映画館がやってきた! | 映画鑑賞記 |
とある女子校の仲良しグループが、
里絵(深津)と憧れの美術教師(寺脇)をくっつける恋の呪文をかけ、
恋愛の女神を呼び出すが、仲間のいたずらで儀式は失敗し、
悪霊が降りてきて、次々と関係者を殺していく。 里絵と仲間は月の力を借りて悪魔を倒すために、満月の夜まで に何とか悪魔退散の呪文を完成させようとするが、彼女にも悪魔 の手が伸びる。 |
深津はショートカットで、派手な美少女という
感じではなく「真面目で地味だけれど良く見ると可愛い」という
タイプ。美人やコメディエンヌはちゃんと他に揃って学園ドラマの
王道を形成している。どっちにしても現在の深津絵里と比べたら
気が付かないくらい子供の顔で新鮮である。
寺脇さんはあまり変わっていないかな?
前半、まだあまり怖くないシーンでは、女子高生がコロコロと
駆け回る姿が可愛くてなかなか良い。教師役が全員マンガに出て
くるような、デフォルメされたステレオタイプで有るところが、
余計なウケ狙いという気はするが、夜の学校のシーンになると
途端にシリアスになる。
次々と殺人が起こり、最後にヒタヒタと迫る悪霊付きの教師と
里絵の追いかけっこになるのだが、なかなか怖くて良い。何度も
どんでん返しがあって飽きさせない。
追いかけられるうちに里絵の内にある種のたくましさが育って
くるようだが、あくまで無力な女子高生の本文を踏み外さないと
言うのも繊細で良い。最近のハリウッド映画には、女傑ばかり
だから安心できるかも(^^?
普段ホラーは見ない分新鮮だったが、三宅さんがこういう リリカルな作品を作っているとは知らなかったので、そういう 驚きもあった。三宅本人をはじめ東京エキセントリック・シアター の面々があちこちに出てくるのは却って違和感があるくらい、 全体のトーンは叙情的。不思議な味わいが面白かった。
文:唐澤 清彦 | 映画館がやってきた! |