マシューノート　手損角換り　阿久津SPをめぐる鏡像75歩
スポニチ軍団はどうしちゃったんであろう？感想戦まで掲載している。
今日は羽生の34歳のバースデーなのでせっかく夕食時に帰宅する予定であったのに、感想戦など羽生に失礼である。当家の実況&分析と全く同じ事を羽生は言っている。あとは自分達ですぐに答えなど見つかる変化ばかり。
これは控え室の松尾が悪い。上野や飯島では羽生のことがわからない。
羽生が言っている36手め35歩は当家では後手からの5thアタック-2。
手損角換りでは6thアタックで後手が仕掛けるが、阿久津は22飛で2手損した為奇数番原理に回帰する。当家が期待していたのは5thアタック-1の方。これは35地点ではなく74地点。あんなにズーズーシ−位など谷川なら絶対許さない。そこで28手め83銀から82角打ち変化までいろいろ作図できる。デザインの分岐は玉か飛車のどちらを狙撃するかだけ。しかも5thアタックと決まっているので74歩変化か、本譜のように34手め44銀なら35歩しかない。

36手め35歩変化は実に鈍臭い。
5thアタック-2　36手め35歩
▲２六歩 ▽３四歩 ▲７六歩 ▽９四歩 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲６八玉 ▽９五歩
▲７八金 ▽４二飛 ▲７九玉 ▽６二玉 ▲８六歩 ▽５二金左
▲８七銀 ▽７二玉 ▲５六歩 ▽２二飛 ▲７五歩 ▽８二銀
▲３六歩 ▽８四歩 ▲８八玉 ▽８三銀 ▲５七銀 ▽８二玉
▲５八金 ▽７二金 ▲６六歩 ▽４四銀 ▲６七金右 ▽３五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲３八飛 ▽３六歩 ▲４六銀 ▽同　銀
▲同　歩 ▽４七角 ▲３九飛 ▽４八銀 ▲７九飛 ▽３七歩成
▲６一銀 ▽６二金左 ▲５五角 ▽１二飛 ▲７二銀成 ▽同　金
▲１一角成 ▽同　飛 ▲２二金 ▽３三角 ▲１一金 ▽同　角
▲投了
60手で後手の勝ち
羽生が感想戦で述べる変化などどうせ早く家に帰りたいプレゼントなので鑑賞対象外。しかし57手め22金は本譜変化の32金よりまともなので羽生は披露したはず。

本譜45手め65歩はズーズーシ−を通り越している。これは阿久津がビビっているサマが完全に羽生に見透かされた手。顔みなくとも棋譜に書いてある。こんなモノ許してはいけない。さすがに羽生は余りのことに正直に話している。46手めは後手から55歩だろーと。これが後手からの7thアタック1。先に55歩でそれから飛車回りなど常識。当家実況&分析のクロスカンター変化もそうなっている。しかし先手から来てくれないと華麗な変化にならない。

7thアタック1　46手め55歩
▲２六歩 ▽３四歩 ▲７六歩 ▽９四歩 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲６八玉 ▽９五歩
▲７八金 ▽４二飛 ▲７九玉 ▽６二玉 ▲８六歩 ▽５二金左
▲８七銀 ▽７二玉 ▲５六歩 ▽２二飛 ▲７五歩 ▽８二銀
▲３六歩 ▽８四歩 ▲８八玉 ▽８三銀 ▲５七銀 ▽８二玉
▲５八金 ▽７二金 ▲６六歩 ▽４四銀 ▲６七金右 ▽６二金左
▲４六銀 ▽５四歩 ▲７六銀 ▽３三桂 ▲３七桂 ▽９二香
▲７七金寄 ▽９一玉 ▲６五歩 ▽５五歩 ▲同　歩 ▽５二飛
▲４一角 ▽５三飛 ▲２三角成 ▽５五銀 ▲５八歩 ▽６六銀
▲３三馬 ▽７七銀成 ▲同　馬 ▽３九角 ▲３八飛 ▽４八金
▲投了
60手で後手の勝ち

なんともこの金打がイモ。これでは阿部と同じ。しかし本譜の56手め32金打ちよりマシであろうと言うことで羽生はバースデーケーキを食べに帰宅した。
序盤の壮麗な95歩に連結する大伽藍を築かなくては面白くない。
そこで当家ならどうするかと言うと42手め53角と打ち74歩を狙う。これは感想戦に絶対に出てこない企業秘密であろう。羽生はこうして阿久津の序盤を盗んで半年後にタイトル戦で使ってしまう。だからあのような素晴らしい序盤戦術を見せたら決して腰を引いてはいけない。

