矢内必勝から負けるために指しているかのよう。作ったような寄せ。
清水の敗着を矢内が勝因にしてしまった。怖い終局図。

日時：2004.10.12
棋戦：第15期女流王位戦五番勝負第2局
戦型：清水流横歩取りひねり飛車
先手：清水市代女流名人・女流王位
後手：矢内理絵子女流四段
▲２六歩 ▽３四歩 ▲７六歩 ▽８四歩 ▲２五歩 ▽８五歩
▲７八金 ▽３二金 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽８六歩
▲同　歩 ▽同　飛 ▲３四飛 ▽３三角 ▲３六飛 ▽２二銀
▲９六歩 ▽４一玉 ▲７五歩 ▽８二飛 ▲７七桂 ▽６二銀
▲８五歩 ▽５四歩 ▲７六飛 ▽４二角 ▲９七角 ▽３三銀
▲１六歩 ▽１四歩 ▲５八玉 ▽５三銀 ▲６六歩 ▽４四歩
▲６八銀 ▽４五歩 ▲６七銀 ▽９四歩 ▲６五歩 ▽４四銀右
▲３八銀 ▽３一玉 ▲３六歩 ▽２二玉 ▲３七桂 ▽３四銀
▲２七銀 ▽４三銀 ▲３八金 ▽５二金 ▲８六角 ▽５五歩
▲１五歩 ▽同　歩 ▲１四歩 ▽７二飛 ▲８四歩 ▽８二飛
▲７四歩 ▽８四飛 ▲８五歩 ▽７四飛 ▲４二角成 ▽同金右
▲８六飛 ▽７五角 ▲８九飛 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５四飛
▲６八金 ▽１四香 ▲８二角 ▽５五銀 ▲同　銀 ▽同　飛
▲６七銀 ▽８七歩 ▲７六歩 ▽５二飛 ▲７五歩 ▽８二飛
▲８七飛 ▽５二飛 ▲８四歩 ▽５六歩 ▲同　歩 ▽５五歩
▲６九玉 ▽２六歩 ▲同　銀 ▽４九角 ▲４八金 ▽７六銀
▲４九金 ▽８七銀成 ▲２五銀 ▽５六歩 ▲５三歩 ▽同　飛
▲６六角 ▽３三歩 ▲５五歩 ▽２九飛 ▲５八玉 ▽１九飛成
▲５六銀 ▽４六歩 ▲１四銀 ▽２八龍 ▲４八金 ▽８六成銀
▲２四歩 ▽４七歩成 ▲同　銀 ▽４六歩 ▲同　銀 ▽４七歩
▲同　玉 ▽７六成銀 ▲３八金 ▽２九龍 ▲３九金 ▽１八龍
▲４八角 ▽３四銀 ▲２三香 ▽３一玉 ▲２一香成 ▽同　玉
▲２三歩成 ▽同　銀 ▲同銀成 ▽同　金 ▲３五桂 ▽３四金
▲４三歩 ▽４四香 ▲２二歩 ▽同　玉 ▲２三銀 ▽２一玉
▲２二歩 ▽３一玉 ▲４二歩成 ▽同　玉 ▲３一角 ▽５二玉
▲５三角成 ▽同　玉 ▲５一飛 ▽５二歩 ▲５四歩 ▽投了
155手で先手の勝ち

一方の久保も同様。集団自殺を謀るレンタン組のようにアッけない。
日時：2004.10.12
棋戦：第54期王将戦リーグ2回戦
戦型：三間相穴熊
先手：阿久津主税五段
後手：久保利明八段
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽４四歩 ▲４八銀 ▽４二銀
▲５六歩 ▽４三銀 ▲６八玉 ▽３五歩 ▲２五歩 ▽３三角
▲７八玉 ▽３二飛 ▲９六歩 ▽６二玉 ▲７七角 ▽７二玉
▲８八玉 ▽８二玉 ▲７八銀 ▽９二香 ▲８六歩 ▽９一玉
▲８七銀 ▽８二銀 ▲７八金 ▽５二金左 ▲１六歩 ▽７一金
▲５七銀 ▽５四歩 ▲５九金 ▽５一角 ▲２六飛 ▽３四飛
▲６九金 ▽７四歩 ▲８五歩 ▽６四歩 ▲７九金寄 ▽６二角
▲９八香 ▽６三金 ▲９九玉 ▽７三金 ▲８八金上 ▽３三桂
▲６六銀 ▽４五歩 ▲５五歩 ▽６五歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲８六角 ▽３六歩 ▲同　飛 ▽同　飛 ▲同　歩 ▽５六歩
▲５四歩 ▽４四角 ▲４一飛 ▽５七歩成 ▲４三飛成 ▽８八角成
▲同　金 ▽６七と ▲６八歩 ▽６六歩 ▲３五角 ▽３九飛
▲５六銀 ▽７二金打 ▲３三龍 ▽６八と ▲同角左 ▽５五歩
▲６五桂 ▽５六歩 ▲７三桂成 ▽同　銀 ▲８四歩 ▽同　歩
▲８三歩 ▽７七桂 ▲同　角 ▽７九銀 ▲７八金 ▽６七歩成
▲７一角成 ▽同　金 ▲７三龍 ▽同　桂 ▲８二銀 ▽同　金
▲同歩成 ▽同　玉 ▲７二金 ▽同　玉 ▲６四桂 ▽投了
101手で先手の勝ち

