昨日の棋王戦挑戦者決定戦第1局 素敵なタイムテーブル No: 7091 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/12/25 Sat 02:19:09

昨日の棋王戦挑戦者決定戦第1局 素敵なタイムテーブル

感想戦では43手目35歩を敗因とした。35歩をやらずに43手目84角なら先手勝ちが彼らの結論なのでその先はパスの意思表示。森内も竜王戦最終局がすぐにあるのでアマリ頭を使いたくない。
森内は43手目35歩に29分思考。45手目84角には15分。従ってこれは森内の遊び。羽生は嘘ダロと当然の46手目82角に18分。次に桂を跳ねたら同銀で先手即負けなので森内は11分で55銀決行。84角には桂跳ねが有り得ないので誰も35歩など突かない。羽生の42手目73桂が敗着どころかすぐに先手勝ちが決まる大ポカだったので森内は呆れて43手目にうまく商業将棋をカモフラージュして自分でポカを装ったのがタイムテーブルが語る真相。控え室の様子を伺うための35歩=29分。 幸いなことに誰も気がついていなかった。
こう言うことは頂上に居るあの二人だからできる。相手が違うと決して遊ばない。
48金には35分。77桂には29分。66角には3分。この66角が最後の敗着とは彼らは言わない。73桂には先に84角打で先手勝ちの結論なので彼らは今度この形を作成しないため。
本譜の羽生の角の繰り換えは共同演出。
もし森内が61手めに他の手を指せば別の変化。いずれも彼らの遊びの主題は氷漬けの鏡像角をいかにステップさせるかと言うこと。本譜は森内羽生からの素敵なクリマスプレゼントになった。あの辺境地で凍りついた角のペアーが踊り出すだけで痛快な棋譜。派生変化も楽しい。
本譜の角サバキも見事だがUの柱が欲求不満なので居飛車がイカに強靭か作成してみる。
基本図1。
61手目67玉変化基本図+63桂
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽3二金 ▲2五歩 ▽8四歩
▲7八金 ▽8八角成 ▲同 銀 ▽2二銀 ▲7七銀 ▽3三銀
▲3八銀 ▽6二銀 ▲4六歩 ▽6四歩 ▲4七銀 ▽6三銀
▲6八玉 ▽1四歩 ▲1六歩 ▽9四歩 ▲9六歩 ▽4二玉
▲5八金 ▽5二金 ▲7九玉 ▽7四歩 ▲3六歩 ▽5四銀
▲5六銀 ▽6五歩 ▲6六歩 ▽同 歩 ▲同 銀 ▽3一玉
▲3七桂 ▽6二飛 ▲6五歩 ▽8五歩 ▲4七金 ▽7三桂
▲3五歩 ▽同 歩 ▲8四角 ▽8二角 ▲5五銀左 ▽同 銀
▲同 銀 ▽3六銀 ▲4八金 ▽6五飛 ▲6四銀打 ▽8六歩
▲7七桂 ▽8七歩成 ▲6五桂 ▽7八と ▲同 玉 ▽6五桂
▲6七玉 ▽6三桂
62手まで

以下63手目72飛の角金取りは65桂が王手で負け。金を取れば即詰み。
そこで63手目は63銀を故意に捨てて66銀と泡踊り。
以下基本図2
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽3二金 ▲2五歩 ▽8四歩
▲7八金 ▽8八角成 ▲同 銀 ▽2二銀 ▲7七銀 ▽3三銀
▲3八銀 ▽6二銀 ▲4六歩 ▽6四歩 ▲4七銀 ▽6三銀
▲6八玉 ▽1四歩 ▲1六歩 ▽9四歩 ▲9六歩 ▽4二玉
▲5八金 ▽5二金 ▲7九玉 ▽7四歩 ▲3六歩 ▽5四銀
▲5六銀 ▽6五歩 ▲6六歩 ▽同 歩 ▲同 銀 ▽3一玉
▲3七桂 ▽6二飛 ▲6五歩 ▽8五歩 ▲4七金 ▽7三桂
▲3五歩 ▽同 歩 ▲8四角 ▽8二角 ▲5五銀左 ▽同 銀
▲同 銀 ▽3六銀 ▲4八金 ▽6五飛 ▲6四銀打 ▽8六歩
▲7七桂 ▽8七歩成 ▲6五桂 ▽7八と ▲同 玉 ▽6五桂
▲6七玉 ▽6三桂 ▲6六銀 ▽6四角 ▲6五銀 ▽4六角
▲2四歩
67手目まで