42手め53角　65歩と75歩の戦い
日時：2004.09.27
棋戦：マシュダ一家青春杯
戦形：手損角換り　鏡像75歩
先手：マシューＡ
後手：阿久津SP+マシューＢ
▲２六歩 ▽３四歩 ▲７六歩 ▽９四歩 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲６八玉 ▽９五歩
▲７八金 ▽４二飛 ▲７九玉 ▽６二玉 ▲８六歩 ▽５二金左
▲８七銀 ▽７二玉 ▲５六歩 ▽２二飛 ▲７五歩 ▽８二銀
▲３六歩 ▽８四歩 ▲８八玉 ▽８三銀 ▲５七銀 ▽８二玉
▲５八金 ▽７二金 ▲６六歩 ▽４四銀 ▲６七金右 ▽６二金左
▲４六銀 ▽５四歩 ▲７六銀 ▽３三桂 ▲３七桂 ▽５三角
▲６五歩 ▽７四歩 ▲６六角 ▽７五歩 ▲同　銀 ▽７四歩
▲８四銀 ▽同　銀 ▲同　角 ▽８六角 ▲７七金寄 ▽７五角
▲同　角 ▽同　歩 ▲３一角 ▽３九角 ▲３八飛 ▽３二飛
▲３九飛 ▽３一飛 ▲４二角 ▽４八角 ▲３一角成 ▽３九角成
▲投了
66手で後手の勝ち

解題=偶数番原理65歩より奇数番原理75歩が有利。

明日は谷川久保なので相振りで派手に打ち合うであろう。

日時：2004.09.27
棋戦：第54期王将戦リーグ1回戦
戦形：手損角換り
先手：羽生善治
後手：阿久津主税
▲２六歩 ▽３四歩 ▲７六歩 ▽９四歩 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲６八玉 ▽９五歩
▲７八金 ▽４二飛 ▲７九玉 ▽６二玉 ▲８六歩 ▽５二金左
▲８七銀 ▽７二玉 ▲５六歩 ▽２二飛 ▲７五歩 ▽８二銀
▲３六歩 ▽８四歩 ▲８八玉 ▽８三銀 ▲５七銀 ▽８二玉
▲５八金 ▽７二金 ▲６六歩 ▽４四銀 ▲６七金右 ▽６二金左
▲４六銀 ▽５四歩 ▲７六銀 ▽３三桂 ▲３七桂 ▽９二香
▲７七金寄 ▽９一玉 ▲６五歩 ▽５二飛 ▲２四歩 ▽同　歩
▲２三角 ▽６九角 ▲４八飛 ▽７八角成 ▲同　飛 ▽３五歩
▲同　歩 ▽３二金 ▲３四角成 ▽３六歩 ▲４五桂 ▽５五歩
▲４一角 ▽３七歩成 ▲５二角成 ▽同　金 ▲８五歩 ▽４七と
▲８四歩 ▽同　銀 ▲８三歩 ▽８二歩 ▲５四飛 ▽６二金左
▲５一飛成 ▽４六と ▲８二歩成 ▽同　玉 ▲８三歩 ▽投了
77手で先手の勝ち

終了時刻=18時25分。消費時間=羽生3時間18分。阿久津=３時間39分。（持ち時間各4時間）

下ばかり見て54飛の十字飛車が見えなかった阿久津。
新十両のケツを見せる相撲中継より面白い。毎日はスポニチ軍団で汚名一挙に挽回。味わいある中継。阿久津の敗因は74歩逆襲を躊躇したこと。75歩の位を残して終盤に行っては羽生に勝てない。大舞台で緊張しまくりであろう。それにしては凄いことする。舞の海でも見ているかのよう。王将戦はこの先楽しみ。

おー阿久津スゴイ。それでこそ若武者！
同金は66地点が欠陥となるので同飛。そこで桂頭狙い。
なにかありそうな気がするが当家には不明。
阿久津、見せて見ろ！

こんな単純な狙いでは羽生にイビリ殺されるだけ。48飛に55歩なら34馬で歩切れ解消して58歩で手も足もでない。逆に歩切れで角を殺しに行くと55歩で逆転。こう言うときは先手は何もさせない。

阿久津は覚悟してアナグマに潜るが羽生はその瞬間7th作成。
82金だと後手負けなので仕方なく阿久津は52飛だがこれでも負け。
左右に仕掛けがある場合避けられない。羽生は7thアタックで負け知らず。

羽生は41手め37桂で溜めた。阿久津の92香は穴熊指向なら悪手。
43手の77金はクロスカウンター変化で86香と69銀を同時に阻止。
従って82金の瞬間に85歩が成立。62金を浮き駒にすると後手負ける。

まーた松尾が羽生作戦勝ちかなどと言っている。コイツラの二番茶を飲まされる記者もウンザリであろう。毎日の中継は遅くとも骨太。両者の対戦戦績や経歴まで比較掲載している。
羽生はおよそ当家が予想した駒組。香打ち+角打ちのスキなど絶対に見せないでじっくりくみ上げる。
阿久津にしてみればカウンターしかないので6thまでよくぞ粘った。さすが連勝街道驀進中の新星。

