MF24-X
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四角 ▲３七角 ▽２四銀
▲同　飛 ▽２三歩 ▲６四角 ▽同　歩 ▲２五飛 ▽７六歩
▲８八銀 ▽６五銀 ▲４六角 ▽３六角 ▲６五飛 ▽４七角成
▲７五飛 ▽４六馬 ▲７六飛 ▽５七馬 ▲６八銀 ▽７五歩
▲５七銀 ▽７六歩 ▲５五角 ▽４七角 ▲５八銀 ▽２九角成
▲５四歩 ▽同　歩 ▲１一角成 ▽３三桂 ▲３六香 ▽４五桂
▲３二香成 ▽同　飛 ▲５三銀 ▽６二金 ▲３三歩 ▽５二飛
▲同銀成 ▽同　玉 ▲３二歩成 ▽５六香 ▲４二飛 ▽６三玉
▲４三飛成 ▽５三桂 ▲５六銀 ▽同　馬 ▲４四馬 ▽６五銀
▲７五香 ▽７七歩成 ▲７二金 ▽７四歩 ▲６二金 ▽同　玉
▲５三龍 ▽７二玉 ▲８四桂 ▽８二玉 ▲８三金 ▽７一玉
▲６二龍 ▽投了
97手で先手の勝ち

本譜

先手：羽生善治　王座
後手：谷川浩司　王位
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四角 ▲３七角 ▽２四銀
▲同　飛 ▽２三歩 ▲６四角 ▽同　歩 ▲２五飛 ▽７六歩
▲８八銀 ▽６五銀 ▲４六角 ▽３六角 ▲６五飛 ▽４七角成
▲７五飛 ▽４六馬 ▲７六飛 ▽５七馬 ▲６八銀 ▽７五歩
▲５七銀 ▽７六歩 ▲５五角 ▽４七角 ▲５八銀 ▽２九角成
▲５四歩 ▽同　歩 ▲１一角成 ▽３三桂 ▲３六香 ▽４五桂
▲３二香成 ▽同　飛 ▲５三銀 ▽６二金 ▲３三歩 ▽５二飛
▲同銀成 ▽同　玉 ▲３二歩成 ▽５六香 ▲４二飛 ▽６三玉
▲４三飛成 ▽５三桂 ▲５六銀 ▽同　馬 ▲４四馬 ▽６五銀
▲７五香 ▽５七桂成 ▲７二金 ▽投了
87手で先手の勝ち

MF24-3　お茶を飲む
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四角 ▲３七角 ▽２四銀
▲同　飛 ▽２三歩 ▲６四角 ▽同　歩 ▲２五飛 ▽７六歩
▲８八銀 ▽６五銀 ▲４六角 ▽３六角 ▲６五飛 ▽４七角成
▲７五飛 ▽４六馬 ▲７六飛 ▽５七馬 ▲６八銀 ▽７五歩
▲５七銀 ▽７六歩 ▲５五角 ▽４七角 ▲５八銀 ▽２九角成
▲５四歩 ▽同　歩 ▲１一角成 ▽３三桂 ▲３六香 ▽４五桂
▲３二香成 ▽同　飛 ▲５三銀 ▽６二金 ▲３三歩 ▽５二飛
▲同銀成 ▽同　玉 ▲３二歩成 ▽５六香 ▲４二飛 ▽６三玉
▲４三飛成 ▽５三桂 ▲５六銀 ▽同　馬 ▲４四馬 ▽６五銀
▲７五香 ▽５七桂成 ▲同　銀 ▽同　馬 ▲６八金 ▽同　馬
▲同　玉 ▽５七銀 ▲同　玉 ▽５六銀打 ▲６八玉 ▽５七金
▲７九玉 ▽投了
97手で先手の勝ち

MF24-2　逃げ間違えた場合
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四角 ▲３七角 ▽２四銀
▲同　飛 ▽２三歩 ▲６四角 ▽同　歩 ▲２五飛 ▽７六歩
▲８八銀 ▽６五銀 ▲４六角 ▽３六角 ▲６五飛 ▽４七角成
▲７五飛 ▽４六馬 ▲７六飛 ▽５七馬 ▲６八銀 ▽７五歩
▲５七銀 ▽７六歩 ▲５五角 ▽４七角 ▲５八銀 ▽２九角成
▲５四歩 ▽同　歩 ▲１一角成 ▽３三桂 ▲３六香 ▽４五桂
▲３二香成 ▽同　飛 ▲５三銀 ▽６二金 ▲３三歩 ▽５二飛
▲同銀成 ▽同　玉 ▲３二歩成 ▽５六香 ▲４二飛 ▽６三玉
▲４三飛成 ▽５三桂 ▲５六銀 ▽同　馬 ▲４四馬 ▽６五銀
▲７五香 ▽５七桂成 ▲同　銀 ▽同　馬 ▲６八金 ▽同　馬
▲同　玉 ▽５七銀 ▲同　玉 ▽５六銀打 ▲４八玉 ▽４七飛
▲３九玉 ▽３七飛成 ▲３八歩 ▽２八金 ▲投了
100手で後手の勝ち

