EOS10D徹底研究
機種選定の経緯
■2003年6月、デジカメ壊れる
2000年にコンパクトデジカメ(オリンパスC-3030Z)を購入してから、
3年半。すっかり安易な散歩カメラ的写真ばかりで、一眼レフは旅行の時くらい
しか使わなくなっていたけれど、とうとうそのデジカメが壊れた(^^;;
どうもCCDが画素欠けを起こしたようだ。画面中央上方他数箇所に「緑の輝点」
が出るようになってしまった。まっ四角でいかにもデジタルなドットの集合。
こんな壊れ方をするとは…
記録されたコマを遡って見ていくと、とある結婚式の撮影の途中で、
忽然とその輝点は現れ、ほんとうに何の予兆も無かった。
時代は500万画素時代に突入し、いまさら修理して使うのかどうか悩む。
そこで、「次は作品を作るデジカメを手に入れよう」と考えたのだった。
■機種選定
●CAMEDIA C-3030ZOOM の ○と×
オリンパス CAMEDIA C-3030Zは、3年以上使ったが、これといった特徴も無いが、
カメラとしてのまとまりが良くて使いやすかった。私が2000年にデジカメ購入に
踏み切ったのは、このカメラでようやくデジカメが実用域に入った
と確信したためだ。
- C-3030Zのここが○
- ○ 画質が良い - 300万画素はA4までなら充分鑑賞に耐えるし、レタッチしなくても綺麗な色
- ○ レンズが明るい - 3倍ズームでF2.8。一眼レフなら高級レンズ相当だ
- ○ 低照度に強い - 肉眼では良く見えないほどの暗さでも明るくはっきり写る。一秒以上のスローシャッターでもブレが目立たず、CCDのノイズも少ない。当時のIXY DEGITALとは雲泥の差が有った
- ○ ホールディングが良く手になじむ - 案外写真の出来はこういうところに左右される
- ○ 連写速度が速い - 大容量のバッファメモリを持ち、3コマまでは書き込み待ちが発生しない
- C-3030Zのここが×
- × 起動が遅い - コンパクトデジカメ共通の悩みだが
- × ピント合わせが遅い - 暗いところでも合うけれど、速度が足りない。どこに合ったのかも分かりにくい
- × MFが実用的でない - 操作が分かりにくいし、画面で確認しにくい。
- × シャッターのタイムラグが大きい - 動くものは無理。カンで勝負
- × 色温度の設定、画面サイズの選択などのメニュー階層が深い - 結局オート任せ
- × 光学ファインダーの視差が大きく使い物にならない - 液晶に頼るので電池が持たない
- × 電池の消耗が激しい - 単三電池が使えるのが不幸中の幸い。予備電池は欠かせない
- × デジタルズームの画質劣化が激しい - 呆れるほどザラザラの絵でまるで使えない
次に買うカメラは、良いところは良く、不満なところをカバーしてくれる
ような機種でなくてはならない。
というわけで、最新カメラの店頭使用テストだ。(雑誌の評価記事も数誌を参考にした)
最新のハイエンド・コンパクト・デジカメは、どれも500万画素/4倍ズーム
という仕様は同じ。それ以外の使い勝手や画像処理技術が差別化のポイントだ。
まずC-3030Zの直系の子孫、オリンパスC-5050Zは、レンズが3倍ズームで他機種に
比べてこれといった特技が無い。真面目なカメラだが今回はパス。
Nikonは広角28mm相当というズームが魅力的だが、あまりにもガチャガチャ
した操作系が理解できないのでパス。
その他にも「いっそ超コンパクト機でミノルタ、防水でオリンパス」などの案も
あったが、あくまで「作品を作るカメラ」という方針で行く。そして
検討機種はCanonとSonyに絞られた。
●Canon PowerShot G5
500万画素、F2.0-4倍ズーム、CFカード採用
一眼レフタイプにも搭載されたDIGICという画像処理回路が搭載されて
基本機能は高い(らしい)。
操作性もカメラメーカーらしく、よく使う機能が1ボタンで呼び出せて
ちまちまとメニューの階層を潜っていくのとは雲泥の差だ。銀塩一眼レフと
同様に、軍艦部に液晶パネルがあり、主要な設定が一覧できる。
それで店頭でじっくりいじってみたのだが、どうもピント合わせが遅い。
ピント合わせが遅いのは、コンパクト・デジカメでは一般的だが、
