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  見どころ

「やってもた -LONG GOODBYE-」



焦点

 本作品は「きよしとむつみ」シリーズの完結編である。このシリーズは、きよしとむつみという新婚夫婦を主人公としたサスペンスタッチの物語からなっており、前2作では、きよしが国際的な麻薬取引に関わっていること、そしてこの結婚がそれを隠蔽するための偽装結婚であったことが仄めかされている。今回はその設定を背景に、刑務所の中と外で離ればなれだったきよしとむつみが出会うまでを描いていく。本作は設定の上で、前作、前々作の前編にあたるものであるが、物語的には独立しており、初めて見ていただくお客様にも十分に楽しんでいただけるものとなる。
 本作の背後に流れるテーマは「結婚と家族」。座付作家・四夜原茂はここ数年、家族のあり方というものにこだわってきたが、今回は結婚を通じて家族が変化していく様を描いていく。囚人のみならず看守や所長まで含め一つの家族として機能している刑務所。その中の一員が結婚するとき、集団がどのように変化していくかを四夜原独自のシニカルな視点で描き出す。その意味で、本作は監獄の場をかりたホームドラマとも言えるかもしれない。また、死刑囚という存在を扱うだけに、生きることの意味と言ったナイーブな問題についても描かれる。しかし、基本的にはあまり重くなることなくコミカルなムードで物語は展開していく。
 舞台装置に関しては、大規模な立て込みに可動箇所を設け舞台を変化させるという2劇お馴染みのスペクタクルを今回も踏襲していく。

ごあいさつあらすじCast&Staff



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