MF24-1
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四角 ▲３七角 ▽２四銀
▲同　飛 ▽２三歩 ▲６四角 ▽同　歩 ▲２五飛 ▽７六歩
▲８八銀 ▽６五銀 ▲４六角 ▽３六角 ▲６五飛 ▽４七角成
▲７五飛 ▽４六馬 ▲７六飛 ▽５七馬 ▲６八銀 ▽７五歩
▲５七銀 ▽７六歩 ▲５五角 ▽４七角 ▲５八銀 ▽２九角成
▲５四歩 ▽同　歩 ▲１一角成 ▽３三桂 ▲３六香 ▽４五桂
▲３二香成 ▽同　飛 ▲５三銀 ▽６二金 ▲３三歩 ▽５二飛
▲同銀成 ▽同　玉 ▲３二歩成 ▽５六香 ▲４二飛 ▽６三玉
▲４三飛成 ▽５三桂 ▲５六銀 ▽同　馬 ▲４四馬 ▽６五銀
▲７五香 ▽５七桂成 ▲同　銀 ▽同　馬 ▲６八金 ▽７七歩成
▲５五桂 ▽同　歩 ▲５四金 ▽投了
93手で先手の勝ち

これも派生変化の筋。羽生はよく知っている。ここは34歩だと55馬のスヌキでハマル。憎いほど良く見ている。

MF23　34歩では一発逆転
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四角 ▲３七角 ▽２四銀
▲同　飛 ▽２三歩 ▲６四角 ▽同　歩 ▲２五飛 ▽７六歩
▲８八銀 ▽６五銀 ▲４六角 ▽３六角 ▲６五飛 ▽４七角成
▲７五飛 ▽４六馬 ▲７六飛 ▽５七馬 ▲６八銀 ▽７五歩
▲５七銀 ▽７六歩 ▲５五角 ▽４七角 ▲５八銀 ▽２九角成
▲５四歩 ▽同　歩 ▲１一角成 ▽３三桂 ▲３四歩 ▽４五桂
▲６八銀 ▽１九馬 ▲３三歩成 ▽５五馬 ▲投了
70手で後手の勝ち

通常は利く最強の受け52飛も63地点が開いていていては63銀でダメ。
やはり63地点開放は致命傷であった。うまくできている。
結局ひとめの大局観がすべてにまさるとは・・・

ダメか・・・
54歩も33歩も厳しすぎる。

MF22　飛車を見捨てる反撃
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四角 ▲３七角 ▽２四銀
▲同　飛 ▽２三歩 ▲６四角 ▽同　歩 ▲２五飛 ▽７六歩
▲８八銀 ▽６五銀 ▲４六角 ▽３六角 ▲６五飛 ▽４七角成
▲７五飛 ▽４六馬 ▲７六飛 ▽５七馬 ▲６八銀 ▽７五歩
▲５七銀 ▽７六歩 ▲５五角 ▽４七角 ▲５八銀 ▽２九角成
▲５四歩 ▽５二金 ▲６四角 ▽７七歩成 ▲８二角成 ▽７八と
▲同　玉 ▽７七歩 ▲同　銀 ▽６五桂 ▲５三歩成 ▽同　金
▲３三歩 ▽投了
73手で先手の勝ち

しまった！
なんかイヤナ予感があった。素直にNo: 6409の19馬で勝ちだった。
75歩と打ったために55角-64角に73歩と打てない。打ったら谷川が豊川になる。
ひどい。ここまで谷川だけがせっせとエサを運んできたのに遊んでいたキリギリスに全部持っていかれてしまう。
今度はこれで谷川が投了でもよいほど。
何という将棋であろう。
57馬が敗着とは・・・

どうやら谷川はしっかり75歩を打っている。ここで羽生は投了でもよい。
羽生らしい手は1手もなかった。あえて言えば秋空の恋46銀。
羽生は家に帰るより谷川とのランデブーが一番楽しいかもしれない。