シャッター半押しから合焦までの1秒前後の間、液晶ファインダーの
表示が静止画になってしまうのがかなり不自由だ。
これでは、動く被写体はピントを合わせている間にどこかに行って
しまう。
C-3030Zは、AF中でも画面表示がリアルタイムだったので、流し撮りも出来た。
G5でもAFをコンティニュアス・モードにすれば画面表示は動画になるのだが、
AFの迷いが多く常用する気にはなれない。そして、AFモード切替が結構面倒と来ている。
(同じCanonでもIXYシリーズは表示は動画のままなので、余計に残念なのだ)
G5は完成度が高く、これがほとんど唯一の欠点かもしれないが、
AF速度とファインダーのリアルタイム性は重要なポイントだ。
あとはISO感度が100-400までで最大感度が高くないことが若干不安か。
レンズが明るい(F2.0)ことで、F2.8の機種のISO800と同等と考えれば
良いのかもしれないが。
重く大きく物としての存在感が立派。信頼性も高そうだが、「瞬間を切り取る」
という機動性に欠けるのが物足りない。
●SONY Cyber-shot V1
500万画素、F2.8-4.0/4倍ズーム
Canonに比べるとだいぶ小型なのと、ナイトショット機能など、一風変わっ
た機能があるのが面白い。動画撮影だってVGA画質で44分連続。
SONYはカタログに機種ごとの起動時間、シャッターのタイムラグ、
連写感覚などのデータを明記しているのが立派。つまり、スピードに
自信が有るのだろう。
機能で選ぶならこの機種かと思う。
不満なのは、500万画素も有るのに、指先でつまむような持ちかたしか出来ない
本体のデザインで、とても高級機種には見えない。
偏見なのは分かっているが、Cyber-shotはCyber-shotでカメラじゃない
という感じがしてしまい、Sonyを買うならコンパクトなサブカメラが良いような
気がする。
●Canon EOS10D
一眼レフタイプ。630万画素、撮影倍率1.6倍
500万画素のコンパクト・デジカメを二台買うお金で一眼レフタイプが
買える。微妙なところである。
何しろEOS用の交換レンズはズーム5本、単焦点2本の50万円以上の投資があり、
使わなきゃもったいないということは、もちろん有る。
問題は、気合を入れた撮影の時以外には持ち歩きたくないことかな。
などなど悩んでいると妻が耳元で
「デジカメなんか止めて SO505i にすれば」とか言うし。
それは…違ってないか(^^;
参考:
4倍ズーム500万画素デジカメのレビュー - pcweb
■決定・EOS10D 選択の理由
「今どんなカメラを使うにしても、最終的には全てがデジタルに移行するつもりであり、
だったら、今は一眼レフデジカメへの移行タイミングじゃないか」
という理由でEOS10Dを選択した。
「デジタルに移行する」というのは、我が家の写真の楽しみ方が
「プリントをアルバムに張って保存する」というものではなく、パソコンのスライド
ショーにするのと、大伸ばしにして飾るというものだから。大伸ばしはもちろん、
自分でレタッチを施してプリンタ出力。
最初の頃は、ネガフィルムで撮影してプリントを依頼すると、どうしても色が合わない
ことに悩まされていた。アートな写真てのは結構厳しい光線状態のことが大きいが、
お店と自分のイメージが合うことは滅多に無いといっていいくらい。
だから全てを自分で賄う方法がデジタル化だった。
その為にいままでは日常用にはデジカメ(C-3030Z)、作品を意識した撮影では一眼レフに
ポジを詰めてフィルムスキャナで取り込み、という手間を掛けていた。
コンパクト・デジカメを使うのは手軽だから。画質も300万画素で
A4プリントには充分。不満は「毎日持ち歩くほどにはコンパクトでない」
ことと、動くものを取るには反応が遅いこと。
一眼レフで取った写真をわざわざスキャンしてコンピュータに掛け
るのは、カメラとしての基本性能が格段に違うから。
良い写真を撮る基本は「被写体をしっかりと見る」ことであり、一眼レフの
ファインダーはそのために非常に重要だ。デジカメの液晶ファインダーも
100%記録されるものが見えるという点では優秀だが、小窓から覗いているような
もので、間接的だ。
