論理を愛するとはどういうことであろう？
森内は昨日放映の番組で「真理を追及したい気持ち」を述べる文脈を右アガリに述べた。右アガリのイントネーションは世界的に「疑問形」となる。ところが現代の日本語は違う。相手に同意を求める強制力をもった「疑問形」に相転化してしまった。加藤一二三が語尾をあげるあの抑揚。
加藤一二三は「疑問形」を必ず体言止めにする。「これが形？」と教皇が言うとき「これが形にきまってマス」と恫喝していることになる。あの日本語のクセはおそらく加藤一二三が日本全国に流行らせた。
これをマネしてアホなTVキャスターが「選挙はメタファー？」などと言う。それをわかったフリして相方が「そうそう。選挙はやっぱイメージ」などと別の言葉で断定する。日本語とはこのように使用され最後は戦争してしまう構図が以下。
1=日本人はなんと言うか雑種民族？
2=そーそー。いろいろあっていい。
3=でもソレって火事場見物？
4=火事と喧嘩は江戸の華
5=退廃美？
6=鎖国？
7=戦争！
すると大抵そこにオバアちゃんがノコノコ来る。
8=ピカドンおとされてまだコリンずら。
オチは決まって鏡の前でヒゲ剃るハゲおやじ。
9=このヒゲ、頭に生えたらナ
将棋とはこのような順番の中で奇数番から開戦する。

愛という言葉は高等言語であって漢字で書くのがもっともその実態に近い。ビートルズのALL YOU NEED IS LOVEという曲ではラー、ブラーブラーと歌った。ブラブラとはあっちでは「意味不明な饒舌」と言う意味。ラブをブラにしたので、ワコールあたりの新発売乳押さえのＣＭテーマソングにピッタンコであろう。
愛の力は生き物だけを対象にしない。むしろモノすべてに作用している。恋愛と言う言葉は愛を使用した造語だが、おかげで随分「愛」が迷惑を蒙った。ヒトはどんなモノでもヒト同様に愛することができる。バレンタインデーで本命からもらったチョコの包装紙を後生大事にする男もいる。彼の母親は息子をバカと言いながら、彼のヘソの尾まで桐箱に入れて保管しているであろう。このモノ好きな母親はおそらく歯科医で抜いた自分の歯まで取っておくに違いない。第三者にはどれも薄気味悪いゴミでしかない。「ナントカが命」と言ってもナントカに全く興味がない者にはただのゴミ。
明治神宮ではゴミ箱を護美箱と表記。汚いモノを隔てて外の美を護る箱なのか、或いは汚い世間から中の美を護る箱なのか一見定かでない。美を護る箱と言う意味ラシーと誰かが勘違いして中にカワイイ子猫を入れる場合もある。

ヨネちゃんはいつでもアホな処世術（米長語で人生哲学）を提供してくれるエンタの神様である。七夕の日には「私の信条=関わった人間すべて幸せにしてゆくと心掛ける」と日記に書いてしまった。
これではゴミおじさんといい勝負であろう。
ゴミおじさんは一度関わったモノは決して捨てない。粗大ゴミはおろか使用済のツマヨウジさえ捨てられない習性をもっている。これは自分の手にしたモノをすべて愛してしまう病気。だからゴミおじさんの家はその渾名の通りゴミの山。すでに臭気を発しており、必ず「近所迷惑最大のネタ」としてテレビ取材の恰好のターゲットとなる。
案外知られていないのはゴミおねーさん。独身OLのアパートは大抵ゴミの山。彼女たちは独り身の孤独をゴミを愛する行為に代替する。
一方その反対に人を憎むことで己の存在意義を確認している人々もいる。道端で因縁をつけられたことはないであろうか？

近代将棋の中野編集長は棋聖戦第三局の森内の33金-44金を見て感動のあまり涙を流した。本人が「編集長の近時片片」に書いているので間違いない。一方連盟棋士の高橋道雄は森内が33金から44金とせずに32金と下がれば千日手で「結果的に負けることはなかった」と昨日のＮＨＫ衛星放送で公言した。これは中野編集長のナミダに軍配があがる。なぜなら森内の44金で康光は思わずヒルんで負ける順を選んでしまった為。残り時間双方4分強の中で森内は最強の勝負手を最後に見せたのであってコレに素直に感動できないタカミチがすでにおかしい。
理知的でクールな女が実はただの不感症だったという場合がある。彼女は人前ではセックスレスが一番幸福と言いつつ密かに病院に通って不感症治療をしていた。

