映画館がやってきた! 映画鑑賞記

ガメラ2"レギオン襲来"

■DATA

Story

 北海道に落下した隕石。だが、落下地点には何もなかった。直後から謎の事件が 続発する。何者かが光ファイバーやビール瓶などのガラスを食べているのだ。
 ついにガラスを食べる宇宙生物の群が正体を見せる。だが、宇宙生物が胞子を 飛ばす大爆発を起こそうとしたその時にガメラが現れる。
 宇宙生物の爆発に巻き込まれて、動かなくなったガメラ。ガメラは蘇るのか?

感想

 東宝のゴジラが転けているあいだに、ガメラは見事に復活したという話は以前 から聞いていたのですが、ドルビーデジタルのチェックディスクにデモ画像とし て予告編が入っていてなかなかに格好良かったので、とうとうLDを買ってきまし た。(実は、初代ゴジラの物とどちらを買うか悩んだのだが…)
 それにしても、国産物の怪獣映画を見るなんて「ウルトラQザ・ムービー」 以来かも。

 予告編ははっきり言って息をのむほど格好いいです。畳みかけるようなテンポ。
 「たいてい予告編が一番良いんだ」などという周囲の声はともかく、しかし やっぱり、予告編の方が格好良かったかも(笑)

 とはいうものの、自衛隊をふんだんに投入したリアリティー重視の作り方には すっかり感心しましたし、敵「レギオン」のデザインや設定もなかなかの物だと 思います。
 話の流れとしては、傷ついたガメラをほったらかしてレギオンが侵攻してし まったために、主役の女性がガメラサイド、自衛官がレギオンサイドに分散して ドラマが散ってしまったとか、謎めいた「ガメラと交信する女性」が、ストー リー的に全然居なくて良い存在だったとか、結局ガメラにお任せで人間は見て いるだけに近かったとか、どうも、散漫とした感じがして、監督の力量かなあと 言う気はします。
 予告編は凄く良い絵が連続しているので、要するにテンポと密度が悪いんだと。

 特撮は、ミニチュアと着ぐるみの正当派日本の特撮。
 必ず高圧送電線が出てきてスパークするというのも日本の伝統かなあ?
 CG合成らしきの「ガメラの吐く火の玉」だけは、抜群にリアルというか、 粘度の高い液体風の感触が素晴らしかったですね。
 それから、羽アリのような無数の小型レギオンがびっしりとガメラにとりつい てガメラがのたうつシーンも、視覚的に強烈でした。

 あとはミニチュア撮影の空のスタジオっぽさが無くなれば良いと思いますが。

 外国の大作から見れば色々言いたいこともありますが、ただの怪獣映画という よりは見応えのある作品に仕上がっているとは思いました。ガメラ3の公開も近 いようですので、楽しみにしたいと思います。(1998.7.1)

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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!