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「法律時報」2004年12月号【法律時評】に掲載


特別企画・・・小田急高架訴訟上告の論点

上告の行政法的意義

山 村 恒 年


はじめに

 小田急連続立体交差事業認可取消訴訟の一審判決(東京地判平成一三年一〇月三日)は、公共事業計画の司法審査について、日光太郎杉判決以来の画期的な判決であった。しかし、その控訴審判決(東京高判平成一五年一二月一八日)は、旧態依然とした審理方式でこれを否定したため、現在最高裁で審理中である。

 私はかねてから、行政過程の判断形成過程のあり方およびその司法的統制の考え方について論じてきたが、(注1) 準控訴審の東京高判(以下、「原判決」という)は、都市計画行政過程の司法審査方式として適切でないと思われる。原審および上告審で意見書を提出した関係上、本事件の行政過程論からみた上告の意義を述べたい。なお、紙数の関係上、原告適格論については触れない。



 一 都市計画を規律する法規範についての原判決の考え方とその批判

 都市計画を実体的および手続的に規律する法規範について、原判決は、制定法中心主義に考えたため、裁量統制における法規範性を誤解している。

 原判決は、「都市における道路と鉄道との連続立体交差化に関する協定」(以下、「建運協定」という)および建運協定に基づく連続立体交差事業調査要綱(以下、「本件要綱」という) の法的拘束力を全く否定した。しかし、建運協定や本件要綱は、手続上の制定法規定ではないとしても、連続立体交差事業計画の合理性判断における考慮要素として、裁量統制規範となる。原判決はこの点を看過している。



 二 統合的行政過程としての都市計画行政過程

 1 統合的都市計画手法としての総合アセスメント

 都市計画行政が国の上位計画との整合性、都市計画基準との適合性を必要とすることはいうまでもない。また、本件の小田急小田原線(都市高速鉄道九号線)のように、区間を限った細切れ計画、別々の事業法による計画、数個の都市計画による連続立体交差事業の法適合性については、別々の事業法毎に、あるいは根拠条文別に法令毎の計画に分別した都市施設、もしくは事業として別々に判断形成をすることは、経済政策、行政評価、財政政策的にみても不合理性をもたらすことになる。これを複合的都市施設という視点から総合的に調査と評価をして合理的に判断形成されることが要請される。

 行政計画の判断形成は合理的でなければならない。司法審査における場合の合理性の有無の判断もこのような統合的判断形成が合理的になされたかという観点から判断されなければならない。この統合的手法として、東京都の平成一〇年六月決定の「総合環境アセスメント」がある。環境省でも研究会が設けられ、数年にわたる検討結果の報告書が出されている。(注2) これは線的統合や面的統合、質的統合などが考えられる。連続立体交差事業などには不可欠なものである。

 本件訴訟で問題とされている「建運協定」や「調査要綱」は、この総合アセスメントを具体化するものである。それは、合理的な都市交通整備事業の合理的判断過程を担保するため、実務上の必要性に迫られてつくられてきた。法的に分析すれば、計画行政過程 における合理的裁量の確保のための行為規範である。

 その項目や手法としては、建運協定や調査要綱に定めている調査内容が妥当する。本件要綱は、そのために総合アセスメント調査を要求している。 行政決定過程は、事実の調査、代替案の検討とその比較評価、選択による決定からなる。行政決定の合理性――裁量過程の合理性――を基礎づけるのが調査の合理性である。この行政調査の合理性を詳細に分析したのは筆者が最初であった。私は、行政過程の流れに応じて、これを、政策調査、行政計画調査(エネルギー系、水資源系、交通系、都市計画系)、行政処分調査(要件事実調査)に分けてその合理性規範を分析した。(注3) これらは、現在では、行政評価法によって要求されるようになった。「調査要綱」では、調査に基づく複数の代替案の検討、総合評価、事業効果最大化プログラムの検討による設計を規定している。これらは、計画行政過程に対する裁量審査の規範となるものである。