康光だけは踏みとどまった。
日時：2004.10.12
棋戦：第54期王将戦リーグ2回戦
戦型：角換り腰掛け銀 95歩
先手：佐藤康光棋聖
後手：郷田真隆九段
▲７六歩 ▽８四歩 ▲２六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽３四歩
▲８八銀 ▽３二金 ▲７八金 ▽７七角成 ▲同　銀 ▽４二銀
▲３八銀 ▽７二銀 ▲９六歩 ▽１四歩 ▲１六歩 ▽３三銀
▲４六歩 ▽６四歩 ▲４七銀 ▽６三銀 ▲６八玉 ▽４二玉
▲５八金 ▽５二金 ▲３六歩 ▽５四銀 ▲５六銀 ▽４四歩
▲７九玉 ▽３一玉 ▲９五歩 ▽７四歩 ▲３七桂 ▽７三桂
▲６六歩 ▽６三金 ▲６八金右 ▽２二玉 ▲８八玉 ▽６五歩
▲同　歩 ▽７五歩 ▲２五桂 ▽２四銀 ▲７五歩 ▽３七角
▲６四歩 ▽同　金 ▲２九飛 ▽８六歩 ▲同　歩 ▽８五歩
▲５一角 ▽７二飛 ▲３五歩 ▽４六角成 ▲３四歩 ▽４三銀
▲３三歩成 ▽同　桂 ▲３四歩 ▽同　銀 ▲４九飛 ▽３五馬
▲３六歩 ▽２六馬 ▲３三桂成 ▽同　銀 ▲８四桂 ▽７一飛
▲６二角成 ▽６五金 ▲同　銀 ▽同　桂 ▲７一馬 ▽７七桂成
▲同金右 ▽７六歩 ▲同　金 ▽６四桂 ▲７七金引 ▽７六歩
▲８七金寄 ▽８六歩 ▲同　金 ▽８五歩 ▲８七金引 ▽８六銀
▲５三馬 ▽８七銀成 ▲同　金 ▽８六銀 ▲８二飛 ▽８七銀成
▲同　玉 ▽７七歩成 ▲同　玉 ▽７六金 ▲７八玉 ▽５二歩
▲６四馬 ▽８六歩 ▲７九桂 ▽８七歩成 ▲同　桂 ▽７七歩
▲８八玉 ▽３六馬 ▲５二飛成 ▽４三銀 ▲３一銀 ▽１二玉
▲５六龍 ▽８六金打 ▲９六銀 ▽５八馬 ▲１五歩 ▽７八歩成
▲同　玉 ▽５三歩 ▲１四歩 ▽９六金 ▲１三歩成 ▽２一玉
▲２二歩 ▽３一玉 ▲５三馬 ▽４二銀打 ▲２一金 ▽４一玉
▲６三馬 ▽５二銀打 ▲９六馬 ▽１三香 ▲４六飛 ▽２二金
▲同　金 ▽同　銀 ▲７六龍 ▽１九香成 ▲５五桂 ▽７四歩
▲同　馬 ▽７一香 ▲４三桂成 ▽同銀直 ▲６四馬 ▽投了
149手で先手の勝ち

なんでアンナことをと感想戦で述べるかわからない。
アレは生まれつきかもしれない。
ワゴン車の前-中央-後で三組が将棋を指すとこんな風景。

63金を指しておいてこんな手は有り得ない。角換り腰掛け銀では敗着となる7thアタック。63金型なら先手に8thから仕掛けさせてクロスカウンターを狙うのがまっとうな棋士。郷田のヘンタイ度は中原以上かもしれない。

これはダメ。久保の穴熊相手に6thアタックで勝てるわけない。5筋をいじると久保は毎度のことながらなんでもアリ。切り札36歩も使ってバッサバッサ行くだけ。羽生に見せた阿久津の終盤ならと金だけで勝てる。

