阿部は「この戦形に関しては最終盤が難解」と言う。
あの屈辱の対局後阿部が必死に考えた先手勝ち手順は以下。

先手：阿部+局後の阿部
後手：高橋道雄+局後の阿部

▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽８四歩 ▲２五歩 ▽８五歩
▲７八金 ▽３二金 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽８六歩
▲同　歩 ▽同　飛 ▲３四飛 ▽３三角 ▲３六飛 ▽２二銀
▲５八玉 ▽４一玉 ▲８七歩 ▽８五飛 ▲２六飛 ▽６二銀
▲３六歩 ▽５一金 ▲３八銀 ▽７四歩 ▲３五歩 ▽同　飛
▲３三角成 ▽同　桂 ▲４六角 ▽２五歩 ▲１六飛 ▽３四飛
▲３五歩 ▽４四飛 ▲９一角成 ▽７三桂 ▲７五歩 ▽８八歩
▲同　銀 ▽２八角 ▲７七桂 ▽１九角成 ▲３七桂 ▽４五桂
▲４六香 ▽３七桂不成▲４四香 ▽４九桂成 ▲同　銀 ▽２六金
▲２四桂 ▽１六金 ▲同　歩 ▽１八飛 ▲６九玉 ▽７六桂
▲２八歩 ▽同飛成 ▲２一飛 ▽３一歩 ▲７三馬 ▽同　銀
▲３二桂成 ▽５二玉 ▲４八金 ▽３二歩 ▲６五桂 ▽８八桂成
▲同　金 ▽７六桂 ▲５三桂成 ▽同　玉 ▲５一飛成 ▽５二歩
▲６五桂 ▽６四玉 ▲５六桂 ▽７五玉 ▲６六金 ▽８四玉
▲７六金 ▽投了

85手で先手の勝ち

最後はヒフミンも協力しているが、阿部が考えた手順は71手め65桂で先手有望という結論。これは当家の局面構造分析No: 5058と一部合致する。
しかしオマヌケなのは先手が指した75歩はなんだったのかと言うこと。
玉にパクられるだけの役がらでは余りに芸がない。そこまで序盤の先手75歩を貶めては「難解」も「有望」もない。森内はそこまでして毎日に顔を立てる必要はない。「どーか順位戦から引用して毎日の顔に泥塗らないでください」とお願いされたのであろう。
元はと言えば阿部がタカミチに昇級をプレゼントしたあの棋譜がイケナイ。
アレが諸悪の根源。これが美術学校なら阿部はデッサンから始めろと言われるであろう。

当家がそう言っているのではない。
対局室で阿部がそう言いたげに腕組みしている。
羽生は封印をしてすぐに退席。森内は阿部と対局室に残っている。
森内「どう？」
阿部「俺が今度名人戦で教えてやる」
森内「待ってます」

羽生の王手で封じるとは実に明解な進行。
王手なので合い駒か逃げるかしかない。
28歩か61玉。
28歩は同龍なら利かしだが同馬変化は開き王手が残るとヒフミン。これまた明解な解説。

先手：ヒフミン
後手：ヒフミン

▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽８四歩 ▲２五歩 ▽８五歩
▲７八金 ▽３二金 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽８六歩
▲同　歩 ▽同　飛 ▲３四飛 ▽３三角 ▲３六飛 ▽２二銀
▲５八玉 ▽４一玉 ▲８七歩 ▽８五飛 ▲２六飛 ▽６二銀
▲３六歩 ▽５一金 ▲３八銀 ▽７四歩 ▲３五歩 ▽同　飛
▲３三角成 ▽同　桂 ▲４六角 ▽２五歩 ▲１六飛 ▽３四飛
▲３五歩 ▽４四飛 ▲９一角成 ▽７三桂 ▲７五歩 ▽８八歩
▲同　銀 ▽２八角 ▲７七桂 ▽１九角成 ▲３七桂 ▽４五桂
▲４六香 ▽３七桂不成▲４四香 ▽４九桂成 ▲同　銀 ▽２六金
▲２一飛 ▽３一歩 ▲３四桂 ▽３三銀 ▲２三歩 ▽１六金
▲２二歩成 ▽１八飛 ▲６九玉 ▽投了

