1991年第4期竜王戦全局分析シリーズ1 第1-第3局
谷川浩司 竜王VS森下卓 六段

第1局角換わり腰掛銀先後同型
自陣馬には三頭角
第2局前編 森下システム 不対称への意思
第2局後編 森下システム 37桂の弱点不明の棋譜 
第3局 前篇 相矢倉64角の意味 単数形か複数形か
第3局 後篇 相矢倉64角の意味2 第二双頭手53角への変身

分析マシュダ一家2003.11.18-19
 


第4期竜王戦分析3-2 第3局 後篇 相矢倉64角の意味2 第二双頭手53角への変身  No: 3344 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  03/11/19 Wed 13:15:06

31=88玉。ここで谷川は森下も22玉と2回目の正調ブランコ運動に参加すると思った。
32=85歩。森下は攻撃手を示す。この将棋は最初から「不対称への意思」から始まった。連盟棋士が言う現代矢倉とはそのようにして開拓されたのである。
連盟将棋では初手に76歩が圧倒的に多い。森下は現在の棋士がほとんど2手めに34歩とすることに整合性ある説明をしていない。我々はこの初手と2手めに関して「対称形か不対称形かの意思表示」と述べた。
後手が84歩を突いた手を先週の森内のように詰みに参戦させる2手めとして構築した矢倉こそ最先端の現代矢倉。我々が何度も実況&分析してきたように初手と2手めがすでに狙われている。
これは根本思想からして違う。同じ現代矢倉と呼ぶのはおかしいということである。唯一の共通は先手が飛車先不突き矢倉にすること。先手は初手以前の形、即ち28地点に最初から飛車が居る権利を故意に停滞させている。
これを何と呼ぼう?
将棋にはマイナスの領域からすでに意思が発生しているということである。ゲームが始まる前に戦略がある。連盟棋士はこのような構造を以下の言葉で広めた。
「研究会が仕事で実戦は集金」
このような言葉をつぶやくことは誰にでもある。これを広める者が棋士を八百長稼業に貶める。大山の最大の功績がヤクザから棋士を遠ざけたと言うのは皮肉であろう。連盟棋士自身がヤクザそのものになっただけである。
我々ならこう言う。
「軍事演習は買い物で実戦はない」
連盟棋士は給料を貰って生活している会社員である。だから家のローンも組める。出勤形態が少し違うだけで中味はフツーの会社員と同じ。将棋を戦争と比較したいならば、連盟棋士の生活とは現在の自衛隊と同じ。命をかけた軍人の戦いなど日本には戦後存在しない。
それでも命をかけた戦いを行なっていると言う連盟棋士は唐獅子牡丹を見せるヤクザと似ている。
だから村山が極端に脚色された。彼の死は恰好のカモフラージュであった。スーツのボタンにカモ。これが連盟棋士の正体である。
彼らは「マイナスの領域からすでに意思が発生している」ことをどう考えているのであろう?
将棋連盟とその周辺でよく聞く言葉が「意地を通す」。
ヤクザが仁義を通すと言うのと大差ない。
一方で企業戦士という言葉がある。既に死語であるが、現在の連盟棋士は感覚が一回り遅れているので最新流行と思っている。その典型が米長。彼は「連盟棋士は一丸となって戦う」と今日も豪語している。企業戦士たれと説教を垂れている。一方では米長研究会でいかに敵を殺すか集団で画策している。この矛盾に本人も嫌気がさして王将戦はボロ負けであった。昨日も森下に負けた。情けない。ヨの字も書けない。書けば思わずヨレヨレと書いてしまう。