 三 連続立体交差事業調査要綱の枠組みと合理性

 これの調査項目は、行政評価法による評価の枠組みと共通性がある。また、先に述べた国土交通省の使命、目標、仕事の進め方、政策評価システムとも共通する合理的な枠組みである。調査要綱の項目を本件一審判決に基づいて整理すると次のとおりである。  これによる総合アセスメントのシステムは、立体交差事業計画の合理性を確保できるようシステム化されている。従って、都市計画の判断過程の合理性規範ともなりうる。



 都市交通整備における総合アセスメント調査項目

(1)立体交差事業調査要綱(国庫補助調査のための)

 @ 事業の必要性の明確化

 A 都市計画の総合的検討

 B 基本設計と概略設計

 a.基本設計

   考慮要素     鉄道・側道・土地利用計画に配慮

   鉄道と側道の設計一体的取扱、総合的検討、関連事業計画に配慮

  基本方針  交差方式 単独立体交差との比較

   イ 代替案の比較検討(数案作成、総合的順位)

   ロ 比較基準  環境への影響、事業効果、経済性、施行難度、関連事業との整合性

 b.概略設計

  比較案から最適案の選定

 C.総合判断評価

 (a)事業効果

 (b)環境影響調査項目  騒音、振動、日照、電波障害、地域分析、都市景観

 これらについて十分注意を払うこと



 調査要綱は、専門技術的見地から検討された合理的判断形成指針である。

 また、土地収用法の二〇条三号・四号要件の「土地の適正かつ合理的な利用」「公益上の必要性」を連続立体交差事業に即して、具体的に調査と評価の指針を示したものである。従って、これらのうちの重要な要素について「事実の誤認」をしたり、「事実の評価を誤った」場合は、著しく不合理な判断形成に基づく都市計画や都市計画事業認可となると考えるべきである。



 四 本件都市計画の判断過程の違法性

 1 行政過程の合理性の司法審査方式

 従前の判例に照らしてみても、行政過程に対する次のような判断過程の合理性審査規範が司法審査上認められている。その一部については、原判決も認めているところである。

 @ 判断の基礎となる事実の調査の合理性

 A @の事実の評価の合理性

 B 代替案の検討と比較評価(費用便益分析を含む)

 C 代替案の合理的選択

 @Aについては、裁量審査規範として、明文規定の有無にかかわらず最高裁判例をはじめ多くの判例が認めているところである。そして、建運協定や本件要綱は、連続立体交差事業における@Aの裁量の合理性規範を明文化・具体化している。すなわち、同要綱は、合理的な公共事業のみを補助事業として認めるための規範である。それが連続立体交差事業の実態を踏まえて建運協定および本件要綱の形で明文化・具体化されたことにより、調査項目についての判断過程の合理性審査がより撤密化・強化されることはあっても、その逆はあり得ない。にもかかわらず、原判決は、一般論として@Aの合理性審査が及ぶことを認めるかのように述べつつ、建運協定および本件要綱が法規に基づくものでないことを理由として、実質的に@Aの点での合理性審査を回避している。このような原判決は、@Aの点に関して積み重ねられてきた最高裁判例その他の多くの判例の考え方に反する。

 BCについては、土地収用法二〇条要件をめぐっての下級審判例が形成されているところである。最高裁判例としては、神戸高専のエホバの証人の信者である学生の剣道実技の履修拒否を理由とする原級留置処分・退学処分について、代替措置が不可能でもないのに何ら検討することなく前記各処分をしたことは、考慮すべき事項を考慮せず、また考慮された事実に対する評価が明白に合理性を欠き、その結果、社会観念上著しく妥当性を欠く処分をしたものとして裁量権の範囲を超える違法なものとした判例が確立されている(最判平成八年三月八日民集五〇巻三号四六九頁)。しかるに、原判決が、代替案の検討や本件調査報告書の公開は都市計画決定の手続的要件とされていないとし、一審原告らが代替案の検討を欠く点について裁量権の逸脱・違法を主張することについて主張自体失当としたのは、行政計画判断過程に対する裁量の合理性審査規範についての上記の判例に反したものといえる。



 2 関連法令としての環境法規範

 同様に、東京都環境影響評価条例九条一項三号違反の代替案の検討を欠く点および同条二項違反のいわゆる細切れアセスメントに関する一審原告らの違法主張について、原判決がそれらは都市計画決定の手続要件とはされていないとして一審原告らの主張を主張自体失当とした点も、行政裁量の合理性に関する同条例の裁量審査規範性を看過したものである。