63手で先手の勝ち

二人とも突然ホイホイ指している。
この局面は偶数番。先手が69玉と逃げて後手が76桂と打つとまた後手が奇数番を得る構造。

ヒフミンは55手めは21飛車と打つべきだと言っている。
24桂変化は順位戦手順の18飛を手抜きできない為。
そんなことを言っても始まらない。Ｂ1将棋で森内は阿部に友情を示している。阿部を出してやれと棋譜で強引に主張しているのであった。
こうなると修正手順の48金も出すであろう。阿部は昨日ＮＨＫ杯で南が指したような28歩から敗着となった38金で負けにしたと述べるであろう。

これが後手が連動手の桂で獲得した駒アタリ奇数番3。
羽生は素直に遺産相続。

これで判明した。今日は阿部の友情出演を森内は演出している。
こうなると羽生も26金と打つ。名人戦がＢ級路線となってしまった。

53手めに成桂を取らないと54手め48金打で王手を喰らうではないかと慌てる必要はない。王手は追う手。まるで怖くない。

これは王手なのでダメ。先手が逆行偶数番を握らされる為。

まず何が駒アタリ奇数番3となるか考える。すると53手めに74歩とすればよいとひとめ。
これで後手が65桂とすると今度は馬のス抜きが成立し先手勝勢となる。
従って後手は74歩を手抜くしかない。

双方極めて素直に49手め46香打から37桂不成-44香-49桂成となった現局面は53手め。
後手は飛車を犠牲にする間駒アタリ奇数番3を連動手で奪った権利として桂と金を奪い二枚換えに成功する。そのツケはここで先手に手番を渡すこと。だから森内は考えている。
この局面はすでに駒アタリ奇数番3。ここで49銀と取ると偶数番で後手に手番を渡すことになる。
ポイントは65桂跳ねが双方馬のス抜きとなる二重駒アタリとなること。
これを後手が成立させる為には45桂打が有効。これは双頭手となる。
先手からすぐに65桂跳ねは同桂で11馬を取らせる1手で45桂打が後手に成立。先手からの65桂は次にないということ。
ではこの65地点を先手に有利な位相転換地点へ換算できるであろうか？

阿部がいい加減なので当家が厳密に分析する。
なぜ後手が駒アタリ奇数番3を簡単に奪取できたのか？
それは50手めの37桂不成が連動駒アタリとなる為。
一方飛車を取った51手めの44香は逆にマイナス連動駒アタリとなる。中原囲い最大の弱点である44地点で位相が入れ替わってしまったのであった。

さて49手めに46香しかないと断言しているのは阿部である。
「プロ的には46香しか考えられない」と阿部は控え室で豪語している。
そこを矢内が突っ込んで「でもソレで先月負けたんデショ？」と煽っている。
阿部の言い訳は「敗着はそのあとなんです」
当家はもっと明解に言う。46香とは駒アタリ奇数番3であると。
ところが54手め筋悪26金が後手が奪取した駒アタリ奇数番3となっている。
55手め24桂は深浦並の筋悪桂。しかしこれは王手なのでナンバー加算しない。

この46香はこれしかない。
1月=棋聖戦における木村
2月=順位戦における阿部
4月=名人戦における森内
の順に名前が換っただけ。産経は著作権を毎日に主張できない。
抜けた3月はウサギでもドラエモンでもかまわない。

羽生は結局48手め18馬ができずに45桂とした。
もともとは森内がキムカズに指した手。森内も苦笑しているであろう。

日時：2004.01.22
棋戦：第75期棋聖戦最終予選
戦型：横歩取り中座飛車　35歩同飛型
先手：木村一基七段
後手：森内俊之竜王

▲２六歩 ▽３四歩 ▲７六歩 ▽８四歩 ▲２五歩 ▽８五歩
▲７八金 ▽３二金 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽８六歩
▲同　歩 ▽同　飛 ▲３四飛 ▽３三角 ▲３六飛 ▽２二銀
▲８七歩 ▽８五飛 ▲２六飛 ▽４一玉 ▲５八玉 ▽６二銀
▲３六歩 ▽５一金 ▲３八銀 ▽７四歩 ▲３五歩 ▽同　飛
▲３三角成 ▽同　桂 ▲４六角 ▽２五歩 ▲１六飛 ▽３四飛
▲３五歩 ▽４四飛 ▲９一角成 ▽７三桂 ▲７五歩 ▽２八角
▲３七桂 ▽８八歩 ▲同　銀 ▽１九角成 ▲７七桂 ▽４五桂
▲４六香 ▽５七桂成 ▲同　玉 ▽５四飛 ▲５六歩 ▽７五歩
▲６六桂 ▽８四飛 ▲７四歩 ▽７六歩 ▲７三歩成 ▽７七歩成
▲同　銀 ▽６五桂 ▲４八玉 ▽７五香 ▲７六歩 ▽７七桂成
▲６二と ▽同　金 ▲７七金 ▽７六香 ▲同　金 ▽８七飛成
▲２四桂 ▽７六龍 ▲３二桂成 ▽同　玉 ▲３四銀 ▽７八龍
▲５八香 ▽５二銀 ▲５五馬 ▽４二金 ▲２二馬 ▽同　玉
▲２三銀打 ▽３一玉 ▲３三桂 ▽投了

