チェリビダッケの庭 - 祝!日本公開 -

last modified at 1998.04.13



記録映画「チェリビダッケの庭」が
遂に日本で公開されました。

1998.04.09 (木) 21:00 -
1998.04.16 (木) 21:00 -
いずれも、恵比寿ガーデンシネマにて。


亡くなった年、1996年秋に、ルーヴルで先行公開され、昨年から欧州各地で上映されてきた映画です。

Münchenで独語字幕の"Der Garten des Sergiu Celibidache"を、Parisで仏語字幕の"le Jardin de Celibidache"を観て来ましたが(^_^;)・・・やっぱり日本語字幕で観たいと思って居ました。

丁度、Schmidt-Garreの映画の様に、学生を指導するチェリ、Münchner Phil.とProbeを行って居るチェリ、そして、Münchner Phil.と本番に臨むチェリの姿の断片が、積み重ねられて居ます。

Schmidt-Garreと異なるのは、息子が創っただけあって、チェリの私的な面に踏み込んで居ること。 Münchner Phil.と演奏して居る場面が、何時の間にか「チェリビダッケの庭」で犬と戯れる情景に切り替わって居たり。

父は、天才的、独裁的な音楽家というイメージがつきまとうが、家族にとっては愛情深く、自然を愛する人間だった。 そんな面も含めてチェリビダッケという音楽家を理解して欲しい。
朝日新聞学芸欄1998.04.07夕刊の息子の談話

Schmidt-Garreが、チェリを偉大な音楽家としてしか描かなかったのに対して、息子の映画は、偉大な音楽家でもありながら父でもあるチェリを描いて居た。 この映画は、息子だから撮ることが出来た映画なのかもしれませんねぇ
# 正直に言えば、チェリの創造する音楽「だけ」に興味が有るのであって、
# チェリがどういう人間だったのかについては、余り興味が無い・・・
# と言い切れる自信も無いものだから(^_^;)、「チェリビダッケの庭」で
# 犬と戯れたり、水鳥に餌をやったりして居るチェリの姿を観て、嬉々として
# 観て居た訳ですが(^_^;)

昨年、この映画で何度も登場する「チェリビダッケの庭」の在る村(* チェリの墓の在る村でもあるのですが *)を訪れました。 村に1軒しか無い食堂の脇の道を下って行くと、その先の小川の辺に、「チェリビダッケの庭」は有りました。 この映画で描かれて居る、チェリの愛した「庭」は、確かに、小川の橋から覗き見た「庭」と同一でした。 チェリが、この村に埋葬されたのも、この「庭」が在る村だったからなのでしょう。

日本語版を観る前、某BBSで「音楽映画と思うと、余りにも細かく場面を切り過ぎて居るのでがっかりもしますが、歳の離れた息子が、敬愛する父親の映像を残そうとしたと思うと、素晴らしい映画だった。」と書いたのですが、正直な所、僕には、今回日本語の字幕で観ることが出来、独語版・仏語版の時の不満が増幅されて感じられました。

- Probeの途中でチェリが止める
- チェリが何か言う
- 再開すると、全く違う音が聴こえてくる
日本語版を観る前は、この"チェリが何か言う"が聞き取れなかったものですから、チェリが注意する前と後の「音だけ」でしか楽しめなかったプローベが、字幕の助けで、より一層面白かった。 出来れば、プローベだけを延々と流して欲しかった・・・監督の意図は判らないでも無いのですが。

演奏会場(?)のガーデン・シネマは、かなり残響の多いホール(?)でした。
映画の中で、テンポは相対的なものという主張を、相変わらず話して居ましたが、今回、全く同じ音源を3ヶ所で聴いて、改めて納得しました(^_^;)
これが実演なら、チェリは、恵比寿では、絶対テンポを落として居たでしょうねぇ


LE JARDIN DE CELIBIDACHE

NOTES TECHNIQUES
Duree : 145 minutes
Format : 35 mm couleur, 1.66
1997, France, Celi Production

Realisation et montage : Sergiu Ioan Celebidachi
Image : Bryan Hook
Son : Herve Poissonnier
Dolby SRD. THX

Musiques :
W.A. Mozart - Quatuor en re mineur K.421
W.A. Mozart - Symphonie en ut majeur <<Jupiter>> K.551
W.A. Mozart - Requiem en re mineur K.626
J. Haydn - Symphonie no92 en sol majeur <<Oxford>>
L.v. Beethoven - Quatuor en re majeur, op.18 no3
F. Schubert - Symphonie no5 en si bemol majeur
A. Bruckner - Symphonie no9 en re mineur
B. Bartok - Concerto pour orchestre


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