 「環境と開発の統合」が、国際環境条約の規範として採択されたことに伴い、加盟国としての日本は国内法として環境基本法を制定し、環境基本計画を閣議決定した。これによって国の地方公共団体の責務として各省庁の政策に環境配慮することが義務づけられた ので、都市計画法に基づいた事業認可をしたり、補助金の交付決定をするのについても同様の義務を環境基本法二〇条により負うにいたった。東京都も、同法に先立って環境影響条例を制定していたが、あらためて環境基本法に沿う義務が生じたのである。(注4) このようなところから、本件要綱も基本設計の代替案の比較基準として、環境への影響を求めている。

 都市計画法一三条柱書の公害防止計画適合性、都市の健全な発展と秩序ある整備、自然的環境の整備または保全に配慮等の規定は都市計画判断形成過程の合理性規範となる。同条一項一一号の都市施設は良好な都市環境を保持するように定める規定も同様である。

 これらの規定と環境基本法一九条、二〇条、二一条の各規定とリンクされることによって、事業認可に際して、事業者の環境配慮の合理性を審査すべきことになる。その前提としての都市計画も合理的な環境調査による影響評価がされていることが要求される。



 3 本件都市計画における代替案の検討の過誤

 都市計画事業認可および土地収用の事業認定については、土地収用法二〇条三号と四号要件をめぐって判例が形成されてきている。そこでは、計画の合理性の審査規範として、代替案ごとの費用便益分析の比較評価が合理的になされたかが論点となっている。

 原判決は、法一三条一項五号(現一一号)の「良好な都市環境を保持するように定めること」という実体要件について、構造形式について高架式を採用したことは環境影響判断上特別に不合理な点は認められないとした。しかし、具体的な行政評価方式を定める本件要綱が規定する各代替案についての環境影響の比較評価を、そもそも構造形式選択段階において排除したこと自体、著しく合理性を欠いている。

 @ 本件要綱における構造形式の比較検討の内容

 ○要綱による基本設計の規定は次のとおりである。

 a 合理的な線形、施行方法、構造形式の比較検討

 b 周辺の関連事業計画等と調和のとれた比較案の数案の作成

 C 比較案の評価は経済性、事業効果、環境への影響等を考慮

 d 総合的に評価し、順位をつける

 ○要綱による概略設計の規定

 a 比較案から最適案を選択

 b 事業費積算の設計

 都の判断手法は環境への影響が考慮されていないと原判決も認定している。しかるに原判決は、本件要綱が法規範性を有していないとして判断手法の違法性や裁量範囲の逸脱を基礎づけるものといえないとした。

 問題は、本件要綱が連続立体交差事業計画策定における判断過程の合理性確保の規範として合理性を有する限り、本件要綱に従ってこそ本件都市計画の合理性が認められるにもかかわらず、原判決が本件要綱の判断過程合理性規範性を無視し、本件要綱と本件事業計画の整合性を不問にしたのは、原判決の自己矛盾といえよう。

 A 本件要綱の調査項目の不遵守 本件要綱は、行政評価法の枠組、国土交通省の政策評価システムとも共通性を有して極めて合理性を有する。また、昭和四七年の閣議了解「各種公共事業に係る環境保全対策について」を受けて、「構造形式の比較検討」、「比較案の数案の経済性、事業効果、環境への影響等を考慮して総合的に評価し、順位をつける」としている(本件要綱5−3−3項1)。しかるに東京都は、上記の評価項目中、「環境への影響評価」を各代替案について行わず、高架式を計画決定したのである。



 4 代替案ごとの費用便益分析の過誤

 都市計画の判断形成は土地収用法の事業認定と同様「土地の適正かつ合理的利用」と「公益上の必要性」を合理的に検討されなければならない。

 行政機関が行う政策の評価に関する法律(政策評価法)第一条は、「政策の客観的かつ厳格な実施を推進し」、「もって効果的かつ効率的な行政の推進に資」し、「国民に対する説明責任が全うされるようにすることを目的とする」と規定している。

