からから亭 旅の写真館

EOS10D徹底研究



機種選定の経緯

■2003年6月、デジカメ壊れる

 2000年にコンパクトデジカメ(オリンパスC-3030Z)を購入してから、 3年半。すっかり安易な散歩カメラ的写真ばかりで、一眼レフは旅行の時くらい しか使わなくなっていたけれど、とうとうそのデジカメが壊れた(^^;;
 どうもCCDが画素欠けを起こしたようだ。画面中央上方他数箇所に「緑の輝点」 が出るようになってしまった。まっ四角でいかにもデジタルなドットの集合。 こんな壊れ方をするとは…
 記録されたコマを遡って見ていくと、とある結婚式の撮影の途中で、 忽然とその輝点は現れ、ほんとうに何の予兆も無かった。
 時代は500万画素時代に突入し、いまさら修理して使うのかどうか悩む。 そこで、「次は作品を作るデジカメを手に入れよう」と考えたのだった。

■機種選定

●CAMEDIA C-3030ZOOM の ○と×
 オリンパス CAMEDIA C-3030Zは、3年以上使ったが、これといった特徴も無いが、 カメラとしてのまとまりが良くて使いやすかった。私が2000年にデジカメ購入に 踏み切ったのは、このカメラでようやくデジカメが実用域に入った と確信したためだ。
 次に買うカメラは、良いところは良く、不満なところをカバーしてくれる ような機種でなくてはならない。
 というわけで、最新カメラの店頭使用テストだ。(雑誌の評価記事も数誌を参考にした)
 最新のハイエンド・コンパクト・デジカメは、どれも500万画素/4倍ズーム という仕様は同じ。それ以外の使い勝手や画像処理技術が差別化のポイントだ。
 まずC-3030Zの直系の子孫、オリンパスC-5050Zは、レンズが3倍ズームで他機種に 比べてこれといった特技が無い。真面目なカメラだが今回はパス。
 Nikonは広角28mm相当というズームが魅力的だが、あまりにもガチャガチャ した操作系が理解できないのでパス。
 その他にも「いっそ超コンパクト機でミノルタ、防水でオリンパス」などの案も あったが、あくまで「作品を作るカメラ」という方針で行く。そして 検討機種はCanonとSonyに絞られた。

●Canon PowerShot G5
 500万画素、F2.0-4倍ズーム、CFカード採用
 一眼レフタイプにも搭載されたDIGICという画像処理回路が搭載されて 基本機能は高い(らしい)。
 操作性もカメラメーカーらしく、よく使う機能が1ボタンで呼び出せて ちまちまとメニューの階層を潜っていくのとは雲泥の差だ。銀塩一眼レフと 同様に、軍艦部に液晶パネルがあり、主要な設定が一覧できる。

 それで店頭でじっくりいじってみたのだが、どうもピント合わせが遅い
 ピント合わせが遅いのは、コンパクト・デジカメでは一般的だが、 シャッター半押しから合焦までの1秒前後の間、液晶ファインダーの 表示が静止画になってしまうのがかなり不自由だ。
 これでは、動く被写体はピントを合わせている間にどこかに行って しまう。
 C-3030Zは、AF中でも画面表示がリアルタイムだったので、流し撮りも出来た。
 G5でもAFをコンティニュアス・モードにすれば画面表示は動画になるのだが、 AFの迷いが多く常用する気にはなれない。そして、AFモード切替が結構面倒と来ている。
(同じCanonでもIXYシリーズは表示は動画のままなので、余計に残念なのだ)
 G5は完成度が高く、これがほとんど唯一の欠点かもしれないが、 AF速度とファインダーのリアルタイム性は重要なポイントだ。
 あとはISO感度が100-400までで最大感度が高くないことが若干不安か。 レンズが明るい(F2.0)ことで、F2.8の機種のISO800と同等と考えれば 良いのかもしれないが。
 重く大きく物としての存在感が立派。信頼性も高そうだが、「瞬間を切り取る」 という機動性に欠けるのが物足りない。