何の話だったか?
そう。森下の85歩であった。
33=16歩。谷川は何を考えているのであろう?森下がUの特権を振りかざしたと言うのにここで悠長に端歩を突いている。
これが谷川の悪いクセ。昔の連盟が一番おいしいと心底思い込んでいる。32手めに森下が22玉としなかったことはおかしいと信じていたのであった。今年の王位戦でも谷川は同様のノスタルジックなポリシーをもっていた。だからこのブランコ前進が有効であると算段したのである。
我々はこのような手はひとめで緩手と断定する。森下は22玉としなかった。この16歩は31地点の玉に余りに遠いから緩手なのである。
34=22玉。不思議であろうか?
なぜ森下は谷川の緩手を容認したのか?
ここで我々は22玉など見ない。むしろ64角がすでに双頭手として認知されたと見る。森下がここで14歩としなかったからには谷川は当然15歩と位を確保したいはずである。ところがそれができない。64角に飛車が睨まれては17桂や26銀の進出が有り得ないからである。だから16歩そのものが緩手となる。
諸君らが不思議にみえるのは、その先の手で前の手が緩手になってしまうからである。これをマシュダ一家用語で逆行連動手と言う。もっと大きな枠組みでは逆行相転化と我々は呼んできた。いずれもそれに該当する用語を連盟棋士はもたない。相変らず「次の一手」だけを商売の手法にしている。
我々はこの2年間何度も同じ事を繰り返し述べてきた。将棋は逆行相がある為に逆転するゲームなのだと。
ところが彼らはいまだに「意地を通した」などと言う。
将棋に意地などない。意地で戦争されては困る。
35=26歩。谷川はここで初手から放棄したUの特権をほのめかす。これが壮大なツケ。延期に継ぐ延期で最後は消費税を2倍にするウルトラCを画策する政権与党と同じ手口。Uの特権は谷川風消費税にされた。
36=73銀。谷川はこれを見て頬を紙風船にする。
37=46銀。第二次世界大戦で唯一米国本土を直撃した風船爆弾のノリ。
38=75歩。後手が作成する駒アタリ奇数番1。
39=75同歩。駒アタリ奇数番1解消。
40=45歩。森下ディレイ炸裂。
41=37銀。退却する一手。
42=75角。歩損解消。
43=76歩。屈辱の歩打。
44=53角。第二双頭手実現。
45=46歩。歩切れでは戦えないと気がはやる。谷川や羽生は歩切れを極端に嫌う。1歩自陣に受ければどこかで必ずすぐに駒アタリ奇数番1を作成する。だから彼らが受けに1歩使う以前に駒アタリ奇数番予備がどこにあるか常に把握していないといけない。本局では46地点しかない。だから先手の読み筋はすべて後手に把握されてしまった。
以下は読まない。谷川の飛車は森下にチンピラ扱いされただけ。光の柱で銀に殺され恐らく谷川の棋士人生で最大の屈辱を味わったはずである。自らの看板の上で殺されたのだから。
この第3局のみならず第2局も森下矢倉の序盤は完璧に近い。第2局は谷川に煽られて自制心を失ってしまっただけ。
しかし我々は食い下がる。37桂とはなんだったのか?


第4期竜王戦分析3-1 第3局 前篇 相矢倉64角の意味 単数形か複数形か  No: 3341 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  03/11/19 Wed 10:54:31

開始日時:1991/11/13-14
棋戦:第4期竜王戦第3局
戦型:相矢倉37銀
先手:谷川浩司 竜王
後手:森下卓 六段

▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲7七銀 △6二銀
▲4八銀 △5四歩 ▲5六歩 △4二銀 ▲5八金右 △3二金
▲6六歩 △4一玉 ▲6七金 △7四歩 ▲7八金 △5二金
▲6九玉 △3三銀 ▲7九角 △3一角 ▲3六歩 △4四歩
▲3七銀 △6四角 ▲6八角 △4三金右 ▲7九玉 △3一玉
▲8八玉 △8五歩 ▲1六歩 △2二玉 ▲2六歩 △7三銀
▲4六銀 △7五歩 ▲同 歩 △4五歩 ▲3七銀 △7五角
▲7六歩 △5三角 ▲4六歩 △同 歩 ▲同 銀 △4五歩
▲3七銀 △7四銀 ▲4八飛 △6四歩 ▲4五飛 △6五歩
▲4七飛 △8六歩 ▲同 歩 △7三桂 ▲4六角 △8三飛
▲4八銀 △4五歩 ▲2八角 △6六歩 ▲同 金 △6五銀
▲5七銀 △8五歩 ▲6七金引 △5五歩 ▲同 角 △2六角
▲4八歩 △5四銀 ▲2八角 △6五桂 ▲6六銀右 △7七桂成
▲同金寄 △4六銀 ▲1七角 △4七銀不成▲2六角 △5六銀成
▲7四角 △6六成銀 ▲8三角成 △7七成銀 ▲同 玉 △6九飛
▲2四歩 △6六銀 ▲8八玉 △7七歩 ▲2三歩成 △同 玉
▲1五桂 △1二玉 ▲5六馬 △8六歩 ▲8二飛 △7八歩成
▲同 馬 △8七金