 国土交通省では、同法施行前からその趣旨を受けて、政策アセスメントの実施を同省の公共事業に対して取り組んできた。運輸政策審議会も、「…費用対効果分析をふまえ、鉄道特性を発揮しうる分野について効率的かつ重点的な鉄道整備を実施することが必要」と答申をしている。

 費用便益分析制度は、平成四年の一連の公共事業スキャンダル以来、その改革手法として取り入れられ、すでに平成一〇年には、運輸省鉄道局監修の「鉄道プロジェクト費用対効果分析マニュアル97」(財団法人運輸経済初究センター)がまとめられ、平成一一年には、同マニュアル99が出版された(財団法人運輸政策機構発行)。その中には、東京都の地下鉄一三号線(池袋―渋谷区間)も含まれていた。(注5) 政策評価法に基づいて国土交通省は平成一四年「国土交通省政策評価基本計画」を省議決定した。その中のプログラム評価の項で、短期的効果と長期的効果に分けて費用効果の関係について明らかにするとしている。

 東京都は、構造形式の代替案の比較検討において、環境への影響評価以外の「費用効果(経済性および事業効果)分析」においても、次のとおり考慮すべき事項を考慮せずに高架式を計画決定している。

 ア 地下式とのコスト評価において、買収済みの土地の購入費用を高架式のコストに入れなかった。

 イ 地下式の場合に不要になる地上の軌道用地の価値(売却益一八〇〇億とも言われている)を評価し、それを地下式のコストから差引くことをしなかった。

 ウ 鉄道事業者の受益分の不考慮

 エ 環境側道設置コストを高架式に含めなかった。

 オ 二線二層式の地下式の構造形式について十分な代替案を検討せず、さらにはシールド工法に比べコストのかかる開削工法によって事業費算定を行い、三〇〇〇億円と評価した。

 なお、原判決は、二審原告らに地下式の方が優位に立つことの立証責任があることを前提とするような審理・判断をしている。しかし、構造形式の比較検討に関する各種資料は行政がほぼ独占し、さらには計画当時より住民側から環境評価の対案が出されていたことからすれば、事業効果分析等の結果より合理的であるとして地下式代替案を計画策定した行政側こそが、その計画の合理性について検討した結果について説明責任を果たすべきであり、それが行政の説明責任であり、行政評価法の趣旨にも適う。すなわち、選択された事業計画(構造形式)が他の代替案に比べて優位であることの立証責任は行政側にあり、その検討が十分なされた上で高架式が決定されたことを行政側が立証できなければ、著しく不合理な判断形成というべきである。

 カ 構造形式の選択に際しての費用便益分析において、環境への影響によるマイナスの費用が考慮されなかった。原判決が環境影響評価の内容について審理しているのは、この高架式か地下式かという構造形式選択段階での費用便益分析とは関係のない、高架式と決定後の計画についてのみの環境影響であって、地下式代替案との比較評価の段階における両案の環境影響の内容の審理ではない。

 都の検討した地下式代替案は、住民側から地下式の代潜案の検討を迫られ、嵩上式案決定後、それを正当化するために考えられたものにすぎない。高架式と地下式との双方について比較評価するとの本件要綱にも反して合理性を欠く結果をもたらしている。

 本件一審判決が判示するように、都はすでに設定された設計の「基本条件」を先に定め、その範囲内での極めて狭い範囲の比較案しか検討せず、調査対象区間全体の地下式や二層二線式シールド工法を考慮すべきであったのに、これを考慮せずに高架式と決定したのは本件要綱に実質的に反し、著しく不合理な判断形成といえる。



 5 社会的正義に反する環境影響評価に基づく本件都市計画決定

 原判決も、東京都環境影響評価条例にかかる手続違反が、平成五年決定の実体的な適法性を判断する上で考慮要素の一つとなり得ることは認めている。しかるに、原判決は、騒音問題解消の視点について、受忍限度論ならびに被害発生の認識およびその可能性という主観的要素を挙げている。そもそも環境影響評価は、ベターデッシジョンを求めるものであって、開発による公害を受忍限度まですべて許容するというものではない。

