「ロッシーニ」

チェロとコントラバスの為の二重奏曲より第1楽章の後半

皆さん今日は、お元気ですか?

 今年、13年目を迎えた「国際コントラバスセミナーin加古川」夏の合宿も、東京、名古屋、関西、広島、九州各地より70数本のコントラバスと80数名の向上心溢れる参加者が一堂に集まりました。講師の反省会で口にすることは、63歳の中先生を含めて小学生まで参加者全員の若さ溢れるエネルギーと、熱心な研究心が連鎖反応を起こし、精神的にも技術的にも毎年レベルアップしていることでした。

 さて、前回に続いてロッシーニのチェロ・バスのデュオの1楽章の後半のポイントについて進めて参ります。

 もう、お相手していただくチェリストとコンタクト取れましたか?まだ決まってない人は、早めにアタックorプロポーズしましょう。

 後半は、基本的に前半のパターンと同じですが、数カ所の記譜上に違いがあり、演奏法を区別すべき点があります。

 例えば、(1)とか(2)の音楽は、前半スタッカートであるのに対し後半のこの部分では、スラーになっています。また市販の楽譜では、チェロパートの(3)の装飾音符や、(4)の8分音符が抜けています。他にも、フレージングやダイナミクス、クレシェンド・ディミヌエンド等、私なりの書き込みをしていますので既に楽譜をお持ちの方は、注意して比べてみて下さい。

 この楽章では特にチェロ・バスが交互に同じ旋律を弾き、同時に伴奏に回ります。最も大事なポイントは、同じ旋律を弾くとき、音楽を仕掛けられたら、いつでも反応してくり返す事が出来る様に、考えられる表現法を一通り練習しておくことです。又、伴奏に回ったとき、消極的にならないで、より効果的に相手の旋律を引き立てるように取り組みます。(5)と(6)の前のアドリブでテンポ感がフリーになった後、華やかにテンポを立て直すリズム感を出しましょう。(7)のピッチカートは、音程をしっかり捉えた左手が大事です。ほっとする美しいハーモニーが響けば成功です。(8)(9)(10)は、この楽章のエンディングです。(8)の16分音符の動き出しから正確で明瞭なきざみが不可欠です。これらの場面でより緊張感を得るには、二人が発音する前の休符を、寸分違わぬタイミングで感じることです。いわゆる「気」を合わせることになります。

 では、次回エレガントでメロディックな2楽章に入るまで、1楽章の前半、後半を仕上げる練習をしてみて下さい、楽しいアンサンブルの本番を夢見て!なぜなら、このデュオはピアノが無くても演奏できると言うことは、パーティー・サロン・ミニコンサートどこでも出来て、何時でもお客さんに興味深く、楽しんでもらえると言うことですから・・

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