2003.08.06王位戦第3局初日実況

擬態地獄門本定跡

羽生善治VS谷川浩司

第1部 双頭の闇

実況&分析 マシュダ一家+関西オールスターズ

第2部 炎の封じ手 二日目前半

第3部 アポロの剣 二日目後半


双頭の闇 封じ手開封前に期待すること No: 1902 [返信][削除]

ハ投稿者:マシュダ一家 ハ03/08/07 Thu 07:36:05

封じ手で最も過激な手は94歩である。この手によって我々が3/08/06 Wed 20:29:33に指摘した羽生の95角が消滅し65歩が成立する。互いに我が道を行くと羽生は下記変化のように馬を作って谷川の飛車を苛めるのが最短の攻防手順となる。
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽5四歩 ▲4八銀 ▽5五歩
▲6八玉 ▽6二銀 ▲5八金右 ▽5三銀 ▲7八銀 ▽8四歩
▲2五歩 ▽8五歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽3二金
▲7七角 ▽4一玉 ▲7九玉 ▽5四銀 ▲6六歩 ▽2三歩
▲2八飛 ▽6四歩 ▲6七金 ▽7四歩 ▲3六歩 ▽5二金
▲3七銀 ▽7三桂 ▲4六銀 ▽9四歩 ▲3五歩 ▽6五歩
▲3四歩 ▽6六歩 ▲同 金 ▽6五銀 ▲同 金 ▽同 桂
▲5五角 ▽同 角 ▲同 銀 ▽5七桂成 ▲7三角 ▽9二飛
▲8三銀 ▽9三飛 ▲8四角成

しかし後手の谷川はできればここで行きたくない。後手番であることを素直に考えた時に待つ手があれば相手に指させるのが最善である。ここで最終盤の形を思考する必要がある。その時の分岐点は先手玉が88地点か79地点かという位置から逆算する。88地点は上記変化となった場合に22角打が王手ラインに入る。このラインは王位戦第1局でも出てきた。今年ではすでに朝日オープンでも提示されたシーザーラインである。
先手の意見も聞く態度があれば46銀に対して応手をまず考えるのが自然。次の35歩を未然に防ぐ44角は先手に37桂馬と跳ねられると次の45銀で銀交換を強いられるか再び角は逃げなくてはならない。王位戦第2局は角の出戻り将棋を羽生は選択したが、それは谷川将棋ではない。しかし▲37桂馬に▽33桂馬で対抗すると▲35歩で火に油となる。37桂馬を誘ってイケイケでは後手が潰される。
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽5四歩 ▲4八銀 ▽5五歩
▲6八玉 ▽6二銀 ▲5八金右 ▽5三銀 ▲7八銀 ▽8四歩
▲2五歩 ▽8五歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽3二金
▲7七角 ▽4一玉 ▲7九玉 ▽5四銀 ▲6六歩 ▽2三歩
▲2八飛 ▽6四歩 ▲6七金 ▽7四歩 ▲3六歩 ▽5二金
▲3七銀 ▽7三桂 ▲4六銀 ▽4四角 ▲3七桂 ▽5六歩
▲同 歩 ▽6五歩 ▲4五銀 ▽同 銀 ▲同 桂 ▽6六歩
▲同 金 ▽6五桂 ▲同 金 ▽7七角成 ▲同 桂
