シナリオ要素のライブラリー化
本書は1998年頃に書いたもので、現在では本書の内容は成立しないと考えています。
実証済みの実例は「シナリオ背景自動生成ツール」、その理論は「シナリオ(背景)自動生成」を参照してください。
次に、それぞれのファクターを再利用可能なようにライブラリー化するための形式を考えます。
基本的に、それぞれの出来事はいつ、どこで、誰(何)が、誰(何)に、どうするのか、ということと、それに対して予測されるリアクションによって構成されます。この様な部品をオブジェクトと呼ぶことにします。
つまり、それぞれのファクターをこれらに従って分解しておけばファクターの中の部品を変更することで別のファクターとして再利用可能になると考えられます。ただし、リアクションに関してはシナリオ中の前後関係が重要になるため他の部品とは同等に考えられるとは限りません。それどころかリアクションはそれ自体が別のファクターとなり得る可能性さえあり得ます。従って、リアクションに関しては別に扱います。
ここで、1つ例を挙げましょう。シナリオの例で出てきたものをいくつかオブジェクト化してみます。
いつ | どこで | 誰(何)が | 誰(何)に | どうする |
---|---|---|---|---|
朝 | 町の酒場で | 村長が | PCに | 仕事を依頼に来る |
夜 | 村長の家で | 村長&村人が | PCに | 宴を催す |
洞窟に着いたとき | 洞窟の入り口で | ゴブリンが | PCに | 襲いかかる |
例えば、一番最初の「朝」、「酒場に」、「村長が」、「PCに」、「仕事を依頼に来る」の「村長」を「女の子が」に変更すれば別の状況としてそのほかの部品は再利用が可能なわけです。
この様に、それぞれの非常に小さな部品に分解してそれぞれの要素をライブラリー化しておけば要素の中のわずかな部品を差し替えるだけで別の要素として再利用が可能なはずです。