●SONY Cyber-shot V1
 500万画素、F2.8-4.0/4倍ズーム
 Canonに比べるとだいぶ小型なのと、ナイトショット機能など、一風変わっ た機能があるのが面白い。動画撮影だってVGA画質で44分連続。
 SONYはカタログに機種ごとの起動時間、シャッターのタイムラグ、 連写感覚などのデータを明記しているのが立派。つまり、スピードに 自信が有るのだろう。
 機能で選ぶならこの機種かと思う。
 不満なのは、500万画素も有るのに、指先でつまむような持ちかたしか出来ない 本体のデザインで、とても高級機種には見えない。
 偏見なのは分かっているが、Cyber-shotはCyber-shotでカメラじゃない という感じがしてしまい、Sonyを買うならコンパクトなサブカメラが良いような 気がする。

●Canon EOS10D
 一眼レフタイプ。630万画素、撮影倍率1.6倍
 500万画素のコンパクト・デジカメを二台買うお金で一眼レフタイプが 買える。微妙なところである。
 何しろEOS用の交換レンズはズーム5本、単焦点2本の50万円以上の投資があり、 使わなきゃもったいないということは、もちろん有る。
 問題は、気合を入れた撮影の時以外には持ち歩きたくないことかな。

 などなど悩んでいると妻が耳元で
 「デジカメなんか止めて SO505i にすれば」とか言うし。
 それは…違ってないか(^^;

参考: 4倍ズーム500万画素デジカメのレビュー - pcweb

■決定・EOS10D 選択の理由

 「今どんなカメラを使うにしても、最終的には全てがデジタルに移行するつもりであり、 だったら、今は一眼レフデジカメへの移行タイミングじゃないか」 という理由でEOS10Dを選択した。
 「デジタルに移行する」というのは、我が家の写真の楽しみ方が 「プリントをアルバムに張って保存する」というものではなく、パソコンのスライド ショーにするのと、大伸ばしにして飾るというものだから。大伸ばしはもちろん、 自分でレタッチを施してプリンタ出力。
 最初の頃は、ネガフィルムで撮影してプリントを依頼すると、どうしても色が合わない ことに悩まされていた。アートな写真てのは結構厳しい光線状態のことが大きいが、 お店と自分のイメージが合うことは滅多に無いといっていいくらい。
 だから全てを自分で賄う方法がデジタル化だった。
 その為にいままでは日常用にはデジカメ(C-3030Z)、作品を意識した撮影では一眼レフに ポジを詰めてフィルムスキャナで取り込み、という手間を掛けていた。
 コンパクト・デジカメを使うのは手軽だから。画質も300万画素で A4プリントには充分。不満は「毎日持ち歩くほどにはコンパクトでない」 ことと、動くものを取るには反応が遅いこと。
 一眼レフで取った写真をわざわざスキャンしてコンピュータに掛け るのは、カメラとしての基本性能が格段に違うから。
 良い写真を撮る基本は「被写体をしっかりと見る」ことであり、一眼レフの ファインダーはそのために非常に重要だ。デジカメの液晶ファインダーも 100%記録されるものが見えるという点では優秀だが、小窓から覗いているような もので、間接的だ。
 「機能」の面から言えば、一眼レフはAF能力、シャッタータイムラグ、連写コマ数など の基礎能力が何れもコンパクト機より優秀だ。
 シャッター半押しでAFを作動させておけば、コンパクト機もそこそこ速い とはいえ、それでは動いているものが取れない。
 このように撮影の瞬間には圧倒的に有利な一眼レフだが、フィルムを スキャンするのは大変だ。
 スキャナ(ミノルタ)の解像度は1000万画素程度有るのだが、とにかく べらぼうにスキャン速度が遅いのと、フィルムと同じ色でスキャンするには、 かなりマメな調整を必要とすること、暗部の階調が悪くノイズが多いことなど、 不満も多く、結構高価なのだが理想の画質には遠かった。

