H17年1月第2週
「憧れのモンゴル」
昨日は騒動の鐘突き、朝のお勤めの後、お葬式があり、閉式したその足で篠山へ兵庫県民芸術劇場の依頼室内楽公演に行き心に美しさが一変によみがえりました。
何故なら、共演者の素晴らしい演奏は勿論の事ですが、地域の旁々との素敵な出会いがあったからです。丹波篠山の峠を越えた小さな集落の小学校で児童は全校で50人以下なのですが、体育館に満席のお客様。PTAは勿論地域の旁々が商店を閉めてまでも聴きに来て下さったのです。道中路肩に雪が積もる山間の村は美しく、人々も素朴で純粋に鑑賞してくださり、本当に森の木までが弦楽器の音色を楽しんでくれてる様な気配がしました。この辺りを気に入った有名なピアニスト・ザイラー氏やドイツの音楽家が定住しているのもうなずけます。
我々はいつも学校公演では演奏の合間に質問コーナーを設けるのですが、今回は純朴で内気な学童のため質問の手が上がらなかったので、弓の毛が馬の尻尾であることを説明し、弓の毛につける此れはなんでしょうと逆に質問しますと「松脂」と元気に答えてくれる少年が居ました。
本番が終わり、時間のあるメンバーで近くの観音温泉に入りました。有馬温泉のような茶色いお湯は温まり疲れが取れました。その温泉施設の向かいに何故かモンゴルのパオがありレストランになっていました。湯上りに珍しさもありバター茶を飲みたく立ち寄ってみると、確か客席で一生懸命に私の話に耳を傾けていた男性がマスターとして歓迎してくれたのです。店内は馬頭琴やモンゴルの民芸品が陳列され別世界です。
ご夫婦と話をしますと、演奏会で松脂と答えたのは私の息子ですと流暢な日本語で挨拶されました。意気投合してモンゴルの話に花が咲き、マトン肉のスペアリブの煮込みスープを頂戴しました。関取のアサショウリュウやキョクシュウ山も友達だとかで相撲談話から、馬頭琴の話では弦楽器のバイオリンもビオラもチェロもコントラバスも起源はイタリアで無くモンゴルの草原にあると確信しました。いまもモンゴルでは誰もが演奏し、歌い踊るのだそうです。
仕事は遊牧に従事し、夜が明ければ朝、太陽が真上に有れば昼、日が暮れたら夜寝る。それが時計。大自然に包まれた生活でのモンゴルでは、ちょっと隣近所が40キロ、向うの方と教えてもらえば、その家に泊めてもらって翌朝出発したほうがよいとか・・・・。大草原に馬、山羊、羊、ラクダ、犬とともにシーズンごとにパオを移動させて生活してることなど、いかにも地球に感謝しながら伸び伸び暮らされていた様子に憧れを感じました。長居をした帰り際には、私は、現在の日本人は時間に追われ、本来の命の尊さを忘れ、親や先輩や先生を敬わず、純粋な喜びの歌や踊りを忘れ、これで良いのだろうかと危機感を益々覚えた次第です。合掌 1/16
「静寂破壊」
今朝は厚い雲におおわれ星がまったく見えませんでした。手伝いに来てる弟子と共に鐘突をしてますと、静寂の鐘の音を突き刺す怒鳴り声、精神破綻の異常者の乱入です。本堂のお参り中にも乱入してきて、一般参詣者に助けられる朝からの大騒動にお勤めも中断を余儀なくされました。
日本の近年の異常な犯罪多発を起こす年代の男です。大阪府立小学校の乱入殺傷事件、記憶に新しい奈良での女子児童誘拐殺人、様々な犯罪が後を絶たないのは何故でしょう。世界一犯罪の少ない国として尊敬と憧れを持って理想とされた日本は何処へいってしまったのでしょう。
多くの場合家庭にも原因があり社会にもあるでしょうが、個人の性格を破綻させる原因は、学力低下の一方、今日全国一斉におこなわれるセンター試験に見られるような精神的個人の個性を無視した試験に評価される入試も問題があるようにも思えます。