これは羽生に銀を一枚使わせる手順なので谷川が指す時は投了の催促状。むろん68銀合いに馬を逃げては香車も取れないので75歩で飛車を追い二枚角で投了に追い込むつもりであろう。
昨日出てきた変化とこれも似ている。タイムスリップの気分。そもそも羽生の45手め46角打ちもMF初期変化であった。似たような筋をバラシて繋げるパズル。

MF21　谷川の狙い 二枚角の攻防
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四角 ▲３七角 ▽２四銀
▲同　飛 ▽２三歩 ▲６四角 ▽同　歩 ▲２五飛 ▽７六歩
▲８八銀 ▽６五銀 ▲４六角 ▽３六角 ▲６五飛 ▽４七角成
▲７五飛 ▽４六馬 ▲７六飛 ▽５七馬 ▲６八銀 ▽７五歩
▲３六飛 ▽４七角 ▲３四飛 ▽４六馬 ▲投了
58手で後手の勝ち

46手め36角はカッコいい手なので谷川好み。大見得を見せられる所が貫禄。
まず羽生がフツーに飛車交換を望んだ場合、谷川がポカすると大変なことになる。

MF18　48手め65同歩と取ってしまうとダメ
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四角 ▲３七角 ▽２四銀
▲同　飛 ▽２三歩 ▲６四角 ▽同　歩 ▲２五飛 ▽７六歩
▲８八銀 ▽６五銀 ▲４六角 ▽３六角 ▲６五飛 ▽同　歩
▲８二角成 ▽投了
49手で先手の勝ち

次に47角成の「一回ダケ詰めろ」が儚い夢。58銀とはじかれて銀損で終わってしまう。そこで48手めは飛車をすぐに取らずに47角成しかない。
これも羽生がポカで48手め64角としてくれると後手は楽勝。

MF19　羽生がポカで48手め64角
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四角 ▲３七角 ▽２四銀
▲同　飛 ▽２三歩 ▲６四角 ▽同　歩 ▲２五飛 ▽７六歩
▲８八銀 ▽６五銀 ▲４六角 ▽３六角 ▲６五飛 ▽４七角成
▲６四角 ▽同　銀 ▲同　飛 ▽５七馬 ▲６八銀 ▽４六馬
▲６三飛成 ▽４五角 ▲５四銀 ▽同　角 ▲５三龍 ▽５二飛
▲投了
60手で後手の勝ち

そこで羽生は49手め75飛と銀を取る。49手めフツーに45飛と角を死守しても後手は36馬で結局2手追加されるだけで同じ。

そこで角と銀2枚換えで先手駒得だったはずが以下の進行で後手がすぐに香を取り返せる。大駒3枚、しかも馬一枚という後手必勝形ができあがる。これは昨日の泥試合派生変化と似ている。

MF20
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四角 ▲３七角 ▽２四銀
▲同　飛 ▽２三歩 ▲６四角 ▽同　歩 ▲２五飛 ▽７六歩
▲８八銀 ▽６五銀 ▲４六角 ▽３六角 ▲６五飛 ▽４七角成
▲７五飛 ▽４六馬 ▲７六飛 ▽１九馬 ▲投了
52手で後手の勝ち

谷川は40手め64同歩変化を選択。羽生は25飛。初手から何も考えることのない羽生。
43手め88銀は当家では敗着。44手め65銀は好手。これで上部が厚く後手玉は脱出可能。45手め46角打ちが現在の局面。以下で谷川勝ち。後手玉は詰まない。

MF17
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四角 ▲３七角 ▽２四銀
▲同　飛 ▽２三歩 ▲６四角 ▽同　歩 ▲２五飛 ▽７六歩
▲８八銀 ▽６五銀 ▲４六角 ▽８三飛 ▲２四歩 ▽同　歩
▲同　角 ▽３三歩 ▲同角成 ▽同　桂 ▲２一飛成 ▽３一歩
▲１一龍 ▽８六歩 ▲同　歩 ▽４五桂 ▲３六香 ▽２二角
▲２一龍 ▽８六銀 ▲３二香成 ▽７七歩成 ▲同　桂 ▽同銀成
▲同　銀 ▽同角成 ▲３一龍 ▽６二玉 ▲７七金 ▽８八銀
▲６九玉 ▽７七銀成 ▲投了

74手で後手の勝ち

39手め64角で昼休憩とは派手な中断。
ポイントは玉の位置と思考すると混乱する。ポイントは先手の49金を相手するか無視するか。羽生はコレを相手にして貰いたいはず。無視されると先手は金が1枚ない状態で戦うことになる。むしろこれを質駒に試算すると後手は1手違いで負け。

