いっこうの連載その3

未知の政界「飛び込んでから実践で」

議員秘書とおんぼろ車

政治の道に進むといっても、正直いってどうすればいいか分かりませんでした。二世でもないのになれるわけがないから諦めろとか、まずは官僚になったらと言われたこともあります。松下政経塾へはいるとか、海外でさらに勉強するといった選択肢もありましたが、ある人から議員秘書にならないかという話をいただきました。自分自身も現実の政治の世界に飛び込み実践で身につけた方が良いと考えこのお話を受けることにし、愛知県選出の丹羽兵助元労働大臣のもとでお世話になることになりました。父親代わりの大闍梨からは「とりあえず東京へ行って、役所の入口とか憶えておけ」と言われました。

母には決めてから話をしたのですが、何も言わずにうなずいただけでした。それまでもあれをしろ、これをしろと言われたことはありません。「どんなことでもいいから日本一になりなさい」と子供の頃から聞かされていましたが、さすがに政治家を目指すと聞いて驚いたことと思います。

平成2年3月末、オンボロ車にスーツ3着とふとん、つくえがわりのコタツ、そしてパソコンを積み込み、一路東京を目指しました。世田谷区の六畳一間の風呂無しトイレ共同のアパートに居を定め、スタートを切りました。

タウンニュース(藤沢版)に連載されたものを加筆修正してあります

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