倍になることはないんだよ」ということをお聞かせ願いたいんです。
 以上です。(発言する者多数あり)

○議長(橋本ひろし君) 区長。

 〔区長 青木 勇君 登壇〕

○区長(青木 勇君) 先ほどもお話をいたしましたとおり、その改定以来の名目賃金の指数の変化、あるいは保護者の実際の家計への負担の配慮といったようなことを前提にしていろいろと検討をしていくことになろうと思います。

 私見を申させていただければ、2.6倍というのはあまりにも現実的でない数字ではないかと考えております。(「よし」との声あり)

○議長(橋本ひろし君) 以上で日程第2、区政一般質問を終わります。


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