しかし歩を2枚残すのはどうも気持ち悪い。それが手損角換りかもしれない。羽生と康光なら必ず歩を三枚残して詰めあげる。そこで羽生に一度歩を取ってもらう変化が以下。

MF16　歩を3枚残して討ち取る
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四角 ▲３七角 ▽２四銀
▲同　飛 ▽２三歩 ▲６四角 ▽同　銀 ▲同　飛 ▽同　歩
▲２二歩 ▽３三桂 ▲２一歩成 ▽４五桂 ▲６三銀 ▽５七桂不成
▲５二歩 ▽４二玉 ▲５一角 ▽同　金 ▲同歩成 ▽３三玉
▲３五歩 ▽６九飛 ▲８八玉 ▽５六角 ▲３七桂 ▽８六歩
▲同　歩 ▽８七歩 ▲９八玉 ▽４四角 ▲４五銀 ▽８八歩成
▲同　銀 ▽６五角 ▲８七銀 ▽同角成 ▲同　金 ▽６八飛成
▲８八角 ▽同角成 ▲同　金 ▽８七銀 ▲同　玉 ▽８六飛
▲同　玉 ▽８八龍 ▲８七歩 ▽９五銀 ▲７五玉 ▽６五金
▲７四玉 ▽９二角 ▲８三銀 ▽７三歩 ▲８五玉 ▽８七龍
▲投了
90手で後手の勝ち

羽生は39手め46角　谷川40手め考慮中
やはり羽生には最終構図が見えている。63地点さえ開放すれば勝ちと思っているのがブーハ。そこで羽生がタキオンの寄せを披露しようとした場合飛車も切る。63地点開放と22歩の仕掛けを施して、角銀銀の三枚攻めを攻めを敢行できる。谷川は攻めあいしか活路がない。
そこで56角攻防手で先手玉をぴったり即詰みにする変化。

MF15　歩を2枚だけ残して討ち取る
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四角 ▲３七角 ▽２四銀
▲同　飛 ▽２三歩 ▲６四角 ▽同　銀 ▲同　飛 ▽同　歩
▲２二歩 ▽３三桂 ▲２一歩成 ▽４五桂 ▲６三銀 ▽５七桂不成
▲５二歩 ▽４二玉 ▲５一角 ▽同　金 ▲同歩成 ▽３三玉
▲３五歩 ▽６九飛 ▲８八玉 ▽５六角 ▲３七桂 ▽８六歩
▲４五銀 ▽８七歩成 ▲同　金 ▽同飛成 ▲同　玉 ▽８九飛成
▲８八歩 ▽８六歩 ▲同　玉 ▽９五銀 ▲７六玉 ▽６五金
▲８五玉 ▽８四歩 ▲７四玉 ▽９二角 ▲８三金 ▽８二桂
▲投了
78手で後手の勝ち

羽生は37角で飛車取りを防ぐ。これは当然。
次に後手が角交換すると37桂が連動手となる。それを狙って27歩から54角打ちは大抵後手が負ける。75銀が浮き駒の為25歩が効かない。そこで2筋で銀交換。23歩も嫌でも打つであろう。33歩まで打ってくれたら先手は今度は飛車など下がらない。飛車を切って22歩で行くであろう。29飛が39歩で受かるので先手の攻めは切れない。
羽生は何も考えていないのでラクチン。谷川ばかり苦悩している。

MF14　54角打ちには飛車切り
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽６四角 ▲３七角 ▽同角成
▲同　桂 ▽２七歩 ▲同　飛 ▽５四角 ▲２六飛 ▽２四銀
▲同　飛 ▽２三歩 ▲３四飛 ▽３三歩 ▲５四飛 ▽同　歩
▲２二歩 ▽同　金 ▲３一角 ▽６四銀 ▲４五桂 ▽４四銀
▲４二角打 ▽同　飛 ▲同角成 ▽同　玉 ▲８三飛 ▽７二角
▲８二飛成 ▽４五銀 ▲９一龍 ▽２九飛 ▲３九歩 ▽１九飛成
▲６六香 ▽投了
67手で先手の勝ち

これは74飛変化が泥臭いので64地点で飛車のスライドを阻止した手。谷川はやはり手を汚すのが嫌い。
しかしこれは初日のマシュダ一家3rdアタック変化と見た目同じ。羽生のあまりの直情攻撃にフィードバックしたカンジ。
羽生はこれは角打ちで防御しかない。今度は74飛変化でも最終盤で登場した桂跳ねが連動手となるように37角でよい。
谷川は63地点を開放すると負ける。そこは羽生が駒損してもこじ開けるところだから。
74飛変化で94歩の顔を立てるべきだったかもしれない。
しかし谷川が選んだからには驚きのセカンドラインがあるはず。
今度はそれを楽しんでみよう。

