2004.06.05囲碁将棋ジャーナル
名人戦第5局谷川解説分析

漬物石の呪い或いはタンコブ三兄弟
2004.06.06分析 マシュダ一家

2004.06.05囲碁将棋ジャーナル
名人戦第5局谷川解説分析
 
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 投稿者:マシュダ一家  04/06/06 Sun 15:43:48

やはり棋王戦で丸山に鍛えられただけあって谷川は後手の初日の仕掛けに当家同様不満を持っている。康光にはコレが言えない。当家は谷川からソレだけ聞けば十分。しかしサービス過剰であった。
まず周囲がハブを理解していないと怒っている。どこが緊張しているのかと。これも当家と同じ視点。
二日目は羽生の22歩が本来敗着となるべきタコ手と谷川は言いたい。こんなものは研究手でなくヤッツケ仕事であると。これも当家と同じ視点。
続いて谷川は羽生が「シブイ」と言う。羽生が手を戻した為。東京の連盟解説会は69飛の飛車交換変化で煽るチンピラばかりであるが歩切れでは壁銀+79玉の形が余りにヒドイので羽生は仕方なく手を戻すしかない。当家は連盟解説会がバカにした67金を羽生の最強自己修復機能と言っている。谷川はライバル相手にソレが言えないので「シブイ」と言うしかない。
67金から56金が実現したので33桂-65桂プランが自動的に構築されている。金のクライゼル効果をバカにして33桂だけあてたと喜ぶ子供は33桂では65桂もあったと自慢するであろう。
森内62飛は当家ではひとめ。谷川も康光も同様。44桂阻止の為に64飛などまず思考しない。桂馬は打たせて局面を進めるのが常識。
さて問題の局面。森内の44歩を谷川はうまい受けと言う。これは谷川だから許せる。谷川は羽生の33桂はアホ、44桂の方がマシと言いたい。当家はそう考えない。すでに記した通り。
谷川は23金で遊んでいた金が働いたと考える入玉嫌いの棋士。まず当家のようにここで点数など数えない。無論谷川がそこまで言うからにはキチンとオトシマエが用意されている。
ところが言いたい一言を言うために相当ゴマカしている。まず21玉の解釈。これを谷川は64銀だと84角で寄せられソーとコッチの方面で説明。出所からして違うので仕方ない。23金とした為に森内は仕方なく73銀を放置しただけ。23玉変化ならキッチリ64銀。羽生には歩がない為84角など問題外。むしろ桂馬が欲しい。
87銀や72銀など羽生にとって屈辱。72銀で「双方すでに10分切っている」と釘を差すところが谷川の抜け目のなさ。この局面前後を「微妙」と谷川は言う。これが彼が自分の言葉に化粧を施した「勝負師の側面」。谷川が河合隼雄に述べた「棋士はみっつの側面がある」という発言はマシュダ一家のパクリ。谷川は言葉を並べ替えただけ。谷川はもともと「ゲージツ的」という言葉しか使っていなかった。 いまだに「微妙」などと言うボキャ貧ぶりは羽生よりマシという程度。そもそも谷川が自分で芸術などと言わなくてはならない土壌が腐っているので谷川を攻めてはイケナイ。
10分もあればNHK杯の持ち時間に匹敵。熱戦をみせるには十分な時間。勝負だけならすでに森内勝ち。あとはいかに収束するか。
森内は決断して67歩で攻めた。谷川はこれに同情している。勝負を捨てて挑戦者が果敢に攻めたと彼は言いたい。
当家はもっと前の局面しか見ない。即ち森内の動機の発生地点を。
それはすべて例の35銀に収斂する。
105手めの局面は本当は飛車を逃げて勝ちたい。つまり相入玉して点数勝ち。羽生には23点しかない為森内新名人誕生となる。
ところがすでに35銀が漬物石になっている。玉の退路を4段目の歩が整然と塞ぎ、その重石が例の35銀。この圧迫を強いたのが羽生なのか、森内の自我なのかという所が勝負の本当の葛藤。谷川はだから勝因敗因が「わからない」とハッキリ述べる。羽生が大長考した葛藤の中味とはそのこと。