まで104手で後手の勝ち


25=谷川は37銀。森下システムのように先に68角はしない。家元に反発した場合どう咎めるのか聞いている。古い酒のブランドへの自己主張と認知された組織的戦法の戦い。
26=この64角は前局の谷川64角とは違い駒アタリ奇数番1ではない。
ここで前局の整理をしよう。森下システムの68角に対する谷川の64角は双頭手から単一手へ逆行相転化した。複数形から単数形への相転化が何を意味するのか?
この問題を突き詰めると「責任の所在」をどう処置するかに行き着く。これは有史以来の人間の最重要課題でもあった。

この核心に触れる問題を提示する時に何から話を始めよう?
視聴率操作で最近話題となった日本テレビの「責任の所在」は昨日明らかになった。視聴率買収を行なったプロデューサー個人の責任としたのである。だから日本テレビ番組審議会に出入りする米長も嘘つきの片割れとなる。この場合日本テレビの経営陣は複数形であり、プロデューサー個人とは単数形である。
一方ニールセン吸収により完全に日本における視聴率調査を独占したビデオリサーチ社が、日本テレビを告訴した場合に問題は首脳部の責任を外部から問われる。それを畏れて複数形の首脳部は自主的に反省猿を演じたのであった。仮にビデオリサーチ社が日本テレビを告訴した場合、今度はビデオリサーチ社が独占禁止法違反に問われるかもしれない。広告効果に換算する視聴率はすべての市場に影響を及ぼす為である。戦後の日本人に最も影響を与えたのはテレビなのでね。将棋で言えば森下システムと藤井システムはNTSCとPALの両システムに匹敵する暫定的システム。日本は米国同様NTSC。

さて個人の責任を誇張する為に日本テレビ複数形首脳部は「プロデューサーがカネを返さなければ、詐欺罪で告訴する」と述べた。
これはかなり笑える。歴史は繰り返される。
我々は枠組みが全くおなじであることに興味を覚えるだけである。即ち「単数形か複数形か」
27=68角。ここで谷川は46角や46銀、或いは16歩や26歩、少しひねって53角とはしない。その換わりに一手分遅れた68角。遅れて謝罪する組織人であろうか?
謝罪の仕草は決まっている。コウベを垂れる。
これは組織の長を防護壁に誘う為の前奏曲。
なぜ谷川は森下システムのようにアウフタクトで導入しないのであろう?
神戸と頭は発音が違う。神戸は頭韻となる。アウフタクトを谷川は嫌う。
28=43金右。森下はここで31玉とせずに43金右とした。これは15手めに対応したブランコ後進となる。16手めに後手にはこの43金が物理的に実現できなかった。ここでそれを実現する。
これは43金という手を見てはいけなかった。64角を見なければいけない。前局で谷川が不利となったのは64角の双頭手が単一手になった為である。しかし森下はここですぐに31玉とはしない。だからこの時点では森下の64角はまだ双頭手を維持している。
29=79玉。
30=31玉。森下ならば「何はともあれ入城」と言うだけであろう。彼にもこの神秘が説明できないのでそう言うしかない。
この交換は明解なブランコ運動。指し手として先手と後手は対等に価値を交換している。先手の手に乗って後手がここでブランコ運動の原理を導入し得たことにより、実は26手めの64角が双頭手として解釈できる。日本テレビの首脳陣が自己責任を外部から問われずに複数形で処置した手法。これをWIR効果と言う。ルターの宗教改革分析時に登場した用語。しかし我々は紀元前に遡ってWIR効果に言及してきた。聖書を訳す時にも必ず突き当たる問題。バッハの場合にはそれを音楽に封印したが、我々は将棋でそれを行なおうと言うことである。


第4期竜王戦分析2-2 第2局後編 森下システム 37桂の弱点不明の棋譜  No: 3337 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  03/11/19 Wed 02:17:46

