映画館がやってきた! 映画鑑賞記

ガサラキ

■DATA (OVA サンライズ作品)

Story

 二足歩行兵器を駆動する「人工筋肉」が実は1000年の昔から伝承された 人型兵器のコピーで、これから秘密を探ろうという話と、革命を画策する 右翼の年寄りと自衛隊、同じく人工筋肉に秘密に絡む軍事多国籍企業が 入り乱れて戦争をする話。

感想

 TVで断片的に見たときには、二足歩行兵器関係のコンピュータ・ディスプレイが 何となく本物の兵器っぽくて良いんじゃない!と思っていた。ついでに「種ともこ」 の主題歌がよい(単なるファン心理(笑))

1〜8の感想をまとめて。
 冒頭から、原理の解明が完全には成されていないバイオ技術(人工筋肉)を使用した 兵器であり、4機で行動する実験中隊の中の主人公(豪和ユウシロウ)にだけ反応して機能を 進化させていくなんてのは、なんだかEVAっぽい。時代ですね
 操縦士とバックアップのオペレーターによる戦闘や、操縦士がパニックに陥ったとき のオーバーライド機能の設定は、Evaっぽいと言うより、今後は定番になるのでしょう。
 ともあれ、全体のカラーはサンライズの戦争物らしいジメジメした深刻さが、なんとも、 らしくて良い。ロボットアニメの主人公が何かに目覚めていくなんて話の骨格は、あの ガンダムを継いでいると言えなくもないし。
 とにかく、メカの描写と動作原理の設定はすばらしい。
 しかし、革命家が出てきてドンパチはじめるところから、なんとなく辛くなってくる。 アニメで極右的革命思想を描くというのがすでに、そうとう無理がある上に、セリフに 説得力がない。いっそ筋金入りの右の方々に監修をお願いすれば良かったのではないか という気がするのだが、たかがアニメにしてもちょっと、思想が軽い。
 内戦ものの設定としては、劇場版パトレイバーの仮想戦争の方が説得力があった。
 日本語がぎこちないのも辛い。革命家西田はともかく、豪和兄の「○○○、…ですか」 という言い回しが目立ちすぎて臭い。
 主人公たちの心模様に目を向けると、組織の実験動物として敵の機体を操るヒロイン、 ミハルの存在がなんともEvaの綾波レイっぽい。実験動物的な諦念がストーリーに影を 落としています。またストリー上実験中の死と記憶の差し替えなんてのもEva臭さを助長。

 現段階ではあと二話を残している(DVDにして1本)が、こんなペース配分じゃ広げた 風呂敷が畳めないよな〜というのは想像が付く。こんなところもEvaなのかね…(^^;;
 まさか劇場版で解決編…(笑)

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    文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!