「カルメン組曲より闘牛士」

コントラバス四重奏

 皆さんこんにちは、お元気ですか。今回は、先々月に続いてコントラバス四重奏の作品を取り上げましょう。先月号でコントラバスセミナーの報告をいたしましたが、その、セミナーで全員で弾いたカルメン組曲より「闘牛士」を、掲載します。

 この曲は、あの有名なオペラから、抜粋された管弦楽の組曲を、コントラバス・カルテット用に編曲されたものです。当然4番コントラバスは、オリジナルに最も忠実に編曲されています。1番コントラバスは、あの有名なメロディーを気持ちよく?演奏できます。

 問題は、2、3番です。日頃、頭打ちばかり弾いていますから、ヴィオラや2ndヴァイオリンが、担当する後打ちや、いきなり出てくる内声部の旋律を弾くのがことのほか難しいと、実際に弾いてみて初めて思われるでしょう。

 正規の弦楽四重奏団と違ってコントラバスだけの四重奏団ですから、まともに彼らに挑戦しようなどと考えないで、我々の持ち味を生かした独特の楽しさや、面白味が出れば良しとしましょう。まずは、メンバー4人で、楽しむことが出来れば最高の幸せです。

 最初からいきなり全員で勇ましく始めます。特に1番奏者は、伴奏に負けないように思いっきりテーマを弾きましょう。リピートした後17小節から、ダイナミックをPに一斉に落とし2番奏者のメロディーが、注目を浴びます。

25小節から全パートが同じリズムでfになりますから、ばっちり揃えましょう。31小節で、いきなりppに落として(最初の音が聞こえない位)から、4小節間でffまでクレッシェンドします、特に3・4番奏者の最後の追い込みは、mollt crescendで1番奏者のテーマに渡しましょう。

51小節から、meno mossoです。テンポを少し押さえて、2,3,4番奏者の8分音符の弾き方を揃えましょう。ppですから弾くと言うよりは、弓を弦に落とすだけのスピッカート奏法がこの場面の雰囲気に合うでしょう。

さあ、情景が出来たところで、待ってました!55小節から1番奏者の出番です。ダイナミクスの指定は、pですが、このおいしいメロディーを堂々と弾きましょう。77・78小節は、2声部づつが、ffのバランス良くつながる上行進行になるように練習しましょう。

79小節の2,4番の8分音符は、ffですから、スピッカートでなく、全弓で弾くスタッカートで、この場面を盛り上げましょう。86小節は、ディミヌエンドして、87小節からは、2,3,4番は、再びppのスピッカートです。93から99小節に向かってクレッシェンドして、リズムも格好良くきめます。

101からTempo 1ですが、一番最初のテンポ感より少し早くすると、勢いがあって盛り上がります、1番奏者が崩れる限界、一歩手前までテンポアップ(あくまでも友好的に!)してみましょう。

117・118小節の3,4番のリズムは、正確にしかし大迫力できめて、119小節、この曲最後の音をffで弾ききり、楽器の鳴り響く和音を、楽しみ、4人そろって、おもいっきり自己満足しましょう。

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