「基礎練習で、最も効果的な音階練習」

(分散和音後編)

 ストリング10月号原稿

 皆さん今日は、お元気でしょうか。

 今年の夏は本当に暑い日が続きました。読者の皆さんは、暑さに負けず、コンクールや合宿、演奏会に練習と、活発に行動されたことでしょう。

 次回に、シュトライヒャー教授と共に過ごした、国際コントラバスセミナーの模様をお伝えできると思います。

さて、今回も、先月号に続き、アルページォ分散和音の練習の後半を掲載します。

特に、この分散和音の練習で、重要なポイントをもう一度此処で確認しましょう。

 上行型・下行型共に、出来る限り1つのポジションの中でとらえ、無意味にポジション移動したり、ポジションの中で指だけを移動させて音程の修正をしなくても良いように、各ポジションの手の形を、作ることです。

 努力を怠ると、殆どの場合ローポジション(ネックポジション)では、1の指の音程が高くなり、4の指の音程が低くなるでしょう。特に手の小さな女性はこの傾向に当てはまります。また、ハイポジション(親指ポジション)では、1の指の音程が高くなり、2・3の指の音程が低くなるでしょう。

 これらは、人間の手の構造上当たり前のことなのですが、音楽上この様な音程になると、当たり前といかないところに、練習トレーニングの必要性がある訳なのですね。ただし、しっかりした、教則本、指導者(コーチ)に付かないと、下手に練習をするとかえって、悪い癖が付いたり、腱鞘炎など手の故障にもつながりますから注意して下さい。

 重要なことは、出来る限り自然な手の形で、効率よく腕や、肩、上半身の体重を利用して弦を押さえることです。そのためには、直接弦に当たる指先を鍛えなくては成りません。つまり、結局は、正しい奏法で、より長い時間、楽器を弾いた人が一番上達すると言うことです。

 そう言う私自身練習する時間が最近全くとれず若いある時期、猛烈に練習した一時の貯蓄だけで、最近いきなり本番を迎えて弾いてきましたが、その貯蓄も使い果たし、今は借金生活です。それでも、学生の頃、正しい奏法を教えて下さった、中先生やシュトライヒャー先生のご指導のお陰で、今もコントラバスを弾かせていただいていることに感謝している次第です。

皆さんと一緒にいつまでも、愛するコントラバスを弾きたいですね。

お互いに、頑張りましょう。

 長年ご愛読いただきましたが、次回11月号の原稿で、長谷川悟の「コントラバスの楽しみ」はひとまず終了いたします。ご愛読、ご声援有り難う御座いました。

では、来月私の原稿最終回までごきげんようさようなら!

コントラバスの楽しみへ、もどる