ヴィローラ体験レポート

（ヴィローラとは、中南米から南米にかけて自生するニクズク科の植物。樹皮の内側の形成層を削り取ったものをペースト状に煮込んだものがヴィローラ・ペーストである［編集部］）

(Y.Y　21才・男・身長168cm前後・体重約52kg

　12時50分頃にアパートの自分の部屋でヴィローラ・ペースト(15ｇ)を経口摂取。
　摂取の際にはハルマラ等のMAO阻害薬やその他の向精神物質は一切組み合わせていません。
　冷蔵庫で冷やしておいたものを15分程冷凍庫に移して、軽く固さを増したペーストをちぎってビタミンの錠剤程度の大きさに丸めてから次々と水で飲み下す。
　全て飲み込んだ後で手を洗い、横になる。匂いも味もコーヒーに似ていた。
　とくに変化もなく10分程度が経つ。そのうちに、体の感覚が軽く薄れていることに気づく。しかし、視覚的な変化は全くない。尿意を催し、トイレに立つ。なんだか体がいうことをきかず、ふらふらする。5MEO-DMTのピークが過ぎた後で動き回ろうとした時の感覚に似ているが、はるかに軽いものではある。
　再び横たわる。いつの間にか、まぶたの裏側で青い光の塊が膨張と収縮を繰り返している。キノコを摂った時のように頭の中で何かが勝手に喋りだすけれども、キノコの時とは違って気のせいだと思える程度のものだ。何度か部屋のカーテンを開け閉めして明るさを調節する。
　ペーストを飲んでから30分位経った頃、イメージ力が強化されていることにふと気が付く。それまで、キノコにシリアンルーを合わせたような強力な効果を予想していて気が付かなかったけれども、イメージの鮮明さあるいは内容が普段とは違っていた。虹色の、あるいはサイケデリックな曼荼羅がぐるぐると回転している。それが平面から立体になり、見た目にはほとんどUFOとしか思えない。次々とさまざまな場面が思い浮かんでは消えていった。自分の過去をアルバムをめくるみたいに眺めることができた。
　その後、2時間余りこのような状態が続き、 ターナーのいうところのいわゆる＜サイケデリック・スペース＞に至るところはなかった。全体としては、5MEO-DMTのピークを過ぎて横たわっている時に見えるイメージが長時間続いたという感じ、あるいは内容がエンセオゲン寄りの夢を見せられたといった印象を受けた。
　視覚効果がほとんど感じられず、思考にも特に変化はなかったように思えた。本当に思考に変化が無かったかどうかは自分で分かるものではないけれど。抜けた後には特に疲れたというような感じはなかったけれどごく軽い頭痛がした。が、すぐにおさまった。今回は部屋を薄暗い状態にしての摂取で、セットを変えるとまた違うのかもしれないと思った。