2劇通信・幕の内タケ第5号 1996年(平成8年)11月5日
柳、もどる
柳 92年秋の「小早内B」以来かなぁ。占い師の役やってました。
―四年ぶりか。そのあいだ、どうしてたの?
柳 たまに他の劇団に客演したり、卒業してからはOLやってた。
―OLか。向いてないんじやないの。
柳 10ヶ月でやめちやった。
―そりや正しい遷択だと思うよ。他には?
柳 フラメンコの学校に通った。無性に踊りたくてね。
―えっ、フラメンコ!
柳 あのパッションね。足はドンドン、手はカスタネットをカンカンと。とにかく気持ちが発散できるじゃない。見たことない?
―マドリッドで見たよ。感心したねぇ、男が大声で軟い、 それにあおられるように女が激しく動く。 ありや舞踊を通り越して、狂気の一歩手前って、感じだったね。
柳 そればかりじやないけどね、フラメンコは。結構、飲み込み早かったし、それに姿勢の勉強にもなった。実は芝居より向いているかもしれない。
―いや、それはない。だったらちょっと、踊って見せてよ。
柳 できない。恥ずかしい。
―しかし、一度見たかったなあ。柳がオレッオレッて踊る姿。
柳 オレッオレッはやめてよ。
―他に、コレという挑戦は?
柳 そうそう、演劇学校に通った。
―やっぱ、役者魂がうずいたわけね。でどうだった?
柳 発表会が思い出ね。台本書いて演ったの。職安の話。
―わかる気がする。柳は女ホームレスなんかやっちゃって...。
柳 いっしょにしないでちょうだい。やったのは職を紹介する側。これがウケてね、自分の思い通りにやるのはなんて楽しいんだと思った。
―で、再びの2劇なんだけど、何か抱負は?
柳 ん−、何だろう。とにかく自分を楽しませる。そうしたら、自然にお客さんにも伝わるような気がするし...。