後手の問題は▽65歩と▽56歩の組み合わせとタイミング。先手の攻めは1手遅い為に後手が来れば飛車狙いの迎撃、特に羽生の場合は角打から銀打が常套手段。それまでに寄せの構図が谷川に描ききれるかという大勝負となる。
ではじっと44歩はどうであろう?これは▲35歩ならば▽45歩と突き返すという手である。そこで羽生はじっと37桂馬となるが、これは先手を88玉へ後手が誘導する作戦が有効かと言う問題。いずれも端歩の突きあいは後手有利。羽生が昨年の対阿部の竜王戦のように▲56歩と逆襲をして自ら打開を計ると千日手への道となる。谷川はそれを羽生に選択させることが最善であるが、すでに指し手は決まっている。
流れは擬態地獄が招いた二重の闇。14歩がそれに匹敵する裏筋に見える。ところが王位戦第2局のように羽生が強引に攻めたら今度は後手に反撃手がない。
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽5四歩 ▲4八銀 ▽5五歩
▲6八玉 ▽6二銀 ▲5八金右 ▽5三銀 ▲7八銀 ▽8四歩
▲2五歩 ▽8五歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽3二金
▲7七角 ▽4一玉 ▲7九玉 ▽5四銀 ▲6六歩 ▽2三歩
▲2八飛 ▽6四歩 ▲6七金 ▽7四歩 ▲3六歩 ▽5二金
▲3七銀 ▽7三桂 ▲4六銀 ▽1四歩 ▲3五歩 ▽同 歩
▲同 銀 ▽1三角 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 銀 ▽2二角
▲2三銀成 ▽4四角 ▲3二成銀 ▽同 玉 ▲2三金 ▽4二玉
▲2二歩
龍を先手に作らせてカウンターを狙うのも谷川将棋ではない。
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽5四歩 ▲4八銀 ▽5五歩
▲6八玉 ▽6二銀 ▲5八金右 ▽5三銀 ▲7八銀 ▽8四歩
▲2五歩 ▽8五歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽3二金
▲7七角 ▽4一玉 ▲7九玉 ▽5四銀 ▲6六歩 ▽2三歩
▲2八飛 ▽6四歩 ▲6七金 ▽7四歩 ▲3六歩 ▽5二金
▲3七銀 ▽7三桂 ▲4六銀 ▽1四歩 ▲3五歩 ▽同 歩
▲同 銀 ▽5六歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 銀 ▽5七歩成
▲同 金 ▽2三歩 ▲同銀成 ▽同 金 ▲同飛成 ▽3二銀打
▲2六龍 ▽6五歩 ▲2四歩 ▽4四角 ▲2五龍 ▽3三桂
すでに14歩はないということである。そこで最も過激な94歩が王位戦ですでに2連勝している谷川らしい手となる。しかし商業主義に無縁な我々は決してそうは指さない。
一番重要なことは主題が何だったのかと言うこと。谷川が表現しようとしている二重の闇とはどんな顔をしているのかと言う興味となる。
谷川がどんなセカンドラインを想定したか楽しみである。