MF12　73銀を同桂と取ると後手負け。
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽同　銀 ▲同　飛 ▽２三歩
▲３四飛 ▽３三歩 ▲７四飛 ▽９三角 ▲７三銀 ▽同　桂
▲同飛成 ▽７二銀 ▲８二龍 ▽同　角 ▲２二歩 ▽同　金
▲３一角 ▽３二金 ▲５三角成 ▽６四角 ▲５四馬 ▽１九角成
▲５三桂 ▽５二金 ▲４一飛 ▽投了
57手で先手の勝ち

MF13　73銀には飛車を逃げて馬で防戦。
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽同　銀 ▲同　飛 ▽２三歩
▲３四飛 ▽３三歩 ▲７四飛 ▽９三角 ▲７三銀 ▽５二飛
▲８四角 ▽同　銀 ▲同銀成 ▽７三歩 ▲同成銀 ▽同　桂
▲同飛成 ▽５七角成 ▲６八銀 ▽９三馬 ▲投了
52手で後手の勝ち

やはり93角がいったん57角成と王手で馬を作成できるのが大きい。先手からは22歩はどの変化にも出てくる。

谷川と羽生が入れ換った場合

谷川美学は泥試合を嫌う。羽生のせいなので仕方ない。谷川と羽生を入れ換えたら迷わずに後手は23歩でも33歩でも打つであろう。

泥試合の第二ストーリーは以下

1=攻めあいに自信がない場合、銀交換後歩を打つ。=23歩
2=飛車交換しないで銀は角で死守。94歩の意味付与。=33歩+93角
3=先手は飛車切りで挑発、或いは二枚換えで駒得を謀るが・・・
4=後手は駒損を必死に避け最悪でも香得となる。
X=後手が絶対絶命と思ったら馬の威力は絶大だった。

MF09　シャドー7乱交パーティー　71角は後手勝ち
先手：74飛+71角
後手：93角+73銀
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽同　銀 ▲同　飛 ▽２三歩
▲３四飛 ▽３三歩 ▲７四飛 ▽９三角 ▲７一角 ▽７三銀
▲８二角成 ▽同　銀 ▲７二飛打 ▽６二角 ▲７一銀 ▽７三歩
▲投了
48手で後手の勝ち

MF10　悲しい馬
先手：74飛+76歩+22歩+31角
後手：93角+64銀引き
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽同　銀 ▲同　飛 ▽２三歩
▲３四飛 ▽３三歩 ▲７四飛 ▽９三角 ▲７六歩 ▽６四銀
▲２二歩 ▽同　金 ▲３一角 ▽３二金 ▲６四飛 ▽同　歩
▲５三角成 ▽５二歩 ▲６四馬 ▽７三銀 ▲投了
52手で後手の勝ち

MF11羽生の頓死狙い
先手：ゴチャゴチャやる気なさそうに攻める
後手：フザケンナと怒る
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽同　銀 ▲同　飛 ▽２三歩
▲３四飛 ▽３三歩 ▲７四飛 ▽９三角 ▲７三角 ▽同　桂
▲同飛成 ▽７二銀 ▲７四桂 ▽９二飛 ▲６二銀 ▽４二玉
▲９三龍 ▽同　飛 ▲７三歩 ▽同　銀 ▲６一銀不成▽７四銀
▲７一角 ▽９二飛 ▲２二歩 ▽同　金 ▲７二歩 ▽７六歩
▲６八銀 ▽２七角 ▲５九金 ▽５四角成 ▲６二角成 ▽３二金
▲投了
66手で後手の勝ち
最後に玉を逃げようとして歩を突くと34歩でも44歩でも後手玉は頓死。
そこで22金捨てというマシュダ一家秘技が通用すればいいが31金で受かってしまう。

マシュダ一家変化通り33手め24同銀まで。
谷川は迷いながらヒーコを飲んでいる。
早く同銀と取れと羽生は不貞腐れている模様。
ここは銀交換後23歩と素直に打てば後手勝てる。

駒影は谷川の75同銀に、羽生は31手め24歩。これも当然の進行。
ここで谷川はすぐに指さないので羽生は例のごとくフラフラしているが、谷川の気迫が伝わったのかすぐにシャンとして盤面を見ている。

内藤の背中が大きい。
盤面の左の方へ羽生の手がのびる。当然75同歩。
盤面が拡大されると確かにマシュダ一家変化の通り。24歩変化では先手がハッキリ負けなのでコレしかない。
谷川が同銀と取るのは当たり前。さてこのあとだが、最終盤興味深い変化がある。谷川らしくない泥試合。2筋で銀交換をして羽生が74飛と回る変化。

