「ロッシーニ」

チェロとコントラバスの為の二重奏曲より第1楽章

 皆さん今日は、お元気ですか。読者の皆さんは、すでに、オーケストラや、アンサンブルでコントラバスを楽しんで弾かれている方が多いと思います。そして、お友達も沢山いらっしゃるでしょう。特に、オーケストラパートで、同じ旋律を弾く事の多いチェロ・バスのなかで敬愛する友が生まれるケースが多いと思います。今回は、そんな友達とより楽しく音楽で語り合える作品を題材に取り上げてみました。チェロ・バスの為に書かれた二重奏曲は、何曲かありますが、それらは、ロッシーニの作品に感銘を受けて作曲、編曲されたものが多いようです。

 コントラバスに最も近くて、表現力の豊かな楽器チェロとの二重奏を楽しむことで、演奏法や音楽感の新たな発見や、喜びを見いだすことでしょう。

 私自身これまでに多くのチェリストとこの作品を演奏してきましたが、相手が変わる度に新たな発見と喜びを覚えてきました。特に最近は、チェロの秋津智承氏と二重奏団を結成しこの作品を中心に、毎年公演しています。秋津氏は、チャイコフスキーコンクールに入賞し、斎藤記念オケ、水戸室内、各地の音楽祭やソロリサイタルで活躍し、また私と同じく、お寺のお坊さんでもあことから弓のbowと坊主を掛けて「デュオ ボーズ」(坊主二重奏団)と、数年前からネーミングして活動を始めています。

 前置きが長くなりましたが、今回は、第1楽章Allegroを練習してみましょう。二重奏を始めとする室内楽の醍醐味は、p・fのダイナミクス、クレッシェンド・ディミヌエンドの度合い、主旋律フレーズの掛け方を和合統一して、少しオーバーな表現で、お互いの音楽性の駆け引きの繰り返しが、奏者にとっても、聴衆にとっても、楽しく感動的でなくてはならないことだと思います。

 この楽章の16分音符や8分音符は、無駄な弓を使わないで、少しスピッカートぎみに発音します。

 また、お互いに出てくるdolceのメロディーを良く聞き合うことが大切です。掲載した楽譜のフレージングは、極一般的に考えられるパターンに直したものです。また、フィンガリングも初見でのインスピレーションを大事にしていただくために、難解なところだけ記入するに止めました。勿論これが全ての人にとってベストの運指になるとは限りません。adlibとしたカデンツ的な所から最後のフェルマータまで上級者は、もう1オクターブ上まで登りつめるようにしても良いでしょう、自由にやってみて下さい。但しフェルマータの次の小節は、必ずテンポ感がはっきり判るように、戻さなくてはならないでしょう。

 今回より、この「ロッシーニのチェロとコントラバスの為の二重奏曲」第1楽章から第3楽章まで順次掲載して参ります、今から共演して頂けるチェリスト(尊敬する同輩、恋人候補、親友、等)にお願いしておきましょう。

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