「機能」の面から言えば、一眼レフはAF能力、シャッタータイムラグ、連写コマ数など
の基礎能力が何れもコンパクト機より優秀だ。
シャッター半押しでAFを作動させておけば、コンパクト機もそこそこ速い
とはいえ、それでは動いているものが取れない。
このように撮影の瞬間には圧倒的に有利な一眼レフだが、フィルムを
スキャンするのは大変だ。
スキャナ(ミノルタ)の解像度は1000万画素程度有るのだが、とにかく
べらぼうにスキャン速度が遅いのと、フィルムと同じ色でスキャンするには、
かなりマメな調整を必要とすること、暗部の階調が悪くノイズが多いことなど、
不満も多く、結構高価なのだが理想の画質には遠かった。
総合すると、一眼レフ・デジカメの画質がフィルムスキャナー
の出力と遜色無いなら乗り換えるべきだという結論が出る。
EOS10Dの出現で、それが現実になった。
600万画素を超えれば、A3プリントでもほぼ銀塩並みの画質だろうし、
手持ちのスキャナの限界は超えたと思われる。EOS-1Dsにはかなわないが、
現実的にデジタル領域で最高の画質を求めるとEOS10Dになる。
とにかく、写真は残すものであるから、後悔があってはならない。
EOS10Dを徹底研究する
このような経緯でついにデジタル一眼レフ"EOS10D"を導入。
銀塩、コンパクトデジカメとのメリット、デメリットを踏まえて、徹底的に
研究した成果を紹介する。
■徹底研究・機能編
カタログをざっくり読めば分かる事柄は省略。
●デジタルな話
●メカニカルな話
- 作動音
コンパクトデジカメと比較すると、シャッターやミラーの駆動音があるため「無音」
ではないが、普通の銀塩AF一眼レフと比較すると大変に静か。音質も心地良い。
ポートレイトでは、多少の作動音が合ったほうが撮られる方も調子が出るだろう。
舞台撮影にもこれなら使える。
- 三脚穴と可動部へのアクセス
三脚穴は、レンズの光軸直下にあり、EOS55ではやや左にオフセットしていたのと
異なる。ほんの1cmちょっとのことだが、接写などには効いてくることもあるだろう。
三脚に載せた状態で、バックアップ用電源以外の可動部にはすべてアクセスできるため、
素早く電池交換、カード交換など出来る。
この辺はコンパクトデジカメとは全然違う。
- 蓋
端子類にはゴム蓋があり、ゴミが入らないのは安心。本体から外れないように
くっついていて紛失の心配は無い。
●オプティカルな話
- AF
EOS55には本体にAF補助光の赤色LEDがあり、室内写真の距離ならば、真っ暗でも
ピントが合う。
EOS10DにもAF補助光はあるが、内蔵フラッシュの連続発光によるものなので、
ISO感度を上げてフラッシュ撮影したくない時には使えない。
ISO 1600などで結構撮影が出来るので、このときAF補助光無しではピントが合いにく
くなるのは残念だ。
AF補助光つきのストロボを装着して「外部ストロボは発光させずに、AF補助光のみ
発光させる」というカスタム設定ができる。
この場合はどんな暗闇でも、低コントラスト被写体でも一瞬で合焦する。
通常手持ちが可能な明るさでのAFは、レンズにもよるがほぼ瞬時に合焦するといって良く、
銀塩一眼レフに些かの遜色も無い。コンパクト・デジカメとは比較にならない快適さだ。
AFがどうにもならない場合でも、MFがさっと使えるのが一眼レフのいいところだ。
もっとも、合焦後にMFするのと違って、AFがどうにもならないケースでは、レンズ側
スイッチをMFにセットしないと、レリーズできないが。
- 内蔵フラッシュ
レンズ別内蔵フラッシュでケラレの発生する焦点距離 |
レンズ名 | 焦点距離 | 35mm換算 |
EF17-40mmF4L | 25mm | 40mm |
EF20-35mmF3.5-4.5 | | |
| | |
内蔵フラッシュの配光特性は、35mmカメラ相当で28mmレンズを充分にカバーしているが、
何しろ広角ズームは前玉が大きいのでケラレが起こる。
これを一覧にした。撮影距離は2m以上で、最短撮影距離付近まで近づくとケラレの
発生する焦点距離はぐっと長くなる。
もちろん、フードをつければさらにケラレまくりである。
- ファインダー
ファインダーのアイポイントは20mmあり、めがねを掛けていてもあまり苦労なく
