ALTERED DIMENSIN
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[サイケデリクス]

TMA-2体験レポート

2001年1月27日(土)

15:00:
 早めに仕事を切り上げ、雪が舞う中を家路につく。朝からの雪が積もり、人気のない道を歩きながら、ふと、ある考えが頭に浮かんだ---このような外から閉ざされた環境はサイケデリックスをやるにはうってつけではないか。ちょうど、先日手に入れたTMA-2(2,4,5-trimethoxyamphetamine)があり、これを試すことにした。メスカリン系を試すのは、前回のサンペドロ・ジュース以来、これが2回目だ(と思う)。

18:30:
 カプセル入りのTMA-2、20mgをコップ半分の水と一緒に飲む。その後、時々、用意しておいたお茶を飲みながら時を過ごす。

19:30:
 なんとなく身体の力が抜けていくような感覚。しばらくして、下腹部(腸のあたり)がムズムズしてくる。やがて、そのムズムズ感がゆっくりと広がっていく。体が少し熱くなってきた。ほんのりと酸味のある唾液が口の中に広がる。前回、サンペドロを体験してから、メスカリン系=酸味という固定観念が頭にあるのだが、単なる思い過ごしかもしれない。横になる。

19:45:
 サイケデリックス特有の身体の細胞ひとつひとつがふつふつと沸き立つようなソワソワ感があるが、決して激しいものではない。意識は冷静さを保ったまま。視覚的な効果はそれほどなく、周りのものがゆっくりと目の前を流れていくように見える程度だ。お腹が張っている。お茶を飲み過ぎたせいか、何度かトイレに行く。

19:55:
 壁に掛けてあるインドの布地に描かれた女性の顔の表情が、音楽に合わせて少しずつ変わっていくのを見て楽しむ。

20:25:
 ソワソワ感が薄れてくる。まさか、もう終りではないだろうな。...一抹の不安が頭をよぎる。何度もトイレに行ったために有効成分が排泄されてしまったのではないかなどと考える。

20:45:
 まだ、音楽に入り込めるだけの効果は残っているようだ。音とともに身体全体が震える。

20:55:
 無視しようとすればできるけれど、自分が欲すれば、心地よくけだるい感覚は蘇ってくる。閉じた範囲内ではあるが、自分がこうしたいと思い、その方向に導こうとすれば、それに従ってくれる。ただし、これまでに体験したことのないような新たな発見や驚きはない。

21:10:
 ふと気づくと、何時の間にか深いところに入り込んでしまっていた。音楽が頭につき刺さるかのように入り込んできては、身体のあちこちから突き抜けていく。...そうか、違っていた、逆だったのだ! 自分でコントロールしようとするのではなく、ある種の存在とそれが向かおうとしている方向を感じ取り、それに同調することができればサイケデリックスのピーク時も近い効果が得られる。自分の周りに漂っている「それ」を見つけてやって、それと一緒にいてやれば深いところへと連れていってくれるのだ。
 自分がいかにピュアであり続け、それと向かい合えるかによって効果は違ってくる。雑念を払う努力が必要だ。意識は普段とあまり変わらない状態にあるので、いろいろとつまらないことを考えてしまいがちだが、それでは十分な効果は得られない。何ら努力しなくても、勝手にあちこちに連れまわしてくれ、おもしろいものを見せてくれるキノコなどとは明らかに異質のものだ。前回のサンペドロ、そして今回のTMA-2の体験を通じて、メスカリン系の物質との付き合い方が少し解ってきたような気がする。

 努力しても、もう、それをみつけられなくなった頃には、時計は既に夜中の12時を回っていた。

(38歳、男性)

[サイケデリクス]