29手めの局面で後手が真っ先に思考することは37桂馬を逆襲できないかということであった。ところが35歩は同角で意味がない。この角筋を止める手段もない。逆に戦いが始まり後手の角筋が変われば25桂と一手で跳ねられてしまう。この桂馬が不気味であるのは地中の不発弾のようにすぐには咎められずいつ暴発するか予想つかないからであった。
暴発と言えば今日田村が順位戦で狂った。角換りで37銀からやるだけやって自爆死。37銀は手が見える。37桂はすぐには連動する筋が見えない。だから角換り腰掛け銀でも37桂。角換り腰掛け銀で37銀をやるつもりなら命を燃やす覚悟で望まないと結末は最初から見えている。矢倉では逆。37桂攻略に後手が命を燃やす。
30=31玉。しかし谷川は何もできなかった。谷川 はこのようなところでエネルギーを決して使わない。これは戦闘機を飛ばした後、燃料切れを心配する行為に等しい。我々はブランコ後進運動と呼んであげたいが、端歩のブランコ運動の必然に対して希薄な運動。それは64角という手が目的地の見えない哨戒機であったことを自ら宣告する手だからである。31玉とくれば、この64角は攻撃手としては37桂馬の連動手を誘発しただけであり、実態は玉移動の空間開放手でしかなかったことを敵に告げるだけ。
31-32=双方入城。これが素直なブランコ運動。すでに先手優勢である。37桂が玉を直撃する位置に待機しているのに対して、後手の攻撃手は朦朧としている。
33=26歩。ところがここで先手は飛車先不突き矢倉を放棄して26歩などとする。これは転向した思想家である。なぜ16歩と敵玉に迫らないのか?
34=85歩。Uの概念に照らせばこの交換は後手が得のはずである。これを振り飛車と考えてみればよい。後手の飛車は最初から82地点にいる為にたった2手で玉頭を脅かす駒アタリ奇数番予備を作成できる。これは後手番矢倉が先天的に有している特権。このような居飛車特有の権利をUの特権として角換り腰掛け銀でもその優秀性を我々は考察してきた。
35=38飛。なぜ先手はここでUの特権を二重に放棄して2手も費やせるのか?これもすべて後手の64角という2階級特進の後遺症である。ここで後手は愕然とする。自分の64角は先手の68角と言う得体のしれない手と全く同じ価値しかなかったと思い知ることになる。即ち68角も64角も実態は玉移動の為の空間開放手でしかなかったことになる。64角は双頭手であったはずだが、先手がUの特権を放棄したことで逆行連動手となったことになる。
双頭手を単一手に逆行させるこの手法を何と呼べば良いのであろう?

ここで告白しなければならない。今まで第1期から第3期までの竜王戦は一手ごとに我々は考察し、その思考法と連盟棋士の棋譜の食い違いを分析後に比較するのが最大の楽しみであった。ところが森下だけは違う。68角と37桂を森下がどのような結論で構築したのかを先に知りたくなってしまう。それほど洗練された精密機械であったということ。このような棋譜の読み方は森下システム以外にはない。森下システムは殺されたのではなく封印されたからであった。
地中深く眠る飛龍。それがこの38飛。

