本-開グルメの紹介本-開1.「お好み焼き」2.「マトン煮込みスープ」3.「岩牡蠣のお造り」4.「岩魚の串焼き」5.「海鮮丼」6.「おむすび定食うどん付き」7.「デザートはメロン」

7.「デザートはメロン」

一週間のグルメ如何でしたか?食後のデザートは、数ある中でも果物の王様メロンです。子供の頃からどんな大好物を頂戴しても、先ず仏前にお供えする習慣が身についていましたから、時には長くお供えしすぎて腐らせてしまう事もありました。しかし、メロンは腐る寸前が最高なのです。切るとメロンジュースになってる程の熟した果肉は口の中でとろけ、甘みが口内に広がり噛むことなく溶けて飲み干す感じです。

幼少の頃は2年に1度ぐらいしか口にしたことなかった貴重なメロンがお供えされてる仏前に手を合わせて勤行をしていますと、メロンが気になって涎が出たのを覚えています。これを条件反射と言うのだそうです。我が家の巣立ちした子供達や、今一緒に暮らしてる猫達も私が食事の用意が出来ると呼び鈴や手を叩いて呼ぶため、その音で既に口の中は唾液でいっぱいになって二階から降りて来るのです。流石に猫はメロンを食べないし、私が美味しい物を最後に残してると横取りしに来る食いしん坊の次女も今は欧州留学中、お陰でこんなに大きなメロンをいつでも一人でゆっくり食べれるご時世となりました。人生、苦しいときも辛いときも完熟メロンは至福の一時をもたらしてくれる仏心の果物です。合掌 2/19

6.「おむすび定食うどん付き」

毎日食べても飽きないのが、世界各地それぞれの国や民族の主食です。当然日本人の大半は国内流通米ですが、近年の若者はパンやパスタの海外依存の小麦粉の摂取が多くなりました。日本古来の食文化と思われてる米も、実は国外より伝播された物なのです。弥生から縄文時代に現在の中国の雲南省辺りで栄えた稲作農法が日本各地に伝え広がったのです。その後、稲穂の品種改良が繰り返され地域の風土にあった米が近年は豊作に収穫されます。なかでも秋田の「こしひかり」や「秋田小町」などが有名ですが、新米は各地域のどんな銘柄でも美味しく頂けます。その新米を釜戸で薪を燃やし、湧き水や井戸水の清水でふっくら炊きあげてた「ご飯」そのものを売り物にする料亭も近年増えてきました。広島に昔からある「むすびのむさし」もそんな素朴な店です。やはり釜戸で焚いた米の「おむすび」がメインで、一汁として、うどんや蕎麦が付いてきます。様々なグルメ食材が現在の日本は豊富ですが、一昔前はこの白い純米そのものがご馳走だったのです。確かに幼少の頃、お供え物の米を毎朝母が薪で炊きあげた釜戸飯の味は表現のしようがないほど美味しいかったと舌の記憶に残っています。おかずは今思えば粗末ですが贅沢な自然食品の大根のみそ汁と漬け物、鰯の目刺しか七輪で焼いたサンマの一品で何杯もご飯をおかわりしたものです。合掌 2/19(写経会)

5.「海鮮丼」

溢れんばかりの新鮮な魚介類でご飯が見えません。これぞ冬の日本海の醍醐味、冬の荒海を乗り越えるために脂肪を蓄え霜降り状態の寒ブリ、鯛、ホタテ、アワビ、タコ、イカ、ウニ、イクラなど、この海鮮丼が目の前に出されると、あ〜日本人で良かった。。と思うのです。海外ではユーラシア大陸奥地や欧米内陸部に海岸がありませんし、また鮮魚を刺身で食べる習慣も限られ、ましては白いご飯に乗せて食べるなど想像もつかないのです。

海の食材は美しい自然界と必ず相対共存するものです。また、海洋資源の魚介類が養殖でなく安全な天然の鮮魚がいつまでも口にできるように祈ります。奇しくも7年振りにCO2の排出規制の京都国際議定書の発令が昨日やっと効力発令されました。各国の義務と責任に大いに評価したく思います。天候不順、農作物不作、海産物激減を防ぐ環境問題解決の為に、地球人の一人として地球温暖化防止は我々の各家庭からも始めなくてはなりませんね。合掌 2/17(観音会)

4.「岩魚の串焼き」

山間の渓谷から流れる清流には川幅の流れによって様々な川魚がいます。川の下流でゆったり流れる所では鯉や鮒、ちょっと上流の綺麗な水ではニジマス、流れの急な山間部に入ると山女や岩魚そして天然記念物のサンショウウオなどが生息します。有名な渓谷のハイキングコース出入り口や滝見勝景地にはよく茶屋があり、ヤマメや岩魚を炭火で串焼きにして売られています。山林と渓谷の水しぶきが織りなす豊富なマイナスイオンを含む綺麗な空気を体中に吸収しながら、熱々ホクホクの焼き魚を囓ると自然の恩恵の喜びが五臓六腑にしみわたります。そして、この自然を大事にしないといけないと、ハイカーは山にゴミを捨てたりしないで必ず持ち帰るのです。こんな善良な気持ちが都会でも同じように持てると、環境破壊問題は解決するかもしれないのですが、自分の車中、部屋、家、敷地内だけ綺麗にして車外や屋外にポイ捨てする人、ましてや山に不法投棄するゴミ回収業者は自然界からいつか必ず罰を受けるでしょうね。合掌 2/16