大内延介門下の中でもとりわけオマヌケな連盟棋士は田村康介。昨年は「しんぶん赤旗」主催の第34回新人王戦で初優勝しているが、この棋戦で30も過ぎて威張っている棋士は赤ちゃんの面汚し。渡辺明などすでにタイトル戦に出てしまったので申し訳ないと思って初戦でわざと負けている。田村などどこが新人なのか。チンチン王戦に改名していただきたい。ならばシーザーやキムカズがまだこの棋戦に顔出している理由もわかる。
田村がオマヌケな理由は、コン助に負けたら棋士はトップだけ残して廃業すべきと豪語していることにある。貴様などコン助に負ける以前の問題。すでにアホな棋譜しか作れない脳味噌ナメて機械のせいにしているだけ。しかもトップ棋士は絶対にコン助に負けないはずと知っている。だったら貴様はトップ棋士と同じレベルになればよい。同じ人間がやっていることがなぜできないのか不思議と思わないか？
己の怠惰をコン助のせいにしてはいけない。
アタシがグータラ妻な理由はこの洗濯機のせいだと豪語する女とタムラは似ている。

タカミチが言いたいこと=92手め32金の出戻り娘で千日手。
あとはエンディングで先攻57香成変化をパスして116手め37歩成変化でどうかというだけなのでどうでもよいということ。
他には何も言っていない。さすがタカミチ。あの日のアホな26手めを自分でマヌケと自白した。マシュダ一家実況&分析がすべて正しいと言っている。だから当家が唯一破棄した千日手手順のみを述べた。

終局後の康光は「初めての森内との番勝負感想」を聞かれた際に一瞬の沈黙ですべて語り尽くしている。負けても仕方なかったと顔に書いてあるが、アレが康光の悪いクセ。森内が「羽生より強かった」と言う一言がすべて正しい。どの将棋も序盤で康光完勝体勢であるばかりか、千日手手順さえもやらせない凄まじい突っ込み。丸山相手の後手番で千日手をしなかった康光精神そのものを徹底的に今回みせつけた。羽生よりスキがないと森内が思ったのは当然。あそこまで精神が張り詰めた相手に森内が32金など指すはずない。タカミチはタコ。

森内出演=NHK総合「土曜インタビュー2004　にっぽん」
「打倒羽生の20年」午前10時05分〜10時44分
森内は最高の棋士。すべての言葉に嘘がなく無駄もない。
その明晰な棋譜同様に洗練された性格。足りない言葉はＮＨＫが補う。
森内Ａと森内Ｂとはよくも台本に書ける。それではマシュダ一家ソノマンマの表記なのでアホ丸だしにしか見えない。
森内の正直な告白は竜王戦第2局の局面。これほど真摯な告白を最強戦士がＮＨＫ総合で行なうとは前代未聞。森内は印象深い手にこの対局の97手め32飛を選択した。彼はもっと華麗な手を沢山指している。竜王戦から選びたいなら羽生に驚嘆の溜め息をつかせた47桂、全棋士を震わせた79飛車切り、王将戦なら羽生の技を切り返した84角、名人戦なら羽生に棋士人生最大の長考を強いた74歩など世間全般で有名な手が目白押し。当家なら55歩が印象深い。しかし森内は32飛だけを番組に掲げた。
当家は75手め55同角によって羽生は投了すべきと実況&分析。森内にはしかし現場で97手めの32飛が見えていなかった為に対局中は負けにしたかと告白。
控え室の谷川にさえ見えていなかった。そして谷川は後日森内の寄せを諸手で初めて絶賛。あの寄せ手順は天から自然に降ってくる。森内の体を通過してそれが目に見える。
森内はそこに神秘を感じ、自己の弱さをさらけ出すことに躊躇がなかった。
これほど美しい棋士に成長するとは。