王位戦第3局実況 擬態地獄門本定跡2 No: 1901 [返信][削除]

ハ投稿者:マシュダ一家 ハ03/08/07 Thu 06:08:12

20手め=41玉。これに谷川は昼食休憩を挟んで実に63分も考えた。昨晩の王座戦挑戦者決定戦におけるナベラの夕食抜きの44角の勝負手に匹敵する後手の苦痛である。渡辺明の苦痛は青春の全てを賭けた感動的な大長考であった。谷川の苦痛は生みの苦しみである。創造の楽しみと置き換えてもよい。産後の母は人生最大の苦痛を最大の喜びと語る。41玉とは羽生に面と向かって横歩も取れないのかと言っている手なのであった。一見後手の守りの手であるようだが最も過激な双頭手。なぜ双頭手か?羽生が冷たい王者を貫いても85歩という方針にマッチした最も簡易的な玉の囲いとなる為である。我々は玉の移動に関する一手は局面を左右すると考えてきている。そしてこの玉の移動は谷川に優位性が顕著である。谷川は一手囲っただけで戦えるが羽生は同じ一手分でも68地点では当りがきつすぎるのであった。同じような玉の移動でも実際は谷川が得をしているのである。
21手め=79玉。19分も考えたが作戦負けを自認した手。41玉とされてはもう横歩を取る気にもなれない。今度は銀が玉で死守された為に23金-36飛には44角と出られてしまう。それでも行くのが王者であるがこの1局は羽生の棋士生命を賭けても絶対に落とせないのであった。そこで20分になる前に判断停止した証拠が19分という考慮時間。
22手め=54銀。谷川も羽生に同調して19分と思考時間をぴったり合わせる。将棋は二人で造るものであるという谷川らしい。しかし露骨な手である。厳しい。羽生を嘲笑している手と言って良い。すでに8筋で擬態地獄門本定跡を見せつけているのに、今度は再び地獄門定跡に回帰している。
23手め=次に65銀と出られては76地点の角頭を26飛で死守するしかない。横歩も取れずに26飛などと言う形は両取りや王手飛車のラインに入りすでにハマリ形となる。そこで羽生は24分も本当に苦痛を味わって66歩としたのであった。これは谷川の生みの苦しみとは違って失恋した苦悩である。相手が余りに八方美人ではもう手に負えないというお手上げの24分であった。すでに葬送行進曲が流れている。
24手め=23歩。「羽生さんがそこまで耐えてくれるなら」と谷川はここで歩を手放す。後手の最初の楽しい屈辱である。好きな彼女のハイヒールの目前に蹄ずく男の臭い。
25手め=28飛。後手が23歩と打ったので28歩が消えたではないかと先手が喜んでここで横歩を取ると下記のようにひどい目にあわせられる。
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽5四歩 ▲4八銀 ▽5五歩
▲6八玉 ▽6二銀 ▲5八金右 ▽5三銀 ▲7八銀 ▽8四歩
▲2五歩 ▽8五歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽3二金
▲7七角 ▽4一玉 ▲7九玉 ▽5四銀 ▲6六歩 ▽2三歩
▲3四飛 ▽4四角 ▲3六飛 ▽4五銀 ▲1六飛 ▽1四歩
▲6五歩 ▽1五歩 ▲6六飛 ▽5六歩
これでは終わってしまうどころか理性を疑われるので先手は28飛しかないのであった。すでに谷川の指し手に羽生は追従するだけとなっている。
26手め=64歩。66歩と角道を止めたら64歩でこじ開けに行くセオリーとなる。一手も緩めてはならない。
27手め=67金。死守するしかない。相手の為すがまま。
28手め=74歩。追い打ち。攻撃手は止まらない。
29手め=36歩に25分。一層募る屈辱感。羽生はマゾヒストのごとくもっと鞭打たれたい心境であろうがここしか動かすところがない。その地点がたまたま36歩になったという消極的な攻撃手。59銀と下がったのでは手も足もでない。46歩では擬態地獄門本定跡に後手が再び戻った時に傷となるだけ。端歩を突くとどちらも後手に有利となる。そこで36歩しかない。先手の最も華麗なパッセージが、作曲家の指示に従っただけのビールの泡となっている。しかしビールの泡の方が液体よりアルコール濃度が高い。早く酔いたければ泡の方を沢山飲めば良いということになる。泡を沢山飲むとゲップが出る。最大の下品とはゲップである。
30手め=52金。本当はすぐにでも73桂馬と跳ねたい。しかしここで跳ねると先手は1歩持ち駒にある為にすぐに75歩と突かれてしまう。これが飛車先歩交換の利権のひとつである。そこで75歩には63金で対抗しようと言うのが前進流の思考法である。これが28手めの52金ならばねじれた双頭手となる所であった。これで52飛という地獄門定跡は消滅し擬態地獄門本定跡が一見確定しているからである。しかし羽生が29手めに46歩としなかった為にすでに地獄門本定跡はないのであった。もしここで谷川が勇んで45銀とすると羽生にすぐに46歩と突かれ銀がどちらの歩を取っても羽生の持ち歩で殺される。このような手筋を「銀挟み」と呼ぶ。銀の最大の弱点がこの「銀挟み」である。銀バサミと読む。これも飛車先歩交換の利権のひとつである。では先に52飛はあるかと言うとその時こそ46歩で受かってしまう。従ってすでに地獄門本定跡は消滅していたのである。だから谷川はすぐに52金と指せるのであった。
31手め=37銀に12分。羽生はもう自分のことを考えるしかない。36歩を突いた手を無駄にしない為に37銀という継続手を脅えながら続行。
32手め=73桂馬。あまりに後手に気持ちよい手が多すぎる。おかしい。気持ち悪いほどである。そこでじっくり谷川は29分思考したのであった。これは羽生に逆にハメられているのではないか?しかし心配はいらない。羽生は決戦を全てパスして後手の言いなりとなっている従順な娘であった。
33手め=46銀に12分。すでに後手に先攻されるのは仕方ない。こちらも行くしかない。31手めの37銀にも12分であった。自分だけのことを考えるとこのような時間となる。
34手め=谷川の封じ手。39分。


擬態地獄門本定跡1 No: 1900 [返信][削除]