 総合すると、一眼レフ・デジカメの画質がフィルムスキャナー の出力と遜色無いなら乗り換えるべきだという結論が出る。
 EOS10Dの出現で、それが現実になった。
 600万画素を超えれば、A3プリントでもほぼ銀塩並みの画質だろうし、 手持ちのスキャナの限界は超えたと思われる。EOS-1Dsにはかなわないが、 現実的にデジタル領域で最高の画質を求めるとEOS10Dになる。
 とにかく、写真は残すものであるから、後悔があってはならない。


EOS10Dを徹底研究する

 このような経緯でついにデジタル一眼レフ"EOS10D"を導入。
 銀塩、コンパクトデジカメとのメリット、デメリットを踏まえて、徹底的に 研究した成果を紹介する。

■徹底研究・機能編

 カタログをざっくり読めば分かる事柄は省略。

●デジタルな話

●メカニカルな話
●オプティカルな話
●再生機能の話

■徹底研究・画質編

 レンズに依存しない、デジカメとしての画質の話題。
●ISO感度設定と画質
●画質モード
●ホワイトバランス/AWB


■徹底研究・レンズ編

[EFレンズ]
 10Dは銀塩35mmの1.6倍の焦点距離になるので、手持ちのレンズのラインナップを 組みなおす必要がある。これは広角側を多用する人にとってはなかなか問題だ。
●EOS10Dで利用するレンズセットを考える
●レンズの実力調査

■徹底研究・オプション編

●バッテリー
 付属のバッテリーには充電方法について示した取扱説明書がついているが、 非常に細かく注意事項が並んでいる。「使用する当日か前日の夜に充電しろ」 と有って、まるで「生もの」扱いである。
 充電時間は約90分。充電器は100-240v対応だから海外旅行に行っても ホテルでちゃちゃっと充電することが可能だろう。 ●CFカード
●リモートスイッチ必須のこと

■徹底研究・ソフト編

[EOS 10D添付ソフト]
●File Viewer Utility

●ZoomBrowzer EX 4.1
 なんとこのソフトではネットワークドライブにアクセスできないという、驚いた 仕様があることが分かった。
 仕様と言えば"Program"フォルダに入っている画像ファイルにはアクセスしないという 制限もあって、それは納得できるが、せめて「ドライブ名をつけてマウントしたネット ワーク・ドライブ」にはアクセスできないと、いまどきのパソコン環境に対応していると 言いがたい。大事なファイルはネットワーク経由でサーバに保管する。これは常識。
 他のソフト(FVU)は普通にネットワークドライブが使用できるのだから、ZB-EXも対応して 欲しいものだ。

●PhotoShop Elements 2.0
●Windows版 File Viewer Utility :EOS 10Dから画像を読み込み、閲覧・管理・現像処理をするためのソフトウェアです。 RemoteCapture :EOS 10Dをコンピューターからリモートコントロールするためのソフトウェアです。 ZoomBrowser EX :画像閲覧/管理用のソフトウェアです。Canon Image Gatewayへのアクセス機能も備わっています。。 PhotoRecord :ZoomBrowser EXと連携してレイアウト印刷を可能にするソフトウェアです。 PhotoStitch :パノラマ合成など複数の画像合成を高精度で行うソフトウェアです。 WIAドライバ :簡単な操作でJPEG画像が取り込めるWindows Me/XP用のドライバです。 TWAINドライバ :簡単な操作でJPEG画像が取り込める、Windows 98SE/2000用のドライバです。 Adobe Photoshop Elements :レタッチソフトの定番・Adobe Photoshopの簡易版です。 ■コンピューター動作環境 OS:Windows 98SE/Me/2000/XP(HomeEdition/Professional) 上記の日本語版OSがプリインストールされていて、USB接続部を標準装備したコンピューター *NEC PC9800/9821シリーズおよび、アップグレード機は非対応 CPU:Pentium 150MHz以上(Windows 98SE/Me/2000)、Pentium 300MHz以上(Windows XP) RAM:128MB以上(Windows 98SE/Me/2000)、256MB以上(Windows XP)必要 HD空き容量:100MB以上(File Viewer Utility)

■徹底研究・撮影編

●旅行に持っていく機材を考える

参考:所有EOSシステム(2003.8.1現在)

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