3.「夏の岩牡蠣」

私の手の平の大きさぐらいの大きなカキです。梅雨頃深海に潜水して岩と同色になり長年生き延びた特別な夏の岩カキが数個入荷すると電話してくれる懇意にしてる料亭があり、年に一度だけ贅沢をさせていただくのです。

この貴重な天然の岩牡蠣は当然そのまま、酢橘をちょっと搾って口にほおばります。6切れに分けた身の一片が、養殖カキのもっとも大きな貝の大きさ位ですから如何に大きいかお解りでしょう。

古代より牡蠣は栄養豊富で「海のミルク」として人間に好まれ食べられてきました。その為、天然の牡蠣は減少して、こんな大きな自然の牡蠣は市場では見ることは決して出来ません。広島や邑久、松島や東北の牡蠣も有名ですが、それらも全て今は養殖物ですから。

貧乏学生の留学中に海産物のないウィーンからパリまで夜行の鈍行列車に乗って行ったことがあります。ルーブル美術館を2日間かけて鑑賞し、ルイ王朝の城、モンマルトルの丘のサクレクールー寺院、セーヌ川沿いのノートルダム寺院、シャンジェリゼ通りの凱旋門など2月の寒いパリ市街を一人でふらふら歩いて見物してますと、街角に生カキを食べさせる屋台を沢山見かけました。レストランでは高くて食べれませんから、日本を離れて2年振りに生の魚介類を口にしました。レモンをかけて最後の牡蠣の汁一滴まで飲み干したその時の感涙した味覚の記憶がよみがえります。合掌 2/15(涅槃会)

2.「マトン肉スペアリブ煮込みスープ」

以前のモンゴルの話しで詳しく紹介できなかったので、あらためて取り上げました。これは羊の骨付き肉をじっくり山椒などの香料と一緒に煮込み柔らかく、意外とあっさりしたスープで身体が温まるモンゴルの料理です。

羊の肉マトンと言えば、ジンギスカン料理ですが、臭い・硬い・流通が少ないの印象が強いのが、これまでの日本の一般常識です。ところが東ヨーロッパからアジア西北あたりでは日常の高級な食材で、欧州一流レストランでも鶏肉・豚肉・牛肉よりも羊肉は高級で、実際に私の欧州ソロデビュー演奏旅行で滞在したベルリンの最高級レストラン(その時Pianistで現在N響の指揮者のアシュケナージ氏が隣の席で食べてた)やブルガリアの高級レストランでは牛ステーキよりもランクが上の料理でした。冷凍保存で賞味期限切れしか流通しない日本では想像もつかない、味わいと柔らかい食感です。このパオで頂戴した煮込み料理もまた肉質の良い深い味わいで、東欧で食べた食感を思い出しました。マスターに聞けば、これは特別に産地直送で取り寄せたマトン肉だそうで、現地モンゴルの人たちの貴重なタンパク源であり、こうして残さず料理して全ての食材を粗末にしないとの事です。雄大な土地で厳しい冬を乗り越える民族の営みと悠久の歴史の味を垣間見て堪能した思いでした。 合掌 2/14

1.「広島焼き」

関西の「お好み焼き」と「広島焼き」は違いますし、関東の「もんじゃ焼き」など鉄板で焼く日本のピザは日本人の智慧が盛りだくさん入り各地とも趣向が違い美味しいのです。

毎週1回広島の大学にも日帰り往復で山陽道を約600kmドライブして通ってますが、帰りる前に必ず生徒達と一緒に食べる「広島焼き」は、美味しく頂戴する一品です。薄いクレープ状の下地にキャベツの千切りを山積みし、豚バラ肉、玉子、ソバに、イカ天を上乗せして焼く「豚玉ソバイカネギ」がいつもの注文です。ソースは甘めの「おたふくソース」か辛口の「カープソース」が広島焼きの決め手です。

戦後の食材が乏しい頃から、屋台のお好み焼き屋が密集してる地域が歓楽街の流川の近くにあったのですが、それが現在「お好み村」の名称だけ残し5階建てのビルになってます。もちろん総てが広島焼きの店です。また、市内各地を少し歩けば至る所に広島焼きの看板を見つける事が容易に出来ます。こんな事を書いてると、試験休みと春休みがしばらく続き広島焼きを食べてないので禁断症状が出てきそうです。こればかりは現地で食べないとやはり本物の味にならないのです。そう言った産地や特産を今週は紹介しましょう。お楽しみに!合掌 2/13

教信寺貫主:長谷川慶悟=音楽家:長谷川悟

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