ハ投稿者:マシュダ一家 ハ03/08/07 Thu 05:59:14

それにしても関西オールスターズは口が悪い。品性を疑う。やはり裏掲示板はUPする際に検閲にひっかってしまった。本日の将棋は実はそのようなものではない。第2局で羽生が見せた擬態地獄門を今度は谷川が行なっているのである。前局は行方をマネした羽生の気まぐれであったが、今日の擬態地獄門は本定跡である。綿密に計算されており、羽生が腰を引いたのも止むを得ない。擬態地獄門本定跡で負けたら羽生のメンツは丸つぶれである。第2局まで羽生が緩めたなどという冗談さえ通用しない完全なる権威失墜となる。
ゴキゲン中飛車には第1ドメインから三通りの変化がある。羽生が昨年の王位戦第1局のゴキゲン第1ドメインを避けたのは二番煎じが嫌だからである。そして丸山流ゴキゲン角換りを避けたのは最近の丸山や康光をマネしたのでは笑われるからである。すると中原のように5手め48銀と指すことが事前に想定できる。これで谷川は以下の理由ですでに心理的に優位に立っている。
1=最新定跡は谷川が研究で優っているという誇示。
2=中原のように指したければ谷川の方がよく知っている。
3=この将棋はすでに主導権が完全に後手。
4=受けの48銀で先手が負けたら名人竜王の権威は失墜という恫喝。
そこで谷川は35分を費やし堂々と6手めに55歩の位を取り聖堂への入城を果たす。ここで流れる曲はマーラーの第5番ではなく、谷川千勝記念パーティーで流れた「威風堂々」でよい。我々はここでパルジファルを想定したが羽生の次の1手が余りに軟弱なので急遽プレイバックして曲を差し替えた。パルジファルでは妥協が許されない。しかし「威風堂々」ならパロデイーともなる。この曲をかけながらソーセージを食べても良いのである。問題は7手めの68玉。羽生はすぐに指した。すなわち谷川がゴキゲン中飛車で来ると思い込んでいた。羽生の頭脳が朝に弱いことを見事に突いた谷川の戦略がまずは一本取った形。そこで22分で8手めは62銀となった。朝からアクビをしているような貴様に王位は女房の名において渡せないという決死の覚悟である。先ほどから鳴り続けている「威風堂々」で思わず涙を流してしまったご婦人もいる。谷川は「一番大切なことはファンを決して減らさないこと」だと述べている。闇雲にファンを増やすことより今のファンを決して減らさないことこそ棋士の使命だと言っているのである。神戸新聞の中継のあまりのひどさに失望したであろう全国のコアラファン。地元がコレでは自腹を切って皆さんを招待せねばという手がこの野性の雄叫びとなった62銀であった。
9手め=58金右に24分。羽生が目覚めて考え始めた。これは玉の移動が早すぎたかという後悔の時間が1分入っている。ハメられたかという焦りがそのうち10秒。この焦りが羽生の精密機械をさらに機械化する。機械には温かい機械と冷たい機械がある。我々には「人間はコンピューターに勝てるか」などという議論はどうでもよい。人間そのものが最も優秀な機械だからである。しかし温かい機械である。羽生は9手めで自らを冷たい機械にしてしまった。以下は羽生という優秀なコンピューターに人間が挑戦している風景となる。
10手め=53銀。地獄門定跡はまだ続行中。これで飛車の横利きを通し55歩の地獄門天蓋を死守しに行く。
11手め=78銀に羽生は11分。ここで前局の反省がオーバーラップ。とにかく銀の進出が第一義。あの55歩を咎めに77銀と第2局の谷川のように指せたらいいナと期待しても無理。相掛りの擬態地獄門と擬態地獄門本定跡は初手から違う。谷川のように77銀を指したければ初手は26歩でなくてはならない。相手の手を咎めるのはそれからの話。足もとばかり見ていると11分となる。相手のことを均等に考えると20分台の考慮時間となるからである。
12手め=84歩に12分。擬態地獄門本定跡への相転化手。谷川の裏芸に陽動振り飛車がある。しかし陽動振り飛車では羽生に勝てない。そこで擬態地獄門本定跡であることがこの一手で明確となる。青春街道を行く谷川。
13手目=25歩に27分。こんな当たり前の手に27分もなぜ考えたか?
先手が飛車先歩交換を自分だけ行うことをプロ棋士は確実な有利と考えている。それが先入観なのである。相手に23歩と打たれたらそこで飛車は下がる一手となり手番が入れ替わる。これを「手番逆転の法則」と言う。飛車先歩交換の原理には必ず「手番逆転の法則」がつきまとうのであった。「雁木」や「陽動振り飛車」はこの法則を利用した古典的な戦法である。擬態地獄門本定跡においてはさらに複雑な横の変化が加味される。余りに複雑で最終盤までの変化を把握しないと指しこなせない為に廃れたのであった。それだけのことならば羽生は22分で指したであろう。あとの5分は谷川「威風堂々の55歩」をどう扱うかという思考である。前局はこれを後手が取らせて指すべきと我々は指摘した。そこでこの55歩は勝手にナツメロを演奏させとけと羽生も開き直る。その為の5分である。しかしこのマシュダ一家受け入れ思考がすでにハメられている証し。後に触れるが実は羽生はすでに55歩を咎められないのである。従って「55歩を咎めたいが玉の移動を先に開始した為にすでに直接的に咎めることができない」というのが真相となる。しかし羽生はそう自覚しては作戦負けを自ら認めたことになる。そこで意地を張ってしまったのが27分のうち最後の1分。自らを偽るにはマーと言っている3秒でも十分であろう。
