2002/03/24テレビ東京早指し選手権決勝
屋敷伸之VS丸山忠久
横歩取り55歩止め
騙されたおばけ屋敷
2002.3.24 マシュダ談話



「34/73桂馬まではいかがですか?」
「横歩取り55歩止め型の最新流行形。2月のA級順位戦での森内森下戦がバックボーン」
「あの対戦では35手目に37銀としましたが」
「その為に森下は53銀で対抗し、4筋で銀がお見合いしてショートした」
「35/66歩です」
「桂跳ね阻止&5筋の歩を交換させない指し方。屋敷は銀のお見合い拒否」
「勉強していると?」
「屋敷は中原相手にタイトル奪取した程。手慣れたもん」
「37/67銀」
「5筋を受けた手」
「39/37銀」
「67銀とバランス悪いかもしれん」
「40/65歩で封じ手です」
「丸山に完全に翻弄されたね。屋敷は舐められとる」
「46/57歩で王手です」
「早指し特有の手。48玉なら15角の王手飛車取り。68玉なら角交換から49角。同銀しかない」
「48/65桂馬と跳ねて銀取りです」
「ここで銀桂交換されたら終わり。逃げる一手」
「49/48金です!」
「こんな一方的な攻め筋が成立するわけない。丸山にだまされたね。これで丸山勝ち」
「なぜ銀を逃げなかったんですか?」
「早指しではプロはあそこで逃げる手は考えん。特に屋敷はそう。歩で叩かれてまた逃げる展開を直感的に嫌う。丸山は屋敷があそこで逃げないと知っているだけのこと。逃げていれば完全に丸山の切れ筋。屋敷がそこまで勉強していないと察した丸山の勝負手が功を奏した。端歩はどこかで突く余裕を見せんとね」
「57/68玉。つらい展開ですが」
「話しにならんな。これが決勝戦とは情けない」
「28飛車と角に当てて自陣飛車で頑張れませんか?」
「すでに屋敷は負けを覚悟してるから、そういう糞粘りはせん」
「絵にならないと?」
「三段リーグとは違う」
「プロは見せる将棋を指すということですね」
「それにしても丸山にいいようにあしらわれたね」
「63/63歩の叩きから64歩と攻めていますが?」
「桂馬二枚ただで取られてヤケクソ。まだ自陣飛車の方がましか」
「63歩の換りに54桂-53銀-62歩は?」
「そんな阿呆な解説は郷田しかせん。桂馬二枚取られた時点で子供の将棋になっとる」
「37銀が危険と?」
「67銀とのコンビネーションが悪い。先手はひとまず受ける展開。後手は桂馬跳ねて64歩ではすでに攻める以外ないが、所詮無理攻め。38手めの局面で後手は的確に受けられたら桂馬が傷。先手指せるはず。端歩さえ突いておけば75歩と先手が突く展開も有力」
80手目で屋敷投了。