87手で先手の勝ち

その翌月にはタカミチがマネしてＡ級昇級を果たしたデガラシ将棋。

48手め18馬変化の場合は46香で先手勝ち

MF変化1　56手め14香

▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽８四歩 ▲２五歩 ▽８五歩
▲７八金 ▽３二金 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽８六歩
▲同　歩 ▽同　飛 ▲３四飛 ▽３三角 ▲３六飛 ▽２二銀
▲５八玉 ▽４一玉 ▲８七歩 ▽８五飛 ▲２六飛 ▽６二銀
▲３六歩 ▽５一金 ▲３八銀 ▽７四歩 ▲３五歩 ▽同　飛
▲３三角成 ▽同　桂 ▲４六角 ▽２五歩 ▲１六飛 ▽３四飛
▲３五歩 ▽４四飛 ▲９一角成 ▽７三桂 ▲７五歩 ▽８八歩
▲同　銀 ▽２八角 ▲７七桂 ▽１九角成 ▲３七桂 ▽１八馬
▲４六香 ▽２四飛 ▲７四歩 ▽同　飛 ▲９二馬 ▽９四飛
▲７四歩 ▽１四香 ▲７三歩成 ▽同　銀 ▲４三香成 ▽１六香
▲３二成香 ▽同　玉 ▲６五馬 ▽５四香 ▲４四桂 ▽２三玉
▲１六歩 ▽４五桂 ▲３四金 ▽１二玉 ▲２四香 ▽５七桂成
▲６九玉 ▽投了

73手で先手の勝ち

コンセプト=飛車は見捨て香と交換。その香で玉を詰める。

中座飛車など先手必勝の結論がでていなくてはおかしいと教皇は2年前に言っている。しかし自分でソレを証明できなかった。そこで最先端である当家に依頼が来た。コイツをなんとかしてくれと。
もう分析はすでに終わっているので当家は「高飛車」は大嫌いと公言して憚らない。
だから今日の対局は32+Xとなる。

専門棋士はプロという言葉の本当の意味を知らない。
プロフェッショナルの短縮形と思い込み、プロとは「その道で喰えるか喰えないか」という意味としか思っていない。だから将棋という和の文化の中でこの言葉だけ西洋語であり、自分達に都合良く使ってしまうことになる。
プロとは「前方に」という方向性を示す前置詞。
その道の先端を歩むことを言う。プロという言葉には「喰えるか喰えないか」などという意味は全くない。

連盟棋士が「プロ」と言うときフロに聞こえる。
本日の副立会いの阿部は特にこの「プロ」と言う言葉に酔っている。
ヒフミンがプロと言うときには「後輩をなんとか喰わせてあげよう」と言う慈愛に満ちているが、阿部が言うときは自己陶酔にしか聞こえない。
連盟棋士は詐欺のプロ集団である。これは間違いない。

加藤一二三と当家の見解の違いは「中座飛車はなぜアマチュアに広まらないか」という疑問に対する回答。
教皇は「中座飛車は難解だからプロは好むがアマは嫌う」と言う。
これは誤解というより連盟棋士の思い込み。
中座飛車は当家の分析では余りに単純な構造の為にアホらしくて将棋愛好家は嫌っている。
教皇の思い込みは連盟の思い込みを代弁したものなので当家は断言しよう。
それは諸君らの単なる思い上がりであると。
こんなバカ単純な将棋でどこがプロなんだ？

加藤一二三は本当は当家同様怒っている。
特に湯河原温泉へ行ったＡ級三人は吊るし首にしなければならない。
酒飲んで温泉浸かって10秒将棋などで研究会を装う詐欺集団。
それで友好を深めて給料将棋を維持しようという志のかけらもない棋士たち。
しかしそれ以前に連盟将棋は堕落してしまった。
空砲だけの演習でもやらないことにはもっと質が墜ちてしまう。
羽生が今日考えたことは勝ち負けではなく「質を落としては恥」ということ。
横歩取りなら前局のようにボロ負けではなくなんとか1手違いになる。
羽生をここまで追いつめたのは周辺のメディアと連盟棋士自身であった。

