3月9日、札幌へ買い出しに出かけた。島村楽器で USB ハブを買い、YES そうご電気で HTML の解説書を購入。そうご電気では思わず POST PET 2001 とワコムのタブレット Art Pad Fan USB も買ってしまった。給料日までどうやりくりしよう。
そのあと、ワウペダル用のボリュームポットを買おうと狸小路六町目のヨシダ楽器へ向かうと、無い。ワウペダル用のボリュームポットではない。ヨシダ楽器が無いのだ。そば屋になっていた。
そのそば屋のおばちゃんに、ここは以前楽器屋さんだったはずだが......と訊ねたところ、もう辞められた、移転では無く廃業だと聞いている、とのこと。なんてこったい !!
狭い店でねぇ。お客が三人も入ると身動きできないようなスペースだったのよ。入り口左のショーケースに 管楽器やヴァイオリン、パーカッションなんかもちょっと置いていたなぁ。入るとやはり左にエフェクターを入れたケースを挿んでレジがあって。右には所狭しとエレキギターやアンプを並べて、天井からアコースティックギター吊るして。店の奥に一段低くなって事務所があって、そこに下りる手前左に階段がある。私は入った事は無いが店鋪の真上が倉庫になっているらしく、ギターを買うとそこからケースを持ってくる。その階段から事務所の真上へ行く階段が分岐していて、そこは試奏スペースになってた。
旦那さん、おばさん、若頭(今勝手に命名)、アルバイトのお兄ちゃん(時々入れ代わる。交代で出ていたようでは無い)、この四人でやっていた。みんな人当たりが良くてねぇ。決してよそよそしく無く、必要以上に馴れ馴れしく無く、実に気持ちよかった。
ここでは猫を飼っていて、その猫が私にじゃれ付いて来たのを見たおばさんが、「この子が他人に寄ってくなんて珍しい」と言ったのが嬉しかったな。
この店ではおばさんをキャラクターにしてピックやギタークロス(ギターを拭く布)、「おばさんの弦」なんてのもあったな。で、もらったオリジナルピックの一つには、
「1997 Anniversary 50th yosida since 1947」
とある。札幌でも由緒正しい楽器屋さんだ。いや、だった、か。
Yahoo! JAPAN で「ヨシダ楽器」を検索したら、苫小牧商工会議所のサイトを発見。ここに帝国データバンク北海道版からの記事があり、これによると1998年8月17日に銀行取引停止、とある。iMac が米国で発売され、日本上陸もあと半月、しかし取り扱い店の制限有りでやきもきしていた頃だ。記憶は定かでは無いが、この頃ヨシダ楽器に行った気がする。きっと厳しい時期だったろうに、いつもと変わらぬ対応だった。
そして昨年1998年末に言った時にはシャッターが下りていた。「あぁ、珍しく休みの時があるのだなぁ」と立ち去ったのだが、思えば年末の書き入れ時に休むなんて事があるはずがない。そういう事だったのか。
申し訳なかったが、私はヨシダ楽器でだけ買い物をしていた訳では無い。Music Land Key、キクヤ楽器、玉光堂、島村楽器、その他の所も利用していた。特にエレキギターの弦は他の店の方が安い、それ以前に私の使っているセットが他のとある店にしか置いていなかったのだ。しょっちゅう買い物をする訳では無いオレのためだけに特殊なものを入れてもらうのは気が引けて。あれはまとめて入荷するものだからなぁ。
ただ、私に一番しっくりくる店はヨシダ楽器だった。あのギターも、このエフェクタも、ここで買っておけば、と今さらほざいても、しょうがないな。
以下お買い物リスト。
約10年間で、たったこれだけだ。すまん、そして、ありがとう、ヨシダ楽器。GRECO のギターとの出合いが無ければ私の人生(そんな大したものじゃ無いけど)は違っていたでしょう。あの狭い店をずっと忘れません。