2004.07.25第54回NHK杯1回戦
神谷広志七段VS真田圭一六段

角換り33桂戦法
分析マシュダ一家


2004.07.25第54回NHK杯1回戦 神谷広志七段VS真田圭一六段
角換り33桂戦法
   
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 投稿者:マシュダ一家  04/07/26 Mon 03:46:18

放映:2004.07.25
棋戦:第54回NHK杯1回戦
戦形:角換り33桂戦法
先手:神谷広志七段
後手:真田圭一六段
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽3三角 ▲同角成 ▽同 桂
▲6八玉 ▽3二金 ▲4八銀 ▽4四歩 ▲5六歩 ▽2四歩
▲3六歩 ▽2二銀 ▲7八玉 ▽2三銀 ▲3七桂 ▽1四歩
▲6八銀 ▽5二金 ▲2五歩 ▽同 歩 ▲同 桂 ▽同 桂
▲同 飛 ▽2四歩 ▲2九飛 ▽5四歩 ▲3七銀 ▽4三金右
▲5八金右 ▽6二銀 ▲2六銀 ▽3三桂 ▲3五歩 ▽2五歩
▲3七銀 ▽3五歩 ▲4六銀 ▽3四銀 ▲3九飛 ▽1三角
▲2七桂 ▽3六歩 ▲同 飛 ▽2六歩 ▲1六角 ▽2七歩成
▲3四角 ▽同 金 ▲同 飛 ▽2五角 ▲2四金 ▽3四角
▲同 金 ▽3一桂 ▲2四歩 ▽2二歩 ▲4四金 ▽2四角
▲3四歩 ▽3九飛 ▲6六角 ▽1九飛成 ▲3三歩成 ▽同 金
▲同 金 ▽5三銀 ▲3四金 ▽1五角 ▲4五桂 ▽6四銀
▲4四角 ▽8四香 ▲5九銀 ▽2六角 ▲3五銀 ▽5九角成
▲同金寄 ▽5七銀 ▲6二銀 ▽同 飛 ▲同角成 ▽同 玉
▲3二飛 ▽5二銀 ▲5一角
87手で先手勝ち


角換り33桂戦法は2004.06.15C1順位戦第1回戦塚田VS窪田戦で指されたばかり。
解説森下はこの戦形の開発研究筆頭格。だから神谷も感想戦で森下にだけは頭が上がらない。ところが森下はトンマなことを言っている。8手め65角変化は真田も米長最後のNHK杯で指しているが、米長は11手め77玉として負けにした。森下は77玉が勝因で先手勝ち筋となったような回想をしている。77玉はただのハッタリ。それにビビった真田が自分で負け筋にして最後は米長のひどい終盤でコケただけのクソ将棋。だからあんなものは当家のINDEXから勝手に脱落している。米長はあの年の4月に先崎に見送られて即時引退するべきだった。それを王将戦リーグまで汚しに汚したことは森下も目の当たりにしたはず。当家はむしろあの王将戦は米長最後の華と思って密かに応援していたがことごとく裏切られた。それを誰も言わないから米長という貴重な才能が自らを汚してしまった。その責任は森下にもある。「アンタの将棋は汚い」と森下級の棋士が言わないといけなかった。
それなのにまたしても理事だからとおだてている。森下はもともとその程度の棋士なのかもしれない。一言で甘すぎ。8手め65角変化で11手め77玉で先手勝勢を導けるなら貴様がやってみろ。
森下解説では12手めの24歩に対して神谷の36歩が後手からの42飛-44飛-34飛の立石流四間阻止と言う。その前に真田の24歩を説明していない。森下でさえそうなのだからこの戦法は連盟棋士にも指しこなせないのであろう。24歩は先手番なら米長の角頭歩戦法にもあった。ところが最近絶好調の神谷の36歩とは立石流四間阻止などと言う後ろ向きな手ではなくひとめ棒銀狙い。こんなことが森下に見えないのかと思うと情けない。神谷の棒銀はハンパではない。真田はその危険を察して22銀としてしまったのが実戦心理。別に森下が好きな銀冠などやりかたかったワケではない。真田は飛車を振りたかったはず。勝負の分岐は恐らく20手め。森下はここで本譜のように52金が当然と述べた。当家は番組見ながら最も違和感を感じたのがこの52金。森下が当然の手と述べている52金になぜ違和感を感じるかと言うと飛車の横利きがこの1手で消えてしまう為。
案の定神谷は21手めで25歩と仕掛けこれで勝負は決まってしまった。敗因は18手め14歩。これは真田の独特な感覚でここに13角を打つという空間開放手。真田グッズにはこういう手が最初からインプットされている。しかし神谷相手にはただのハンペンであった。26手め24歩と打つしかないのでは後手負け。
しかし18手め14歩が敗因では真田グッズが泣く。これは真田の個性として当家は鑑賞したい。そこで森下推奨の20手め52金がおかしかったと言う推論で何かないか工作を楽しむ。
神谷はどうせ2筋を攻めて来ることがわかっているのでそこを逆襲すると言うコンセプトにしたい。2筋逆襲といえばご存じマシュダ一家中空三角理論の展開法。

