004.04.11NHK杯 野月VSタカミチ 相掛り棒銀 
「駒アタリ偶数番原理」名人戦へ向けて
2004.04.12分析 マシュダ一家


2004.04.11NHK杯 野月VSタカミチ 森内解説の表裏 相掛り棒銀 
「駒アタリ偶数番原理」名人戦へ向けて
 
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 投稿者:マシュダ一家  04/04/12 Mon 06:08:51

「駒アタリ偶数番原理」=名人戦へ向けて

野月の相掛り棒銀。なぜ先手が相掛り十字架銀にしなかったのか?
解説森内の疑問でもあったが、それは後手の駒組の問題。

放映:2004.04.11
棋戦:第54回NHK杯1回戦
戦形:相掛り棒銀
先手:野月浩貴六段
後手:高橋道雄九段

▲2六歩 ▽8四歩 ▲2五歩 ▽8五歩 ▲7八金 ▽3二金
▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽2三歩 ▲2八飛 ▽8六歩
▲同 歩 ▽同 飛 ▲8七歩 ▽8四飛 ▲3八銀 ▽3四歩
▲2七銀 ▽3三角 ▲3六銀 ▽2二銀 ▲7六歩 ▽4一玉
▲1六歩 ▽1四歩 ▲6八玉 ▽6二銀 ▲5八金 ▽5二金
▲9六歩 ▽9四歩 ▲4六歩 ▽5四歩 ▲3三角成 ▽同 桂
▲8八銀 ▽5三銀 ▲7七銀 ▽4四歩 ▲7九玉 ▽8二飛
▲1七桂 ▽4三金右 ▲2五桂 ▽同 桂 ▲同 銀 ▽7四歩
▲1五歩 ▽同 歩 ▲1二歩 ▽同 香 ▲2一角 ▽1三香
▲2六桂 ▽3五歩 ▲1二角成 ▽1六歩 ▲3四桂 ▽1七歩成
▲2九飛 ▽3三銀 ▲1三馬 ▽3八角 ▲6九飛 ▽2七角成
▲3五馬 ▽1八歩 ▲4五歩 ▽1九歩成 ▲4四歩 ▽同銀右
▲4六馬 ▽5五銀 ▲4七馬 ▽7一香 ▲3六馬 ▽3八馬
▲4四歩 ▽同銀上 ▲4五歩 ▽5三銀 ▲5六歩 ▽同 馬
▲4七金 ▽3五歩 ▲5六金 ▽3六歩 ▲5五金 ▽4六角
▲8八玉 ▽5五角 ▲6六銀打 ▽3三角 ▲3六歩 ▽7五歩
▲同 歩 ▽7六歩 ▲同 銀 ▽6四桂 ▲6五銀左 ▽7七歩
▲同 金 ▽7六歩 ▲同 金 ▽同 桂 ▲同 銀 ▽7五香
▲8六香 ▽8四歩 ▲7五銀直 ▽8五歩 ▲7四桂 ▽5二飛
▲8五香 ▽7六金 ▲7七歩 ▽7五金 ▲同 銀 ▽9三桂
▲4四香 ▽同 銀 ▲同 歩 ▽同 角 ▲6一銀 ▽5一飛
▲6二金 ▽3四金 ▲同 銀 ▽7六桂 ▲9七玉 ▽8五桂
▲8六玉
133手にて先手勝ち


34手め54歩=疑問手
43手め17桂=無条件に桂交換できるので有効。
57手め12角成=悪手。解説森内指摘の34銀が継続手の常識。
76手め71香=好手。森内推薦の83香では74馬から63馬王手が早く▲42歩打が痛打。
78手め38馬=71香の連鎖。
この手が駒アタリ偶数番原理の裏技。
以下の構図
1相転移=攻防手71香で先手の馬の働きを殺す。逆行奇数番。
2相転化=71香の防戦側を引き立たせる為に角交換しない。
3相停滞=35歩。この位置で馬交換。これが相停滞領域にある駒アタリ偶数番2。
4相転換=90手めの46角の双頭手で玉筋確保。後手優勢。