MF07にＸとあるからにはオチがある。そもそもこのような展開は立会いの内藤國雄が大好きそうな関西風お好み焼きであった。すべてのグが効いているところがいかにもオイシソウに見える。
確かにここで先手が龍を逃げて香車など取っているようでは負ける。ならば先手は龍を切るしかない。すると後手玉には簡単に必死がかかってしまった変化が以下。

MF08
先手：封じ手75同歩+49金を取らせる前に必死をかける
後手：劇殺87龍捨て+72金受けでも飛車2枚では詰まない

▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽８六歩 ▲２三歩成 ▽８七歩成 ▲３二と ▽７八と
▲同　玉 ▽２七歩 ▲同　飛 ▽８七飛成 ▲同　玉 ▽５四角
▲７六歩 ▽８六歩 ▲７八玉 ▽２七角成 ▲８二飛 ▽７二金打
▲８一飛成 ▽７一金寄 ▲同　龍 ▽同　金 ▲７三角 ▽６一玉
▲８三金 ▽８七歩成 ▲６九玉 ▽投了
57手で先手の勝ち

解題
1=後手玉は51金の1手詰め必至を見せられている。52飛と受けても41とでダメ。
2=そこで王手金取りを狙って歩を成り捨てるが・・・
3=副立会いの脇でも取ってくれない。
4=自玉は必死、先手玉は69地点で詰まない。

それでは谷川には明日がないのか？
ヒントは記号を読まずに文字の裏の暗号を読む。そこに答えが書いてある。

75同歩変化「マシュダ一家秘技87龍捨て」影の立て役者=61金不動明王

MF05では49金を護って空間閉塞手の38歩では負けだった。そこで先手が覚悟して玉砕の飛車打ちから最後の猛攻を仕掛けた場合危険な頓死筋が多い。

MF06　後手谷川が受け間違えた場合2
先手：封じ手75同歩+49金を取らせて即詰み
後手：劇殺87龍捨て+72歩のポカ
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽８六歩 ▲２三歩成 ▽８七歩成 ▲３二と ▽７八と
▲同　玉 ▽２七歩 ▲同　飛 ▽８七飛成 ▲同　玉 ▽５四角
▲７六歩 ▽８六歩 ▲７八玉 ▽２七角成 ▲８二飛 ▽７二歩
▲８一飛成 ▽８七金 ▲７九玉 ▽７八飛 ▲６九玉 ▽４九馬
▲４一と ▽５二玉 ▲６四桂 ▽同　歩 ▲７四角 ▽６三桂
▲５一金 ▽６二玉 ▲６一金 ▽７三玉 ▲８三金 ▽投了
65手で先手の勝ち

羽生ならばこれらの全変化はひとつの受けの正着を除いてすべて寄せきることができる。もし後手が指しにくい手を本当に指せるなら勝てる。そんな手はあるのか？
それが以下の自陣金。この金が61金を最後に活躍させる兄弟仁義。

MF07　後手谷川が受けの正着を指した場合
先手：封じ手75同歩+49金を取らせる
後手：劇殺87龍捨て+72金受けの正着
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽８六歩 ▲２三歩成 ▽８七歩成 ▲３二と ▽７八と
▲同　玉 ▽２七歩 ▲同　飛 ▽８七飛成 ▲同　玉 ▽５四角
▲７六歩 ▽８六歩 ▲７八玉 ▽２七角成 ▲８二飛 ▽７二金打
▲８一飛成 ▽７一金寄 ▽投了
50手で先手の勝ち
解題
1=49金が質駒かつ49地点の馬で挟撃。馬が主役。
2=打ちにくい自陣の72金の飛車アテで手番奪回。
3=不動明王61金が最後に一手だけ動き勝負を決める。
4=50手めの局面で先手は角金桂歩があるが後手玉は詰まない。
X=龍を逃げると後手玉に詰めろがかからず49馬で先手は負け。

48手めの局面は72金と自陣に受けると後手は飛車一枚で先手玉にどうやって詰めろをかけるのか見落としやすい。ところがこの形は奇跡的にすべての駒が働いている。
序盤の94歩、勇猛75銀、居玉を死守する61金。そして最強の居玉。このどれが欠けても「87龍捨て」は成立しない。
50手めの局面は龍を逃げて香車を取れば先手つらい。先手は55手めに88歩と受けても28飛の王手をまた受けないといけない。68香でも今度は29飛成が手順に桂を取って58馬以下の詰めろ。従って50手め71金不動明王のひとにらみで先手は投了するかもしれない局面。
先手は後手に「マシュダ一家秘技」を指されては負けということ。