この漬物石の為に森内は最終的に入玉を断念し「行く」と言う悪魔の誘惑と絶えず戦っていた。
結果中空の柱は破壊され21玉の形が欠陥となる。谷川がアマイのは22玉が凄い攻防手と思っていること。しかしこれがいい手がどうかわからないと言っている時点ですでに出所をゴマカしていることになる。
116手め76歩で森内は1分将棋。
以下谷川のやりたかった独演会。
117手め53桂成を羽生の悪手としている。しかも康光が示唆した41飛成は51飛とあわせてダメとバッサリ。いずれにしてもこの53桂成は「ナンデモない手」。そこで谷川が紹介する手は117手め63成桂で「明解な先手勝ち」。
しかし63成桂でも「ナンデモない手」と誰にも判る。2手かけて52金など取っても詰めろにさえなっていない。これで本当に明解に先手勝ちかなどと論争したら「アポロの剣」どころか今度は「漬物石の呪い」になってしまう。その証拠に谷川は118手めの67馬成変化に康光同様絶対に触れない。これはひとめ「首を差し出す庶民の変化」である為。これで勝ちとも限らない。連盟将棋は「首を差し出す」時はすでにすべてがハッキリした時と決まっている。特に森内は徹底的。少しでも紛れ変化が残ると絶対に森内は首を差し出さない。これは羽生森内谷川康光全員同じ。だから67馬成変化など彼らは問題外とする。
そこで森内の最後の勝負手64銀。羽生はこの手で最後の1分を使い森内同様秒読みに。この64銀は今日はうまく負けるけれど名人位は次に貰うという物凄い恫喝。これを映像にすると森内が頭から血を流しながら柱に何度も頭突きをかましている図。
そういえば例の鴨居ゴッツン映像はその後何度も流されている。NHKも毎日の横暴に全国放送規模のアテツケで対抗してしまった。
谷川も名人戦で柱ゴッツンを経験していると自白している。森、森内、谷川が名人戦タンコブ三兄弟?
周囲のイヤガラセで「名人は譲れ」と言われて頭にきて自分で頭をわざと柱に突撃するのがタンコブブラザーズ。夫婦喧嘩でもよくある。女を殴ると離婚訴訟で不利なので、ダンナはタンスに自分の頭をぶつけるのが定跡。
森内はすでにいつでも「首を差し出す」心の準備が出来ている。
そこでタンコブ三兄弟の次男谷川の本当の出番となる。
谷川兄貴は128手めは43角打だろーにと言っている。
2003.08.06&07王位戦第3局羽生VS谷川ならば90手めの谷川44角に匹敵する双頭手。あの日の44角がアポロの剣。谷川が今度は森内にアポロの剣を教示する所が兄貴格。
本当はブーハもモーリーも谷川先生と呼ばなくてはいけない。それが学んだ者の礼儀。しかし兄貴がバリバリの現役なので先生と呼びたくても呼べないのである。
ここまで谷川を褒めては当家は疑われてしまう。
そこで言わなければならない。森内は当初「アポロの剣」否定派であった。囲碁将棋ジャーナルで谷川をアホ扱いしたのが森内。そこで当家は頭に来た。当家の場合はタンコブ三兄弟のように野蛮なことはしない。森内に論説を捧げた。これが昨年の夏の出来事。
43角は谷川なら指す手と森内には無論ひとめ。しかし換りに51桂を見せたのであった。これが棋士の矜持。森内は凄い。
この構図は一言で羽生に「首を出せ」と強いる森内。ソレだけを腹に決めていたと言うこと。実際羽生は137手めで首を差し出した。
136手めの75桂打が詰めよでなかったのが指運と言うのは連盟の営業マン。彼らの習性は臭い指を女に嗅がせること。
さらに言えば谷川推奨の43角でもそれで後手勝ちとは限らない。谷川が43角に対抗する為に示す76歩の受けなど問題外。こんな所は銀を躱す泡踊りで十分。すでに勝敗の彼岸に在るのでいかに棋士が糸の切れかかった魂を見せるかという場面。森内は負ける代りに自我を主張したと読めば実に明解な進行。