Chena Hot Springs の初期の歴史と地質学

出典 : Chena Hot Springs のパンフレットから

フェアバンクスの北東 96キロに位置するチェナ温泉は、リューマチの痛みに悩む鉱山師たちの湯治場として 1905 年ごろからその名を知られてきました。ロバート・スワンとトーマス・スワンの兄弟は、チェナ川上流の谷から立ちのぼる蒸気を合衆国地質調査局員が 1904 年に発見した、という話を耳にします。温泉の蒸気に違いないとの結論でしたが、それ以上の調査は行われていませんでした。ロバート・スワンはリューマチからくる痛みを癒す場所をさがしていたので、さっそくボートに生活必需品を積み込むと、温泉を求めて旅立ちました。フェアバンクスからチェナ川をさかのぼること一カ月、ノースフォークにたどり着いたロバートとトーマスは、さらにボートをすすめてモニュメント川が流れ込む地点までやってきます。そしてこの川を少しのぼったところで、求めていた温泉をついに発見するのです。1905 年 8 月 5 日のことでした。その後、1911 年までに、湯治客用の馬小屋と浴場と 12 戸の小キャビンが建てられ、チェナ温泉は内陸アラスカ指折りのリゾート、あるいは厭世的なフェアバンクス住民たちの憩いの場へと発展していきます。
当初フェアバンクスからチェナ温泉への旅は、天候や道の状態により一週間から三週間もかかっていました。その悪路も 1911 年の補修工事後は犬ぞり旅行に最適で『自転車さえ通れる』状態になり、実質二十時間の道程となりました。1912 年、『快適な四頭立て二連馬車』を使った『温泉乗合い馬車』が十日に一本の定期運行を始めます。チェナからフェアバンクスまで二日半かけて走り、道中には旅客めあての宿が四軒建てられました。
チェナ温泉の評判が広まると、アラスカの国会代議員ジェームズ・ウィッカーシャムは温泉の成分検査を農務省に依頼しました。化学局が 1.7 リットルの温泉水を分析した結果、当地の温泉は『これまでに検査した米国内のどの温泉とも違っている』と判明します。チェナ温泉の特徴は硫酸塩と塩素と重炭酸ナトリウムで、ボヘミアのカールズバッドにある名泉のひとつ、フェルセンケルと成分が非常によく似ていたのです。
チェナ温泉リゾートは、今日でも清潔かつ健康的で美しい自然環境を誇り、世界中から訪れる湯治客を歓迎しつづけています。

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Last Modified : Oct. 21, 2001