やはり居飛車は24歩が決め手。これを取ったら商業将棋ではブーイングが来るのでイブのハブなら寄せに来る。そこでその力を逆用して先手勝ちにしたい。ポイントは23とを残したまま飛車打ち+51角成の強手。先手に歩が2枚あるのが救い。1枚を受けに、1枚を押さえに。角を51地点目指して切るのが基本コンセプト。そして金金桂で寄せる。最後は後手の攻防の飛車打を切らせ羽生が打った41銀を龍で取って仕上げ。本譜66角では逆の構図になってしまう。

角換り腰掛け銀の鏡像世界。本譜は82-84の互いの角が64-66へそのまま華麗なステップを見せる明解な森内演出。面白いことに羽生41銀は裏変化でもやはり打つ。本譜変化の41銀は攻防手。王位戦でも谷川相手に見せた羽生の後の先駒アタリ。41銀と打ったからこそ64角と銀を取れる。裏変化では逆の発想をする。先に銀を渡せば今度は41銀が単なる受けになるはずと。
本譜の67手目24歩は後手はすぐに取るが上記変化の67手目24歩ならばブーハは寄せに来るので今度こそ41銀は単なる受けの手で後手が負けるというオチ。後手が28飛車を取った瞬間手駒の飛車を王手で打てる為。23とが上部を押さえる飛車の代償。裏変化は84角のまま戦う。本譜は66角の1手分で大差の印象を与えたかもしれない。角換り腰掛け銀で完全に抑え込むのは彼らでも至難のワザ。すると24歩が効くか効かないかと言う勝負を楽しみたい。

1分将棋になってからの本譜71手目45歩は駒アタリ偶数番4なので先手の負けが確定。いつもの森内ならここで念願の45桂で仮想駒アタリ奇数番3を取る。同銀なら今度こそ同歩が連動手で完全駒アタリ奇数番3。そこで64角の方で例の銀を取って今度は羽生が仮想駒アタリ奇数番3を取る。以下の変化。
71手目45桂変化
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽3二金 ▲2五歩 ▽8四歩
▲7八金 ▽8八角成 ▲同 銀 ▽2二銀 ▲7七銀 ▽3三銀
▲3八銀 ▽6二銀 ▲4六歩 ▽6四歩 ▲4七銀 ▽6三銀
▲6八玉 ▽1四歩 ▲1六歩 ▽9四歩 ▲9六歩 ▽4二玉
▲5八金 ▽5二金 ▲7九玉 ▽7四歩 ▲3六歩 ▽5四銀
▲5六銀 ▽6五歩 ▲6六歩 ▽同 歩 ▲同 銀 ▽3一玉
▲3七桂 ▽6二飛 ▲6五歩 ▽8五歩 ▲4七金 ▽7三桂
▲3五歩 ▽同 歩 ▲8四角 ▽8二角 ▲5五銀左 ▽同 銀
▲同 銀 ▽3六銀 ▲4八金 ▽6五飛 ▲6四銀打 ▽8六歩
▲7七桂 ▽8七歩成 ▲6五桂 ▽7八と ▲同 玉 ▽6五桂
▲6六角 ▽5四桂 ▲同 銀 ▽同 歩 ▲6九桂 ▽4一銀
▲2四歩 ▽同 歩 ▲3四歩 ▽4四銀 ▲4五桂 ▽6四角
▲6一飛 ▽4六角 ▲2四飛 ▽2三歩 ▲3三歩成 ▽2四歩
▲3二と ▽同 玉 ▲4四角 ▽同 歩 ▲3四銀 ▽84手目でブーハ長考中。
後手玉は次に33歩からの詰めろ。34銀で先手が首を出した局面。84手目から生ハブなら寄せ切らないといけない。85手目45銀で桂を取って詰めろ逃れの詰めろをかけたりするとまたしてもブーンイングを浴びる。
このような時の羽生の解答はビートたけしに語った昨年の公開対談によると「PCソフトで即詰みの有無を調べる」。
すると商業将棋で出来ることは故意のポカで駒のダンスを楽しむ土壌を作成することしかない。森内演出を当家はそう読む。その前に棋理があったことには素直に震撼。そこにしか真の喜びもないかもしれない。