封じ手24歩は銀交換後23歩-33歩でもひとめダメ。谷川のポカがあれば羽生は勝てる。
MF03　谷川のポカ
先手：封じ手24歩+必殺83銀+18角
後手：迎撃45角+28飛+87歩
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲２四歩 ▽７六歩
▲６六銀 ▽８六歩 ▲同　歩 ▽２四歩 ▲同　銀 ▽同　銀
▲同　飛 ▽２三歩 ▲３四飛 ▽４五角 ▲８三銀 ▽３四角
▲８二銀不成▽２八飛 ▲１八角 ▽８七歩 ▲３八歩 ▽投了
47手で先手の勝ち
解題=49金を咎めようとしたらすべて裏目にでた場合。

しかし強く25角で面白くしようとしても先手は劣勢。
MF04　谷川の色気
先手：封じ手24歩+必殺83銀
後手：迎撃25角+52飛
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲２四歩 ▽同　歩
▲同　銀 ▽同　銀 ▲同　飛 ▽２三歩 ▲３四飛 ▽２五角
▲８三銀 ▽５二飛 ▲投了
38手で後手の勝ち

そこで羽生の封じ手は75同歩をメインに最終の詰み上がり図まで読まないと指せない。実際75同歩とした場合どうかだが、マシュダ一家では87龍捨てという一撃必殺を用意した。これは先手の21飛成の王手を手順に防ぐ連動手。

MF05　マシュダ一家87龍龍捨て
先手：封じ手75同歩+32とで勝ちと思った瞬間
後手：27歩+劇殺87龍捨て
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽９四歩
▲３七銀 ▽７三銀 ▲４六銀 ▽８五歩 ▲７九玉 ▽６四銀
▲３五歩 ▽同　歩 ▲同　銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　銀
▲２四歩 ▽８六歩 ▲２三歩成 ▽８七歩成 ▲３二と ▽７八と
▲同　玉 ▽２七歩 ▲同　飛 ▽８七飛成 ▲同　玉 ▽５四角
▲７六歩 ▽８六歩 ▲７八玉 ▽２七角成 ▲８二飛 ▽７二歩
▲３八歩 ▽８七金 ▲６八玉 ▽７八飛 ▲５九玉 ▽３八馬
▲同　金 ▽同飛成 ▲投了
56手で後手の勝ち
解題
1=序盤94歩で83歩-同飛-84歩-同飛-95角の準王手飛車阻止。
2=74銀が84角打を阻止。
3=49金の欠陥狙撃。
4=79玉の1手を悪手にさせる猛攻。

常識的な封じ手75同歩は羽生が劇殺87龍捨てに気がつけば長考に陥る。
攻めあいの封じ手24歩も素直に銀交換されると羽生は手番を必ず失い劣勢となる。従って羽生は封じ手75同歩を選択して勝負する以外ない。
羽生は負けと悟った封じ手71分だったかもしれない。
羽生に逃げ道は有るのか？
それは明日わかる。
なぜこうなったのかと言うと羽生が早クリ銀を敢行したため。
26銀なら先手明解に勝ち。46銀としたのは羽生のラブコール。
羽生も秋にはクリちゃんが好きということであろう。

なにか知らないがこみあげる笑いと言うものがある。
2003.09.24Ａ級順位戦佐藤康光VS島朗などその典型であろう。
曼珠沙華が今日咲いた。
この符牒はなぜか深刻ではない。むしろおかしい。
そう言えば日本のプロ野球のストライキ騒動も笑える。試合がないからと空泣きで悲しむファンなどいない。むしろワイドショーで古田の熱弁を聞いて楽しんでいる。日本プロ野球はまるで中味がないのでストライキぐらいで世間を煽ってもらわないと誰も見向きもしない。将棋が好きな古田敦也も今岡誠もこぞって「ストライキやるゾ」と言っているのだから日本将棋連盟は一丸となって応援しないといけない。
谷川の熱狂的ファンの今岡は今晩は谷川に命を賭けている。谷川が王位を奪取されたら阪神辞めちゃうと言っている頃であろう。ナベツネが弱いのが阪神。阪神今岡が「タイガース本気でやっちゃいますけど」と裏声で言えばナベツネも物置裏で「マーマー」と言う。古田あたりが真顔で「王手飛車」と言っても「勝手にやってくれ」となる。大リーグに永遠に勝てない商業野球なのだからこんなもの相手に文化継承などと叫ぶのは玉木正之だけで十分。野茂を見ろ。口先とやっていることが違う。だからイチローなど何も言わない。ドラゴンズが出る日本シリーズなど名人戦に大介が出てくるようなものであろう。ドラゴンズが優勝する際に主審はバッター空振り三振の瞬間「ストラーイキ！」と宣告すれば大受け間違いない。