また、幼少から甘やかされ、放任されたが為に、ついには親をも親と思わず、先輩や先生を敬わなくて暴言を吐き、物静かな人々を標的に暴発するトラウマは、自己の妬みや怒りが行動となり犯罪につながるのでしょうか・・・・。
自己の積み重ねた努力や勉強はその人の宝でもあるでしょう。誰もがその宝を持ち合わせているのですが、心なく宝玉を磨いても決して輝きません。謙虚に学び継続する努力も、全ては心の持ち方が間違っていては本物の輝きとならないのです。皆様もふとしたときに邪悪に振り回される事に遭遇するときがあるかもしれませんが、是非とも正しい信念と信仰を持ち、静かに常に心を輝かす精進を忘れないでください。外にも内にも魔が何処にでも存在しますからね。
しかし、毎朝純粋な祈りを捧げに来られる参詣者も心を無惨にも切りつけられ血涙を出された事でしょう。一度成らず何度も現世具現する極楽浄土の境内や本堂の中に乱入されて起こるのですから教信上人様もお嘆きになられたでしょう。阿弥陀如来に衆生の救いを願う祈りを一心に益々捧げるばかりです。合掌 1/15
「下ごしらえ」
今朝も厳しい冷え込みです。諸堂参りの後、掃除をして音楽の館ホールに暖房を入れ、明日の篠山での公演のリハーサルの為に準備をしました。明日は弦楽合奏で小学校の体育館で公演なのですが、演奏者にとって寒さは手が動かなくなり苦痛です。しかし、聴衆の学童やPTA、町内の皆さんが厳しい冬の一時の室内楽を楽しみに首を長くしてお待ちされていますから、出演者に少しでも心地よく練習して頂き、温かい音楽を奏でて、お客様が心の中から温かくなってもらう事を望むからです。では、練習後のお昼食の下ごしらえをします。タマネギをペーストに炒めて挽肉を合わせて炒め、完熟トマトと一緒に煮込むミートソースを造り、パスタを練習後、即ゆでる予定です。食も音楽も芸術文化も宗教も仕事も、下ごしらえが出来れば80パーセント完了で、後の20パーセントが当日のパワーです。また、どんな仕事や下ごしらえも、自分の為だけにあるのではなく、誰かを喜ばせ、楽しませ、勇気付ける為にあるのだと信じて疑いません。一度に多くの方に接するコンサート活動や講演法話では、関係した人々の心が温かくなり笑顔になっていくのを見るのが私にとっての一番のご馳走ですから、その喜ばれる笑顔を想像しながら準備する労力は惜しみません。合掌 1/14
「零下」
今朝の気温は零下2℃と今年一番の冷え込みです。高い山から流れ落ちる滝が幾重にも氷柱を造り氷始めてる映像をTVニュースで見ました。実際に自然の造形美・氷の芸術の滝や白銀を覆った雪景色をカメラを持って見に行きたくも思います。感動的でしょうね。。雪国の人にとってはうんざりされるでしょうけど、太平洋や瀬戸内海側の穏やかな地域の人にとっては興味深いのです。といっても、一昔前は、今朝のような零下の気温が当たり前の冬だったのです。この辺では近年見ることの出来なくなりましたが池が一面氷が張り、あぜ道の霜柱を踏みながら小学校へ通っていた頃を思い出します。温かくなりかけても3月下旬に大雪が降ってから毎年春がやってきました。あの頃の桜の開花は4月下旬だったと記憶しています。こうして零下今朝の冷え込みの日が時折あっても、やはり、地球温暖化は例年の季節観からすれば進んでいるのでしょう。合掌 1/13
「省エネこそ地球に優しい」
昨日は、広島日帰りで授業してきました。雪の心配をしていましたが山陽道は北側の路肩に一部雪が残ってる程度でしたが、今朝の冷え込みだと、各地の濡れた路面は凍結し危険でしょうね。山陰から北陸、東北側は大雪で大変でしょう。一方アメリカのカルホニア州では記録的な豪雨となり、益々地球の異常気象は速度を増しているようです。