全視野が見渡せる。もっとも、ファインダー倍率は高くない。
アイカップが非常にソフトで当たりが柔らかいのも良い。
視度補正機構も、効果的。
●再生機能の話
- EOS 10Dの液晶は相当輝度が高いので、点灯すると消耗が激しそうだが、輝度は5段階に
変更できる。
バックライトは白色LEDで、色再現性が良いのでホワイトバランスの確認もこれを信頼して
出来る。
撮影後の確認画面は、デフォルトで2秒だが、無くてもいいような気がする。画像は
シャッターの半押しで即座に消灯するので、連続撮影時にまぶしく気が散ることは、
最低限に抑えられる。。
■徹底研究・画質編
レンズに依存しない、デジカメとしての画質の話題。
●ISO感度設定と画質
- EOS10DのISO感度設定
昼から夜にかけて出歩き、色々なISO感度の撮り比べをしてみた。
ISO 100〜400は、ほとんどノイズは見えない。ちょっと昔のPROVIA 400
の粒状性より全然優秀だと思うし、常用に耐える。もちろんISO 100の時の滑らかさは
400の時と違いは存在するが。
ISO 800では暗部に少しノイズが感じられるようになり、1600では
急激にノイズが増える。3200(H)も同傾向でノイズ多し。
1600,3200は非常用という感じはあるけれど、ノイズの出方はしかし思った以上に渋く、
「デジタルノイズ」というよりフィルムの増感で粒子が荒れたというような
表現に近いと思う。
街灯の明かりを頼りに「夜間スナップ」のシチュエーションなら
ISO 1600/3200モード
のザラッとした画面がドキュメンタリー風で「味がある」。
また、闇の部分はザラザラでも、光のある部分はわりと滑らかに見える。
一方三脚を立てての低感度・長時間露光の夜景撮影では、驚くほど
ノイズが少なく黒も締まっている。
例えば新宿の高層ビル街の夜景を撮影して、空が青白く浮いてくるくらいの
露出をかけても、画面にざらざらノイズなどは現れないので、まったくデジタル
っぽくない。
●画質モード
- Larg/NormalとMiddle/Fine
この二つ、どちらもファイルサイズが同じようなもの。
どちらの画質が良いのか調べなければ。
●ホワイトバランス/AWB
●
●
■徹底研究・レンズ編
[EFレンズ]
10Dは銀塩35mmの1.6倍の焦点距離になるので、手持ちのレンズのラインナップを
組みなおす必要がある。これは広角側を多用する人にとってはなかなか問題だ。
●EOS10Dで利用するレンズセットを考える
- 焦点距離換算
35mm | | S | c | c | c | c | c | c | c | c | 10D換算 |
14 | 14 | | | | | | | | | | 22.4 |
15 | | 15 | | | | | | | | | 24 |
16 | | : | 16 | | | | | | | | 25.6 |
17 | 17 | : | : | 17 | | | | | | | 27.2 |
20 | | : | : | : | 20 | | | | | | 32 |
24 | | : | : | : | : | 24 | | | | | 38.4 |
28 | 28 | : | : | : | : | : | 28 | 28 | | | 44.8 |
30 | | 30 | : | | : | : | : | : | | | 48 |
35 | | | 35 | : | 35 | : | : | : | | | 56 |
40 | | | | 40 | | : | : | : | | | 64 |
50 | 50 | | | | | : | : | : | | | 80 |
70 | | | | | | : | : | : | 70 | | 112 |
75 | | | | | | : | : | : | : | 75 | 120 |
80 | | | | | | 80 | : | : | : | : | 128 |
100 | 100 | | | | | | 105 | : | : | : | 160 |
135 | | | | | | | | 135 | : | : | 216 |
200 | | | | | | | | | 200 | : | 320 |