36=53銀。谷川がこの53銀に何の躊躇もないはずがない。これは73地点へ行くべき銀である。そうでなければ後手が二手も費やした85歩は先手の26歩と38飛と同じ意味しか顕在化し得ない。即ち手数に換算すると飛車先歩と飛車の働きは双方2手ずつで先手がブランコ後進運動を選択し、後手がこの53銀によってそれを認知したことになる。53銀とは次に73角と引く空間開放手から64銀と上がろうという行路を先手に見せている。2手も先手に与えれば25桂-33桂成が王手で成立してしまうほど悠長な展開はすでに有り得ない。それほど37桂とは過激な手であり、22玉とは危険な手であった。するとこの53銀は最初から受けるだけの銀でしかない。33銀が交換されても自陣を補填する為のパーツでしかない。
保管されたパーツというものは大抵倉庫で長年眠っている為にオイルなどが劣化している。いざ使う時には摩擦計数が違うために予想外の事故を引き起こす。銀という金属ならば腐蝕している。だから一度保管されたパーツを使用するときにはもう一度磨かないといけない。そのまま使えるパーツなど世の中に存在しない。少なくとも埃は落とす。
37=16歩。森下の深謀術策成功。我々ならば26歩の代りに真っ先にこの16歩を考察する。ところが森下システムにおいて53銀はスペアパーツ扱いにされた。だからここで16歩が間に合ってしまう。
38=14歩。このブランコは前進運動の先手が得。後手が歩を渡せば15歩の権利が先手に掌握されているからである。
39=46歩。なぜ先手はここで57銀としないのか?このような所は我々は決して指し手を展開しない。もし57銀とするとそれは明解に後手のスペアパーツと成り果てた53銀に対してブランコ後進運動となり、後手の辛抱を逆行相転化させてしまうからである。すでに1筋のブランコで利権を確保したのであとは後手が1歩を渡す行為を待てば良い。
無論何もしないで待つ行為は無に等しい。後手が何もしなければ、先手は次に45歩を突くと恫喝している。後手が次に73角などとすれば45歩と35歩の駒アタリ奇数番の連番を先手が獲得することになる。この連番は角換り腰掛け銀の鉄則でもあった。
40=55歩。だから谷川は待ちきれずに仕掛けた。自分から駒アタリ奇数番1を獲得しに行く。これを谷川将棋と呼ぶのは明治時代ならば盲目の乙女として詩の題材となったかもしれない。しかしここではすでに9筋の歩のブランコ運動が後手不利となる。ここで94歩ならば先手は96歩と玉の懐を広げて必勝体勢となる。後手にはこの端歩を咎める手段となる銀が倉庫行きとなり、桂馬もすぐに使えないからである。端歩が決定的となるほど先手の37桂には潜在力がある。
41=55同歩。ここで歩を取らずに他の手を思考することは無駄な長考休むに似たりと言う。人間には時間が限られているのでね。駒アタリ奇数番1を即時解消するのが羽生世代のシンプル思考。その教祖がこの森下である。もっともシンプルな展開から彼らは構築する。55同歩は先手に不利な後手の駒アタリ奇数番1を即時解消するだけでなく先手が最も欲しい歩を手順に入手しさらに後の先の手番を握れるために躊躇はない。
42=55同角。1歩を等価交換する為にここで手番を渡す谷川。自分でも無理していると思っているであろう。しかし後手はすでに動くしかなかった。
43=56金。なぜここで47銀ではいけないのであろう?待機している銀の出番のはず。56金は形を決めに行く強行手段。後手の形は強制できても48銀がスペアキー扱いとなる。
この局面は先手がデザインの主幹。森下がチーフデザイナーであることを谷川が認めて手を渡した局面。
ここは手が広く見える。65歩、47銀の全変化を確認したくなる。チーフデザイナーとしては荷が重い。残業しても仕事は終わらないかもしれない。そして森下の手許に最後に見えるのは「貴君をデザイン課主幹とする」という辞令。これだけは目に見えてハッキリしている。
そこで森下は瞬間的に最も相手に強制力を執行できる56金を選択した。谷川に有無を言わせない手となる。
森下は谷川の勝負術に乗せられたのであろうか?
ここで谷川に手番を渡すことを畏れたのである。
谷川ヴァイオレンスの脅威を前年見せつけられたのでね。
だからいきりたった。
46=84飛。森下が56金と指せばこうなる。
47=47銀。決めるだけ決めてここで47銀はおかしい。75歩となぜ攻めないのであろう?同歩-同金-54飛-65金-56飛ならばその時こそ47銀で飛車が死ぬ。75歩を放置すれば74金で飛車角取り。
そこで自分で考えるのが面倒な記者ならば森下に聞くであろう。
しかし棋譜に答えが全て書いてある。棋士は自己保身のためにお茶を濁す権利があるが、棋譜はすでに自己保身などできない。
棋譜にはこう書いてある。75歩ならば60手で千日手成立と。
これは谷川のメンツもあるので棋士が最も説明を避けたい局面。不倫恋愛のことをワイドショーで聞かれた者が「相手のこともありますので」と返答するようなものである。もともと観戦記者はワイドショー記者と大差ないのでね。根掘り葉掘り聞くところがソックリ。
さてこれですでに56金がおかしいと判明した。
48=64銀。別に我々は森下が狂ったと断定しているわけではない。谷川が指し手にそう書いたことを素直に読んだだけである。この64銀で敵の守備の金とスペアパーツの交換に成功したのは谷川。
以後は我々は見ない。無論観戦記なども毛頭見る気もしない。それほど彼らの棋譜というものは全てを語り尽くしている。棋譜が語り尽くせないことは彼らに聞いても答えられない。
我々が最も知りたい37桂の弱点についてこの棋譜では不明であることが判明した。


第4期竜王戦分析1 第2局前編 森下システム 不対称への意思  No: 3335 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  03/11/18 Tue 03:11:35