14手め=85歩。これほど気持ち良い手はない。陽動振り飛車ならば84歩止まりである。しかしさらに複雑な擬態地獄門本定跡を指そうという颯爽たる1手。「威風堂々の55歩」に対して「カルメン前奏曲の85歩」でいかがであろう?なにせ先手の飛車先の脅威も眼中にないノリである。ジャンジャカジャカジャカという出だしで決まりであろう。ニーチェはパルジファルよりカルメンの方が大好きであった。アポロ的とは谷川将棋のことである。では羽生将棋はデュオニュソス的かと言うと違う。アレは悪魔的なのである。バッカスとサタンはまるで起源が違う。誤起源中飛車と読んではいけない。
15手め=24歩。これに12分も考えるようでは羽生の疑念は屈辱色を帯びている。なぜ14手めに谷川は33角と飛車先歩交換を阻止しなかったのか?阻止するのが自然な指し方と思われた時代はすでに去ってこちらがすでに古いのか?とまあこのように羽生はすでに迷い始めている。谷川は表面上1手の躊躇もない差し回しなのにこちらは最も当り前の手に12分も考えている。初手に12分考えるような不自然さと似ている。このような躊躇が悪魔的なのである。結局羽生は古典的飛車先歩交換の原理を遂行した。自分だけ歩を手持ちにし相手には飛車先歩交換を許さないということに満足するしかない。それも玉の移動が先であった為にそのように自分だけを説得させるしかない。
18手め=32金。23飛成を阻止する為に当然。ここで56歩と突くと下記変化で後手敗勢。
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽5四歩 ▲4八銀 ▽5五歩
▲6八玉 ▽6二銀 ▲5八金右 ▽5三銀 ▲7八銀 ▽8四歩
▲2五歩 ▽8五歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽5六歩
▲2二角成 ▽同 飛 ▲同飛成 ▽同 銀 ▲8二飛
先手が先に57トリトヌス地点を不必要なまでに2重に死守し、最後は玉まで先逃げしている為に後手からの28飛には対抗できる。逆に言えば先手の早囲いの利点はこれだけであり後手はそれを逆に考えればよいだけである。あの68玉が29飛成の王手先攻を避けた手ならば逆に早囲いとしてその欠陥を露出させればよいのであった。
19手め=77角。羽生は頑なに自分の主張を通すしかない。切々と訴えるNHKの旧青年の主張と似ている。羽生はなぜここで34飛と横歩が取れなかったのか?下記変化のように後手がそこで▽2八歩と桂取りに打ってくれれば先手は桂損の換りに飛車先を空白にしたまま手番を奪還し主導権を自ら構成できる。
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽5四歩 ▲4八銀 ▽5五歩
▲6八玉 ▽6二銀 ▲5八金右 ▽5三銀 ▲7八銀 ▽8四歩
▲2五歩 ▽8五歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽3二金
▲3四飛 ▽2八歩 ▲2四飛 ▽2九歩成 ▲同 飛 ▽5六歩
▲2二角成 ▽5七歩成 ▲同 銀 ▽2二銀
ところがここで57トリトヌスを狙った桂打の反撃から57歩という手が後手に発生している為に先受けしないといけない。57歩成の王手を放置できなかったのは68玉と先に囲った為である。これが玉を先に移動した最大の欠陥となる。57歩成の王手を放置できなかったので後手に一歩持たれてしまうばかりか、5筋の歩を切られるという二重のマイナスとなる。康光相手なら羽生はそれでも34飛と横歩を取ったであろう。それが王者の沽券である。ところが今回は事前に我々が「関西オールスターズハメ手合戦」と告知している。そこで羽生には次の飛車圧迫手順が目に浮かぶのであった。
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽5四歩 ▲4八銀 ▽5五歩
▲6八玉 ▽6二銀 ▲5八金右 ▽5三銀 ▲7八銀 ▽8四歩
▲2五歩 ▽8五歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽3二金
▲3四飛 ▽2三金 ▲3六飛
そう。▽2三金と谷川に指されたら ▲3六飛と逃げるしかない。それではまた谷川の追撃で羽生の飛車はついに2筋のUの柱へ帰還できなくなるか向かい飛車の餌食となるかもしれない。これでは「ユリシーズの帰還」ではなく「ボッタクリの横歩取り」となってしまう。そこでフザケルナとテーブルをひっくり返すのが真の王者であるが、羽生はじっと耐えて「あとで支払いますから」と携帯で警察へ通報してしまう客であった。