着物も扇子の色も美しい矢内。囲碁将棋ジャーナルが楽しみ。
清水の背中のモノサシはそのままで良いがスズヒロの背後にあるザブトンの山はなんとかして欲しい。

これはヒドイ逆行偶数番。清水がこんな手を指すようでは周囲がよほど甘く見られているのであろう。8筋など間に合うはずない。むしろ71角を楽しみにしたかったが52飛と回られては矢内は貯金使い放題。ブランドでもなんでも買いあさる。

75手め82角しかないのでは女王らしからぬ展開。持ち歩が1対5では矢内やり放題。
81手め76歩=初めて女王らしい逆転の駒アタリ奇数番3。
82手め52飛=矢内ヒルんだ。ここは88歩成で清水に王手飛車をかけさせて勝つのがマシュダ一家手順。清水は飛車一枚ではナニもできない為82角がタコだった。
裏番組の慎重さが伝染。

大長考して38手め63金では死んだ方がよい。これは行きません、でも行かせませんという手。相手の空気を読む問題なので30秒でも指せる。
一方の阿久津久保戦は勝又が慎重な駒組などと言っている。これが退屈に見えないか？
今日の主役は矢内で決まり。

仮想7thアタックは矢内だけの権利。これは単なるイチャモン6th。
これでは先手の切り札74歩も歩損歩切れがひどくて後手を調子づかせるだけ。矢内は何の苦労もせずにマシュダ一家構想84飛-54飛を実現。

女王清水はさすがに25歩ができなかった。この86角も相当な屈辱。
ところが矢内はなんとここで55歩。前回同様手順前後。これで55銀変化が消えたために清水は命拾い。まだ後手指せるのは二重構造のおかげ。しかし単一構造になった為に清水は読みやすい。

▲阿久津主税五段VS△久保利明八段は出ない化石を掘っている空虚さ。これは久保のせい。阿久津相手ならサバサバやってほしかった。
康光はまた長考して37手め66歩。ここは25歩でも66歩でも7thプレゼントしかない。だからゴーダが行く番。来なきゃ行っちゃう。

清水の方が悩ましい。矢内のもうひとつの狙いは25歩。これは同桂なら24歩。取らなければ先手からの25歩を阻止して24角を可能にする。
55銀から24角に連動した46歩が矢内の最強手。清水がそれを53手めに25歩で阻止すれば歩を打たせてマンゾク。

台湾海峡で米軍潜水艦に撃沈された「阿波丸」を中国が来年海底から引き揚げる。船内に略奪された北京原人の頭骨化石があるらしい。なくてもあったと言い張るかもしれない。だから日本も謝罪を兼ねた調査団を送らないといけない。中国人は北京原人となると愛国心に煽られて熱狂するため。
北京郊外の周口店で発見された5つの頭骨は1941年に行方不明になったままと彼らは主張する。捏造が多すぎて日本では考古学者さえ信用されていない。まして紛失となるとワケわからない。忘れた頃に誰かがソコに置いて去るかもしれない。引いては出る。出ては引く。これを二重構造の中で連動させるのが泡踊りの極意。

中井の二の舞を踏まないようにしている矢内。
50手めの43銀がマシュダ一家仕込みの銀の泡踊り。着物はキモイか？
清水は赤と黒の洋服。これまた古風。
表象6thの55歩が戦いの合図。84歩の合せが仮想7thのため。そこで飛車を大転回。

サバッキー三間に阿久津が銀冠で対抗したため久保はアナグマにしてしまった。人里に下りた月の輪熊が柿を食べている風情。
今年の台風の影響でドングリが全部木から落ちてネズミに食われてしまった。ドングリが好物の熊は食料難で人里に下りたが、ヒトが怖くてヒトを殺した。久保のアナグマは投降しそびれた兵士に見える。

ゴーダは棋聖位を2連勝後3タコで康光に奪取された。
それから康光には3連勝。この二人は星が片寄る。現在14勝14敗で今日は康光が勝つ番だがどうも悪いクセがでてしまった。
角換り腰掛け銀となったがゴーダが9筋を受けないので康光は長考後33手めに95歩としている。これでは中央帯同型になった時後手から先攻されるために先手は95歩を活かした攻防が強いられる。後手に無理攻めさせて95歩を頼りに入玉して勝つのが最強手順だが、康光は入玉嫌いご三家の筆頭なのでゴーダにやられそうな気配。逆にコレに勝てば康光の会心譜。ゴーダが康光をイジっている構図。

清水流横歩取りひねり飛車に矢内は32手め14歩と受けた。2004.03.04A級順位戦最終日では島相手に森内は受けなかった歩。
昨年は猛威を奮った清水の18番なので攻略法は随分研究された。
矢内の対清水SPは45歩位取り。相当研究してきた様子。ヤッピー指せる。