開始日時:1991/11/06-07
棋戦:第4期竜王戦第2局
戦型:相矢倉 森下システム
先手:森下卓 六段
後手:谷川浩司 竜王

▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲7七銀 △6二銀
▲5六歩 △5四歩 ▲4八銀 △4二銀 ▲5八金右 △3二金
▲6六歩 △4一玉 ▲6七金 △7四歩 ▲7八金 △5二金
▲6九玉 △3三銀 ▲7九角 △3一角 ▲3六歩 △4四歩
▲6八角 △4三金右 ▲7九玉 △6四角 ▲3七桂 △3一玉
▲8八玉 △2二玉 ▲2六歩 △8五歩 ▲3八飛 △5三銀
▲1六歩 △1四歩 ▲4六歩 △5五歩 ▲同 歩 △同 角
▲5六金 △7三角 ▲6五金 △8四飛 ▲4七銀 △6四銀
▲同 金 △同 角 ▲5八飛 △5四歩 ▲5六銀 △7五歩
▲同 歩 △同 角 ▲7六歩 △3一角 ▲2五桂 △2四銀
▲4五歩 △同 歩 ▲同 銀 △4四歩 ▲5六銀 △8六歩
▲同 銀 △6四角 ▲4六歩 △8二飛 ▲6七銀打 △7三桂
▲7五銀 △5三角 ▲9五角 △6二角 ▲7四銀 △7七歩
▲同 角 △6四金 ▲6五銀引 △同 金 ▲同 歩 △8五桂
▲6六角 △6九銀 ▲5九飛 △7八銀成 ▲同 玉 △7三角
▲5七銀 △6四歩 ▲同 歩 △同 角 ▲6五金 △7七歩
▲同 桂 △9七桂成 ▲6四金 △8七飛成 ▲6九玉 △8八龍
▲6八銀 △8七成桂 ▲5八玉 △7八金 ▲同 銀 △同成桂
▲6七金 △6九銀 ▲同 飛 △同成桂 ▲同 玉 △9九龍
▲5八玉 △5五香 ▲同 銀 △同 歩 ▲7九香 △2五銀
▲同 歩 △5六桂 ▲同 金 △同 歩 ▲4八銀 △2七飛
▲4七桂 △5七銀 ▲同銀右 △同歩成 ▲同 玉 △5五歩
▲7四角 △7三歩 ▲同 金 △6四金 ▲4八桂 △7四金
▲同 金 △2九角 ▲5八銀 △3八銀

まで142手で後手の勝ち

持将棋は1局と数える。だから本局は第2局となる。
25=68角。これが森下システムの顔であり今日まで指されている手。
26=43金右。なぜ森下自身が先週森内が羽生相手に持久戦だと思ったのであろう?森内はここで94歩のスズメ刺しを見せた。
ここで飛車先不突きと68角の関係について述べる。
飛車先不突きとは後手の2手め84歩に対して鏡像にはしないという意思である。その代りに68角とする。一方後手は32角とはしない。
これを一言で言えば鏡にしないということである。先手からこの主張が始まり後手がそれに最大限呼応した戦形がスズメ刺しであった。
27=79玉。不思議である。後手が本局の谷川のように43金としても、先週の森内のように14歩としてもなぜここで先手は79玉なのであろう?37銀ではいけないのであろうか?
森下システムではいけない。37銀は形を決めすぎる。それが先入観なのである。43金ならば71玉でよい。94歩に71玉はおかしい。しかし羽生は先週71玉とした。だからあれは森下システムの悪影響である。
28=64角。これが最初の駒アタリ奇数番1。
29=37桂。これが森下システムの尻。37地点にいきなり桂馬を跳ねるとは過激極まる。しかし感情的になってはいけない。構図は簡単。
これは飛車取りを防いだ双頭手のはず。「はず」などとマシュダ一家にしては珍しくあいまいな表現となった。
森下システムは難解である。我々にもこの桂馬がわからない。このような桂馬を可能にしているのが35地点を角が死守しているということ。
そしてもっと明かなことはこれが駒アタリ奇数番1を解消しているということ。
我々にとって何がわからないかと言うとこれが双頭手ではなくトリプル手としての解釈をするべきかどうかと言うことである。
森下システムは極めて優秀な戦法なので我々はトリプル手としての解釈を行ない、後手がいかにそれを反転させたかを明らかにするべきと考える。これほど優秀な戦法が廃れた理由を誰も論理的に説明しなかったからである。
この作業は荷が重い。
マシュダ一家三大理論だけではこれを説明しつくせない。だからこれを説明する為には第4理論が必要になる。 胃がいたくなる。
まず確実な論理構成の根拠を確認する。
29手めでトリプル手が成立したのは飛車先不突きと68角という中庸から溜められたエネルギーの発露がこの地点である為。それを促したのが64角。従って64角とはすでにバランスが崩れた手である。だからこの角が狙われることになる。29手めにして先手は作戦勝ちなのであった。
なぜ我々がそこまで断言するかというとこれらの将棋は極めて有限的な人間が作り上げてきたからである。
なぜ最強森下システムとまで呼ばれたのか?
それは後手の手作りが大変だからであった。先手はこの形に組み上がれば思考回路が極めてシンプル。エネルギーの燃費が良い。だから勝ちやすい。しかしそう言っては身も蓋もない。森下システムは軽自動車ではないからである。だから我々は胃を痛くしてしまう。