国連指導、京都国際環境会議議決、あらゆる面で早急に環境破壊に歯止めを打つ執行をしなくては、生命の絶滅を人間が招く拍車をかけることになってしまいます。
私たち個人が出来ることは、省エネ生活、ビニール類を消費しないこと、買い物で過剰包装をの物を非購買する運動を市民から率先するのです。すでにドイツやEU諸国では実行しています。何故、日本とアメリカは出来ないのでしょう?誠に残念です。貴方自身から始めて市民運動を盛り上げませんか?輪を広げましょう!合掌 1/12
「超満員御礼」
昨日の阪神淡路大震災復興10周年記念ニューイヤー・コンサート「S.H.コントラバス・オーケストラ」の公演には学校教育諸先輩の先生を始め多方面から補助席を追加する程のお客様と共に5600人の犠牲者、そして新潟地震、インド洋地震津波で亡くなられた15万人以上の冥福を祈り黙祷を捧げてから、プログラムを演奏しました。コントラバス9本の演奏という珍しさとも加味して興味深深々でお越し頂いたのかもしれませんが、休憩中や終演後、数人のお客様とお話しする機会があり大変喜んで頂けたようでした。コントラバスだけのオリジナルの曲は限りがありなじみが薄いと思い、25年間蓄積した国際コントラバスセミナーセミナーで編曲演奏してきた曲に手を加えたり、この度のために新たに編曲したプログラムで楽しんで頂いたのが良かった様でした。また、正月4日から出演者が集合して練習を重ね心を一つにして公演できたのも有意義でした。なによりも、朝の鐘突から諸堂参拝にも随喜し、食事では食前食後の言葉を覚え、多くの協力してくださった皆様に感謝をしながら練習に精進出来たから祈りと元気を届けることが出来たのでしょう。遠方から応援に駆けつけ、差し入れを頂いたり、送って下さったセミナー参加卒業生の皆さんにも深く感謝致します。こうしたお陰様に追善できた事を何よりも大きな意味を感じました。合掌。1/11
「軌跡の星」
今朝も冷え込み空気が乾燥している暗い夜空の満天の星にウインクされました。子供の頃、星を眺めては、不思議な思いと想像を巡らせた事を思い出します。どうして輝いてるのか?宇宙に魂が戻って光るのか?宇宙人は居るのか?テレパシーで交信できるのか?流れ星に祈れば通じるのか?そして、高学年になると科学的に地球のような惑星でなく太陽のような自ら燃える星であり、今輝いてるのは何億光年も昔の光だとか、ウインクは星が燃え尽きる瞬間だとかを知っても何とも神秘的です。兎に角、今日は鎮魂の為に、そして、元気を与えるために、出演者一同一週間の合宿の成果を存分に出し切り、阪神淡路大震災10回忌を迎えるにあたり、鎮魂とインドネシア・スマトラ・インド洋津波被災地に、今朝の澄み切った星の様な純粋な祈りと復興のパワーを送りたく願います。そして早くからご期待頂いてお申し込みが殺到したチケット完売満員御礼申し上げます。合掌 1/10
「氷」
今朝の鐘突きは冷え込みました。参道石畳のくぼみにある水たまりは氷が張っています。流石に冬の朝空に輝く星は空気によどみがなく綺麗に見えます。零下になっている本堂でのお参りは、いつもの様に世界平和と四海静謐、諸聖霊冥福、阿弥陀仏諸尊へ生かされてる命の感謝しました。
そして、いよいよ明日が震災で亡くなられた5600人の鎮魂を祈る震災復興10周年記念コンサートの本番ですので、今日はピアノやソプラノも全員参加してプログラムのリハーサルをします。4日から合宿特訓で寝不足と疲労が積もってきましたが、チケット完売した大入満員御礼に答えるべく少しでも祈りと元気が伝わるコンサートにしたく願います。合掌 1/9
教信寺貫主:長谷川慶悟=音楽家:長谷川悟