今から右玉構想は無理。羽生なら喜んで行く。
羽生はおやつの和菓子まで食べ始めてしまった。
94歩が緩手なら73銀は悪手。しかしそれを指すしかない。谷川苦しい。もう一打逆転しかないが王位戦は二日制。奇跡を祈るしかない。

やられた。
羽生は今日で決めるつもり。
敗着は94歩。谷川甘い。甘すぎる。
羽生はまた48金で来る気。

ここで37銀なら王位奪取が今日で決まる。95歩などハッキリ手抜き。
しかし羽生は腰抜けなのでできないであろう。

谷川も大事を取った。マシュダ一家必殺3rdアタックで羽生に勝てたら棋界制覇できる。
この94歩は羽生が96歩以外なら95歩で圧迫。96歩なら後手からの棒銀を見せるつもり。角交換がなければ後手は1手遅いが羽生からの棒銀には角打ちで牽制。
ところが羽生が96歩のブランコ後進で突き合うと3rdアタック全変化は消滅。
しかも羽生は棒銀で行くことも出来る。だから敗着となるかもしれない手。
緩手であることは間違いない。

解題=68玉を咎める2。95角の王手に相駒では76歩でシビレる。

MF02
先手：64角
後手：37銀
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽６四角
▲３七銀 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　角 ▲５八金 ▽８五歩
▲４六角 ▽７三銀 ▲７四歩 ▽６四銀 ▲６六銀 ▽８四角
▲５五銀 ▽同　銀 ▲同　角 ▽９五角 ▲７九玉 ▽６四銀
▲４六角 ▽８六歩 ▲投了
38手で後手の勝ち

谷川は18手め長考中。ここで考えるのが王者の証し。
18手めからの第1次3rdアタック&第2次3rdアタック変化は以下。

解題=68玉を咎める。

MF01
先手：64角
後手：46角
▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽３二金 ▲２五歩 ▽８八角成
▲同　銀 ▽２二銀 ▲３八銀 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽６二銀
▲６八玉 ▽８四歩 ▲７八金 ▽７四歩 ▲３六歩 ▽６四角
▲４六角 ▽５四歩 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲２四歩 ▽同　歩
▲同　飛 ▽４六角 ▲同　歩 ▽２三歩 ▲２八飛 ▽５五歩
▲投了
30手で後手の勝ち

秒単位で入れ換り、盤面ＵＰまで見せる鮮明な写真中継も過去最高だが、棋譜には10分以上の考慮時間も記されている。神戸新聞ニクイ。
谷川炎の84歩には26分。そしてビビった78金には11分。
昼前に谷川74歩。素晴らしい。
昼後に羽生36歩。谷川相手だと羽生もなぜか燃える。3rdで来いと。

これでなくては谷川ではない。
素晴らしい中継。写真が鮮明なので横から顔の微細な表情も盤面も判別できる。
谷川は84歩を指して例の仕草=左手で髪をかきあげる。
汗が光るいい顔。
羽生は盤面を凝視し一瞬緊張。左で扇子を畳に立て握り締める。
ドスを突き刺す時。

地元でカド番とあって谷川は緊張しすぎ。
羽生はアグラかいて谷川を煽るだけ。
谷川は正座を崩さず14手め思考中。
谷川、気楽に指せ。棒銀など怖くない。腰掛け銀ならこっちのもの。

この玉移動はおそらく全戦形でもっともムシのよい手。
谷川が飛車先を突かずに4筋展開も放棄し62銀とした為に有効。羽生はすでにパーテルポジション先取。
ここで玉のブランコ後進は後手に有り得ない。

谷川研究会では総帥も慶太もこれしかやらない。
対して丸山森下なら72銀。康光なら42飛変化から思考。
羽生はすでに25歩+38銀型なので棒銀をやる気満々。後手の飛車先が突いていなければ逆襲の脅威がない。
従って谷川は後手らしく羽生に展開を任せることになる。受けに専念しようという健気な気は毛頭ないので羽生に14角変化でもやってもらおうという慶太の入れ知恵かもしれない。

台風は九州。対局は神戸。
谷川後手で飛車先不突きの手損角換り。棋譜更新は30分以上経ても76歩までなので写真で見るのが一番速い。
谷川は飛車を4筋に振れば面白い展開。