ブランコの原理を思い出してみよう。アレは散歩から始まった。
そこで今日は選挙を振り返ってみよう。
土井党首が落選した。象徴的である。憲法改正して戦争準備をしようじゃないかと言う国民の意思を象徴するような負け方である。
女は強くなりすぎた。
家に居場所がない男は戦地へ憧れる。だから戦争が始まるときは男が女にとことんゴミ扱いされてヤケクソになった時である。戦争が終わる時は息子まで戦死させてしまったことを女たちが悔やむ時である。
最近閑静な住宅街にも自衛隊の戦闘機が徘徊するようになった。ヘリコプターはおろかジェット機まで買い物に使っている。彼らはその使用目的を明らかにしたくない場合「買い物」と言う。奥さんが近所に買い物に行くように戦闘機を飛ばす。戦争で使用しているわけではないのでね。その代りに徐々に戦闘機の音を国民に植えつけて順応させる。
人間はこのような雑音でも順応すると聞きたくなる習性がある。
28手めの64角はそのような戦闘機。
人間は戦争なしではなぜ生きて行けないのであろう?
これは森下システム並に難問であるかに見える。こんなことを考えたら誰でも腹が痛くなるであろう。
このような時は国家の最大の枠組となる男女関係を直視するのがよい。
男女に均等に選挙権がある以前にこの世界はオスとメスという二分化から成立してしまったからである。
今月のNHKの将棋講座は不愉快であった。大介のことではない。そういえば大介は先週即詰みで島の玉が詰んでいるのに投了した。A級順位戦では名人挑戦前の羽生の対藤井戦がそれに近い。すでに大介も今年は名人挑戦は無理なので気を落とすことはない。島に貸しをつくったということであろう。羽生の場合は名人挑戦する気がなかったから問題なのであった。
さて不愉快なこととは針すなおの描く渡辺明の似顔絵である。NHK将棋講座テクストの11月号の表紙となった。この絵はハッキリオカマである。針すなおが渡辺明をオカマと誇張したいのはどうでもよい。それをNHKが毎週毎週テレビで見せることに不快を感じる。毎週毎週みると民衆は洗脳される。全国民の2パーセントはすでに渡辺明がオカマと思ってしまったはずである。NHKはなぜ渡辺明が嫌いなのであろう?
王座戦であれだけの活躍を示したのに囲碁将棋ジャーナルにも出さない。
理由は簡単である。彼はまだ未成年の為に責任能力を認知されていないだけのことである。だから妻子をカタにタコトラに竜王戦を解説させたりする。鳩のように従順で、尚且つNHKに奴隷となった者しか出演させない。あのオカマの似顔絵は渡辺明への恫喝であった。
NHKでさえそうなのだから、税金を強制的にボッタクル国家などというものは恫喝オンリーで成立していることは至極当然である。何の苦労もせずに収入源が確保されているということは人間の本性を露骨に示す土壌となる。
デキアイの森下システムを組むのに苦労はいらない。37桂が露骨な本性に見えないであろうか?


第4期竜王戦分析1 第1局自陣馬には三頭角   No: 3333 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  03/11/18 Tue 00:33:48

開始日時:1991/10/23-24
棋戦:第4期竜王戦第1局
戦型:角換わり腰掛銀先後同型 51手め61角型
先手:谷川浩司 竜王
後手:森下卓 六段

▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △8五歩 ▲7七角 △3四歩
▲8八銀 △3二金 ▲7八金 △7七角成 ▲同 銀 △4二銀
▲3八銀 △7二銀 ▲4六歩 △6四歩 ▲4七銀 △6三銀
▲6六歩 △4四歩 ▲5八金 △5二金 ▲6八玉 △4一玉
▲7九玉 △3一玉 ▲3六歩 △7四歩 ▲5六銀 △5四銀
▲9六歩 △1四歩 ▲1六歩 △9四歩 ▲3七桂 △7三桂
▲2五歩 △3三銀 ▲4五歩 △同 歩 ▲3五歩 △4四銀
▲7五歩 △同 歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩
▲2八飛 △6三金 ▲6一角 △3五歩 ▲3四角成 △4三銀
▲2五馬 △5四角 ▲6七金右 △3三桂 ▲5八馬 △3四銀
▲2九飛 △9五歩 ▲同 歩 △7六歩 ▲同 金 △7五歩
▲同 金 △8六歩 ▲同 歩 △9八歩 ▲同 香 △同角成
▲7四歩 △3六歩 ▲7三歩成 △同 金 ▲7四歩 △6三金
▲2六桂 △3五銀直 ▲3四歩 △3七歩成 ▲3三歩成 △同 金
▲3四歩 △3二金 ▲5五桂 △5四金 ▲8八金 △9九馬
▲7八玉 △9二飛 ▲7三歩成 △3八と ▲6九飛 △8七歩
▲同 金 △9五飛 ▲7六馬 △8四桂 ▲9六歩 △7六桂
▲9五歩 △2五角 ▲4七歩 △2六銀 ▲6七玉 △8八歩
▲7六玉 △8九歩成 ▲8二飛 △3四角 ▲6三と △7四歩
▲同 金 △7三歩 ▲同 と △2二玉 ▲6三桂成 △3三玉
▲7五玉 △3六歩 ▲6四成桂 △同 金 ▲同 金 △5二桂
▲7四金 △2四玉 ▲8一飛成 △3七歩成 ▲9一龍 △3五玉
▲8四玉 △5四香 ▲4一龍 △4三金 ▲5二龍 △5六香
▲同 歩 △7八銀 ▲8八銀 △9八馬 ▲9九香 △8七馬
▲同 銀 △6九銀成 ▲9四歩 △9九と ▲8三玉 △3六玉
▲9三歩成 △4七玉