コンセプト 2ndのタコ攻めには2筋8筋2段飛車
1=25歩はGNにする。桂交換は後手不利。
2=先手からの角打ちは先にやらせて活用しにくい馬にさせる。
3=先手の桂頭を弱点にする。
4=87地点は先手最大の弱点なので飛車二段活用で牽制する。
以上すべての条件を満たすためには20手め常識破りの43金。

棋戦:マシュダ一家青春杯 中空三角理論讃歌
戦形:角換り33桂戦法 基本型 玉頭直撃変化
先手:神谷+マシュダA
後手:真田+マシュダB
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽3三角 ▲同角成 ▽同 桂
▲6八玉 ▽3二金 ▲4八銀 ▽4四歩 ▲5六歩 ▽2四歩
▲3六歩 ▽2二銀 ▲7八玉 ▽2三銀 ▲3七桂 ▽1四歩
▲6八銀 ▽4三金 ▲2五歩 ▽2二飛 ▲2四歩 ▽同 銀
▲6五角 ▽5四角 ▲8三角成 ▽2七歩 ▲同 飛 ▽3六角
▲2九飛 ▽2七歩 ▲3八金 ▽6四歩 ▲2七金 ▽3五銀
▲2四歩 ▽5四角 ▲5五歩 ▽7六角 ▲5六馬 ▽8二飛
▲投了
42手で後手の勝ち

棋戦:マシュダ一家青春杯 中空三角理論讃歌
戦形:角換り33桂戦法 飛車と馬の交換変化
先手:神谷+マシュダA
後手:真田+マシュダB
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽3三角 ▲同角成 ▽同 桂
▲6八玉 ▽3二金 ▲4八銀 ▽4四歩 ▲5六歩 ▽2四歩
▲3六歩 ▽2二銀 ▲7八玉 ▽2三銀 ▲3七桂 ▽1四歩
▲6八銀 ▽4三金 ▲2五歩 ▽2二飛 ▲2四歩 ▽同 銀
▲6五角 ▽5四角 ▲8三角成 ▽2七歩 ▲同 飛 ▽3六角
▲2九飛 ▽2七歩 ▲3八金 ▽6四歩 ▲2七金 ▽3五銀
▲2四歩 ▽5四角 ▲5五歩 ▽7六角 ▲2三歩成 ▽8二飛
▲同 馬 ▽同 銀 ▲3一飛 ▽6二玉 ▲3三と ▽6五角打
▲3二飛成 ▽5二金 ▲7九桂 ▽8六歩 ▲同 歩 ▽3三金
▲同 龍 ▽4六銀 ▲3六金 ▽3七銀成 ▲同 金 ▽8七桂
▲7七金 ▽9九桂成 ▲7六金 ▽同 角 ▲8七銀 ▽同角成
▲同 玉 ▽7四香 ▲7六歩 ▽8九成桂 ▲投了
70手で後手の勝ち

棋戦:マシュダ一家青春杯 中空三角理論讃歌
戦形:角換り33桂戦法 飛車縦横無尽変化
先手:神谷+マシュダA
後手:真田+マシュダB
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽3三角 ▲同角成 ▽同 桂
▲6八玉 ▽3二金 ▲4八銀 ▽4四歩 ▲5六歩 ▽2四歩
▲3六歩 ▽2二銀 ▲7八玉 ▽2三銀 ▲3七桂 ▽1四歩
▲6八銀 ▽4三金 ▲2五歩 ▽2二飛 ▲2四歩 ▽同 銀
▲6五角 ▽5四角 ▲8三角成 ▽2七歩 ▲同 飛 ▽3六角
▲2九飛 ▽2七歩 ▲3八金 ▽6四歩 ▲2七金 ▽3五銀
▲2四歩 ▽5四角 ▲8四馬 ▽8二飛 ▲6六馬 ▽6五歩
▲7七馬 ▽2四銀 ▲2六金 ▽2二飛 ▲4六歩 ▽3五銀
▲投了
48手で後手の勝ち