ヒフミンが42歳で名人奪取した頃は「序盤はいい加減」と本人が告白している。「でも名局が多い」と付け足す。「序盤ですべて決まっては面白くない」と嘆く。
教皇のこの過激な発言をどう受け止めるべきか？
序盤の1手で2時間も大長考を繰り返して来た張本人が「序盤はいい加減」などと言うこと自体信じろと言う方が無理であろう。
教皇は「集団の研究発表はズルイ」と言いたい。
特にこの中座飛車はズルすぎると顔に書いてある。
で羽生は無頓着に先週の将棋のオトシマエを森内に要求している。
当家は桂を取られた時点でオシマイと断言するが羽生が「ンなことない」と言い張るなら明日は封じ手開封後即投了でもおかしくない。
そこで森内の今日の気まぐれに羽生は期待している。あと4時間以上もあるので森内は深浦手順を意地で避けるかもしれない。そこに勝機が生じる可能性に羽生は期待している。

羽生が手を変えるところは二箇所。馬の位置をそのままなら飛車の位置。それも森内が46香車を打った場合の話。
羽生の選択肢はふたつ。森内はひとつ。あとは初日の時間調整との兼ね合い。

昨年の名人戦第1局も後手の羽生は横歩取りでキムカズのマネ。
キムカズが森内を破った今日の戦形は先週羽生が深浦相手に試して負けた。
アレは練習局だったと言う羽生。
今日が本番。
だから羽生の扇子は「一歩千金」

羽生は35歩を見ている。
やがて頬を膨らませ大きくフーとため息。
西風の嘆き。

87歩同様躊躇ない。開始4手めで終わった対局。
あとはいかに繕うかという興味。二日もある。初日まだ1時間も経っていない。

これがかつての羽生の苦悩。今日は開き直り。

淡路「ビデオで早送りすると森内さんは動いていないのに羽生さんはチョコマカ動くんですわ」
ヒフミン「板チョコ？」
矢内「前局は早送りしないと見られなかったそうです」

淡路「大きな流れは1局で換る。偶数局が大事」
板倉「51金指しました」
当家「羽生は工夫なし」
阿部「ケレン味がないと？」
もう終わっている。

振り駒が念入りだったと念を押す山村記者。八百長疑惑を認めた。
山村「千日手模様はテレビ中継でも珍しいかと」

山村。その前に週間将棋、毎日観戦記、囲碁将棋ジャーナルの康光解説で羽生の敗着が96歩だったと断言した事実を冷静に受け止めろ。
96歩が敗着ならば棋界は羽生はいらないと言う発言と同義語。
その羽生を擁護したのが当家のみであった。
96歩は羽生の潜在意識が指した千日手への布石と当家は分析。

横歩取り2003-2004
32の変奏局
マシュダ一家分析

今月朝日オープンで二回も指された中座飛車。ハッキリ飽きた。

森内のかねてからの首尾一貫した主張。鋼鉄の意思。

自陣駒アタリ斥力解消発動

ヒフミン「横歩は誰でも取ります。取らないヒトもいます」
矢内「コバケンですね」
ヒフミン「33桂は私も指したことありますが少数派」
矢内「また33角ですが」
ヒフミン「飛車がどこに下がるか。私なら84飛。中座飛車は嫌い」

オタクラ「1年で森内さんと4回もタイトル戦であたってますけど」
ハブ「3回はアッチが挑戦者」
オタクラ「指したい戦形は？」
ハブ「流れ次第。流れを作るのはボク」
ヒフミン「傾向は広く深く」
マシュダ一家「今日の羽生は狭く浅く」

オタクラ「先手必勝？」
ウッチー「アンタ間違いが多すぎ。俺が後手と言ったろ」
オタクラ「村上と違って謝罪後にキチンと訂正しています」
ウッチー「名人戦は長帳場。コンディションが大切」
フヒミン「ゆとりがありますネ」

また横歩。羽生は負ける。

矢倉を受けない羽生。森内はすぐに26歩。

立ち会い淡路が静寂を破り第2局開始の合図。
森内はしばらく瞑想後76歩。見事な間合い。