300 | | | | | | | | | | 300 | 480 |
重量g | | 615 | | 475 | 340 | | | 540 | 1310 | 650 | 重量g |
EOS10Dは、銀塩一眼レフカメラの1.6倍の焦点距離になる。
右表は、代表的なレンズの焦点距離を換算したものである。
- 「デジタル一眼レフへの移行」で、17-40mmズームが、27〜64mm相当にしかならない
のは、24mm無いと広角らしさが出ないと感じる私にとっては難しいところだ。
ただ風景写真なら、デジタルでは
二枚とって繋げる…という考え方も出来るので、割り切ることも出来るだろう。
望遠は手持ちの75-300mmが、120-480mmになるのだから、恐るべきことだ(^^;
- ワイドレンズを探す
EOS 10Dは35mmカメラに対し焦点距離が1.6倍になる。
望遠レンズを使いたい時には、お得だが、もともと広角レンズのラインナップが薄いEOS
システムではちょっと厳しい感じがする。
現在手持ちのラインナップは、20-300mmなので、これが32-480mmに
シフトする計算。
実際に「必須」の焦点距離は24-200mmあたりなので、これをカバーするには
広角側は15mm必要になる。
キャノンには16-35mm,17-40mmのズームがあるが結構高い。
SIGMAには 15-30mm/F3.5-4.5 EX DG ASPHERICAL というレンズがあり、これは
24-48mmに相当するので、広角〜標準をカバーするズームとして、なかなか使えそうな
気がする。で、安い。でも銀塩EOSで多用している20-35mmレンズに対して倍ぐらいの
大きさはある(^^;
もちろん、Canonの超広角だって17,16mmとなれば巨大なのだが、望遠側がコンパクトに
まとまるのを帳消しにするサイズでは有る。
結局ズームレンズのラインナップとして、
- 銀塩EOSセット→20-35,28-135,75-300(3本)
- EOS D セット→15-30,28-135
- EOS D 換算値→24-48,45-216(2本)
という具合になりそうだ。これに、明るい単焦点を1,2本持てば、完璧。か?
- ただ、SIGMAの15-30mmは重いデカイ。615g
これは手持ちのレンズでは75-300mmISの650gに匹敵する。
こんな重いレンズを、「標準レンズ」として使う気になれるだろうかと思うと
ちょっと考えてしまう…。システムの総重量を計算してみよう。
- しかし、常用域(28-135mm)が一本になっている銀塩はやっぱり使いやすい。
これをデジタルに換算すると、17-80mm、あるいは17-50mmくらいでも良い。
EF 17-40mmというレンズは35mm換算で27-64mmで、もう一声だ。
オリンパスOM-2を使っていた時には、24mm,50mm,100mm,100-300mmの
4本で全ての撮影をやっていたので、単焦点を軸に再編成してもいいのかも
しれないが…。
デジタル換算で上記の単焦点は、15mm,28mm,50mmがちょっと広角よりに既存
レンズ当てはめたところ。いずれにしても、いつのまにかズームに慣れてしまって
単焦点に踏み込めないのがどうも…(^^;
- ワイドレンズを探す2
全装備重量がやはりネックかと思い、カメラ店で17-40mmなんか触ってくる。
それにしても、Canonのレンズ、特に広角系はでかい。ニコンは玩具のように小さい。
レンズ内モーターや絞りなど、あまり小さく出来ない要素があるのは分かるけれど、
市販のカメラバッグはまだまだMF機時代の基準で出来ているものが多いように思える。
つまり、レンズが4本入る…と説明されるスペースにキャノンのレンズは全然納まらない
んだよなぁ…
他より20%くらい大きい、キャノン用のカメラバッグってのが有ってもいいと思うのだ。
ちなみに、昔のオリンパスのレンズのフィルター径は49mm,55mm。
EOSは、52,55,72,77mmなど。単純に大きいって以上に「フィルターの枚数が増えるのも
馬鹿にならないぞっ」てことなんだが…
●レンズの実力調査
- Canon EF17-40mmF4Lと旅行に持っていく機材考
