映画館がやってきた! 映画鑑賞記

荒野の七人

■DATA 原題:THE MAGNIFICENT SEVEN
キャスト:ユル・ブリンナー

Story

 メキシコの田舎に野盗の集団による略奪に困っている村があった。
 長老の一声で「ガンマンを雇って戦ってもらう」うことになり、村の若い者が 街に探しに出る。そこで、義侠心のある一人のガンマン(ユル・ブリンナー)と 出会い、彼の口利きで6人のガンマンが集まり村に立つが、若く未熟者のガンマン がしつこく追ってきて、仲間に加わり、ここに7人のガンマンが集まる。
 村人はおそるおそる彼らを出迎えるが、野党を倒して得た銃を手にして、 村人も訓練する。
 そして村祭りも終わった頃に野盗が襲来する。
 いったんは大勝利を収めた彼らだが、野盗の復讐を恐れた農民グループの 手引きで、村に野盗が招き入れられ、ガンマン達は武装解除の上、追い出される。
 しかし、ユル・ブリンナーは「一度依頼された仕事は最後までやる」と、 村でくつろぐ野盗を襲撃する。
 ユル・ブリンナーと対決した野盗の首領は「なぜ誰からも頼まれず、何の得にも ならない殺しをするのか」という不審の言葉を残して息絶える。

感想

[1999.12. 2 レンタル]
 ユル・ブリンナーが黒澤監督の『七人の侍』をみて気に入り、西部劇としての リメイク件を得て作製したとか言うのは有名な話。
 しかし、ラストの成り行き以外本当にストーリー、人物設定、絵柄、セリフetc.が よく似ているのがなかなか興味深かった。どこを切っても、黒澤の該当シーンが 頭に浮かぶ。音楽も「村祭り」の部分そうとう黒澤版のイメージに近い。
 「薪を割るガンマン」「気の進まぬ勝負を申し込まれてズバっと相手を倒してしまうガンマン」 「先回りして魚を捕る菊千代どの」などなど、おもわず笑ってしまうほど同じシーンが 目白押し。

 『七人の侍』より上映時間が短いので、7人のガンマンの主要人物以外の 細部の作り込みが物足りないことと、「村人にガンマンが裏切られてなお、 盗賊を倒しに行く」というオリジナルの結末がちょっと違和感。というか、 このラストは当の盗賊でなくても村人に「盗賊とは共存して行くからガンマンは いらない」と言われて追い出されたのに、独断で盗賊を襲撃するガンマン サイドの理屈が納得できない。
 一旦捕らえたガンマンを解放するのに銃を持たせてやる盗賊も甘いと思うけれ ど、それなりに相手を信用した紳士的行為とも取れる。なのに最後は 虐殺だもんな〜ちょっと気の毒(^^;

 ガンマンの一人が子供になつかれる設定があるが、これバグズライフのテントウムシの フランシスのモトネタですね。


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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!