 一〇〇〇人の便益のために、一万人の人が受忍限度まで公害を受忍すべきだということは、社会的正義およびその具体的規範としての環境影響評価に反する。まして、平成四年三月に小田急沿線の多数の住民が騒音による公害が発生しているとして公害等調整委員会に責任裁定を申請し、その後同委員会により現に小田急電鉄の責任を認める裁定がされているのに、小田急線沿線住民に受忍限度を超える違法な騒音被害があると推認するのは独自の見解とした原判決は、全く社会通念に著しく反するといえよう。

 また、原判決は、東京都から委託を受けた日本鉄道制御工学会が昭和五八年にした経堂地区における鉄道騒音の測定結果が新幹線騒音基準を上回ることも、違法状態にあるとの評価を下すべきであったとはいえないとした。

 しかし、東京都環境影響評価条例施行規則(昭和五六年八月一一日東京都規則一三四)の第四騒音二現定調査(3)調査方法(イ)特定騒音(C)測定方法(b)鉄道軌道またはモノレールの騒音では、「測定方法」および四の「評価」では、『新幹線鉄道騒音に係る環境基準について』(昭和五〇年環境庁告示)に定める測定方法と環境基準によるとされている。従って、東京都環境影響評価条例や社会通念に著しく反する「違法状態」にあったにもかかわらず、原判決が「在来線の鉄道騒音についての受忍限度を前記裁定のように等価騒音レベルの値で七〇デシベルと設定すべきであるとの考え方あるいはそれ以下のものとすべきであるとの考え方が、平成五年決定当時、一般に共有されていたことを認めるに足りる証拠はない」と判断したのは、著しい事実誤認である。また、騒音基準が未整備であったと述べる点も同様に著しい事実誤認である。

 さらに、少数の人々が短時間の短縮利益を受けるのに対し、多数の沿線住民が騒音等の環境面で常時被害を受けるということは、公平性を欠き、著しく「社会的正義」に反する。また、多数の沿線住民に及ぶ騒音等の環境面での影響を重視すべきにもかかわらず、これを軽視した計画判断は社会通念に照らして著しく妥当性を欠いている。(注6)



 おわりに

 以上述べたように、本件事業認可は、事業計画の判断過程の合理性規範である建運協定や本件要綱に基づき本来考慮されるべき事実を考慮しなかった点で著しく不合理なものとして違法であるのみならず、建運協定や本件要綱、東京都環境影響評価条例等によって基礎づけられる社会正義規範に基づき本来考慮されるべき事実を考慮しなかった点においても違法といえよう。

 本件の上告審の判決は、公共事業計画過程に対する司法的審査方式について初めてのものになるといえよう。行政評価法の制定などにみられる、現代的要請にこたえるものになることを期待したい。



(注1)
 『行政過程と府政訴訟』(信山社、一九九五年)、『環境保護の法と政策』(信山 社、一九九六年)。

(注2)
 山村恒年「政策と環境アセスメント」都市問題研究四五巻六号六〇貢(一九九六 年)、環境省・戦略的環境アセスメント総合研究会「戦略的環境アセスメント総合研 究報告書」(平成一二年八月)。

(注3)
 『現代行政過程論の諸問題(1)ないし(14)』自治研究五八巻九号、一一号、五九巻三 号、七号、一一号、六〇巻二号、七号、一〇号、六一巻二号、三号、八号、一二号、  六二巻四号、一一号では、これらの分類に従った合理性の規範を判例として引用しな がら分析している。

(注4)
 山村恒年「都市開発・区画整理における決定過程の法理」、(注1)の『行政過 程と行政訴訟』八二頁以下、特に八六頁参照。

(注5)
 日経新聞一九九九年四月二日朝刊。

(注6)
 この点については、二〇〇四年の土木計画学会での東京急行電鉄株式会社所属山 本隆昭氏報告が、「地下式と高架式の比較評価において、『投資効果』(走行時間短 縮、踏切事故解消等)の帰着先が利用者に限られ、環境面で不利益を被る沿線住民への説得性は乏しく、あらゆる主体に対する有効な合意形成ツールとはなっていない」と指摘している。

(やまむら・つねとし 弁護士・元神戸大学教授)




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