機材とバックの組み合わせを考えて、旅行に行くぞ。
- 各レンズの実写テスト実施。
手持ちの全レンズで、テストチャートは無いけれど、細かなパターンを撮影して
写りを比較してみた。
同一焦点距離に対する絞り開放とF8.0の比較で、オリンパスのC-3030Z
(300万画素)では
データ上で違いが分からなかったけれど、
EOS 10Dの630万画素では、開放で甘い描写だったのが、絞り込むと解像度が
上がってカリッとするのが、200%拡大ぐらいにするとよく分かった。
印象深いのは、EF100mmF2とEF70-200mmF2.8を絞った時
の解像力。このへんのレンズになると、1000万画素有ればさらに高画質を
引き出せるだろうなと思う。
その他のレンズ、特に広角系に関しては、光が一点に集まらずソフトに
なっている様が見える。
フィルムカメラでは、もったいなくて自分でこんなテストをしてみようとも
思わなかったけれど、この実験で絞り込むことによるレンズの味わいの変化
というものが実感できた。630万画素恐るべしって感じだ。
レンズの違いがしっかり写るってことは、良いレンズが実力を発揮できる
ってことだから、大切なことだ。
■徹底研究・オプション編
●バッテリー
付属のバッテリーには充電方法について示した取扱説明書がついているが、
非常に細かく注意事項が並んでいる。「使用する当日か前日の夜に充電しろ」
と有って、まるで「生もの」扱いである。
充電時間は約90分。充電器は100-240v対応だから海外旅行に行っても
ホテルでちゃちゃっと充電することが可能だろう。
- バッテリー1個で何枚実写できるか
専用バッテリーはカタログ性能では450-650枚撮影可能(気温によって変動)。
果たして実写では何枚撮影可能なのだろうか。
- 新品電池をさっそく「フル充電」して使用する。なんと150枚でアウト。
最初の数十枚で「残量が少ない」警告が出てしまったため、オイオイと思って
どこまで撮れるのか試してみたら、たったの150枚でバッテリー切れというわけだ。
(警告が出てから100枚以上撮れた計算)
ばりばり液晶モニターを使って設定などをいじっているとこんな感じ
ということか。
(撮影後確認は2秒。長時間露出もあり。フラッシュ使用は少し)
あるいは「新品バッテリーは、充電を2-3回繰り返してから本来の容量に達する」
という話もあるので、初回だけ短かったのかもしれない。
- 充電2度目のテストでは約280コマでバッテリー切れ。
一回目の充電では150コマ程度だったので倍増。調子が出てきたか?
使用条件としては、明らかに「設定をいじっているより、撮影している時間の
ほうが長い」という違いも有る。ストロボはあまり使っていない。
- 充電3度目。なんと630コマ達成
今回は宴会のスナップや、花火大会写真(ISオフ、AFなし、フラッシュ無し)など、
ひたすらシャッターを切り、比較的バッテリーに負担のかからない撮影が多かった。
とはいえ、どうやらほぼ公称性能に近いコマ数(450-650枚)が取れるようだ。
いずれにせよ、「新品充電池は、充電3度目から実力発揮」ということは
間違いないようだ。
- これだけ撮れるとなれば、二泊三日の旅行程度なら、安全のために予備バッテリー
を一本持っていけば充電器は必要ないかもしれない。
海外でも、一本の電池で撮影後、ホテルで液晶を見ながら不要なコマの整理を
行うくらいの余裕はありそうだから心強い。
一眼レフデジカメは撮影中に「液晶プレビュー」が出来ないため、
そこには電力が必要ない。各種設定も、主要な項目(露出補正、ストロボ補正、
絞り、シャッター、ISO感度、WB,AFフレーム、ドライブモード、
測光モード、メモリ残量)は背面の液晶を使わずに変更できる。
撮った写真を確認することも、CPUは相当にフル回転しているのだから、
電池を消耗しているに違いなく、撮影可能コマ数が半減したとしても不思議は無い。
いずれにせよ、「一眼レフデジカメ」のバッテリー性能は、コンパクトデジカメ
とは格段の差があり、安心して撮影に専念できるだけの余裕がある。
●CFカード
- CFカード・パフォーマンス・テスト表
メディア | バッファ復活 | CF書き込み終了 |
LEXAR 80x-1G | 4.6 | 11.6 |