34手めで谷川封じ手 No: 1899 [返信][削除]

ハ投稿者:マシュダ一家 ハ03/08/06 Wed 20:29:33

裏掲示板における関西オールスターズのノリは凄まじい。羽生の腰抜けに対して言いたい放題である。谷川ハリケーンの前には横歩も取れない。飛車先歩交換の原理により先後が入れ替わり谷川が先攻できる局面である。
谷川の攻めは65歩で開戦であるが封じ手でそれを行なうと羽生には95角という必殺技がある。銀桂交換となるが馬を作られて後手劣勢となる。
では早朝まで。裏掲示板は適宜に整理してUP予定。谷川が創造している将棋である。谷川の存在そのものが問われる一世一大の大勝負。


9手め58金 No: 1898 [返信][削除]

ハ投稿者:関西オールスターズ ハ03/08/06 Wed 11:15:59

「ほなこと言うてもなんやコレ」
「5筋位取り谷川ハリケーンっちゅーことで」
「ハメ手合戦やるっちゅーったらホンマいきなり」
「ハブ玉の移動が単発手ね」
「しかもこの58金は受けただけ」
「ますますハメ手合戦やねー」
「合戦ならえーけど一人相撲ちゃう?」
「勝つときも負けるときも一人」
「棋士は孤独」
「ほないきまっせー!」
「狙いは先手の沽券をマイナス逆行相転化」
「それゆーたらアカン」


王位戦第3局 谷川ハリケーン No: 1897 [返信][削除]

ハ投稿者:マシュダ一家 ハ03/08/06 Wed 10:53:59

初手76歩=腰抜け。26歩で自信がないという告白。勝負に撤する羽生。
2手め=34歩。後手が主導権を握る為の意思。
3手め=24歩。飛車は振らずに本筋の居飛車でという意思表示。
4手め=54歩。ゴキゲン中飛車の序盤で58金と来いと。
5手め=48銀。腰抜け第二弾。羽生は正面を見ない。
6手め=55歩。後手が最大限に背伸びした位取り。すでに殺気だっている。
7手め=68玉。羽生はビビって先に玉の移動を開始する。
8手め=62銀!!よっしゃー!谷川ハリケーン最前線突入!今日は稲妻も怖くない!
行け!関西オールスターズ!


マネージメントテクノロジ- No: 1896 [返信][削除]

ハ投稿者:マシュダ一家 ハ03/08/06 Wed 08:16:54

「将棋はマネージメントテクノロジー」
「棋士はテクノプロデユーサーということか」
「テクノプロには三者の役割があるがそれを一人で演じている」
「トップはコンセプトクリエーター。集団でそれを行なうのが俗に研究会と言われているもの」
「その実践マネージメントまでも自分で引き受けているのが棋士」
「マネージメントテクノロジーの世界では分業だが」
「王位戦も第3局か」
「今日の実践者は関西オールスターズ?」
「まかせちゃおう」