78手め38馬を悪手と呼ぶなら下記局面で後手必勝の構図を作成していただきたい。
▲2六歩 ▽8四歩 ▲2五歩 ▽8五歩 ▲7八金 ▽3二金
▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽2三歩 ▲2八飛 ▽8六歩
▲同 歩 ▽同 飛 ▲8七歩 ▽8四飛 ▲3八銀 ▽3四歩
▲2七銀 ▽3三角 ▲3六銀 ▽2二銀 ▲7六歩 ▽4一玉
▲1六歩 ▽1四歩 ▲6八玉 ▽6二銀 ▲5八金 ▽5二金
▲9六歩 ▽9四歩 ▲4六歩 ▽5四歩 ▲3三角成 ▽同 桂
▲8八銀 ▽5三銀 ▲7七銀 ▽4四歩 ▲7九玉 ▽8二飛
▲1七桂 ▽4三金右 ▲2五桂 ▽同 桂 ▲同 銀 ▽7四歩
▲1五歩 ▽同 歩 ▲1二歩 ▽同 香 ▲2一角 ▽1三香
▲2六桂 ▽3五歩 ▲1二角成 ▽1六歩 ▲3四桂 ▽1七歩成
▲2九飛 ▽3三銀 ▲1三馬 ▽3八角 ▲6九飛 ▽2七角成
▲3五馬 ▽1八歩 ▲4五歩 ▽1九歩成 ▲4四歩 ▽同銀右
▲4六馬 ▽5五銀 ▲4七馬 ▽7一香 ▲3六馬 ▽同 馬
▲同 歩 ▽3四銀 ▲同 銀 ▽同 金 ▲3五香 ▽同 金
▲同 歩
上記85手めの局面以下後手は手番を使って必ず75歩が必要になる。その瞬間先手に手番が回ってしまう。そこで短時間将棋特有の寄せを背後に回す78手め38馬のカラメ筋が駒アタリ偶数番原理。これがマシュダ一家新作原理。秒読みの神様と異名を取る加藤一二三の裏技でもある。これを有効にするのが71香。駒アタリ偶数番予備の下層構造から71香の効能については「三浦の自己修復機能1-12」参照

本譜の角出を防ぐ71香とは先手の駒アタリ偶数番を奇数番に戻す逆行連動手。34+74を34のみにした。これが攻防手であるのは75歩駒アタリ予備に拍車をかけるため。駒アタリ予備が95+75の偶数番の為に単なる75歩は緩手。1段目に打つ逆行連動手の香打では羽生米長名人戦第5局の58手め61香。羽生が最も畏れたはずの手。これが実は駒アタリ偶数番原理と同じ。この手で羽生は狂い63手めの正解手を逃す。
米長は独特の勝負感からかつてこのような意味不明の手を指したが分析すると故意に偶数番を維持して相手にふたつある奇数番のうち間違ったナンバーを指させる手法。加藤一二三も二上相手ならば故意に行なう場合がある。マシュダ一家の最強駒アタリ奇数番原理に誤作動を発生させる新原理が今回披露する「駒アタリ偶数番原理」。
79手め44歩=案の定野月は誤作動。悪手連鎖。
以下先手の悪手連鎖と後手の攻めが続き109手めの局面を迎える。森内はここが勝負の分岐点と断言。同時収録で先週放映されたシーザーへのあてつけ。森内の判定は正しい。勝負所のシーザーの形成判断は曖昧だが森内は的確。森内は即座に76銀と取れなければ後手はおかしいと述べている。ここは飛車を見捨ててあの71香で76銀と取って▲8二香成 ▽7八金 ▲9七玉 ▽8五歩で先手投了してもよい。飛車打王手には51角や31歩の合いで凌げる。

羽生が森内に名人戦で勝機があるとすれば「駒アタリ偶数番原理」の活用。奇数番で正面から向かったのでは森内に勝ち目はない。
本局で92手めの66銀に解説森内は嫌悪を示した。このような手が連盟では「手厚い」と揶揄される。なぜ揶揄されるかというと、「駒アタリ偶数番2」の為。マシュダ一家新作理論ではこれを奇数番を奪取する逆行連動手として評価値を故意に与える。95手め36歩が駒アタリ奇数番1の執行ナンバー。この手を境に75地点の駒アタリ偶数番予備が作動開始する構図。通常は偶数番予備からの仕掛けは成立しない。タカミチも飛車を逃げて一挙に負けにした。名人戦ではこの焦点の75地点から地獄の読みが始める。