親指第4ハイ・ポジション〜親指第7ポジション

 皆さん今日は、お元気ですか。前回に続いて親指ポジションを進めますが、いよいよ今回で、ポジション上の最終地点、親指主要ハーモニクスポジションまで、まいります。

 ここまでくれば、どんな難曲だって、ポジション上の問題点から言えば、弾け無くはないのです。

後は、音楽的に作り上げる感性と、練習量の問題になってくる訳です。

今回は親指第4ハイ・ポジションからです。

振動する弦長が極端に短くなります。親指ポジションでゾクゾクするよい音を出すには、やはりヴァイオリンやチェロなどの弦楽器がハイポジションを弾くのと同じように、できるだけ駒よりに弓を持っていき、弓にかかる圧力と引く弓のスピードに注意しなくてはなりません。

親指第4ハイ・ポジション

G線上の親指が、Disを押さえるときが、この親指第4ハイ・ポジションです。G線とD線を使いクローズ・ポジションから5度運指までを使います。(楽譜1参照)

親指第5ポジション

親指がG線上のEの音に上がったときが親指第5ポジションです。(楽譜2参照)

親指第6ポジション

親指がFの音程に上がったときに、このポジション名を付けます。(楽譜3参照)

5度運指では、3指がCの音を捉えますが、正しく調整された楽器の指板上で押さえられる最後の音です。

 もし、指板が短くて押さえられない楽器は、指板を継ぎ足すか、指板を付け替えることも考えてみる必要があります。なぜなら、特にボッテシーニ等の作品や、独奏曲を弾くのに、このC音は重要不可欠だからです。又、逆に、必要以上に長い指板も困ります。C音より長い指板は、D音程度までなら、切り取って必ず指板の切れ目がC音にする必要はないでしょうが、しかし、極端に長い場合は、演奏上右手のボーイング、左手の音程を取る邪魔になりますので、正しい長さに、コントラバスの知識と経験がある弦楽器専門店で、調整してもらうことをお勧めします。(但し、初心者で、今、取り立て、都合が悪くないと思う人は、無理に切り取る必要も、継ぎ足す必要もなく、疑問に思う、あるていどまでは、現状維持でもかまわないでしょう。)

親指第6ハイ・ポジション

親指がFisの音を押さえるポジションです。

かなり指の間隔が狭くなっています。(楽譜4参照)

親指第7ポジション

親指がG音を取ると、指板上で押さえる最後のポジションです。(楽譜5参照)

そしてこの後は親指第7延長ポジションと名前を付けたハーモニクス主要ポジションと技巧的ハーモニクスの修得で、取り合えずポジションの勉強はおしまいです。

ハーモニクス主要ポジション(親指第7延長ポジション)

(楽譜6参照)及び(写真参照)

ハーモニクスは、以前チューニングポジション(第3ネックポジション)で説明しましたが、その正しい音程のただ

1点のポイントに軽く指を触れるだけで響く倍音のことです

 コントラバスは、他の弦楽器に比べ、非常に弦長が長いのでこのハーモニクスを独奏曲では効果的に多用します。

 来月号ではこのハーモニクスポジションを楽しみながらマスターできる曲(ロレンチィティのガボット)を取り上げたく思います。

 お楽しみに!では、ごきげんようさようなら。

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