棋戦:マシュダ一家青春杯 中空三角理論讃歌
戦形:角換り33桂戦法 馬切り変化 
先手:神谷+マシュダA
後手:真田+マシュダB
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽3三角 ▲同角成 ▽同 桂
▲6八玉 ▽3二金 ▲4八銀 ▽4四歩 ▲5六歩 ▽2四歩
▲3六歩 ▽2二銀 ▲7八玉 ▽2三銀 ▲3七桂 ▽1四歩
▲6八銀 ▽4三金 ▲2五歩 ▽2二飛 ▲2四歩 ▽同 銀
▲6五角 ▽5四角 ▲8三角成 ▽2七歩 ▲同 飛 ▽3六角
▲2九飛 ▽2七歩 ▲3八金 ▽6四歩 ▲2七金 ▽3五銀
▲3六金 ▽2九飛成 ▲6一馬 ▽同 玉 ▲3五金 ▽同 歩
▲6三銀 ▽6二金 ▲1六角 ▽6三金 ▲4三角成 ▽7二玉
▲3九歩 ▽3六歩 ▲投了
50手で後手の勝ち

それにしても以上の変化はあまりによくできすぎている。ここまで後手がうまく行くならコレだけで新戦法ができてしまう。こんなにうまく行くときは大抵根本が狂っている。そこでハタと気がつく。
どの変化も25手めに先手が23歩と打てばそれで後手は即時投了となる。従ってこれは後手の明解なハメ手狙いとなる。孫の実力を試したいお爺ちゃん向けの余興戦法集に入れることはできるかもしれない。

最後の疑問。真田の18手め14歩はなんだったのか?
それは相手に68銀という悪手を指させる手であったと考える。
このような手を当家では相停滞手と呼ぶ。もし先手が16歩と付き合うとこの交換は23銀の威力で後手に15歩の権利が生じるために先手不利。それが本日のオチ。
尚真田があくまでも2筋死守の14歩を空間開放手として主張すると本譜のようになるか或いは以下のようになって後手は救いようがない。

▽1三角にこだわった場合1
先手:神谷広志七段
後手:真田圭一六段
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽3三角 ▲同角成 ▽同 桂
▲6八玉 ▽3二金 ▲4八銀 ▽4四歩 ▲5六歩 ▽2四歩
▲3六歩 ▽2二銀 ▲7八玉 ▽2三銀 ▲3七桂 ▽1四歩
▲6八銀 ▽5二金 ▲2五歩 ▽同 歩 ▲同 桂 ▽同 桂
▲同 飛 ▽2四歩 ▲2九飛 ▽5四歩 ▲3七銀 ▽4三金右
▲5八金右 ▽6二銀 ▲2六銀 ▽3三桂 ▲3五歩 ▽2五歩
▲3七銀 ▽3五歩 ▲4六銀 ▽3四金 ▲3九飛 ▽2四銀
▲2七桂 ▽1三角 ▲5七角 ▽投了
45手で先手の勝ち

3筋から逆襲しようとした場合 34金変化
先手:神谷広志七段
後手:真田圭一六段
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽3三角 ▲同角成 ▽同 桂
▲6八玉 ▽3二金 ▲4八銀 ▽4四歩 ▲5六歩 ▽2四歩
▲3六歩 ▽2二銀 ▲7八玉 ▽2三銀 ▲3七桂 ▽1四歩
▲6八銀 ▽5二金 ▲2五歩 ▽同 歩 ▲同 桂 ▽同 桂
▲同 飛 ▽2四歩 ▲2九飛 ▽5四歩 ▲3七銀 ▽4三金右
▲5八金右 ▽6二銀 ▲2六銀 ▽3三桂 ▲3五歩 ▽2五歩
▲3七銀 ▽3五歩 ▲4六銀 ▽3四金 ▲3九飛 ▽2四銀
▲2七桂 ▽2六歩 ▲3五銀 ▽同 銀 ▲同 桂 ▽3八歩
▲同 飛 ▽2七歩成 ▲3六飛 ▽4五金 ▲4三角 ▽3六金
▲5二銀 ▽4二玉 ▲3二角成 ▽同 玉 ▲4三銀成 ▽2二玉
▲2三金 ▽3一玉 ▲3二成銀
63手で即詰み