日本では例えば、新幹線が新丹那トンネル内で4時間余も立往生し、東京・新大阪間で9時間40分もかかったら、間違いなく、テレビ, 新聞の種になります。では、現地のマスコミではこの立往生はどのような扱いだったかというと…
1995. 6. 28. Wed. No. 43550, FINAL
1面 : 記事の位置と大きさ = 左下 4.2cm x 4.9cm, 13行 (見出しとも)
1995. 6. 28. Wed. No. 65305
4面 (Home News)
記事の位置と大きさ = 右下、8.7cm (1/2) x 14.1cm + 8.7cm (1/2) x 7.8cm, 52行 (見出しとも)
King's College, Cambridge, フランスのジャズバンドの合唱団 (choristers) を含む数百人の乗客を乗せた Eurostar が昨日 Kent の田舎のトンネル内で 3時間にわたって立往生した。この立往生は列車が Paris Gare du Nord を12:13 に発車して以来 3回目の故障で、お値段2400万ポンドの列車がパンタグラフ (overhead power arm *2) を橋に接触させたために、この3回目の故障が起こった。
乗客は 7時間遅れで Waterloo に到着し、84ポンドから195ポンドの切符 (*3) の払い戻しを受けた。全払戻総額は 10万ポンドにのぼる見込み。 Waterloo 駅では Eurostar は看護婦と 100 台のタクシーを待機させ (*4)、必要な人には便宜を図ることを約束した。乗客の話では、合唱団員の中には気が遠くなった者もいたり、列車では食事と飲み物がなくなってしまったりしたとのこと。
遅れの間、警察が Sevenoaks で糖尿病患者と心臓の具合が悪くなった乗客のために乗車しなくてはならなかった。 弁護士の Christopher Crosthwaite さんと Thomas Forschback さんは、それぞれ、昨日の London での重要な会議に確実に行き来できるようにするべく、列車の 1等と飛行機に 600ポンド払った。しかし、列車の遅れのために、会議にも出られず、帰りの飛行機にも乗り遅れた。 Crosthwaite さんは、「全く悪夢のような経験だ。1回故障しただけでもマッピラなのに、さらに 2回も起きてはたまらない。」
(*2) UK 内では第3軌条集電のため、Eurostar はパンタグラフを降ろして走行しています。どうして、ぶつかったのかわかりません。まぁ、架線があれば、なおのことぶつからないでしょうが @_@
(*3) この時点で 1等 Paris - London 往復 が 195ポンド。84ポンドというのは、Apex Weekend の 2等往復か、Youth の 2等往復の運賃。安い運賃の代表例として記事に書くなら、2等片道の 77.50 ポンドとすれば良さそうに思うんですけど。
Apex Weekend … 往復の切符を出発の14日前までに購入し、土曜夜に目的地に滞在することが条件。切符の変更は出来ないが、往路出発前なら半額の払い戻しを受けることが出来る。
Youth … 26 歳以下の運賃。他の制限はない。
(*4) どおりで、Waterloo 駅前に黒い Austin がずらーっと何列にもなって並んでいたのね。初めての London なので、それが普通なのかと思ってた ^_^;
確かに、入国審査の出口のところ (check の換金窓口の前) に机が一つ出ていて、何かの相談に応じているようではありましたが、人が多かったので、青山は敬遠してしまいました。一刻も早くホテルで横になりたかったからです。私の見るところでは、地下鉄の駅へまっすぐ進む人がほとんどだったようですが。
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