LEXAR 40x-512M | 5.6 | 23.6 |
TDK GDB-256M | 6.5 | 30.1 |
I/O CFX-512M(20x) | 6.6 | 30.4 |
右の表はCFカードによる連写性能を調べたものである。
- バッファ復活:は、9コマ連写が終わった瞬間から、連写残数カウンターの数字が0→9に戻るまでの時間(秒)
- CF書き込み終了:は、9コマ連写が終わった瞬間から、メディアに対するアクセスランプが消灯するまでの時間(秒)
-
LEXARの40倍速CFを買った。
とにかく速度に言及しているカードの中で一番早かったので。というわけで、
100MBの読み書き速度を調べてみた。
- TDK Read 1:20 Write 1:40
- LEXAR 40x Read 1:20 Write 1:30
- PCのハードディスク内の転送 Read/Write 0:20
実は自慢気に書いてないだけで、TDKも馬鹿っ速なんだろうか。
確かにWriteは若干速いものの、READは互角。パソコンのカードスロットの
性能の壁なのだろうか。
このままでは「値段の差ほどの性能差は無い」ということになるが、カメラで
の読み書きスピードはどうだろう?
現実のシチュエーションでは、9コマ連続撮影したあと、カメラのアクセスランプ
が消えるまでの時間を計れば、一こまあたりの書き込み速度がわかる。
- 9コマバッファクリア / 一枚あたり書き込み
- TDK 00:25"3 / 2.8秒
- LEXAR 40x 00:21"4 / 2.4秒
まあ、違うといえば違う。大差無いといえば大差無い。
実際、バッファがいっぱいになるような撮り方はしないし。
- 各社のxx倍速という表示には、統一した基準が無いらしい。つまり、会社が違うと
比較できない。
●リモートスイッチ必須のこと
■徹底研究・ソフト編
[EOS 10D添付ソフト]
●File Viewer Utility
●ZoomBrowzer EX 4.1
なんとこのソフトではネットワークドライブにアクセスできないという、驚いた
仕様があることが分かった。
仕様と言えば"Program"フォルダに入っている画像ファイルにはアクセスしないという
制限もあって、それは納得できるが、せめて「ドライブ名をつけてマウントしたネット
ワーク・ドライブ」にはアクセスできないと、いまどきのパソコン環境に対応していると
言いがたい。大事なファイルはネットワーク経由でサーバに保管する。これは常識。
他のソフト(FVU)は普通にネットワークドライブが使用できるのだから、ZB-EXも対応して
欲しいものだ。
●PhotoShop Elements 2.0
●Windows版
File Viewer Utility :EOS 10Dから画像を読み込み、閲覧・管理・現像処理をするためのソフトウェアです。
RemoteCapture :EOS 10Dをコンピューターからリモートコントロールするためのソフトウェアです。
ZoomBrowser EX :画像閲覧/管理用のソフトウェアです。Canon Image Gatewayへのアクセス機能も備わっています。。
PhotoRecord :ZoomBrowser EXと連携してレイアウト印刷を可能にするソフトウェアです。
PhotoStitch :パノラマ合成など複数の画像合成を高精度で行うソフトウェアです。
WIAドライバ :簡単な操作でJPEG画像が取り込めるWindows Me/XP用のドライバです。
TWAINドライバ :簡単な操作でJPEG画像が取り込める、Windows 98SE/2000用のドライバです。
Adobe Photoshop Elements :レタッチソフトの定番・Adobe Photoshopの簡易版です。
■コンピューター動作環境
OS:Windows 98SE/Me/2000/XP(HomeEdition/Professional)
上記の日本語版OSがプリインストールされていて、USB接続部を標準装備したコンピューター
*NEC PC9800/9821シリーズおよび、アップグレード機は非対応
CPU:Pentium 150MHz以上(Windows 98SE/Me/2000)、Pentium 300MHz以上(Windows XP)