まで152手で持将棋


今日から第4期竜王戦を全局分析する。

12年前の森下。森下システムの猛威。
谷川が先手。角換り腰掛け銀となる。
38=先後同型。深浦。これを「鏡」と言う。貴様の昨日のNHK杯解説でその言葉は何度も誤用された。
鏡をどこに置くのか?
諸君らの使っている盤や駒ではどこに置いてもダメだとすぐにわかるであろう。マシュダ駒は駒自体が左右対称。
51=61角打。11地点を開放し11角打ちとする丸山定跡と何が違うのか?
駒アタリを作成するのが44地点か34地点かと言う違いと連盟棋士は言う。
我々はこの駒アタリのナンバーが新規か重複かと言う違いと考える。谷川の狙う34地点は重複している。これを二重駒アタリと言う。だから廃れた。 クドイのでね。
52=35歩。駒得しこれで森下は歩を三枚入手。これは2枚から1.5倍の価値増加ではない。三枚溜めるとボーナスポイントが加算される。森下の名言は「駒得は裏切らない」。これは彼の経験から来る。我々は経験を極力無視する。
53=34角成。これをカラ成りと言う。馬を作成すると駒の動きが増加する。しかし角は持ち駒としている場合価値が高い。従って森下は谷川の61角打によって自分はなにもしないで持ち駒の角に価値を与えたことになる。これを逆行連動手と言う。
そしてこの34角成は45地点に三重駒アタリを作成。やはりクドイ。
54=43銀。双頭手。三重駒アタリを解消する駒アタリ偶数番。
55=25馬。谷川はここに逃げるしかない。

56=54角打。トリプル手。これで逃げただけの馬に対抗。
トリプル手機能1=45地点を死守し三重駒アタリは完全に解消。
トリプル手機能2=76歩で銀を圧迫し飛車先歩の交換可能。
トリプル手機能3=46歩-36歩で桂馬を狙う。
ボーナスポイント=9筋の端攻め。98歩を狙う。歩得の効果。

57=67金右。受けただけの谷川。馬を作成した方針は徹底防戦。45地点を完封されたために谷川の攻めは1筋しかないが76歩が厳しすぎる。1筋より玉に近い争点だからである。我々は玉頭4度と表記。
47馬&26飛の形に誘導すれば76歩-同金から角を切って金と交換し36金は可能。しかしその形は有り得ない。
その変化になるためにはトリプル手機能3の46歩。以下26飛が46歩を食えるからである。
58=33桂。そこで先に馬の行き場所を聞く森下。森下はこの頃からすでに律儀である。これで初めて谷川らしい手を与えてしまう。
59=58馬。逃げただけの手に見えるがこれは空間開放手。逃げつつ25地点へ桂跳ねの空間作成。マイナス連動G効果と我々は呼ぶ。
無論ここは谷川の趣味に関わらず47馬はない。46歩と突かれて終わってしまう。だから筋悪金はただの幻想。
60=34銀。25桂跳ねの駒アタリ予備を消去。
61=29飛。谷川も若かった。作戦負けを自認するだけの手。これでは馬作成でも先手には面白みがない。後手にグランドデザインの決定権が完全譲渡された。後手は最悪持将棋の権利がある。だから51手め61角打は廃れた。
この将棋は持将棋となる。谷川がクドイ馬を作成したのが原因。