桂のサクリファイスで先手の歩切れを狙うクロスカウンターパンチ
▲２六歩 ▽３四歩 ▲７六歩 ▽９四歩 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲６八玉 ▽９五歩
▲７八金 ▽４二飛 ▲７九玉 ▽６二玉 ▲８六歩 ▽５二金左
▲８七銀 ▽７二玉 ▲５六歩 ▽２二飛 ▲７五歩 ▽８二銀
▲３六歩 ▽８四歩 ▲８八玉 ▽８三銀 ▲５七銀 ▽８二玉
▲５八金 ▽７二金 ▲６六歩 ▽４四銀 ▲６七金右 ▽６二金左
▲４六銀 ▽５四歩 ▲７六銀 ▽３三桂 ▲８五歩 ▽同　歩
▲同　銀 ▽８四歩 ▲７六銀 ▽５五歩 ▲同　歩 ▽４五銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲２三歩 ▽５二飛 ▲２四飛 ▽４六銀
▲同　歩 ▽４七角 ▲２二歩成 ▽３六角成 ▲３二と ▽５五飛
▲５六歩 ▽３五飛 ▲３七歩 ▽４六馬 ▲３三と ▽３七飛成
▲２二飛成 ▽３八龍 ▲投了

68手で後手の勝ち

継続手は香を取って8筋で王手&69銀。

20-28手めまで進行　5thアタック可能
20手めから2手は当家の予想通り。ところが22手め阿久津は22飛。
これはマンネリ手順なので残念ながら阿久津は今日は卑屈。
23=75歩。勝ちましたという手。
24=82銀。負けませんという手。
25=36歩。なんでもアリと思っている羽生。
26=84歩。75地点の位を取られてもくじけない阿久津。
27=88玉。これは疑問手の発芽。後手に1歩入ると24歩から逆襲され26歩。
28=83銀。1歩入手の駒アタリ予備作成。5thアタック可能。

羽生が警戒して88玉を決めない場合後手のチャンスは先手16歩と36歩の時。その時のエサが後手64歩。

後手が64歩で誘う場合の必殺フライングアタック ▽４五桂

▲２六歩 ▽３四歩 ▲７六歩 ▽９四歩 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲４八銀 ▽３三銀 ▲６八玉 ▽９五歩
▲７八金 ▽４二飛 ▲７九玉 ▽６二玉 ▲８六歩 ▽５二金左
▲８七銀 ▽７二玉 ▲５六歩 ▽４四歩 ▲５七銀 ▽８二玉
▲５八金 ▽６四歩 ▲１六歩 ▽７二銀 ▲３六歩 ▽４五歩
▲５五角 ▽６三金 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲３三角成 ▽同　桂
▲２四飛 ▽４六歩 ▲同　歩 ▽４四角 ▲２一飛成 ▽４五桂

この桂を取っても65銀と逃げても22飛で飛車交換を狙う。11馬手順なら88銀。88銀で馬を殺せる手順が「銀冠ネズミ取り」となるために先手は88玉とはしなかったが、この手順では79玉型は先に王手されてしまう為先手負け。

当然角をどこに打つか考えている。王位戦を思い出しているであろう。
先後逆なら谷川は88地点に角を打つ構想を打ち出した。
この局面では45歩まで後手の歩が伸びると駒組み操作後88角の構想は可能。角を切って2筋突破も有り得る。

2004.09.27王将リーグ1回戦　羽生善治VS阿久津主税
手損角換り　19手めまで　三頭手の戦い
コメット阿久津ついにリーグ戦登場。現在19手めまで公開。
羽生の先手で初手26歩。手損角換りと決めてきた。
4=94歩。先崎は王座戦第2局の時「将棋は4手めにいろんなことができる」と生まれて初めて気がついた。恐らく最近の先崎の言葉では最も意味がある。初手36歩などより後手の4手めの方がはるかに面白い。
阿久津の94歩からの手順はこれに勝てば阿久津式と認知されるかもしれない。手損角換りの進化のこの94歩は双頭手どころかトリプル解釈が可能。
　1=角筋を止めずに角交換を駒アタリ奇数番1に換算。
　2=飛筋を止めずに飛車先歩交換原理を後手の利権に換算。
　3=96歩なら居玉で棒銀。手損角換りなら95歩と位取り。
5=25歩。手損角換りを後手に強いる羽生。
以下後手が角交換して手損。
11=68玉。後手が飛車を動かさないので角換り腰掛け銀と中飛車の共通項を選択。後手が居飛車で来ても振り飛車で来ても対応可能。
12=95歩。阿久津スペシャル始動。これは大きい1手。当家では1ポイントプラス。
13=78金。68玉同様の思考法。マイナスの手だけは指さない。
14=42飛。これで戦形の外輪決定。坂田三吉の仲人で立石流と藤井シスを結婚させたらこうなった。
15=79玉。なにもしない羽生。95歩だけ考えている。
16=62玉。先手は壁銀なので悠々とカニバイ示唆。気持ちよい。
17=86歩。対四間森下最強銀冠ではない。壁銀を解消しつつ95歩に対応する最強の羽生の応手。
18=52金。これは不明。41に居た方がよかったかもしれない。
19=87銀。後手の94歩トリプル手に対応。
　1=銀冠完成
　2=88地点空間開放手
　3=96歩逆襲