RAM:128MB以上(Windows 98SE/Me/2000)、256MB以上(Windows XP)必要
HD空き容量:100MB以上(File Viewer Utility)
■徹底研究・撮影編
●旅行に持っていく機材を考える
- C-3030Zの時は、日帰り旅行で約100コマ撮影(200万画素・64MBカード1枚)、
バッテリー2セットが
標準。
海外旅行では、5泊するとして、EOSのフィルムカメラで、ISO100x10本、ISO400x5本(合計15本)、バッテリーは2セット。レンズはズーム3本で20〜300mmをカバーという感じ。
デジカメは電池がボトルネックだが、銀塩は特に弱点は無い(重いけど)。
フィルムの本数が多くなると嵩張るけれど、軽いから平気。足りなくなれば
買うことも出来る。
。
一方デジカメのバッテリーは丸一日持てば充電可能だが、充電器がちと嵩張る。
(EOS 10Dの充電器は大変コンパクトなのだが、撮影現場に直接関係無いものを持ち
歩くのが旅行中はもったいない。)
バッテリーもCFカードも旅先で買うことは出来ない。かなり余裕を見る必要がある。
そうすると、デジカメで旅をするには、日帰り旅行で、CFカード(256〜512)1枚、
バッテリー2個。が標準か。
泊りがけなら、一泊あたり、CFカード(256〜512)1枚、バッテリーは2〜3個、
充電器持参。というところか。
EOSの充電器は100-240V対応で、海外でもトランスを必要としないのが良い。
中にはパソコンを持ち歩いて旅先でバックアップをとる人もいるようだが、
さすがにそこまでしたくはない。「撮影」が目的ならアリかもしれないが、
写真は「旅の記念」と思っているので、主目的ではない。
…ならコンパクト機で充分ではないかという話もあるが、その辺微妙(^^;
- 我が家のパノラマ
夏場には珍しく遠望がきいたので、午前中に75-300mmレンズで地平線の彼方を
パノラマ撮影してみた。
江戸川のほとりから、関東平野西方を見渡す。
普段見えないけれど今回発見したものは、南から順に羽田空港の大アーチ、
私の勤める会社の本社ビル(^^;、横浜ランドマークタワー(シルエットとしてギリギリ)、
お台場の風力発電のプロペラ、フジTVビル(特徴的な球体とビルがちょうど一直線に
重なるため、気が付かなかった)、など。
都心はあまりにもごちゃごちゃして、新宿の高層ビル街より先は見えない。そして
池袋あたりはず〜っと目ぼしい建築物が無く、そのずっと北に、たぶん埼玉の
サッカー場が見える。
眺めて面白いのはやっぱりお台場近傍。
新しいビルがどんどん建つので、日々景色が変わる。
ちなみに、今回の撮影はLレンズではないけれど、F8に絞っているため、
周辺部まで高解像度で、色収差などは僅かしかない。ほとんど、1ドットのライン
までも写っている。凄い解像力だ。
C-3030Zの300万画素、70mm相当のレンズと比較してEOS10Dの630万画素、
300mm(480mm相当)での撮影は、縦横の分解能が10倍も違う。倍率で考えても、
手持ちの8倍の双眼鏡より大きい。今まで見えなかったものが見えてくるわけだ…。
- 夜景がまた印象的で、二年前とは比較にならないほど多数の高層ビルの赤い
ランプが見える。これを我が家では「王蟲の目に怒りが満ちておる」と
称しているのだが、その怒りは日に日に勢いを増している、という感じ。
もっとも開発著しい、お台場、汐留、佃島、品川あたりが同じ方向に見えるので、
そのエリアは特に凄い。
■
参考:所有EOSシステム(2003.8.1現在)
- ボディー
- レンズ
- EF50mm F1.4 USM
- EF100mm F2 USM
- EF17-40mm F4L USM (2003.7)
- EF20-35mm F3.5-4.5 USM
- EF28-105mm F3.5-4.5 USM
- EF28-135mm F3.5-5.6 IS USM
- EF70-200mm F2.8L USM
- EF75-300mm F4-5.6 IS USM
- その他
- Speed light 380EX
- リモートスイッチ
[戻る]