「ロッシーニ」

チェロとコントラバスの為の二重奏曲より第2楽章

ストリング12月号執筆

 皆さん今日は、お元気でしょうか?

 さて、今月は、ロッシーニのデュオソナタ第二楽章に入ります。Andante molto の3拍子で1、3楽章を楽しく際立たせるために、大変美しく描かれていて実に効果的な楽章です。特にコントラバスがピッチカートの伴奏でチェロが歌うメロディーは、ロッシーニならではの美しさが良く出ています。しかし、この場面に落とし穴があります。

 チェロの旋律に聞きほれて、テンポが遅くなってしまうことです。チェロが歌いやすいように、前向きにバスがテンポを作るようにしましょう。

 この美しいチェロの旋律の終わりが、バスから仕掛ける次の展開部です。小気味よいスッピッカートで駆け上がり、立派な音のスラーで降りてくる繰り返しで再現部に持ち込みます。しかし、ここでは、冒頭の4分音符が3連譜になっています。フレーズが途切れないように全弓を使い最後の掛け合いの後奏部に繋ぎ、格調高いピッチカートで終楽章の予感を期待させましょう。

 どんなソナタ形式の曲でも2楽章を、仕上げるには、豊かな情緒、経験と技量が左右します。貴方の力を試してみて下さい。このデュオソナタの2楽章が、とてもよい勉強になるでしょう。では、来月の終楽章まで、ごきげんようさようなら。

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